最終 1 月 京大本番レベル模試 (2020 年 1 月 26 日実施)
採点基準 世界史
※ 以下の加点ポイントは目安です(加点ポイントは< >でくくり、得点として+1を付けている)。実際は個々 の答案の状況に応じて採点しています。
※ 学習の成果を少しでも拾いたいため、部分点はできるだけ与える方向で採点していますが、実際の入試では 同じ扱いとは限りません。完全な答案を目指して、しっかり復習しましょう!
Ⅰ 中国の近代化 (配点 20点)
※ 6行目に入っている答案を採点対象とする。
※ 15行目に入っていない答案は、加点ポイントを満たしていても満点にしない。(以上Ⅲも同)
※「太平天国の乱」・「義和団事件」・「辛亥革命」自体は,今回のテーマと異なるので加点しない。
<1 19世紀後半―洋務運動>
① 近代化の一環として,洋務運動が行われたこと…1点
② ①が行われたのは,19世紀後半であること…1点
※「アロー戦争後」,「太平天国の鎮圧後」「同治の中興時代」なども可
③ ①の中心人物は,曾国藩・李鴻章・左宗棠らであったこと…1点(何人書いても1点)
④ ③は,漢人官僚であったこと…1点
⑤ 西洋の産業や産業技術を導入したこと…1点
※「紡績・造船などの工場建設」,「鉄道敷設」「鉱山開発」なども可
⑥ 西洋の軍事や軍事技術を導入したこと…1点 ※「軍隊の近代化」,「洋式軍隊の新設」なども可
⑦ 政治制度や社会制度の変革を目指すものではなかったこと…1点 ※「富国強兵を目指すものであった」なども可
⑧ ①の姿勢は「中体西用」であったこと…1点 ※「精神面では儒教が重視されたこと」なども可
<2 19世紀末―戊戌の変法>
① 近代化の一環として,戊戌の変法が行われたこと…1点
② ①が行われたのは,19世紀末であること…1点 ※「日清戦争後」も可
③ ①の中心人物は,康有為・梁啓超らであったこと…1点(何人書いても1点)
④ ③は,儒学は改革を目指したものであるという考え方を主張したこと…1点 ※「③は,『公羊学派』であったこと」も可
⑤ 光緒帝が③を登用したこと…1点
⑥ 立憲君主政の樹立を目指したこと…1点
⑦ 日本の明治維新をモデルにしていたこと…1点
⑧ 保守派(西太后ら)のクーデタ(戊戌の政変)で失敗したこと…1点
<3 20世紀初頭―光緒新政>
① 清朝政府が,近代化の本格的な改革を開始したこと…1点 ※「光緒新政が行われた」も可
② ①が行われたのは20世紀初めであること…1点 ※「義和団事件後」なども可
③ ①は西太后が主導したこと…1点
④ 西太后は袁世凱らを登用したこと…1点
⑤ 立憲君主政の樹立を目指したこと…1点
⑥ ①の内容:科挙の廃止,憲法大綱発表,国会開設の約束,新軍の編制など…1点(いくつ書いても1点)
⑦ 革命運動が盛んになったこと…1点
※「中国同盟会の組織」などについて述べても可
<4 1910年代―新文化運動>
① 中国の知識人が近代化を目指して,新文化運動を起こしたこと…1点
② ①が行われたのは,1910年代であること…1点 ※「第一次世界大戦中」なども可
③ ①は,西洋思想の紹介・受容を目指したこと…1点 ※「儒教道徳を批判した」なども可
④ ①の中心人物は,陳独秀・胡適・魯迅・李大釗らであったこと…1点(何人書いても1点)
⑤ ①の中心が北京大学であったこと…1点
⑥ 『新青年』が刊行されたこと…1点
⑦ ⑥で西洋思想の紹介(儒教道徳の批判)が展開されたこと…1点
⑧ 白話(口語)文学を唱える文学革命(白話運動)が始まったこと…1点
⑨ 胡適が白話文学を提唱したこと…1点
※「魯迅が『狂人日記』や『阿Q正伝』を著したこと」なども可
⑩ 新文化運動でマルクス主義が紹介されたこと…1点
⑪ 李大釗がマルクス主義を紹介したこと…1点 ※「陳独秀が『新青年』を刊行したこと」なども可
※④は中心人物の名前を1人以上書いている場合に加点する。
※⑨は胡適または魯迅の事績を正しく書いている場合,⑪は李大釗または陳独秀の事績を正しく書いている場 合にそれぞれ加点する。
※「中国共産党の成立」は範囲外(1921年)なので加点しない。
<5 論理構成点>(=上記加点ポイントの他に、論理展開を意識している答案に与えるプラスアルファの点。
論述問題の解答は、単に歴史用語をつなげればいいというわけではないことを受験者に理解してほしいため に設けている。解答欄の右上欄外に,+1または+2を付けている。加点されない場合は数字なし。Ⅲも同)
① <1>~<4>がバランスよく書けていること(<3>は少なめでもよい)…1点
② <1>~<4>それぞれの時期の近代化や西洋思想について述べていること…1点
Ⅱ A 10~11世紀のイスラーム世界 B 江南地方の歴史 (配点 30点)
※ 漢字の誤りは不可
※ ひらがな表記は不可
※ b音をv音で表記しているものは不可
※ 空欄の後の語句を入れてしまった場合は許容(以上Ⅳも同)
A
b ベルベル人× 許容
(1) 回紇 可 ウイグル帝国,ウイグル人など 許容 (3) イブン=スィーナー 可 アビケンナ 許容 (5) アブドゥッラフマーン3世など 可
(6) イクター制度 許容 (7) カラ=ハン朝 可
(10) ガズニ朝 可
(11) ガーナのみ 不可
(13) ガッザーリー,アブー=ハーミド=ガザーリー 可
B
(17) 蕭統 可
(23) 占城米,チャンパー米など 可
Ⅲ ウィルソン大統領期のアメリカ外交 (配点 20点)
<1 第一次世界大戦までの外交>
① (アメリカ合衆国の)民主主義の正当性を説いたこと…1点
※「他国に導きを与える外交姿勢をとった」なども可
② ①は宣教師外交と呼ばれたこと…1点
③ カリブ海地域(ラテンアメリカ)への介入を行ったこと…1点
④ 革命中のメキシコに出兵したこと1点
⑤ パナマ運河を完成させたこと…1点
⑥ ⑥を運用したこと…1点
⑦ ハイチを保護国としたこと…1点
⑧ ドミニカを軍政下に置いたこと…1点
※⑤~⑧は第一次世界大戦中で書いてもよい。
※「反トラスト法の強化」など内政に関しては加点しない。
<2 第一次世界大戦中の外交-参戦前>
① はじめ第一次世界大戦には中立であったこと…1点
※「孤立主義(モンロー主義)をとって参戦しなかった」なども可
② 連合国(協商国)と経済的に協力したこと…1点
③ ルシタニア号事件によって対独感情が悪化したこと…1点
④ ドイツが無制限潜水艦作戦を発表したこと…1点
<3 第一次世界大戦中の外交-参戦後>
① Iの④によって第一次世界大戦に連合国(協商国)側で参戦したこと…1点
② ①の理由:民主主義救済の理念があったこと…1点
③ ロシア革命後の社会主義政権に対抗したこと…1点
④ レーニンが「平和に関する布告」を発表したこと…1点
⑤ 十四カ条(の平和原則)を発表したこと…1点
⑥ ⑤の内容:秘密外交の廃止,民族自決,軍備縮小,海洋の自由,関税障壁の撤廃,植民地問題の公平な解決,
国際平和機構の設立など…各1点(2点まで加点)
⑦ 対ソ干渉戦争を主導したこと…1点
<4 第一次世界大戦後の外交>
① パリ講和会議に参加したこと…1点
② ①で高い理想を掲げたこと…1点
③ ②に対して英仏が強硬姿勢をとったこと…1点
④ 国際連盟が設立されたこと…1点
⑤ 保守派(共和党)が孤立主義を主張(上院が条約批准を拒否)したこと…1点
⑥ ⑤によりアメリカ合衆国は国際連盟に不参加となったこと…1点
<V 論理構成点>
① <1>~<4>がバランスよく書けていること…1点
※<2>は少なめでもよい。
② 宣教師外交→第一次世界大戦において当初中立→第一次世界大戦に途中から参戦(大戦中に十四か条発表)
→国際連盟不参加の流れが明記されていること…1点
Ⅳ A ヴェネツィアの歴史 B パン=ヨーロッパ主義 (配点 30点) A
a アドリア海× 許容 (2) 2点満点
・人物:ピピン(小ピピン,ピピン3世) …1点
・理由:ローマ教皇によるカロリング朝創始の承認の返礼であること…1点
※「教皇の新王権支持に対する対価」なども可
※「教皇と癒着するため」など、文脈上明らかなことは不可 (4) コミューン 不可(イタリア語で問うているので)
(5)(イ) 銀の他,銅,毛織物,金属 可
(6) ジュゼッペ=マッツィーニ 可 (8) 1点満点
① オランダ独立戦争で都市が壊滅した(スペインに占領された)こと…1点 ※「スペイン領となった」は不可
(10) 1点満点
① 貿易の中心が地中海沿岸から(大西洋沿岸へ)移動したこと…1点
※「貿易の中心地がリスボン・セビリャ・アントウェルペン・アムステルダムなどに移った」なども可
(11) ロンバルディア同盟 不可
(12) 7週間戦争 可
B
b アリスティード=ブリアン 可
(14) ウルリッヒ=ツヴィングリ 可
(15) 2点満点
① セルビア人(の青年)が起こした事件であること…1点
② オーストリア帝位継承者夫妻(フランツ=フェルディナント夫妻)が暗殺されたこと…1点
③ オーストリアがセルビアに宣戦したこと…1点
(17) オズヴァルド=シュペングラー 可
(18) レフ=トロツキー 可
(19)(ア) レンテン=マルク 不可
(20) ウォールストリート 可
(21) (ア) 民族および国家の危機を除去するための法律 可
(イ) チェンバレンのみ 不可
(22) ズデーテン地方,ズデーテンラント 可
以上