検討の観点と特色
発 行 者 の 番 号 ・ 略 称
教 科 書 の 記 号 ・ 番 号
教 科 書 名 発 行 者 名
17 教出 国総 342 国 語 総 合 教育出版株式会社
項目 観点 特色等
1
内容の選択 学習指導要領,教科の 目標を達成するために 必要な教材● 教育基本法・学習指導要領の目標を押さえ,学習指導要領に示 された学習項目を網羅し,偏りなく構成されている。
● 現代文編,古文編,漢文編に分かれており,いずれの領域も「国 語総合」の学習事項を獲得するために十分な教材数である。
2
内容の程度 基礎的・基本的事項の 理解や習得のための配 慮● 文・語句レベルの設問が脚注に,より深い作品理解のための設 問が手引きにおかれている。
● 古典領域においては,文法・句型についてコラムとして教材化 されている。
3
内容の組織・配 列・分量学習指導を有効に進め る た め の 組 織 ・ 配 列 ・ 分量
● 現代文領域では,評論は4単元 11 教材。文化論・言語論から 科学論・芸術論まで,多岐にわたるテーマが取り上げられている。
難易度も,評論構造の基礎を学ぶものから,生徒の思考力を育む 高度なものまでバランスよく配置されている。冒頭の随想教材 は,高校生活に希望をもって臨むことができる作品と,「伝え合 う」ということの大切さを再確認する作品である。小説は3単元 6教材。日本を代表する作家・作品を中心とし,3 本のコラム で,「文学」を味わうことの意味を意識できるよう工夫されてい る。表現教材は 10 本,現代文編末にまとめて掲載されており,
国語以外の学習でも活用できるよう工夫されている。
● 古文領域では,中学校での古典学習との連携を図り,高校生の 感覚に近い章段を厳選して,古文学習に慣れ親しむ態度を養う構 成である。他領域との関連も図られており,特に現代文領域との 関連を図った『羅城門』は効果的である。随筆・物語・和歌・日 記・紀行から 13 作品が採録してあり,幅広い時代・文種の 豊富な教材にふれることができる。文法学習のための「解釈のた めに」と「文法コラム」が段階的に設置されており,生徒の自学 自習にも役立つよう配慮されている。
● 漢文領域では,基礎的な訓読知識を身につける入門単元は,「漢 文を学ぶ」「訓読の基礎」「名言」に分けられており,ゆったりと 構成されている。古文領域と同様に,中学での古典学習との連携 が図られている。入門以外の単元では,故事・史伝・詩・文・思 想が取り上げられており,リード文や豊富な写真が,漢文で描か れた作品世界への興味関心を引き出すよう工夫されている。ま た,『論語』と関連する中野孝次の文は,古典を読む意味を確認 できる,評論としても優れた文章である。
4
創意工夫 学習意欲を高めるため の配慮,用語・記号の 取り上げ方および記述 の方法● 教材理解に必要な地図・説明図などの図版が,教材に密接して 掲載されており,授業で扱いやすいよう配慮されている。
● 付録では,古典の文法理解を助ける資料から「古典文学要覧」
まで,豊富に掲載されている。日本の色・服飾図など,ビジュア ルな資料も豊富である。
5
印刷・造本等 印刷の鮮明度,活字の 大きさ,行間,製本な ど● 紙質は白く,大きい活字を使用している。印刷は鮮明で,適所 にあるカラー図版も生徒の学習意欲を高める。表紙はコーティン グが施され,製本も堅牢である。
6
総合所見 ● 深い理解力と豊かな表現力の養成にふさわしい教材が精選されており,総合的な 国語の力を伸ばすことが意図されている。● 全般にわたってオーソドックスを基本としながら,普遍的な価値をもつ教材と新 鮮味のある教材がバランスよく配置されている。