令和2年度科研費獲得推進支援プロジェクト研究成果報告書
1.研究の概要 プロジェクト 名
イギリス・ロマン主義文学における知のネットワークと社会改革 プロジェクト
期間 令和2年7月9日〜令和3年3月31日
申請代表者
(所属等)
後藤 美映
(福岡教育大学 英語教育ユニット)
共同研究者
(所属等)
なし
取組方法・取 組実績の概要
1.取り組み方法
本プロジェクトは、令和2年度に応募する科研費基盤研究(C)に応募する研究課題を準備す るものである。そのための取り組み方法としては、ロマン主義詩人であるリィ・ハント、ジョ ン・キーツ、ウィリアム・ワーズワス等の詩作や散文、それに関わる当時の文芸批評誌等の第 一次資料と、研究図書や研究論文等の第二次資料についての文献収集を行い、それらの資料の 精読と具体的な考察を主眼とした。
2.取り組み実績の概要
(1)令和3年度科研費基盤研究(C)採択、研究課題「イギリス・ロマン主義文学における 知識と社会改革の意義」(課題番号21K00344)
(2)学会発表
①2020年9月開催予定であったKeats Bicentenary Conference 2020(キーツ生誕200 年記念国際学会、於 ロンドン、イギリス)での発表は、コロナ禍のため延長となり、
今後については未定のままである。
②2020年10月開催予定であった第46回イギリス・ロマン派学会シンポージアムでの司 会兼発表は、コロナ禍のため延期となり、2021年10月に実施予定となった。
(3)論文発表
①博士論文「ジョン・キーツの詩における革新の詩学」(博士(文学)、九州大学)
②「イギリス・ロマン主義文学における知識と改革の意義」(後藤 美映、『福岡教育大 学紀要』、2021年3月、第70号、第一分冊、19ページ〜26ページ)
研究成果の 概要
① 令和3年度科研費基盤研究(C)採択、研究課題「イギリス・ロマン主義文学における知識 と社会改革の意義」
本研究課題は、イギリス・ロマン主義文学が、一つの学問領域としての知識を表現するもの であり、その知識によって大衆を啓蒙し、社会改革の方途を追求する文学であったことを明ら かにするものである。
② 博士論文
本論文は、イギリス・ロマン主義時代の詩人、ジョン・キーツの詩が、18世紀末から19世 紀初頭の時代の歴史的政治的な文脈のもとで、いかに革新的な特質を包含するものであった かについて明らかにするものである。特に、キーツの詩的革新性は、当時正統と目された美 学的規範としての「趣味」を逸脱する、過剰ともいえる感覚的、身体的な詩的イメージにあ ることを解き明かし、19世紀中葉以降キーツに与えられた芸術のための芸術を謳う「美」の 詩人像を塗り替える、近代的革新性を旨とする新たな詩人像を呈示することを本論文の主眼 とする。
③ 「イギリス・ロマン主義文学における知識と改革の意義」
本論文は、イギリス・ロマン主義文学の革新性が、知識を通じて大衆を啓蒙し、社会改革を 企図する美学的試みにあったことを論じ、詩において体現された人間性についての知の体系は、
人間の共同体を統一し救済するための民主的な装置として機能すること明らかにした。
外部資金獲得申請及び研究成果の公表方法等について〔□(該当事項)にチェック方願います。〕
外部資金獲得 申請(予定)
☑️科学研究費補助金
□受託研究費
☑️その他
(三菱財団人文科学研究助成 )
研究成果の 公表方法
(予定)
☑️学会( 国内 ・ 国外 ):
☑️新聞・図書・雑誌論文等:
☑️その他:福岡教育大学紀要