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最終処分場高アルカリ浸出水の砕石層における炭酸中和

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Academic year: 2024

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最終処分場高アルカリ浸出水の砕石層における炭酸中和

11T7-017

河合 悠冴 指導教員 宮脇 健太郎

1.はじめに

一般廃棄物において、最終処分場へ搬入される埋立廃棄物の約

60%が、可燃ごみの焼却処理によって生じる焼却残渣 (焼却灰)である。焼却灰には、水酸化カルシウムが多く含まれており、その水酸化カルシウムが埋立地からの浸出水の

pH

化の原因と考えられている。浸出水を排出するには、排水基準を満たさなければならない。そこで、高

pH

の浸 出水を埋立地の集排水管近傍で空気に接触させ、二酸化炭素を溶け込ませるという自然の浄化作用による中和反応に着 目した。本研究では、埋立地において高

pH

の浸出水を排水基準まで低下させることのできる条件を把握するために、

コンテナに実規模の砕石を充填し、供給液を通過させ集排水管近傍を模擬した中和実験を行った。

2.実験方法

建設資材として用いられる砕石の粒径

50~150mm

程度の砕石を使用し、内径縦

80cm、横

56cm、高さ 48cm

のコンテナに砕石の高さ

30cm

になるように充填した。写真.1に大粒径砕

石コンテナの写真を示す。Ca(OH)2溶液として、純水に水酸化カルシウムを溶解し、各

pH (10.50,11.00,11.50)に調製した。模擬海水として純水 1L

に対し

NaCl27.3g,CaCl

2

0.113g,

KCl0.74g

を添加後、さらに水酸化カルシウムを添加し、pH11.00に調製した。調製した

Ca(OH)

2溶液、模擬海水と最終処分場の実浸出水(陸上、海面)を段階的(降雨量

50~800mm/

日換算)に変化させ、砕石層上部から滴下した。そして、pHの定常状態と考えられる時間に 砕石層下部から採水した。また、

30cm

砕石層で滴下した供給液を採水後、再び砕石層に滴下 した。これにより、砕石層の高さを

60cm,90cm

と仮定し同様に実験を行った。

3.結果・考察 3.1 pH

  図

1,2,3

に各流入量における供給液別の

pH

の関係を示す。Ca(OH)2溶液は流入量

100mm/日以下で、模擬海水は流

入量

200mm/日以下で十分な中和反応により、pH

の低下傾向が確認された。また、砕石層の充填層厚が多いほど

pH

低下傾向が確認された。しかし、排水基準を満たしている条件は流入量

50mm/日、100mm/日のみであった。この要因

としては、供給液と

CO

2との接触時間が短く、中和能が増加しなかったためと推測される。

3.2

無機炭素(IC)

4,5,6

に各流入量における供給液別の無機炭素(IC)の関係を示す。多くの供給液で流入量が減少するごとに

IC

度の増加が確認された。また、砕石層の充填層厚が多いほど空気中の

CO

2を多く取り込むため

IC

濃度も増加傾向に あった。流入量が少ないほど大気中の

CO

2との接触時間が長く、砕石表面の水膜も薄くなっているため、IC濃度も 増加したと推測される。

4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0

0 200 400 600 800 1000

pH

流入量(mm/)

pH10.50 pH11.00 pH11.50

4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0

0 100 200 300 400 500

pH

流入量(mm/)

30cm砕石層 60cm砕石層 90cm砕石層

8.0 9.0 10.0 11.0 12.0

0 200 400 600 800 1000

pH

流入量(mm/)

30cm砕石層 60cm砕石層 90cm砕石層

写真.1 大粒径砕石コンテナ

図.1 pH(Ca(OH)2溶液) 図.2 各砕石充填層厚別

pH (Ca(OH)

2溶液)

図.3 各砕石充填層厚別

pH

(模擬海水)

(2)

3.3 Ca

濃度

    図.7,8,9,10,11,12に

Ca(OH)

2溶液、模擬海水の

Ca

濃度を示す。各供給液は流入量に関わらず、Ca濃度はほぼ一定 となった。これは供給液に含まれていた

Ca

が溶存していたためだと確認された。しかし、模擬海水の流入量

50mm/

日では

Ca

スケールが溶出したため

Ca

濃度が高いと推測される。

3.4

酸消費量

図.13,14,15に

Ca(OH)

2溶液、模擬海水の酸消費量(pH8.3)を示す。Ca(OH)2溶液、模擬海水のいずれの条件でも流 入量が減少するにつれて酸消費量も減少傾向にあった。これはアルカリ分の消費量が多いことであり、炭酸による中 和が生じていることが確認された。

4.まとめ

 

pH

は流入量が減少するにつれて低下していき、中和能が高くなることが確認された。また、IC濃度は流入量が減少

するにつれて増加傾向にあり、CO2の吸収量が多いことが確認された。

これらの結果より流入量が少なく、CO2との接触時間が長いほど中和能が高くなることが確認された。

2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0

0 200 400 600 800 1000

IC(mg/L)

流入量(mm/)

pH10.50 pH11.00 pH11.50

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0

0 100 200 300 400 500

IC(mg/L)

流入量(mm/) 30cm砕石層

60cm砕石層 90cm砕石層

5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0

0 200 400 600 800 1000

IC(mg/L)

流入量(mm/)

30cm砕石層 60cm砕石層 90cm砕石層

0 15 30 45 60 75 90

0 200 400 600 800 1000

Ca濃度(mg/L)

流入量(mm/)

pH10.50 pH11.00 pH11.50

0 15 30 45 60 75 90

0 200 400 600 800 1000

Ca濃度(mg/L)

流入量(mm/)

pH10.50 pH11.00 pH11.50

5 10 15 20 25 30

0 100 200 300 400 500

Ca濃度(mg/L)

流入量(mm/)

30cm砕石層 60cm砕石層 90cm砕石層

5 10 15 20 25 30

0 100 200 300 400 500

Ca濃度(mg/L)

流入量(mm/)

30cm砕石層 60cm砕石層 90cm砕石層

60 80 100 120 140 160 180

0 200 400 600 800 1000

Ca濃度(mg/L)

流入量(mm/)

30cm砕石層 60cm砕石層 90cm砕石層

60 80 100 120 140 160 180

0 200 400 600 800 1000

Ca濃度(mg/L)

流入量(mm/)

30cm砕石層 60cm砕石層 90cm砕石層

0.00 0.40 0.80 1.20 1.60 2.00

0 200 400 600 800 1000

酸消費量pH8.3(mmol/L)

流入量(mm/) pH10.50

pH11.00 pH11.50

0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60

0 100 200 300 400 500

酸消費量pH8.3(mmol/L)

流入量(mm/) 30cm砕石層

60cm砕石層 90cm砕石層

0.00 0.30 0.60 0.90 1.20 1.50

0 200 400 600 800 1000

酸消費量pH8.3(mmol/L)

流入量(mm/)

30cm砕石層 60cm砕石層 90cm砕石層

図.4 IC(Ca(OH)2溶液) 図.5 各砕石充填層厚別

IC (Ca(OH)

2溶液)

図.6 各砕石充填層厚別

IC (模擬海水)

図.7 Ca濃度(Ca(OH)2溶液 全濃度) 図.8 Ca濃度(Ca(OH)2溶液 溶存態) 図.9各砕石充填層厚別

Ca

濃度

(Ca(OH)

2溶液 全濃度)

図.10 各砕石充填層厚別

Ca

濃度

(Ca(OH)

2溶液 溶存態)

図.11 各砕石充填層厚別

Ca

濃度

(模擬海水

全濃度)

図.12 各砕石充填層厚別

Ca

濃度

(模擬海水

溶存態)

図.13 酸消費量(Ca(OH)2溶液) 図.14 各砕石充填層厚別酸消費量

(Ca(OH)

2溶液)

図.15 各砕石充填層厚別酸消費量

(模擬海水)

Referensi

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