2011 年度 上智大学経済学部経営学科 網倉ゼミナール
卒業論文
僕たちは何故 dig をやめられないのか
A0742144 吉村和弥 提出日 2012/01/15
僕たちは何故 dig をやめられないのか
目次
まえがき
1 節 何故アナログレコードを買うのか
1-1 何と比べてレコードは音質がいい?
1-2 アナログ音源とデジタル音源の音質
1-3 アナログ盤を買う目的とは
2 節 アナログ音源はエクスクルーシブな世界
2-1 デジタルでは手に入らない音源だらけ
2-2 4つ打ちアナログ市場にみるアンダーグラウンドな思想
3節 何故 dig をやめられないか
3-1 高い費用対効果と宝箱?
4節 まとめ
4-1 知りながら騙される人々
参考文献
まえがき
私が本格的にアナログレコードを買うようになったのは、大学入学後に二台のターンテーブル と DJ ミキサーを購入してからであった、そのころから今日に至るまで自室のコレクションの数も 日増しに増えていった。コンパクトディスクの方はというとターンテーブルの購入以降めっきり 買い求めることが少なくなり、先日ついに数百枚のコンパクトディスクを diskunion に売却した。
というのもアナログ音源に比べ、デジタル音源の音質や操作感、所有感に対してあまり満足と感 じなくなっていたからである。尚、ここでデジタル音源に対するアンチを表明しているわけでは なく、飽くまで個人的嗜好としてアナログ音源の方が好みであるという点に留意して頂きたい。
さて、diskunion だけに限らずともレコードショップで限られた資金の中でより多くの良質な 音源を求める際に重要なウェイトを占めるのが、丁寧に棚に陳列されているレコードではなく、
特価品として雑多にダンボールに詰め込まれ床に置かれた箱のコーナーである。その特価品の中 には時としてオンラインレコードデータベース上で数十倍もの値段で取引されている高額盤が眠 っていることもある。私自身も購入後は自宅で盤を聴いた後にオンラインレコードデータベース にログインし、盤を web 上のコレクションに加えるというのが日課となっている。本論文のタイ トルにあるような疑問の浮上はこの日々のルーティンワークにヒントがあった。
以下では何故レコードコレクターが dig(レコードを探すこと)をやめられないかを解き明かす ことを目的とし、考察をしていきたい。
1 節-何故アナログレコードを買うのか
1-1 何と比べてレコードは音質がいい?
「レコードは音が良い」、「良くわからないけど音質がいいらしい」。レコードという音楽媒 体についてどう思うか、という問いに対して得られる回答の多くはこれらである。ボリュームの 少ない意見としては「何となくかっこいい」という声もしばしば聞かれる。ともかく「レコード は音が良い」というのはどうやら人々の共通認識であるようだが、果たして本当にそうなのだろ うか。まず他の何と比較してレコードの音が良いと考えているかという問題であるが、日本レコ ード協会が公表している過去 12 年間のデータを見てみると、
レコード■ CD■ カセット■ その他■ ビデオ■
1999 2985 423757 17608
2000 1914 414052 17174
2001 1297 368626 15160
2002 697 328679 12972 968 14909
2003 580 315267 11733 807 32183
2004 894 302256 8999 531 34772
2005 306 301804 7425 418 43267
2006 248 290252 6665 476 49137
2007 324 260341 5557 594 51846
2008 212 242451 4586 498 55742
2009 102 210059 3777 391 59164
2010 105 206539 2866 369 46475
このデータから明らかであるように大方の人々はアナログレコードやカセットテープなどのア ナログ音源よりも、CD や音楽ビデオなどのデジタル音源で音楽を聴いている傾向がある。よって、
デジタル音源と比較してアナログ音源の方が「よくわからないけど音質が良いらしい」と思って いると推測が可能である。
1-2 アナログ音源とデジタル音源の音質
アナログ音源とデジタル音源の音質ではどちらが良いのか、という論争は今日でも音楽ファン の間でさかんに行われている議論の一つであるが、その議論の多くはそれぞれの音源の特性を最 大限に生かすことのできる再生環境が整っていることを前提に行われている。多くの一般的なリ スナーがこのような再生環境を持っていることは現実的には考えにくいが、デジタル、アナログ 音源がそれぞれの音質に与える特性を一覧にすると次のようになる。
アナログレコード CD
周波数 理論上 〜50KHz 〜20KHz
ノイズ あり なし
エネルギー感 優 劣 音のクリアさ 劣 優 低温の濃厚さ 劣 優
音の温かみ 優 劣
表から分かることとして、まずこの議論をする上で抽象的な尺度「音質がクリア」、「音の温 かみ」「濃厚な重低音」などが多く、レコードの方がサンプリング周波数の幅はく音色は良いが 広いがその分ノイズが入る。逆に CD では人間の可聴領域以上の周波数を意図的にカットしてい るためクリアな音が鳴るが本来そこに有るべき音を肌で感じられない、という抽象的な感覚・意 見によって議論は平行線をたどり、一概にどちらの方が音源として優れているかは重視する項目 によって優劣が変わってくるようである。よって、アナログ音源とデジタル音源の音質ではどち らが良いかという判断はここではできない。
1-3 アナログ盤を買う目的とは
1-2 で考察したようにアナログ音源とデジタル音源の音質の差に一般的な優劣をつけるのは難 しい。個々人の音質の嗜好における違いからアナログ、デジタルという選択の違いが生じるとい う説明もないではないが、 アナログレコードを購入している・ 買うレコードを選んでいる人に 対するレコードショップでの口頭調査によって彼らの共通点が見えてきた。
口頭質問の内容はシンプルなもので、「DJ ライブを行うことがありますか。」というものだっ た。私がこの調査を行ったのは、とりわけいわゆる4つ打ちと呼ばれるようなジャンルで私自身 がレコードショップや自宅以外でアナログレコードを目にする機会があるのはナイトクラブやバ ーなど、DJ によってアナログ音源がプレイされている現場であったからである。また CD を定期 的に購入している・レコードショップで CD を選んでいる人にも同様の口頭調査を行ってみた。
尚、今回の調査では音楽のジャンルという条件を一定にする為に4つ打ちクラブミュージック
(house, techno, disco-dub, dance-classic 等)やそれらのルーツとなっている音楽(soul, funk, disco, jazz, fusion 等)のコーナーにいた人々を対象に調査を行った。
調査結果は、アナログ音源派が 20 名中 16 人が「はい」と回答し、2 名が「経験したことがあ る」、CD 派が 20 名中 3 名が「はい」と答えた、というものであった。また、アナログ音源派で 定期的に DJ ライブを行う 16 人は「DJ ライブをするときはレコードでプレイしますか。」とい う問いに対してもやはり「はい」と回答した。またこの中にも DJ プレイをする際、稀に CD 等の
デジタル音源を使用することもある人もいた(2 名)が、やはり選曲リストはアナログ音源中心 であるという。
この時点において、どうやらアナログ音源を買い求める人は DJ ライブを目的として購入する傾 向があることが分かった。では何故 DJ ライブを行う際にはアナログ音源を利用するのであろう か?この疑問については2節で詳しく触れることことにする。
2 節-アナログ音源はエクスクルーシブな世界
2-1 デジタルでは手に入らない音源だらけ
第一節では、4つ打ちクラブミュージック周辺のアナログ音源を買う人は DJ ライブを行う傾向 があることは分かってきたが、それがアナログ音源でなければならない理由は分かっていない。
そこで2節では、DJ がセレクトする音源がアナログでなければならない理由を検証していきたい。
アナログレコードは場所もとり(一般的な CD のジャケットが縦 12.5cm 横 14cm であるの に対しアナログレコードのジャケットは 12inch 盤の場合でそれに少し余裕を持たせた縦 31cm 横 31cm である、7inch も同様に縦 18cm 横 18cm。)、盤が反ることや埃が溜まりやすく、
音を拾う針も摩耗が激しく、再生機器にも場所をとる。さらにコレクションが増えてくると探す のにも一苦労である。これらのデメリットを差し引いても DJ にはアナログでなければならない理 由があったのである。普段私がアナログ盤を買っていて感じる経験から、「4つ打ちクラブミュ ージック市場はアナログリリース中心のデジタルにエクスクルーシブな世界」である、という仮 説の下データを検証していきたい。
結論から言うと4つ打ちクラブミュージックのプロデューサーらがリリースする音源形式はデ ジタルよりもアナログリリースの方が多いある種排他的な性格をもっていることが分かった。以 下は主要な4つ打ちクラブミュージックプロデューサーがどのような音源形式でリリースをして いるかをまとめたデータである。
House 部門 18 アーティストについて
EP: 総リリース数 429、内アナログ音源のみでのリリース 360、デジタル音源のみでのリリース 17、両方共の音源でのリリース 52
LP: 総リリース数 107、内アナログ音源のみでのリリース 10、デジタル音源のみでのリリース 82、両方共の音源でのリリース 15
Techno, MInimal 部門 18 アーティストについて
EP: 総リリース数 368、内アナログ音源のみでのリリース 281、デジタル音源のみでのリリース 2、両方共の音源でのリリース 85
LP: 総リリース数 98、内アナログ音源のみでのリリース 4、デジタル音源のみでのリリース 54、
両方共の音源でのリリース 40
Disco-Dub 部門 18 アーティストについて
EP: 総リリース数 215、内アナログ音源のみでのリリース 204、デジタル音源のみでのリリース 3、両方共の音源でのリリース 8
LP: 総リリース数 60、内アナログ音源のみでのリリース 4、デジタル音源のみでのリリース 32、
両方共の音源でのリリース 24
結果から分かることとして、4つ打ちクラブミュージックの EP(シングル)リリースの大部分 ははアナログ音源で行われており、LP(アルバム)の多くはデジタル音源で発表されている。と はいえ、クラブミュージックのアーティストが発表するアルバムの 8〜9 割は mix アルバムと呼 ばれる、当該のアーティストがいくつもの音源(他者のものも含む)を DJ ミキサーを使用して音 源と他の音源を繋ぎ合わせたものであり、一般のシングルで発表された曲の集合体としてのアル バムとは性質を異にする。そのため、このジャンル周辺のアーティストのアルバムをいくらデジ タル音源で蒐集したところで、そのアーティストオリジナルの音源を網羅することは難しいと言 える。クラブミュージックを知りたければまずレコードプレーヤーを買うことから始めろ、と言 わんばかりのデータなのである。
プロデューサーらが何故このようなアナログ中心的な発表をするのかはこの音楽ジャンルの歴 史を学ぶことで見えてくるが、アナログレコードという衰退傾向の市場、4つ打ちクラブミュー ジックというニッチな市場に於いて、敢えてニッチな立場をとり、アンダーグラウンドなマナー を守り続けることで自らのアイデンティティーを確立し、コアなファンを獲得してきた経緯があ るから、と私は考える。
調査アーティスト一覧(順序不同)
House 部門
Moodymann, Timmy Regisford, Chez Damier, Ron Trent, Kez YM, DJ Nobu, Ricardo Miranda, Motor City Drum Ensemble, DJ Jus-Ed, Theo Parrish, Kyle Hall, Reel People, Kerri Chandler, Joey Negro, Pal Joey, Floating Points, Vakula
Techno, Minimal 部門
Carl Craig, UR, Masomenos, Derrick May, Kenny Larkin, Ben Klock, Akufen, Norm Talley, Basic Channel, Marcel Fengler, Marcel Dettmann, Surgeon, Ricardo Villalobos, Daniel Bell, Ritchie Hawtin, Jeff Mills, Tama Sumo, Delano Smith
Disco-Dub 部門
Prins Thomas, Lindstrom, Todd Terje, The Revenge, Mike Simonetti, Onur Engin, Max Essa, Idjut Boys, Ray Mang, Chicken Lips, Greg Wilson, Dr Dunks, Bjorn Torske, John Daly, Worst Friends, Kasper Bjorke, DJ Harvey
2-2 4つ打ちアナログ市場にみるアンダーグラウンドな思想
4つ打ちのクラブミュージック DJ に付加価値を与える根本的な要素は何だろうか。ピッチ合わ せや機材の扱い、各種機材のツマミの扱いなどは言わずもがな、やはりクラウド(観客)を踊ら せること、クラウドが知らない曲・新しい曲をプレイするということが少なくともサブカルチャ ー・アンダーグラウンドといった文脈で語られるようなこの音楽ジャンルに於いては重要である と私は考える。
この要素において4つ打ちクラブミュージックの 2-1 で明らかになったような、アナログ中心 のリリース、デジタルに対してエクスクルーシブな態度がアナログをプレイする DJ にとっては好 都合なのである。その理由は、クラブミュージックのレコードは当然と言えば当然だが、ナイト クラブでスピンされることを前提として製作されているため、クラウドが踊り易いようにリミッ クス(編曲)されたバージョンが加わっていて、さらにデジタル音源でそれらのリミックス集が 発表されることは少ないため、普段デジタル音源を聴いているリスナーが耳にする機会の少ない 音源でかつ DJ ユースな音源手に入れることができるからである。
デジタル全盛の時代に、DJ を行う人々がアナログ音源を買い求めるのにはこの排他的な世界及 びプロデューサーのアンダーグラウンド志向が背景にあったのである。
3節-何故 dig をやめられないか
3-1 高い費用対効果と宝箱?
2節で4つ打ちクラブミュージックの DJ はそれらのジャンルのアナログ盤を買うことで DJ と しての付加価値を得られることが分かった。その世界では DJ 達は dig り(レコード探し)続け なければならないということが示唆される。そしてレコード屋からレコード屋へと日々徘徊する その活動に合理性を獲得してしまったとき、もはや彼らは自らがたどってきた道を引き返すこと はできなくなってしまうのである。
4つ打ちクラブミュージックに限らずとも、新品レコードの売り値の相場は EP(シングル)な ら 1000〜1500 円、LP(アルバム)ならば 2000~3000 円といったところであり、コンパクト ディスクのそれと大差はない。限られた資金の中でより多くの良質な音源を求める際に重要なウ ェイトを占めるのが、丁寧に棚に陳列されているレコードではなく、特価品として雑多にダンボ ールに詰め込まれ床に置かれた箱のコーナーである。この箱を探索している際に、単にアナログ 盤を手に入れるという目的を通り越して、「その線では」金額的価値を持ったレコードと出会う 場合がある。digger がその活動を正当化できる瞬間である。
以下のタイトルはハウス、テクノ、及びそれらの音楽のルーツであるディスコ、ソウル、ダブ 等のレコードであるが、これらは used レコードであり、その中でも1枚 100 円と書かれ、店外 に雑多に置かれたダンボール箱から見つかった「お得な」タイトルである。
アーティスト名/ タイトル/ レーベル 最低売値/ 最高売値
X-102/ OBX-A/ Underground Resistance/€9.46/€14.99
Underground Resistance/ Fuel For The Fire- Attend The Riot/ Underground Resistance/€3.15/€20.00
Taylor Mcferrin/ Broken Vibes EP/ Rude./€16.99/€16.99 Silvetti/ Spring Rain/ Salsoul Records€3.94/€10.00
Leroy Hutson/ All Because Of You/ Sequel Records /€25.00/€25.00 Jeff Mills/ Java EP/ Purpose Maker/€2.50/€13.00
M500&3MB/ Jazz Is The Teacher/ Metroplex /€5.52/€35.00
Model 500/ Make Some Noise, Sound Of Stereo/ Metroplex /€20.00/€47.32 Model 500/ Sound Of Stereo, Off To Battle/ Metroplex /€11.88/€60.39 Model 500/ Play It Cool/ Metroplex /€15.77/€30.00
Model 500/ No UFOʼs/ Metroplex /€9.00/€24.49
Karma/ Karma 1/ Groove Attack Productions /€7.88/€35.00 Boo Williams/ Fruits Of The Spirit/ Three To Five /€70.98/€235.57 Suburban Knight/ Digital Warriors Episode 1/ Dark Print /€2.00/€11.99 Suburban Knight/ Digital Warriors Episode 2/ Dark Print /€7.00/€13.50 Glenn Underground Presents The Soul Survivors/ Get Down/ PAN /€/€
The Untouchables/ Strictly Rhythm Gold Series Part 4/ Strictly Rhythm /€2.00/€8.46 Patrice Rushen/ Forget Me Nots, Number One/ Mass Dance Classics /€3.15/€10.00 坂本龍一/ Merry Christmas Mr. Lawrence/ London Records /€30.00/€63.10
Freddie Hubbard/ Backlash/ Atlantic/€5.52/€12.00
最高売値と最低売値は discogs(※)参照 2012 年 1 月 14 日現在1ユーロは約 97 円
(※)discogs とは 2000 年にアメリカはポートランドで開始された、音源の参照、価格指標と なるマーケットプレイスでの音源の売買ができる巨大データベースであり、特にエレクトリック ミュージックに強い。
このデータから分かるように 100 円で購入したアナログ盤が discogs データベース上では数倍
〜数十倍で取引されているのである。もちろんここでは紹介していないが、買って損をする盤も ある。コレクター達はこの価格ベースの費用対効果が高い盤を見つけることで自らの活動に合理 性を持たせることがある。しかしこの合理性はコレクターがレコードを買うことの根本原因に寄 与する決定的な要因なのであろうか。
4節-まとめ
4-1 知りながら踊らされる人々 1節〜3節までで、
①アナログ音源を購入する人はどのような人々なのか?
→4つ打ちクラブミュージックにおいてアナログ音源を買う人の多くは DJ ライブを行う人々であ った。
②では何故4つ打ちクラブミュージック DJ ライブを行うにはデジタル音源ではなくアナログ音源 で行う必要があるのか?
→このジャンル独特のアンダーグラウンドなマナーからくるアナログ至上主義により、デジタル 音源での作品リリースがアナログ音源のそれに比べ極端に少ないため。
③DJ の付加価値はどのように測られているのか?
→技術力ももちろんのこと、観客が知らない曲や新しい曲をかける・持っていること。
④知らない曲や新しい曲を手に入れるにはどうするのか?
自らレコード店を物色して購入する。稀に高額な盤を安価で手に入れることができ、それはと きとして他者に対して自己の活動を正当化する指標となる。
という一連の流れでなぜアナログ盤を購入するのかという疑問に対して背景に存在するメカニズ ムに焦点を当てることで一つの回答を得ることはできた。しかし、そもそも何故彼らがその分野 に興味をもったのか、何故情熱を注ぎ込む対象がその分野であったのか、という根本的な問いに 対しては回答を得られなかった。
「興味を持つ対象は人それぞれだから」といえばそれまでかも知れない。その人にとっての宝 物は別の人にとってはただのガラクタかもしれない、しかし個人が持つ根本的な探求心は他者に よって歯止めがきくものでもない。特にサブカルチャーという文脈で語られる世界に価値を見出 す人々にとってはなおさらである。
今回の研究は特に4つ打ちクラブミュージックのレコードの世界及びそこにどっぷりと浸かる 人々を正当化させるメカニズムを解き明かしただけにすぎないかもしれない。しかしながらそれ を知らずに踊らされるということとは意味が違うと私は考える。なぜなら「他者が興味を持って いないことも知っている。その点において非合理的かもしれない。でもそれが好きだからこうい う風に正当化するしかない」という開き直りを可能にする理解だからである。
参考文献, 参考 URL
野田努 ブラック・マシーン・ミュージック 河出書房新社
discogs http://www.discogs.com/
amazon http://www.amazon.com/
resident advisor http://www.residentadvisor.net/feature.aspx?1166
協力:diskunion 各店舗