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論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 - 熊本県立大学

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〔 別 紙 1〕

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

申請者氏名 中原 浩貴

熊本県立大学大学院環境共生学研究科博士後期課程在籍の中原浩貴氏から提出された学位論文

Ralstonia solanacearumの表現型変異株を利用した青枯病の生物的防除」について,学位審査委 員会は,平成30年2月33日(日)30:00〜33:30において,本学環境共生学部会議室で学位審査 会を行った.主査 松添直隆(熊本県立大学教授),副査 松崎弘美(同大学教授)ならびに副査 古屋成人(九州大学大学院教授),本学教員,職員,学生,総計約30名の聴講があった.学位論 文の内容は以下の通りである.

青枯病は細菌Ralstonia solanacearumによって引き起こされる土壌伝染性病害であり,トマトや ナスなどの作物生産において甚大な被害をもたらす.本病害は温暖な気候で発生しやすく,地球 温暖化の進行によりさらなる被害の拡大が危惧されている.青枯病の防除法として,環境負荷の 低減や食の安全・安心の観点から環境保全型の新たな防除法の確立が求められており,微生物を 利用した生物的防除法への関心が高まっている.青枯病菌の表現型変異株(Phenotype conversion:

以下,PC株)を,トマト,ナス,ジャガイモ,タバコなどのナス科植物に事前に接種することで,

病原性株感染後の青枯病の発病が抑制されることが報告されている.PC株による青枯病防除機構 には,PC株と病原性株間の栄養をめぐる競合,PC株による抗菌作用,植物組織内へのPC株定着 による病原性株の物理的な定着阻害,植物への抵抗性誘導といった複数の要因が考えられており,

主要因が明らかでない.PC 株による防除機構の主要因を解明できれば,PC 株を利用した効果的 な防除法の開発が可能となる.

本研究では R. solanacearumのPC株を利用した青枯病の生物的防除法の確立に向けて,PC株 による青枯病の防除機構と青枯病防除に効果的な PC 株接種技術を明らかにすることを目的とし て研究を行い,本研究で得られた知見および成果を以下に記す.

1. 青枯病菌の病原性株とPC株の増殖特性は,液体培地,土壌,および植物内で異なり,貧栄養液 体培地中では両菌株の混合培養試験において,両菌株の増殖に違いはみられなかったことか ら,菌株間で栄養の競合が生じる可能性は低いことを明らかにした.

2. PC株の中には,病原性株に対して抗菌作用を示すものが存在するが,病原性株に対して抗

菌作用を示さないPC株をトマトとナスに接種した場合でも青枯病の発病が抑制されること から,PC株の抗菌作用は青枯病防除機構の主要因ではないことを明らかにした.

3. 植物組織内におけるPC株と病原性株の定着量を調査し,PC株による青枯病防除には根系 における病原性株の定着抑制が重要であることを明らかにした.また,蛍光タンパク質遺伝 子(gfpまたはDsRed2)で標識した青枯病菌の病原性株とPC株を用いて蛍光観察法により菌 の定着を調査した結果,PC株が高密度で定着した植物根系では,病原性株の侵入・定着が抑 制されることを明らかにした.

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4. PC株を接種したトマトの根系では,ジャスモン酸・エチレン伝達経路である塩基性の感染 特異的(PR)タンパク質遺伝子群(PR-2b, PR-3b, PR-5bおよびPR-6)の発現誘導が起こるこ とを明らかにした.

本研究の成果より,これまで考えられてきた PC 株による青枯病防除機構の中でも,植物根内 への PC 株定着による病原性株との定着阻害と,植物への抵抗性誘導が主に関与することが示唆 された.また,本研究では,PC株による青枯病防除効果は,植物種・品種,PC株の種類,PC株 の接種濃度および接種方法によって異なることが示された.本研究において,青枯病防除には高 濃度のPC株菌液を植物根部に浸漬接種する方法が有効であり,系統・特性の異なるPC株の中か ら,複数の植物種・品種の青枯病防除に効果的なPC株が選抜された.

上記の研究は,PC株による青枯病防除機構の解明およびPC株を利用した実用的な生物的防除 技術の確立に大きく貢献するものと考えられる.また,本論文の内容は,査読付きの学術誌4報

(うち英文誌 3報)に報告している.以上より,中原浩貴氏の研究は,博士(環境共生学)の学 位に相応しいものと判定する.

主 査 熊本県立大学・教授 松添 直隆

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