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膨張分裂型動的輪郭モデルにおける格子分割処理法

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平成 17 年度 修 士 論 文 要 旨 教育研究分野 情報数理学 6316022 三浦 徹夫

膨張分裂型動的輪郭モデルにおける格子分割処理法

1 はじめに

輪郭抽出法の 1 つである動的輪郭モデルは,面積 項の導入によって発生する自己交差の検知に基づいて 分裂させる手法によって,複数物体を抽出することが 可能になった.また,元来収縮による抽出のみであっ たが,同じく面積項の導入によって膨張による抽出も 可能となった.しかしこの膨張型では,輪郭モデルの 対象物体への回り込みや無駄な膨張による離散点増加 による処理時間増大の問題点が指摘されている.

本論文では,膨張型動的輪郭モデルによって複数物 体の抽出を実現する膨張分裂型を提案するとともに,

膨張の際の無駄な離散点の追加生成による処理時間の 増大を防ぐために入力画像を格子分割し,それぞれの 格子について独立に膨張分裂型動的輪郭モデルによる 処理を行い,最終的にそれらを統合することで対象物 体の輪郭抽出を可能とする手法を提案する.また,こ の膨張分裂型動的輪郭モデルの応用例の一つとして,

円盤形状物の計数を行う手法も合わせて提案する.

2 従来の動的輪郭モデル

動的輪郭モデルとは,制御点の集合として表される 閉曲線に対して,あらかじめ定義されたエネルギー関

数の和Esnakes を最小化するように変形し,エネル

ギー関数の極小状態において対象物の輪郭に一致させ る輪郭抽出法である[1].Esnakes は形状エネルギー 関数Eintと画像エネルギー関数Eimage の和を輪郭 モデルに沿って積分したものとして式(1)で定義され る.エネルギー関数の最小値を求める方法として動的 計画法を用いて更新を行う.なお,動的輪郭モデルは エッジ画像に対して輪郭抽出を行い,エッジ画像作成 には,Sobelフィルタを用いる.

Esnakes=

1 0

{Eint(v(s)) +Eimage(v(s))}ds (1) このエネルギー関数に対して,式(2)で定義される 面積項[2]を導入すると,このエネルギーに正の重み を与えた場合には輪郭モデルは収縮し,負の重みを与 えた場合には膨張する.こうして実現された膨張型を 用いる最大の利点は初期輪郭の設定が容易になること が挙げられる.

Earea(v(s)) =κ

1 0

{x(s)ys(s)−xs(s)y(s)}ds (2)

3 格子分割による高速な 膨張分裂型動的輪郭モデル

本論文で膨張型動的輪郭モデルによって複数物体を 抽出するために膨張分裂型動的輪郭モデルを提案す る.また,膨張を続ける離散点をできるだけ少なくし て無駄な処理時間を軽減するために,画像を格子分割 し,膨張分裂型輪郭モデルを用いて,複数の初期離散 点から複数物体を抽出する手法を提案する.

3.1 膨張分裂型動的輪郭モデル

膨張分裂型動的輪郭モデルによって輪郭を抽出する 様子を図1に示す.面積項エネルギーによる自己交差

により分裂し,分裂した外側の輪郭モデルには膨張す る重み係数を与え,分裂した内側の輪郭モデルには収 縮し定着させるための重み係数を与える.この膨張型 動的輪郭モデルを用い,複数の初期離散点から輪郭抽 出する方法を提案する.

initial control point Object

図1: 膨張分裂型の輪郭抽出法.

3.2 入力画像の格子分割および統合処理

輪郭モデルが膨張を続ける際,無駄な離散点増加に よる処理時間の増大を防ぐため,あらかじめ入力画像 を格子状に分割し,入力画像の枠と同様に,画像分割 ラインにおいても離散点を停止させることとして膨張 型輪郭モデルによる輪郭抽出をそれぞれの分割領域毎 に独立に行う.

ここで,それぞれの分割領域がドーナツ形状の内側 輪郭の大きさと同程度またはそれ以下の大きさとなる ように分割を行ったとき,その内側輪郭を含む領域内 の輪郭は自動的に抽出できる.次に,分割領域それぞ れにおける輪郭抽出が完了したのち,図2に示すよう に,それぞれ抽出対象物体の輪郭の一部を抽出してい る輪郭モデルの離散点群を統合し,求める閉曲線に再 構成する.

divide line

Object

control points

図2: 分断された動的輪郭モデルの結合.

まず,輪郭を抽出し終わったそれぞれの輪郭モデル に対し,画像の枠及び分割ライン上にある離散点を消 滅させ,輪郭モデルを対象物体の輪郭に沿う複数の離 散点からなる線分に分裂させる.図3に示すように,

その線分を構成する離散点列の最初となる点を始点と し,最後となる点を終点とする.次に,それぞれの線 分の始点に対し,その線分自身または他の線分の終点 との距離を比較し,2点間の距離が最小となる線分同 士を結合することで分断された輪郭モデルを一つに統 合する.

first point

last point Object

divide lines

図3: 始点及び終点の定義.

4 円盤状物の計数

医療分野において,血液検査を例にとると,血球を 含む画像からの特定血球の計数は輻輳などの問題が あり正しい抽出と計数は比較的難しい.現在は目視に よって計数が行われている.

A4-1

(2)

この問題点を解決するために,本論文で提案する膨 張分裂型動的輪郭モデルの応用例として,円盤形状物 の計数を行う手法を提案する.

4.1 円盤状物の計数を行う手法の概要

円盤状物の計数を行うアルゴリズムを以下に示す.

(1) 対象の形状抽出に膨張分裂型動的輪郭モデルを 適用し,可能性のある対象輪郭を抽出する.

(2) 膨張分裂型動的輪郭モデルにより得られる輪郭 形状を,4次のP型フーリエ記述子によってそ の形状特徴を数値化する.

(3) P型記述子によって4次に数値化されたデータ

を入力として,自己組織化マップ(SOM)にお いて分類および計数を行う.

5 検証実験

5.1 膨張分裂型における格子分割処理

提案手法を用いて輪郭抽出を行い,その処理時間と 抽出精度の評価を行った.4分割,16分割,64分割,

さらに収縮型を用いる荒木らの方法[3]の抽出結果を それぞれ図4〜7に示す.内側輪郭をほぼ完全に抽出 しているのは64分割の手法のみである.また,処理 時間は順に約16秒,約11秒,約11秒,約15秒で あった.分割数増加によって処理時間短縮を実現でき ていることがわかるが,16 分割と64 分割の処理時 間からわかるように,16分割以降の処理時間は収束 していく傾向がみえる.また,式(3)によって定義さ れる抽出精度を示す評価値は順に0.54,0.40,0.28,

0.55となった.

図4: 4分割の出力画像. 図5: 16分割の出力画像.

図 6: 64分割の出力画像. 図7: 収縮型の出力画像.

評価値= 面積(理想的な物体領域抽出領域)

面積(理想的な物体領域) (3)

5.2 円盤状物の抽出

次に提案手法の応用例をして円盤状物の抽出実験を 行った.対象として培養中のクロレラの画像(420×320 [pixel])を用いた.膨張型動的輪郭モデルにより抽出 している画像の一例を図8に示す.

この結果から得られる輪郭形状を表す4次のP型 フーリエ記述子を求め,これを入力ベクトルとして生 成されたSOMのマップを図9,判別結果を表1に示 す.円形および2 重輻輳円形に対しては画像中に含 まれるそれぞれを過不足なく判別されているが,異物

図8: 円盤状物の抽出例.

に対しては良好な結果が得られなかった.円形および 2重輻輳円形はそれぞれがほぼ一定の形をしているの に対し,異物はその形状が一定であることを仮定する ことは不可能であるため,限られた数を学習するだけ では異物に対応する学習にはばらつきが大きく,判別 が困難であったと考えられる.

1 1 1 1 1

1 1

1 1 1

0 1

2

2 1

2 2 1

図9: SOMにより生成されたマップ.

表1: SOMによる判別結果.

円形 2 重輻輳 異物

判別率(%) 100.0 100.0 11.1

6 おわりに

本論文ではまず,膨張型動的輪郭モデルに対して複 数物体の抽出を可能とする膨張分裂型動的輪郭モデル と提案した.また,入力画像を分割することでそれぞ れの領域で独立に輪郭を抽出し,それぞれの輪郭線を 的確に統合することで最終的な抽出結果とする手法を 提案した.

検証実験の結果,より少ない離散点により処理を行 う分割ありの膨張分裂型が処理時間の短縮において分 割なしの膨張型および収縮型より有利であることを確 認した.

さらに,膨張分裂型動的輪郭モデルの応用の一例と して,円盤状物の計数を行う手法を提案し,輻輳状態 にあるクロレラ画像に対して良好な抽出・計数が行え ることを確認した.

参考文献

[1] M. Kass, A. Witkin and D. Terzopoulos:

“Snakes: Active contour models, ” Interna- tional Journal of Computer Vision, Vol. 1, No. 4, pp. 321–331, 1988.

[2] 坂口俊文,大山公一:“面積項をもつスネーク,” 電子情報通信学会春季全国大会,D-555,1991.

[3] 荒木昭一,横矢直和,岩佐英彦,竹村治雄:“複 数物体の抽出を目的とした交差判定により分裂 する動的輪郭モデル,” 電子情報通信学会論文誌 D-II,Vol. J79,No. 10,pp. 1704–1711,1996.

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