• Tidak ada hasil yang ditemukan

平成29 年度 重点領域研究助成費 中間報告書

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2025

Membagikan "平成29 年度 重点領域研究助成費 中間報告書"

Copied!
2
0
0

Teks penuh

(1)

別記様式第5号

平成 29 年度 重点領域研究助成費 中間報告書

平成30年3月30日 報 告 者 学科名 栄養学科 職 名 教授 氏 名 山下 広美

研 究 課 題 加齢に伴う骨格筋の萎縮および生活習慣病の発症を予防する機能性食品に関する研究

研 究 組 織

氏 名 所 属 ・ 職 専 門 分 野 役 割 分 担 代 表 山下広美 保健福祉学部・教授 食品栄養学 研究総括

分 担 者

川上貴代 入江康至 綾部誠也 吉村征浩 丸田ひとみ 礒野千晶

保健福祉学部・教授 保健福祉学部・教授 情報工学部・准教授 保健福祉学部・助教 保健福祉学研究科 保健福祉学研究科

栄養学・栄養教育 栄養学・内科学 健康科学 食品生化学 博士後期課程 博士前期課程

動物組織の解析 代謝解析

骨格筋の性状解析 遺伝子解析

細胞培養および解析 動物実験

初年度の成果

酢酸の骨格筋における作用機序についてラット L6筋管細胞を用いて検討を行った結果 を示した。筋管細胞に酢酸を添加すると酢酸は速やかに細胞内に取り込まれ、細胞内の AMPレベルが増加した。それとともに添加した酢酸の濃度依存的にAMPKのリン酸化レ ベルが増加し活性化された。そのレベルは AMPK リン酸化阻害剤により抑制された。ま た、乳酸やクエン酸などの酸では活性化は生じなかった。酢酸添加により、GLUT4および ミオグロビンの遺伝子及びタンパク発現が上昇し、細胞による糖取り込みおよび脂肪蓄積 が抑制された。次に酢酸によるこれら遺伝子発現の増加がどのような機序で起こるのか検 討した。筋の分化に関わり、GLUT4およびミオグロビンの転写制御を担うとされる転写因

子MEF2Aの発現について解析した。その結果、酢酸の添加により、MEF2Aの遺伝子およ

びタンパク質の発現が有意に増加し、AMPK阻害剤により発現が阻害された。酢酸により

MEF2A の細胞内局在も核外から核内に移行していた。さらに MEF2A により活性が増加

し、骨格筋における脂肪代謝に関与する転写共役因子 PGC-1αの発現上昇も確認され、

AMPK阻害剤により同様に阻害された。以上より、酢酸は代謝過程でAMPの増加を生じ させて、AMPKを活性化し、MEF2AならびにPGC-1αの活性化を介してGLUT4やミオグ ロビンの発現を上昇させ、その結果として糖取り込みの増加、ならびに脂肪代謝を促進さ せ、脂肪蓄積を抑制することが強く示唆された。

次ページに続く

(2)

調査研究の進 捗状況と今後 の推進方策

本研究では加齢による生理機能低下を予防する機能性成分を含む食品開発を目指し、1 年目の研究では、酢酸の骨格筋萎縮の予防作用のメカニズムを解明するために、骨格筋の モデルとなる培養細胞および実験動物を用いて、酢酸処理または酢酸摂取による骨格筋増 幅因子の動態を解析した。2年目の研究では、以下の研究を遂行し、加齢による生理機能 低下を予防する機能性食品開発を目指す。

短鎖脂肪酸をリガンドとする受容体であるGタンパク質共役型受容体(GProtein coupled receptor;GPCR)GPR41および43は、脂肪組織および免疫系組織に高発現するが骨格筋 や肝臓では発現しないと報告されてきた。しかしながら本研究室では最近、骨格筋で酢酸 により活性化されるGPR43の存在を認める結果を得た。GPR43は、リガンドの結合によ り活性化され、生体におけるエネルギー恒常性維持に関与することが報告されている

(Hara T. et al. Rev. Physiol. Biochem. Pharmacol. 164, 77-116(2013), Samuel B. et al., PNAS, 105, 16767-16772(2008))。酢酸により、骨格筋におけるGPR43を活性化することができ れば、高齢化に伴う筋肉の代謝低下を抑制することができると考えられる。そこで2年目 における研究では、以下の項目に焦点を絞り検討する。

(1) 酢酸による GPR43 活性化を介したエネルギー代謝調節作用とそのメカニズムを解明 するために、酢酸およびGPR43の既知のリガンドを筋管細胞に作用させ、GPR43活性 化の特徴である細胞内Ca2+濃度の増加を指標として検討を行う。

(2) また加齢による骨格筋のエネルギー代謝低下における GPR43 の関与について明らか にする目的で、酢酸および酢酸を含む機能性食品粉末を長期摂取した高齢動物における

GPR43発現動態ならびに骨格筋性状を検討する。

成果資料目録

1.丸田ひとみ、吉村征浩、荒木彩、高橋吉孝、山下広美、「加齢に伴うラット骨格筋にお ける生化学的変化に関する研究」、第71回日本栄養・食糧学会大会、2017年(平成29 年)5月20日(土)、沖縄コンベンションセンター(那覇市)

2.礒野千晶、近藤千尋、柾岡沙梨、丸田ひとみ、吉村征浩、伊東佳邦、花田恭孝、平澤久 紀、三宅剛史、山下広美、「瀬戸内海沿岸海域で養殖されたマガキの脂肪酸および遊離 アミノ酸含有量の季節変動」、第71回日本栄養・食糧学会大会、2017年(平成29年)

5月21日(日)、沖縄コンベンションセンター(那覇市)

3.礒野千晶、寺尾美貴、丸田ひとみ、三宅剛史、山下広美、「マガキ含有成分の機能性に 関する研究」、第50回日本栄養・食糧学会中国四国支部大会、平成29年11月11日

(土)-12日(日)、鳥取大学農学部(鳥取市)

Referensi

Dokumen terkait

研究実績 の概要 2.微小管径内でのマイクロカプセルスラリーの流動抵抗と熱伝達特性を把握する実験 装置の作成 探索したマイクロカプセルスラリーを 用いて細管内の流動抵抗と熱伝達特性を 測定するため,図2を基にした実験装置 の新規作成を行った.特に,流動・熱伝達 特性の把握には,スラリーの流動が不可 欠であることから,本助成費の備品とし

研究実績 の概要 そこで、本事業では、高齢化・過疎化が進行する岡山県の状況を踏まえて、地域を構 成する各セクターとの関わりに着目し、住み慣れた地域で暮らし続けるためには何が必 要なのか、災害に強い地域づくり、共生のユニバ-サルデザイン、国連持続可能な開発 目標SDGsを軸とする持続可能なコミュニティ創生と次世代の担い手育成の総合的な視 点か提案を行った。

研究実績 の概要 まず,モデル検査を⽤いてソフトウェアと要求仕様の整合性を⾃動判定するための⼿ 法を開発した.モデル検査は,システムを状態遷移グラフとしてモデル化して,その 網羅的探索に基づいてシステムが与えられた性質(検査式)を満たすか否かをアルゴ リズム的に判定する技術である.本研究では,UML のシーケンス図による⾞載組込み

研究実績 の概要 1.バグ報告の記述及びソースコードの表現方法が性能に及ぼす影響についての比較評価 ユーザが自然言語(日本語など)で記述したバグ報告から不具合の原因となるソースコ ードを自動で特定する技術は Bug Localization と呼ばれている.ソフトウェア工学では Bug

Yasmin Syauki, Miki Doi, Haruka Sakaue, Kenji Mizuguchi, Jun Ku nisawa, Yasuyuki Irie;Effects of Malted Rice Amazake on Consti pation Symptoms and Gut Microbiota in Children and Adults