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地球物理学(流体地球物理学分野)

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Academic year: 2024

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地球物理学(流体地球物理学分野)

(2020 年度春学期)

(2)

目次

0 気象学で用いる方程式系 1

1 ナビエ・ストークスの方程式 2

2 回転系における運動方程式 6

3 気圧座標 10

4 連続の式 14

5 熱力学方程式 20

6 プリミティブ方程式系 26

補遺1 静水圧平衡と地衡風平衡 27

補遺2 慣性振動と浮力振動 32

補遺3 連続の式 36

補遺4 乾燥静的エネルギー 37

7 渦度方程式 38

8 準地衡方程式系 46

9 傾圧不安定 55

(3)

1

0 気象学で用いる方程式系

気象学においては、大気の運動を記述するために、流体力学に基づいた、い くつかの方程式系が用いられる。

この授業の前半では、流体力学の考えかたの基礎を習得するとともに、温帯 低気圧のような比較的大きな空間スケールの現象を扱うために用いられる、プ リミティブ方程式系を中心に学ぶ。後半では、プリミティブ方程式系から準地 衡方程式系を導出し、温帯低気圧の発達の仕組みである傾圧不安定について学 習する。

非静水圧平衡・完全圧縮方程式系 (Non-hydrostatic elastic equations)

非弾性方程式系 (Anelastic equations)

ブシネスク方程式系 (Boussinesq equations)

プリミティブ方程式系 (Primitive equations)

準地衡方程式系 (Quasi-geostrophic equations)

静水圧平衡

地衡風平衡 音波除去

浅い運動

総観スケール 全球スケール 局地スケール

メソスケール

近似

(4)

1 ナビエ・ストークスの方程式

温度の高い水が上流から流れてくる状況を考えてみる。固定した観測点 にいる観測者からみると、

「水温の高い水が流れてくるので水温が上昇する」

と考えられる。一方、水流に乗って測定している観測者からみると、

「水温は時間変化しない」

と考えることができる。流体の運動を考えるときには、このような2種 類の時間変化を区別して取り扱う必要がある。

1.1 オイラー微分とラグランジュ微分

はじめに、あるスカラーの物理量a

(

x,y,z,t

)

の時間微分を考えてみる。流体力 学においては、オイラー微分(局所微分)(Eulerian derivative)とラグランジュ 微分(物質微分)(Lagrangian derivative)という2種類の時間微分があり、両 者を区別する必要がある。オイラー微分とは、空間のある一点にとどまって観 測した時間変化である。スカラーの物理量a

(

x,y,z,t

)

のオイラー微分は、偏微分 を用いて、 a

t

 と表わされる。

一方、ラグランジュ微分とは、流体の流れに乗って移動しながら観測した時 間変化である。流れに乗って移動する観測者が、ある時刻t

(

x,y,z

)

にいるとす

る 。 流 速 をu =

(

u,v,w

)

と す る と 、 微 小 な 時 間t 経 過 後 に は 、 観 測 者 は

(

x+ut,y+vt,z+wt

)

にいる。ゆえに、この観測者が観測する物理量a

(

x,y,z,t

)

は微小な時間t経過後には、a

(

x+ut,y+vt,z+wt,t+t

)

に変化している。し たがって、物理量a

(

x,y,z,t

)

のラグランジュ微分は、

a u ta za w ya v xa u

ta + •

= 

 + 

 + 

 + 

である。流体力学ではラグランジュ微分を

 +

  u t Dt

D (1)

と定義する。たとえば、物理量a

(

x,y,z,t

)

のラグランジュ微分は a Dt

D と表される。

オイラー微分とラグランジュ微分の違いは、u•という項の有無である。u• は移流項とよばれ、移流の効果を表している。

(5)

3

大気のような流体が運動するのは、流体に力がはたらくからである。流 体にはたらく力として、重力、気圧傾度力、粘性の3つを取り上げて、

方程式でどのように表現できるか考える。

1.2 流体にはたらく力

ここでは、微小な体積xyzの流体にはたらく力を考える。まず、重力(gravity force)は質量xyzに重力加速度ベクトルgをかけたものであるからgxyz と書ける。したがって、単位体積あたりにはたらく重力はgである。

次に、気圧傾度力(pressure gradient force)を考える。気圧傾度力は、気圧勾 配によって生じる力である。気圧(圧力)とは、流体の境界面に対して垂直に はたらく、単位面積あたりの力の大きさである。圧力は、−x方向の境界面に対 しては+x方向に、+x方向の境界面に対しては−x方向にはたらく。ここで圧力 px方向に一様であれば、流体にはたらく正味のx方向の力はゼロである。し かし、px方向に変化していれば、流体に正味の力がはたらく。

δx

δy δz

x z y

3次元空間の中で固定された微小な領域xyzにおいて、+x方向の境界面での 圧力をpp

2

+1 、−x方向の境界面での圧力をpp 2

−1 とする。境界面の面積は

z y

 だから、+x方向の境界面にはたらく力は ppyz

 

 +

− 2

1 、−x方向の境界

面にはたらく力は ppyz

 

 − 2

1 である。両者の和を計算すると、

z y p z y p p z y p

p       =−  

 

 −

 +

 

 +

− 2

1 2

1

となる。これを体積xyzで割ると、

x p z

y x

z y p

 =−

− となる。これが単位体積 あたりにはたらく気圧傾度力のx成分である。微小な体積を考えているので、微

(6)

分を用いて、気圧傾度力のx成分を p

x

−  と書くことができる。y方向、z方向

も考慮すれば、気圧傾度力は−pとなる。

さらに、粘性(viscosity)の効果を考える。粘性とは運動量の拡散(平滑化)で ある。熱伝導方程式において熱拡散の効果はk2Tと書かれた。これは、ある場 所の温度に比べて周囲の温度のほうが高いとき、その場所の温度が上昇するこ とを表している。運動量についても同様に考えることができる。たとえば、あ る場所におけるx方向の速度uに比べて周囲の速度のほうが大きいとき、粘性の 効果によって、その場所の速度uは大きくなるであろう。そこで、温度T の場合 と同じようにして、速度ux成分uに関して、粘性の効果を2uと書くこと ができる。y成分、z成分についても同じように考えれば、3次元の運動に関す る粘性の効果は2uと書くことができる。を粘性率と呼ぶことがある。

1.3 運動方程式

ニュートン力学の第 2 法則より、流体の運動量の時間変化は流体にはたらく 力の和に等しいから、

u p

g Dtu

D = − +2

 (2)

となる。両辺をで割って、粘性係数

 = とすると、

u p

g Dtu

D = − 1  +2

(3)

この方程式はナビエ・ストークスの方程式(Navier-Stokes equations)と呼ばれ、

流体力学における運動方程式である。

問1.1 水が+xの方向に5 m/sで流れている。上流(−xの方向)のほうが高温 であり、温度勾配 T

x

 は-0.2 K/m である。水じたいが加熱、冷却されること

はなく、断熱的であるとする。また、y方向、z方向には温度は一様である。こ のとき、 T

Dt

Du•TT

t

 の値をそれぞれ求めよ。

課題1.1 式(3)において、u=0で時間変化しないと仮定して、

z p

 を求めよ。た

だし、g =

(

0,0,−g

)

とする。u=0を仮定したことにより、uのラグランジュ微分

(7)

5

と粘性項を消去できることに注意せよ。

➢ この関係を静水圧平衡(hydrostatic balance)といい、鉛直方向の気圧傾度力 と重力がつりあった状態を表している。

問1.2 課題1.1の結果を用いて、地上付近で10 m上方へ移動したとき気圧が 何hPa 低下するか計算せよ。ただし空気の密度は1.2 kg/m3とする。また、重 力加速度gg=9.8 m/s2とする。

Referensi

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