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論文内容の要旨 - 自治医科大学機関リポジトリ

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氏 名 日向ひゅうが 泰樹たいじゅ 学 位 の 種 類 博士 (医学) 学 位 記 番 号 乙第 766号

学 位 授 与 年 月 日 平成 元年 6月 21日

学 位 授 与 の 要 件 自治医科大学学位規定第4条第3項該当

学 位 論 文 名 排尿時膀胱尿道造影による軽症後部尿道弁症例の排尿時尿道形態の評価 と尿失禁発現機序の解析

論 文 審 査 委 員 (委員長) 教授 八 木 澤 隆

(委 員) 教授 野 田 泰 子 教授 小 野 滋

論文内容の要旨

1 研究目的

軽症型後部尿道弁(PUV)は、幼児期、学童期において、難治性昼間尿失禁(DI)、夜尿症(NE)

患者の基礎疾患となることが報告されている。しかし症状発現のメカニズムは不明な点が多い。

今回、排尿時膀胱尿道造影(VCUG)の排尿中の尿道形態を数値化し、経尿道的内視鏡切開術(TUI)

の前後で、どのように変化するかを分析し、形態の変化と症状改善のメカニズムを解明すること を目的とした。

2 研究方法

2010年7月から2014年12月までに自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児泌尿器科で

DI、NEの診療を契機に、PUVと診断され、TUIが行われた連続する29例男児を後方視的に検

討した。対象の手術時年齢は6歳6ヵ月から12歳9ヵ月、中央値 は9歳3ヵ月だった。

VCUG は、膀胱充満感覚が最大になった時点(最大尿意の時点)で、立位で排尿を指示した。

45°斜位で尿道、膀胱を含む骨盤部を秒間1枚で連続撮影した。VCUG 排尿相で膀胱頚部、膜様

部尿道の閉塞部位、尿道球部の生理的弯曲が最大の部位の3点を結んだ角度を尿道角度と定義し た。排尿中に最も尿道角度が小さくなる地点を最小尿道角度、排尿早期の屈曲出現前の尿道角度 を最大尿道角度と定義した。最大尿道角度と最小尿道角度の差を最大尿道角度で除した値を屈曲 率と定義し、尿道の角度が変化した割合を測定した。TUI前後の屈曲率の推移とともに、pressure flow study(PFS)、とuroflowmetry(UFM)による尿水力学的所見の推移、および、臨床症状

(DI、NE)の改善について評価した。

3 研究成果

術前の最小尿道角度の平均は112.7±12.8度、術後は124.5±13.7 度だった。術後で最小尿道角 度は有意に増大し(p<0.001)、切開により角度が鈍角となった。屈曲率は、術前の平均が11.8±7.8%、

術後は4.1±2.9%だった。有意に排尿中の尿道の屈曲が減弱した(p<0.001)。PFSで測定した最大

(2)

尿流時の排尿筋圧(Pdet)はTUI後で有意に低下した(p<0.001) 。UFMでは最大尿流率(Qmax)

はTUIで有意に上昇した(p<0.001)。術後6ヵ月では、DI症例は68%、NE症例は56%の症例 で臨床症状の改善を認めた。

4 考察

我々は、軽症PUV症例のVCUG排尿相で、尿道の拡張は軽微ながら、尿道が屈曲することに 着目し、最小尿道角度と屈曲率という新しい概念を用いて評価した。TUIを行うことで最小尿道 角度がより鈍角となり、屈曲率が緩徐となった。小児の後部尿道は前立腺などの支持組織が未熟 で、不安定である。ゆえに尿道 12 時方向の硬い組織を支点として後部尿道が屈曲する。TUI を 行い、尿道前壁の伸展性が改善することにより、後部尿道の屈曲が減弱したと考えられる。また、

PUVをTUIすることによりPFSでPdetが有意に低下し、UFMではQmaxが有意に上昇し、

尿道の閉塞が解除されたと考えられる。本研究により、小児の尿道の屈曲という新たな尿道閉塞 機転の可能性が提起され、その解除が臨床症状の改善をもたらしたものと考えられた。

成人症例でも、前立腺肥大症などで尿道閉塞が強まることにより、排尿筋の活動性が亢進する ことが指摘されているが、小児のPUVによる難治性尿失禁においても同様に、尿道閉塞機転(屈 曲)がTUIによって解除され、排尿筋の過活動が改善した可能性が示唆される。

5 結論

PUVは、保存的治療に抵抗性の小児DI・NEの原因となる。そのメカニズムとして、周産期、

乳児期に発症する重症型 PUV のように、内腔の弁状構造が閉塞機転を惹起するのではなく、平 常時は緩やかな湾曲を示す後部・膜様部尿道が、排尿時に限って病変部位を支点として屈曲する ことにより閉塞機転を出現させる可能性が、VCUGの数値化(最小尿道角度、屈曲率)により示 唆された。このようなメカニズムでの閉塞機転は病変部位の尿道壁12時方向のTUIにより解除 され、排尿筋の過活動性が正常化することにより、症状改善につながった可能性がある。

論文審査の結果の要旨

後部尿道弁(posterior urethral valve: PUV)は小児における主要な尿道閉塞病変である。重症型 は 閉 塞 性 腎 症 や 尿 路 感 染 を も た ら す が 、 軽 症 型 は 難 治 性 の 昼 間 尿 失 禁(daytime urinary incontinence: DI)や夜尿症(nocturnal enuresis: NE)の基礎疾患となる。しかし、この発症機序に ついては依然、不明な点が残されており、また軽症型 PUV の診断や治療の意義についても統一 された見解がない。

本研究は軽症PUV症例における排尿時膀胱尿道造影(voiding cysturethrogram: VCUG)の尿道 形態を数値化し、治療として施行した経尿道的内視鏡切開術(transurethral incision: TUI)前後の 形態変化と症状改善の関連性を分析し、病態について解明したものである。

対象は自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児泌尿器科で DI、また NE の診療を契機に PUVと診断され、TUIが施行された男児29例である。VCUG排尿相での膀胱頸部、膜様部尿道

(3)

閉塞部位、尿道球部の生理的湾曲最大部位の 3点を結んだ角度を尿道角度と定義し、また最大角 度と最小角度の差を最大角度で除した値を屈曲率と定義してこの屈曲率のTUI前後での推移を解 析している。またpressure flow study(PFS)とuroflowmetry(UFM)による尿水力学的所見、そし て臨床症状の変化についても評価し、診断、治療の意義を検討している。

TUI施行後、排尿中の屈曲率は低下し、PFSでの排尿筋圧にも低下があり、またUFMでの最 大尿流率の有意な上昇を認めている。TUIの6ヶ月後にはDI症例の68%、NE症例の56%に症 状の改善もえられている。このような結果は軽症 PUV においては排尿時の尿道屈曲が尿道閉塞 をもたらしており、この解除が PFS、UFM の所見を改善し、排尿筋の過活動も抑制することを 示唆するものである。

以上、本研究はVCUG 所見から算出した屈曲率から軽症型 PUV においては排尿時、後部・膜 様部尿道が病変部位を支点に屈曲して閉塞機転が起こり、これが排尿筋の過活動を誘発し、DI、

NE が生じることを示したものである。そして、この解除が屈曲率を改善させ、症状を改善する など臨床的にも有用であることを認めている。尿道形態の変化と症状改善の程度の相関性につい てはさらに解析が求められるものの、最小尿道角度と屈曲率という新しい概念から PUV の病態 に関する知見を示した研究であり、学位授与に相応しい内容と評価される。

なお、研究成果の一部はWorld J Urol誌に掲載されている。

試問の結果の要旨

申請者は小児泌尿器疾患である後部尿道弁の病態、その軽症型が難治性昼間尿失禁、夜尿症の 基礎疾患であること等を解説した後、軽症型の診断には尚、確立されたコンセンサスのないこと を述べた。そして、本研究のVCUG所見で算出した最小尿道角度、屈曲率の解析より排尿時に後 部・膜様部尿道が病変部位を支点に屈曲して閉塞機転が生じることを示し、これが排尿筋の過活動 を誘発し、DI、NE が生じるものと推察した。またこの解除が症状を改善し、臨床的に有用であ るとの成果を報告した。

これらの研究内容、論文内容について質疑応答がなされたが返答は適切であり、また今後の研 究の発展や課題についても十分に理解できていた。最終試験(試問)においても審査委員は一致 して合格と判定した。

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