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民法の流れ図

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(1)

研究ノート

民法の流れ図

中 山 秀 登

はじめに

A 編と編との関係 B 章と章との関係 C 節と節との関係 D 款と款との関係 E 条文と条文との関係

F 条文(本号,第 3 編債権,第 2 章契約,第 8 節雇用から第14節和 解まで。2020年 4 月 1 日から施行された一部改正された民法 に対応して執筆した。)

むすび

凡例

流れ図については,寺田文行ほか編・高校数学解法事典,1205頁以下

(2)

 は,「判断の条件をかきこみ,それによって分岐する。」

本稿では,

         のばあいに,YはYesすなわち「はい」を表し,

      NはNoすなわち,「いいえ」を表す。

条文のなかの項は①②などと表す。注は,⑴⑵・・・などとして表す。

注のなかで,図をもちいて説明する。以下のように,図の意味を決める。

権利・義務の主体 = 人 =

権利・義務の客体 =

 人が,何かある権利を持っている,あるいは義務を負っているというば あい,人と権利・義務の客体は,線で結ばれている,と考える。そこで,

つぎのように表す。

  は,権利があることを表す。たとえば,債権。

  は,所有権があることを表す。所有権は,たとえて言えば,

綱である。

(3)

  制限物権の設定は,所有権の綱から,一本の糸を取り出すこ とを表す。左図で点線は,制限物権が取り出されている状態 を表す。

  は,占有権があることを表す。

  は,義務があることを表す。たとえば,債務。

  は,「売る」,「買う」などの意思表示などを表す。

登記   は,不動産にかんする物権の変動の対抗要件を表す。

引渡し   は,動産にかんする物権の譲渡の対抗要件を表す。

対抗要件を で表したのは,つぎのイメージによる。

中世ヨーロッパの騎士が,片手にもっていた盾のイメージである。相手 からの攻撃を防ぐ盾の形は,おおよそ逆三角形であった。そこで,逆三角 形の形で,対抗要件を表す。

(4)

第623条

⑴ 家事使用人等の雇用契約以外の雇用契約には,労働基準法等が適用さ れる。以下の注では,民法上の雇用契約として図解する。会社をA,就 職希望者をBとする。

雇用

 雇用は,当事者の一方が,相手方にたいし て労働に従事することを約し,相手方が,こ れにたいして,その報酬を与えることを約す ることによって,その効力を生ずる。 ⑴

「雇って」

「はい」

会社

就職希望者 A

労働者 使用者

債権 債務

債務 A

B 債権

(5)

第624条

第624条の 2

報酬の支払い時期

 労働者は,その約した労働を終わった後で なければ,報酬を請求することができない。

 期間によって定めた報酬は,その期間 を経過した後に,請求することができる。

履行の割合におうじた報酬請求権

 労働者は,つぎに掲げる場合には,すで にした履行の割合におうじて報酬を請求す ることができる。

一 使用者の責めに帰することができない 事由によって労働に従事することができ なくなったとき。

二 雇用が履行の中途で終了したとき。

(6)

になる。

「雇って」

「はい」

会社 A

労働者 就職希望者

使用者Aの責めに帰 することができない 事由によって,労働 に従事することがで きなくなった。また は,雇用が履行の中 途で終了した。

債権 債務 A

B 使用者

すでにした履行の割合に おうじた報酬の支払い

(7)

第625条

使用者の権利の譲渡の制限等

 使用者は,労働者の承諾を得なければ,

その権利を第三者に譲り渡すことができ ない。

 労働者が,前項の規定に違反して,第 三者を労働に従事させたときは,使用者 は,契約の解除をすることができる。

 労働者は,使用者の承諾を得なければ,

自己に代わって,第三者を労働に従事さ せることができない。

(8)

期間の定めのある雇用の解除権

 雇用の期間が 5 年を超え,または,

その終期が不確定であるときは,当事 者の一方は ,5 年を経過した後,いつ でも契約の解除をすることができる。

 前項の規定により,契約の解除をしようとす る者は,それが使用者であるときは 3 箇月前,

労働者であるときは 2 週間前に,その予告をし なければならない。

(9)

第627条

期間の定めのない雇用の解約の申入れ権

 当事者が,雇用の期間を定めなかった ときは,各当事者は,いつでも解約の申 入れをすることができる。この場合にお いて,雇用は,解約の申入れの日から 2 週間を経過することによって終了する。

  6 箇月以上の期間によって報酬を定め たばあいには,前項の解約の申入れは ,

3 箇月前にしなければならない。

 期間によって報酬を定めたばあいに は,使用者からの解約の申入れは,次期 以後について,することができる。ただ し,その解約の申入れは,当期の前半に しなければならない。

(10)

第629条

やむを得ない事由による雇用の解除権

 当事者が,雇用の期間を定めた場合であって も,やむを得ない事由があるときは,各当事者 は,ただちに契約の解除をすることができる。

この場合において,その事由が,当事者の一方 の過失によって生じたものであるときは,相手 方にたいして,損害賠償の責任を負う。

雇用の更新の推定等

 従前の雇用について,当事者が担保を供し ていたときは,その担保は,期間の満了に よって消滅する。ただし,身元保証金につい ては,この限りでない。

 雇用の期間が満了した後,労働者が,

引き続き,その労働に従事するばあいに おいて,使用者が,これを知りながら異 議を述べないときは,従前の雇用と同一 の条件で,さらに雇用をしたものと推定 する。この場合において,各当事者は,

第627条の規定により,解約の申入れを することができる。

(11)

第630条

第631条

雇用の解除の効力

 第620条(賃貸借の解除の効力)の 規定は,雇用について準用する。

使用者についての破産手続の開始による解約の申入れ権

 使用者が,破産手続開始の決定を受けたば あいには,雇用に期間の定めがあるときで あっても,労働者または破産管財人は,第 627条の規定により,解約の申入れをするこ とができる。この場合において,各当事者は,

相手方にたいし,解約によって生じた損害の 賠償を請求することができない。

(12)

第632条

⑴ たとえば,建築業者に建物を建ててもらう契約。請負人をA,注文者 をBとする。

請負

⑴  請負は,当事者の一方が,ある仕事を完成

することを約し,相手方が,その仕事の結果 にたいして,その報酬を支払うことを約する ことによって,その効力を生ずる。

「建物を建てて」

「はい」

注文者 請負人

債務 債権

債権 A

B 債務

(13)

第633条

第634条

報酬の支払い時期

 報酬は,仕事の目的物の引渡しと同時 に,支払わなければならない。ただし,

物の引渡しを要しないときは,第624条,

第 1 項(支払い時期は労働終了時)の規 定を準用する。

注文者が受ける利益の割合におうじた報酬請求権

⑴  つぎに掲げる場合において,請負人が,す

でにした仕事の結果のうち,可分な部分の給 付によって注文者が利益を受けるときは,そ の部分を仕事の完成と見なす。この場合にお いて,請負人は,注文者が受ける利益の割合 におうじて,報酬を請求することができる。

一 注文者の責めに帰することができない事 由によって,仕事を完成することができな くなったとき。

二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。

(14)

「建物を建てて」

本条 1 号 または

2 号のとき。

「はい」

注文者 請負契約

請負人

注文者

請負人

債務 債権

債権

債務

債権 A

B 債務

(15)

第635条 削除

第636条

請負人の担保責任の制限

⑴  請負人が種類または品質にかんして契約の内容 に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡した とき(その引渡しを要しない場合にあっては,仕 事が終了した時に仕事の目的物が種類または品質 にかんして契約の内容に適合しないとき)は,注 文者は,注文者の供した材料の性質または注文者 の与えた指図によって生じた不適合を理由とし て,履行の追完の請求,報酬の減額の請求,損害 賠償の請求および契約の解除をすることができな い。ただし,請負人が,その材料または指図が不 適当であることを知りながら告げなかったとき は,この限りでない。

(16)

「仕事を して」

「はい」

注文者 請負契約

請負人

債務 債権

債権 A

B 債務

権利 権利 権利

権利

義務 義務 義務

義務

民法636条 ただし書の ばあい。

(17)

第637条

目的物の種類または品質にかんする担保責任の期間の制限

 前項の規定は,仕事の目的物を注文者に引 き渡した時(その引渡しを要しない場合に あっては,仕事が終了した時)において,請 負人が同項の不適合を知り,または重大な過 失によって知らなかったときは,適用しない。

 前条,本文に規定する場合において,

注文者が,その不適合を知った時から , 1 年以内に,その旨を請負人に通知しな いときは,注文者は,その不適合を理由 として,履行の追完の請求,報酬の減額 の請求,損害賠償の請求および契約の解 除をすることができない。

(18)

の内容の不適合を知った時から 1 年以内に,その旨をAに通知したとき を図解する。

「仕事をして」

「はい」

注文者 請負契約

請負人

債務 債権

債権 A

B 債務

権利 権利 権利

権利

義務 義務 義務

義務

民法637条 1 項を反対 解釈したばあい。

(19)

第638条から第640条まで 削除

第641条

 注文者による契約の解除権

 請負人が仕事を完成しない間は,注文者 は,いつでも損害を賠償して,契約の解除 をすることができる。

(20)

注文者についての破産手続の開始による解除権

 第1項のばあいには,契約の解除によって 生じた損害の賠償は,破産管財人が契約の解 除をした場合における請負人にかぎり,請求 することができる。この場合において,請負 人は,その損害賠償について,破産財団の配 当に加入する。

 注文者が,破産手続開始の決定を受け たときは,請負人または破産管財人は,

契約の解除をすることができる。ただし,

請負人による契約の解除については,仕 事を完成した後は,この限りでない。

 前項に規定する場合において,請負人 は,すでにした仕事の報酬および,その 中に含まれていない費用について,破産 財団の配当に加入することができる。

(21)

第10節 委任 第643条

⑴ Bを「当事者の一方」すなわち委任者,Aを「相手方」すなわち受任 者とする。

委任

 委任は,当事者の一方が法律行為をする ことを相手方に委託し,相手方が,これを 承諾することによって,その効力を生ずる。 ⑴

「法律行為 をして」

「はい」

受任者

債権 A

B 債務

(22)

⑴ 「善良な管理者の注意」義務のことを,善管注意義務という。善管注 意義務について,沼正也博士は, 沼正也・民法の世界〔新版〕414頁 で,つぎのように述べられる。「されば,有体物たる特定物の保管につ いてはすでにして第四〇〇条にその規定があり,その無体物への展開が 第六四四条をなしているわけで,そのかぎりにおいてのみ委任に特殊に 化現されて規定されているものとみることができ,この注意を要しない 旨の特則をおかれている場合を除き,諸他の無体物の管理にも準用ない し類推適用されるべき規定として与えられているものという本質関係に 立つ(管理的側面における善管注意に対し,履行的側面におけるその表 現は『本旨ニ従ヒタル履行』(四一五条参照),この両者の統一次元が信 義誠実(一条二項参照)であるともいえよう。)。」

受任者の注意義務

 受任者は,委任の本旨に従い,善良な管 理者の注意をもって,委任事務を処理する

義務を負う。 ⑴

(23)

第644条の 2

復受任者の選任等

 代理権を付与する委任において,受任者が 代理権を有する復受任者を選任したときは,

復受任者は,委任者にたいして,その権限の 範囲内において,受任者と同一の権利を有し,

義務を負う。

 受任者は,委任者の許諾を得たとき,

または,やむを得ない事由があるとき でなければ,復受任者を選任すること ができない。

(24)

第646条

⑴ 受任者をA,委任者をBとする。沼正也・民法の世界〔新版〕414頁,

篠塚昭次・注釈民法⑵債権270頁以下を参照した。初めに,AがBから 代理権を与えられていない場合,つぎに,AがBから代理権を与えられ

受任者による報告義務

 受任者は,委任者の請求があるときは,

いつでも委任事務の処理の状況を報告し,

委任が終了した後は,遅滞なく,その経過 および結果を報告しなければならない。

受任者による受取物の引渡し義務等

 受任者は,委任者のために自己の名で取得 した権利を,委任者に移転しなければならな い。

⑴  受任者は,委任事務を処理するにあたっ

て受け取った金銭その他の物を委任者に 引き渡さなければならない。その収取し た果実についても,同様とする。

(25)

〔AがBから代理権を与えられていない場合〕

「民芸資料を 蒐集して」

A が債務 を履行。

委任契約

「はい」

「民芸品 を買う」

売買契約

「売る」

所有権

所有権 所有権

民芸品

委任者 受任者

債権 債務

C

民芸品

民芸品

(26)

占有権 所有権

「民芸資料を 蒐集して」

Aが債務 を履行。

委任

(代理権契約 付与)

「はい」

「Bのために 民芸品を

買う」 「売る」 民芸品

(委任者)本人 代理人

(受任者)

債権

ACの売買契約により,

Bは民芸品の所有権を 取得(民法99条)。

債務

占有権

占有権

所有権

所有権

C

民芸品

民芸品

(27)

第647条

受任者の金銭の消費についての責任

 受任者は,委任者に引き渡すべき金額また は,その利益のために用いるべき金額を自己 のために消費したときは,その消費した日,

以後の利息を支払わなければならない。この 場合において,なお損害があるときは,その 賠償の責任を負う。

(28)

受任者の報酬

 受任者は,特約がなければ,委任者に たいして,報酬を請求することができな い。

 受任者は,報酬を受けるべき場合には,

委任事務を履行した後でなければ,これ を請求することができない。ただし,期 間によって報酬を定めたときは,第624 条,第 2 項(支払い時期は約定期間経過 時)の規定を準用する。

 受任者は,つぎに掲げる場合には,すで にした履行の割合におうじて,報酬を請求 することができる。

一 委任者の責めに帰することができない 事由によって,委任事務の履行をするこ とができなくなったとき。

二 委任が履行の中途で終了したとき。

(29)

第648条の 2

第649条

成果等にたいする報酬

 委任事務の履行により得られる成果に たいして報酬を支払うことを約した場合 において,その成果が引渡しを要すると きは,報酬は,その成果の引渡しと同時に,

支払わなければならない。

 第634条(受ける利益の割合におうじた 報酬)の規定は,委任事務の履行により得 られる成果にたいして報酬を支払うことを 約した場合について準用する。

受任者の費用の前払い請求権

 委任事務を処理するについて費用を要す るときは,委任者は,受任者の請求により,

その前払をしなければならない。

(30)

受任者の費用等の償還請求権等

 受任者は,委任事務を処理するのに必 要と認められる費用を支出したときは,

委任者にたいし,その費用および支出の 日,以後における,その利息の償還を請 求することができる。

 受任者は,委任事務を処理するのに必 要と認められる債務を負担したときは,

委任者にたいし,自己に代わって,その 弁済をすることを請求することができ る。この場合において,その債務が弁済 期にないときは,委任者にたいし,相当 の担保を供させることができる。

 受任者は,委任事務を処理するため,自 己に過失なく損害を受けたときは,委任者 にたいし,その賠償を請求することができ る。

(31)

第651条

委任の解除権

 委任は,各当事者が,いつでも,その 解除をすることができる。

 前項の規定により委任の解除をした者は,

つぎに掲げる場合には,相手方の損害を賠償 しなければならない。ただし,やむを得ない 事由があったときは,この限りでない。

一 相手方に不利な時期に委任を解除したと き。

二 委任者が受任者の利益(もっぱら報酬を 得ることによるものを除く。)をも目的と する委任を解除したとき。

(32)

第653条

委任の解除の効力

 第620条(賃貸借の解除の効力)の規定 は,委任について準用する。

委任の終了事由

 委任は,つぎに掲げる事由によって終了する。

一 委任者または受任者の死亡

二 委任者または受任者が破産手続開始の決 定を受けたこと。

三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。

(33)

第654条

⑴ 受任者をA,委任者をBとする。

委任の終了後の処分

⑴  委任が終了した場合において,急迫の

事情があるときは,受任者または,その 相続人もしくは法定代理人は,委任者ま たは,その相続人もしくは法定代理人が 委任事務を処理することができるに至る まで,必要な処分をしなければならない。

「法律行為を して」

「はい」

委任契約 委任者

受任者

債権 債務

(34)

委任の終了の対抗要件

 委任の終了事由は,これを相手方に通知 したとき,または相手方が,これを知って いたときでなければ,これをもって,その 相手方に対抗することができない。 ⑴

(35)

⑴ 受任者をA,委任者をBとする。以下の図では,相手方を受任者Aと する。甲斐道太郎・口語債権法〔補訂 2 版〕384頁以下,遠藤厚之助・

基本法コンメンタール・債権各論Ⅰ契約208頁を参照した。

「法律行為をして。

報酬を支払う」

「報酬を支払え」(648条)

「費用を償還せよ」(650条)

Aへ通知 または B死亡により,

AB間の委任は 終了(653条)。

Cが相続。Cが AへB死亡を通知

「はい」

委任契約

委任者 受任者

債務 債権

債権

債務

(36)

準委任

 この節の規定は,法律行為でない 事務の委託について準用する。

(37)

第11節 寄託 第657条

寄託

⑴  寄託は,当事者の一方が,ある物を保管す

ることを相手方に委託し,相手方が,これを 承諾することによって,その効力を生ずる。

(38)

フロント係に,カバンを預ける契約。ホテルをA,預ける人をBとする。

「物を預かって」 契約は成立。

BがAへ物を 引き渡した。

Bがホテルでの結婚式に 参列している間,Bは物の 所有権を持っている。

AがBへ物を返還 した。

「はい」

ホテル

占有権

占有権

所有権

所有権

債権 債務

(39)

第657条の 2

寄託物の受取り前の寄託者による寄託の解除等

 寄託者は,受寄者が寄託物を受け取るまで,

契約の解除をすることができる。この場合に おいて,受寄者は,その契約の解除によって 損害を受けたときは,寄託者にたいし,その 賠償を請求することができる。

⑵  無報酬の受寄者は,寄託物を受け取るまで,

契約の解除をすることができる。ただし,書 面による寄託については,この限りでない。

 受寄者(無報酬で寄託を受けた場合に あっては,書面による寄託の受寄者に限 る。)は,寄託物を受け取るべき時期を経 過したにもかかわらず,寄託者が寄託物を 引き渡さない場合において,相当の期間を 定めて,その引渡しの催告をし,その期間 内に引渡しがないときは,契約の解除をす ることができる。

(40)

「物を預かって」 Aは寄託物を 受け取って いない。

Bが契約を 解除。Aが損害を 受けた。

「はい」

占有権 所有権

債権 債務

受寄者

寄託者

義務

権利

債務 債権

(41)

⑵ 有償寄託または書面による無償寄託のばあい。受寄者をA,寄託者を Bとする。有償寄託のばあいの報酬の支払いは省略した。

「物を預かって」

寄託物を受け 取るべき時期 を経過したに もかかわらず Bが寄託物を 引き渡さない。

「はい」

占有権 所有権

債権 債務

義務 権利

権利

(42)

第659条

寄託物の使用および第三者による保管

 受寄者は,寄託者の承諾を得なければ,寄 託物を使用することができない。

 受寄者は,寄託者の承諾を得たとき,また は,やむを得ない事由があるときでなければ,

寄託物を第三者に保管させることができな い。

 再受寄者は,寄託者にたいして,その権 限の範囲内において,受寄者と同一の権利 を有し,義務を負う。

無報酬の受寄者の注意義務

 無報酬の受寄者は,自己の財産にたいする のと同一の注意をもって,寄託物を保管する 義務を負う。

(43)

第660条

受寄者の通知義務等

 寄託物について権利を主張する第三者が,

受寄者にたいして訴えを提起し,または差押 え,仮差押え,もしくは仮処分をしたときは,

受寄者は,遅滞なく,その事実を寄託者に通 知しなければならない。ただし,寄託者が,

すでに,これを知っているときは,この限り でない。

 第三者が寄託物について権利を主張する場 合であっても,受寄者は,寄託者の指図がな いかぎり,寄託者にたいし,その寄託物を返 還しなければならない。ただし,受寄者が前 項の通知をしたばあい,または同項ただし書 の規定により,その通知を要しないばあいに おいて,その寄託物を,その第三者に引き渡 すべき旨を命ずる確定判決(確定判決と同一 の効力を有するものを含む。)があったとき であって,その第三者に,その寄託物を引き 渡したときは,この限りでない。

 受寄者は,前項の規定により,寄託者に

(44)

第662条

寄託者による損害賠償義務

 寄託者は,寄託物の性質または瑕疵によっ て生じた損害を受寄者に賠償しなければなら ない。ただし,寄託者が過失なく,その性質 もしくは瑕疵を知らなかったとき,または受 寄者が,これを知っていたときは,この限り でない。

寄託者による返還請求権等

 前項に規定する場合において,受寄者は,

寄託者が,その時期の前に返還を請求したこ とによって損害を受けたときは,寄託者にた いし,その賠償を請求することができる。

 当事者が,寄託物の返還の時期を定め たときであっても,寄託者は,いつでも,

その返還を請求することができる。

(45)

第663条

第664条

寄託物の返還の時期

 返還の時期の定めがあるときは,受寄者は,

やむを得ない事由がなければ,その期限前に 返還をすることができない。

 当事者が,寄託物の返還の時期を定 めなかったときは,受寄者は,いつで も,その返還をすることができる。

寄託物の返還の場所

 寄託物の返還は,その保管をすべき場所で しなければならない。ただし,受寄者が正当 な事由によって,その物を保管する場所を変 更したときは,その現在の場所で返還をする ことができる。

(46)

損害賠償および費用の償還の請求権についての期間の制限

 前項の損害賠償の請求権については、寄託 者が返還を受けた時から, 1 年を経過するま での間は,時効は,完成しない。

 寄託物の一部滅失または損傷によって 生じた損害の賠償および受寄者が支出し た費用の償還は,寄託者が返還を受けた 時から 1 年以内に請求しなければならな い。

(47)

⑴ 受寄者をA,寄託者をBとする。

「物を預かって」 契約は成立。

BがAへ物を 引渡した。

寄託物の一部滅失 または損傷によって 損害が生じた。

Aが費用を支出した。

Bが物の返還を受けた。

Bが物の返還を受けた時から 1 年以内。

「はい」

寄託者

受寄者

占有権

占有権

所有権

債務

債権

所有権

債務 債権

債権

債務

(48)

第665条の 2

委任の規定の準用

 第646条から第648条まで,第649条ならびに 第650条,第 1 項および第 2 項(受任者の権利 と義務・責任)の規定は,寄託について準用 する。

混合寄託

 複数の者が寄託した物の種類および品質が 同一であるばあいには,受寄者は,各寄託者 の承諾を得たときにかぎり,これらを混合し て保管することができる。

 前項の規定にもとづき,受寄者が複数の寄 託者からの寄託物を混合して保管したとき は,寄託者は,その寄託した物と同じ数量の 物の返還を請求することができる。

 前項に規定するばあいにおいて,寄託物 の一部が滅失したときは,寄託者は,混合 して保管されている総寄託物にたいする,

その寄託した物の割合におうじた数量の物 の返還を請求することができる。この場合

(49)

⑴ 寄託者B1,B2,B3が,50ずつの穀物を,受寄者Aへ,混合寄託す るばあい。高橋和之ほか・法律学小辞典・第 5 版458頁以下,潮見佳 男・民法(債権関係)改正法の概要331頁以下を参照した。

占有権 所有権

占有権

「混合して 保管する」

「はい」 債権

寄託物のうち 90が滅失。

残り60となった。

B1,B2,B3 は,

債務 寄託物

所有権

寄託物はB1,B2,B3 の共有。

50 50 50

B2

B1 B3

債務 債務

寄託物 20 20 20

B1 B2 B3

(50)

消費寄託

 受寄者が,契約により寄託物を消費するこ とができる場合には,受寄者は,寄託された 物と種類,品質および数量の同じ物をもって 返還しなければならない。

 第590条および第592条(貸主の引渡義務等・

借主の価額償還義務)の規定は,前項に規定 する場合について,準用する。

⑴  第591条,第 2 項 お よ び第 3 項(借主の 随時返還と損害賠償)の規定は,預金また は貯金に係る契約により金銭を寄託した場 合について準用する。

(51)

⑴ 預貯金契約のばあい。金融機関である受寄者をA,預金者である寄託 者をBとする。第 1 項の「寄託物」は,金銭である。潮見佳男・前掲 284頁以下,332頁以下を参照した。

「返還の時期を定めて

金銭を預かって」 BがAへ 金銭を 引渡した。

Aが返還の 時期の前に,

金銭をBへ 返還した。

Bが損害を 受けた。

「はい」

金銭

金銭 寄託者

(預金者)

(金融機関)

受寄者

占有権

所有権

占有権 所有権

債権 債務

債権 債務

(52)

第667条

組合

出資は,労務を,その目的とすることができる。

 組合契約は,各当事者が出資をして 共同の事業を営むことを約することに よって,その効力を生ずる。

(53)

⑴ 沼正也博士は,沼正也・民法の世界〔新版〕420頁で,つぎのように述 べられる。「ことの本質において契約とは,すでにして考察を了している ように,一つの事物をめぐってプラスの方向とマイナスの方向からする 複数当事者の意思の合致(例。売りと買い。)によって成立する法律行為 であり,一つの事物をめぐって同一方向において複数者の意思の合致に よって成立する法律行為からはげんに区別せられなければならないもの である。この同一方向において複数者の意思の合致によって成立する法 律行為がすなわち合同行為であり,法人の設立行為がそのもっとも典型 的なものであり,組合設立行為もまたじつにこの範疇に属するものとみ るのが正しい態度であろう。民法は組合設立行為を組合契約の名におい て捉えているわけで,それは重大な過誤といわなければならないが,当 事者意思の合致による法人格のない団体の設立を捉えて市民社会法の基 礎法たる民法のなかにその座を与えて準則を示したことは評価すべきで あり,それはなによりも純粋に市民社会に内在する団体の成立に国家の 介入する余地のない制度たらしめられていて,市民社会の内的団体の将 来的帰趨に端緒的な座標をすえしめたものとも評しうるであろう。」

  篠塚昭次・注釈民法⑵・債権286頁には,組合契約の「共同ノ事業」

について,「公益,営利,なんでもよい。」として,東京の学生らが自動 車で北海道旅行に行く例を挙げられる。以下,多少,変えて図解する。

「はい。私(A)

は往復の運転

債権 債務

(54)

第667条の 3

他の組合員の債務不履行

 組合員は,他の組合員が組合契約にもとづ く債務の履行をしないことを理由として,組 合契約を解除することができない。

 第533条および第536条(同時履行の 抗弁権・債務者の危険負担等)の規定 は,組合契約については,適用しない。

組合員の一人についての意思表示の無効等

 組合員の一人について意思表示の無効ま たは取消しの原因があっても,他の組合員 の間においては,組合契約は,その効力を 妨げられない。

(55)

第668条

第669条

組合財産の共有

 各組合員の出資その他の組合財産は,

総組合員の共有に属する。

金銭出資の不履行の責任

 金銭を出資の目的とした場合において,

組合員が,その出資をすることを怠ったと きは,その利息を支払うほか,損害の賠償 をしなければならない。

(56)

業務の決定および執行の方法

 組合の業務は,組合員の過半数をもって決 定し,各組合員が,これを執行する。

 組合の業務の決定および執行は,組合契約 の定めるところにより,一人または数人の組 合員または第三者に委任することができる。

 前項の規定にかかわらず,組合の業務につ いては,総組合員の同意によって決定し,ま たは総組合員が執行することを妨げない。

 前項の委任を受けた者(以下「業務執行者」

という。)は,組合の業務を決定し,これを 執行する。この場合において,業務執行者が 数人あるときは,組合の業務は,業務執行者 の過半数をもって決定し,各業務執行者が,

これを執行する。

 組合の常務は,前各項の規定にかかわら ず,各組合員または各業務執行者が単独で 行うことができる。ただし,その完了前に,

他の組合員または業務執行者が異議を述べ

(57)

第670条の 2

組合の代理

 各組合員は,組合の業務を執行する場 合において,組合員の過半数の同意を得 たときは,他の組合員を代理することが できる。

 前項の規定にかかわらず,業務執行者 があるときは,業務執行者のみが組合員 を代理することができる。この場合にお いて,業務執行者が数人あるときは,各 業務執行者は,業務執行者の過半数の同 意を得たときにかぎり,組合員を代理す ることができる。

 前二項の規定にかかわらず,各組合員ま たは各業務執行者は,組合の常務を行うと きは,単独で組合員を代理することができる。

(58)

第672条

委任の規定の準用

 第644条から第650条まで(受任者の権利 と義務・責任等)の規定は,組合の業務を 決定し,または執行する組合員について準 用する。

業務執行組合員の辞任および解任

 前項の組合員は,正当な事由がある場合に かぎり,他の組合員の一致によって解任する ことができる。

 組合契約の定めるところにより,一人 または数人の組合員に業務の決定および 執行を委任したときは,その組合員は,

正当な事由がなければ,辞任することが できない。

(59)

第673条

第674条

組合員の組合の業務および財産状況にかんする検査権

 各組合員は,組合の業務の決定および執 行をする権利を有しないときであっても,

その業務および組合財産の状況を検査する ことができる。

組合員の損益分配の割合

 当事者が損益分配の割合を定めなかっ たときは,その割合は,各組合員の出資 の価額に応じて定める。

 利益または損失についてのみ分配の割合 を定めたときは,その割合は,利益および 損失に共通であるものと推定する。

(60)

組合の債権者の権利の行使

 組合の債権者は,組合財産について,

その権利を行使することができる。

⑴  組合の債権者は,その選択に従い,各組 合員にたいして,損失分担の割合または等 しい割合で,その権利を行使することがで きる。ただし,組合の債権者が,その債権 の発生の時に各組合員の損失分担の割合を 知っていたときは,その割合による。

(61)

⑴ Aが20万円,Bが30万円,Cが40万円を出資して,組合契約をむすん だばあい,損益分配の割合を定めなかったときは,その割合は各組合員 の出資の価額に応じて定める(民法674条 1 項)。組合財産は,各組合員 のA,B,Cの共有である(民法668条)。篠塚昭次博士は,注釈民法⑵ 債権290頁以下で,つぎのように述べられる。「『組合財産』は『合有』

だとみる学説が多いが,『債務』はどうか。『債務』も消極財産4 4〔傍点,

篠塚博士〕だから,同一の法理が貫徹できると解する学説もある。それ によると,『組合』に対して債権を有する第三者―これを『組合債権者』

という―は,まず『合有』状態にある『組合財産』から支払を受けるべ きだが,その不足額については各4組合員〔傍点,篠塚博士〕に『債務全 額』について請求できる。」高橋和之ほか・法律学小辞典・第 5 版402頁 によると,合有は「共同所有の一形態。・・・各共同所有者は持分権を 有するが,共同目的のために複数人が結合していることから,一定の制 約が加えられている。」甲斐道太郎・口語債権法・補訂 2 版394頁以下,

沼正也・民法の世界〔新版〕423頁以下も参照して図解する。数字の単 位は万円とする。

(62)

Dは組合財産から 90支払いを受けた。

Dが残り 9 について,

A,B,Cにたいし 支払い債権をもつ。

DはA,B,Cの 損失分担の割合を

知っていた(民法675条 2 項)。

「99で買う」

「売る」 債権

債務

DがA,B,Cに たいし,代金99の 支払い債権をもつ。

制約があることを表す。

20 30 40

債権 債務 2 支払い 3 支払い 4 支払い

20 30 40

(63)

第676条

第677条

組合員の持分の処分および組合財産の分割

 組合員は,組合財産について,その持 分を処分したときは,その処分をもって 組合および組合と取引をした第三者に対 抗することができない。

 組合員は,組合財産である債権につい て,その持分についての権利を単独で行 使することができない。

③  組合員は,清算前に,組合財産の分割を 求めることができない。

組合財産にたいする組合員の債権者の権利の行使の禁止

 組合員の債権者は,組合財産について,

(64)

第678条

組合員の加入

 組合員は,その全員の同意によって,

または組合契約の定めるところにより,

新たに組合員を加入させることができる。

 前項の規定により組合の成立後に加入 した組合員は,その加入前に生じた組合 の債務については,これを弁済する責任 を負わない。

組合員の脱退権

 組合の存続期間を定めた場合であっても,

各組合員は,やむを得ない事由があるときは,

 組合契約で組合の存続期間を定めな かったとき,または,ある組合員の終身 の間,組合が存続すべきことを定めたと きは,各組合員は,いつでも脱退するこ とができる。ただし,やむを得ない事由 がある場合を除き,組合に不利な時期に 脱退することができない。

(65)

第679条

第680条

組合を脱退したと見なされる場合

 前条の場合のほか,組合員は,つぎに掲げ る事由によって脱退する。

一 死亡

二 破産手続開始の決定を受けたこと。

三 後見開始の審判を受けたこと。

四 除名

組合員の除名

 組合員の除名は,正当な事由がある場合に かぎり,他の組合員の一致によって,するこ とができる。ただし,除名した組合員に,そ の旨を通知しなければ,これをもって,その 組合員に対抗することができない。

(66)

脱退した組合員の責任等

 脱退した組合員は,前項に規定する組合の 債務を弁済したときは,組合にたいして求償 権を有する。

 脱退した組合員は,その脱退前に生じ た組合の債務について,従前の責任の範 囲内で,これを弁済する責任を負う。こ の場合において,債権者が全部の弁済を 受けない間は,脱退した組合員は,組合 に担保を供させ,または組合にたいして 自己に免責を得させることを請求するこ とができる。

(67)

第681条

第682条

脱退した組合員の持分の払戻し

 脱退した組合員と,他の組合員との間の計 算は,脱退の時における組合財産の状況にし たがって,しなければならない。

 脱退した組合員の持分は,その出資の種類 を問わず,金銭で払い戻すことができる。

 脱退の時に,まだ完了していない事項に ついては,その完了後に計算をすることが できる。

組合の解散事由

 組合は,つぎに掲げる事由によって解散する。

一 組合の目的である事業の成功または,そ の成功の不能

(68)

第684条

第685条

各組合員のもつ組合の解散の請求権

 やむを得ない事由があるときは,各組 合員は,組合の解散を請求することがで きる。

組合契約の解除の効力

 第620条(賃貸借の解除の効力)の規定 は,組合契約について準用する。

組合の清算および清算人の選任

 組合が解散したときは,清算は,総 組合員が共同して,または,その選任 した清算人が,これをする。

(69)

第686条

第687条

清算人の業務の決定および執行の方法

 第670条,第 3 項から第 5 項まで,ならびに 第670条の 2 ,第 2 項および第 3 項(業務の決 定・執行と代理の方法)の規定は,清算人に ついて準用する。

組合員である清算人の辞任および解任

 第672条(業務執行組合員の辞任および解 任)の規定は,組合契約の定めるところによ り,組合員の中から清算人を選任した場合に ついて準用する。

(70)

清算人の職務および権限ならびに残余財産の分割方法

残余財産は,各組合員の出資の価額に応じて分割する。

 清算人の職務は,次のとおりとする。

一 現務の結了

二 債権の取立て,および債務の弁済 三 残余財産の引渡し

 清算人は,前項,各号に掲げる職務 を行うために必要な一切の行為をする ことができる。

(71)

第13節 終身定期金 第689条

第690条

終身定期金契約

 終身定期金契約は,当事者の一方が,

自己,相手方または第三者の死亡に至る まで,定期に金銭その他の物を相手方ま たは第三者に給付することを約すること によって,その効力を生ずる。

終身定期金の計算

終身定期金は,日割りで計算する。

(72)

終身定期金契約の解除

前項の規定は,損害賠償の請求を妨げない。

⑴  終身定期金債務者が,終身定期金の元 本を受領したばあいにおいて,その終身 定期金の給付を怠り,または,その他の 義務を履行しないときは,相手方は,元 本の返還を請求することができる。この 場合において,相手方は,すでに受け取っ た終身定期金の中から,その元本の利息 を控除した残額を終身定期金債務者に返 還しなければならない。

(73)

⑴ 篠塚昭次・注釈民法⑵・債権301頁によると,元本の返還請求のなか に,解除の意思表示が含まれていると解される。終身定期金債務者をA,

終身定期金債権者をBとする。AがBから終身定期金の元本1000万円 を受領したばあい。法定利率は年 3 パーセントとする(民法404条 1 項 2 号)。なお,以下の図で-30等は,Aが契約前と比べて,Aの財産が 減ったことを表す。数字の単位は万円とする。

債務 債権 A

「はい」

120 880 元本1000

※ 終身定期金120は,

すでにBに支払った。

「私(B)に

毎月10渡して」 1 年後,AがBへ 毎月10渡さない。

BがAへ元本の返還 を請求した。

A,Bは同時履行の 関係(民法692条)。

所有権

−30

Bが,すでに受け

取った終身定期金−元本の利息 =残額

120 30 90

A,Bの金銭額の変遷 時間順

契約後 1 年後 解除後

AがBへ 解除後 BがAへ

(74)

第693条

第694条

終身定期金契約の解除と同時履行の抗弁権

 第533条(同時履行の抗弁権)の規定は,

前条の場合について準用する。

終身定期金債権の存続の宣告

 前項の規定は,第691条の権利の行使 を妨げない。

 終身定期金債務者の責めに帰すべき事 由によって,第689条に規定する死亡が 生じたときは,裁判所は,終身定期金債 権者または,その相続人の請求により,

終身定期金債権が,相当の期間,存続す ることを宣告することができる。

終身定期金の遺贈

 この節の規定は,終身定期金の遺贈に

(75)

第14節 和解 第695条

和解

 和解は,当事者が互いに譲歩をして,そ の間に存する争いをやめることを約するこ とによって,その効力を生ずる。 ⑴

(76)

そこで,争いをやめる契約をしたばあい。高梨公之・監修・口語民法・

新補訂 2 版を参照した。

「はい」 債権 債務

債務

〔争いの例。隣地の境界線の争い〕

債権

「争いを やめたい。」

A B

(B主張の境界線) (A主張の境界線)

A,Bが和解。

A,Bの主張の 中間を境界線 とする。

A B

(77)

第696条

和解の効力

⑴  当事者の一方が,和解によって,争いの目 的である権利を有するものと認められ,また は,相手方が,これを有しないものと認めら れた場合において,その当事者の一方が従来 その権利を有していなかった旨の確証または 相手方が,これを有していた旨の確証が得ら れたときは,その権利は,和解によって,そ の当事者の一方に移転し,または消滅したも のとする。

(78)

事者の一方をA,債権者である相手方をBとする。数字の単位は万円と する。

「100 貸した」 A,B和解して,

Bが70支払う ことで決着を つけた。

BのAにたいする 30支払いの債権は 消滅。

後から確定的な証拠

「AがBから 100借りていた」

が出てきた。

「50 借りた」

争い

債権 債務

債権 債務

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