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骨材の品質低下に関する文献調査

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工学院大学建築学部卒業論文梗概集 阿部研究室 2015年度

骨材の品質低下に関する文献調査

DC-11174 田中 大海

1.調査の目的

コンクリート用骨材として使用されている砂利・砂に ついては、かなり以前より品質の低下が叫ばれてきた。

しかしながら、品質といってもその項目は、密度、吸水 率、粒度、実積率など多様である。たとえば密度に関し て砂利から砕石に変更になった地域では、数値だけをみ ると密度が大きくなった、すなわち、品質が改善された との結果になる場合があり、骨材の品質低下を適切に評 価できていないといえる。このため本調査では、同一産 地において具体的にどの項目について品質が低下してい るかについて、系統的に調査することを試みた。

2.調査方法 2.1 調査の概要

調査は、骨材の品質基準および骨材の各種品質項目に ついて行うこととした。

2.2 骨材の品質基準の調査

骨材の品質基準については、以下をとりまとめること とした。

・日本建築学会の建築工事標準仕様書

・土木学会コンクリート標準示方書

・JIS A 5308(レディー ミ クストコンクリート)の附属 書(コンクリート用骨材)

2.3 各種調査項目

調査項目は、細骨材と粗骨材の産地、表乾密度、絶乾 密度、吸水率、単位容積質量、実積率、粗粒率について 行うこととし、書式を定めて表でまとめることとした。

2.4 各種品質項目の調査

各種品質項目については、コンクリートに関する論文 の掲載された以下の文献に基づいて行うこととし、同一 産地の骨材の品質の変遷を取りまとめることとした。

・セメント技術年報(およびセメント・コンクリート論 文集)

昭和 36 年~平成 23 年(昭和 38、41~44、48 年を除く)

・コンクリート工学年次論文集

・日本建築学会大会学術講演梗概集など

上記の論文より、同一研究者(グループ)の論文を年 代別に整理し、同一産地における品質の変遷を調べるこ ととした。

調査対象は北海道大学で建築材料の研究室に所属する 洪悦郎、田畑雅幸、鎌田英治、長谷川寿夫、足利工業大 学の建築材料の研究室に所属する依田彰彦の書いた論文 を中心に調査した。

上記の研究室では骨材を同じ産地から入手しているの で品質の変化を把握しやすいと考えた。このほか名城大 学、立命館大学、九州大学でコンクリートを扱っている 研究室の論文を調査した。

また、建材試験センターのような公的試験機関で同じ産 地の骨材を使用しているところの試験結果も調査するこ ととした。

3.調査結果

3.1 骨材の品質基準に関する調査

日本建築学会標準仕様書JASS5 鉄筋コンクリート 工 事では、その前身である仕様書が 1929 年に制定されてお り、骨材の品質については 、ASTMを参考に 、粒度、微 粒分量および有機不純物が規定された。また、1931 年に 制定された土木学会のコンクリート標準示方書でも、同 様の品質項目が規定されている。

1949 年にはコンクリート標準示方書に砕石が採用さ れ、また、有害物の許容含有量、耐久性が規定された。

1956 年には砕砂が採用されている。

1953 年にはJASS5が制 定され、1957 年には細骨材の 塩化物含有量(細骨材の絶乾質量に対してNaClとし て 0.01%以下)および砕石の実積率(55%以上)が規定さ れた。

1961 年にはJIS A 5005 が制定され、これは 1965 年に 改正されるとともに、同年JASS5 にも取り入れられ た。

また、このときのJISの改正で吸水率が 2.0%以下から 3.0%以下に緩和されている。

規定ではないが、JASS5では 1957 年の標準調合表で 骨材の絶乾密度は 2.65 を用いていたが、全国の河川骨材 の品質の実態に基づき、1965 年からは 2.60 を用いてお り、この値はその後の調合指針に踏襲されている。JASS 5の 1965 年の改訂の趣旨には、その 2 番目に「全国的に 良質のコンクリート用骨材が不足し、その品質低下が目 立ってきた。」と記述されている。

1975 年には、JASS5で 骨材を3種類に級別し、絶乾 密度と吸水率が初めて規定された。また、塩分量は緩和 され 1979 年にはさらに緩和されることとなった。

(2)

1985 年にはJIS A 5308 で骨材の混合使用の場合の取 扱いが規定され、1986 年には、JASS5でも同様の規 定 が盛り込まれた。このときJASS5 では級別規定が廃 止 され、塩分量は 0.04%となったが、特記により密度 2.4 以上、吸水率 4.0%以下の砂利・砂、および塩化物が 0.04 を超え 0.1%以下の砂を用いることができることとなっ た。また、JASS5と示方 書 の解説に建設省の定めたアル カリ骨材反応対策に関する暫定指針が掲載された。

JIS A 5005(コンクリー ト用砕石及び砕砂)は 2009 年に改正され、砕石・砕砂いずれも実積率を厳しくした 場合には微粒分量を緩和できることとした。

3.2骨材の各種品質項目の調査結果 以下に文献調査の結果を表および図で示す。

(1)北海道大学(当別産 粗骨材)

図1 絶乾密度の経時変化

図2 吸水率の経時変化

表1 文献に記載されたデータ(北海道大学)

産地 表乾密度

(g/cm3)

絶乾密度

(g/cm3) 吸水率(%) 単位容積

質量(kg/L) 実積率(%) 粗粒率f.m.

当別 2.65

当別 2.62 2.57 2.13 1.59 62.9 6.49

当別 2.63

当別 2.65 2.60 2.10 1.69 65.0 6.64

当別 2.65

当別 2.65 2.60 2.08 1.69 65.0 6.58 当別 2.65 2.60 2.08 1.69 65.0 6.58 当別 2.65 2.61 1.61

当別 2.64 2.60 1.93 1.72 66.3 6.59 当別 2.65 2.60 2.08 1.69 63.7 6.58 当別 2.65 2.60 2.10 1.69 65.0 6.53 当別 2.62 2.56 2.45

当別 2.62 2.56 2.45 粗骨材

(2)足利工業大学(鬼怒川産 粗骨材)

図3 絶乾密度の経時変化

図4 吸水率の経時変化

図5 単位容積質量の経時変化

表2 文献に記載されたデータ(足利工業大学)

産地 表乾密度

(g/cm3)

絶乾密度

(g/cm3) 吸水率(%)

単位容積 質量 (kg/L)

実積率(%) 粗粒率f.m.

鬼怒川産 2.60 2.55 1.60 1.76 66.0 鬼怒川産 2.61 2.57 1.57 1.69 69.0 鬼怒川産 2.60 2.55 1.60 1.76 66.0 鬼怒川産 2.57 2.53 1.63 1.66 65.6 鬼怒川産 2.57 2.53 1.60 1.66 65.6 鬼怒川産 2.57 2.53 1.60 1.66 65.6

鬼怒川産 2.57 2.53 1.60 1.65 65.6 6.86 鬼怒川産 2.62 2.57 1.80 1.70 66.1

鬼怒川産 2.62 2.57 1.80 1.70 66.1 鬼怒川産 2.60

鬼怒川産

鬼怒川産 2.57 2.52 1.90 鬼怒川産 2.61

鬼怒川産 2.57 2.52 1.80 鬼怒川産 2.56

鬼怒川産 2.61 2.56 1.80 1.63 62.6 鬼怒川産 2.61 2.56 2.10

鬼怒川産 2.65 2.60 2.00 鬼怒川産 2.66 2.61 2.10 粗骨材

(3)

(3)名城大学(矢作川産 細骨材)

図6 絶乾密度の経時変化

図7 粗粒率の経時変化

図8 吸水率の経時変化

表3 文献に記載されたデータ(名城大学)

産地 表乾密度

(g/cm

3

)

絶乾密度

(g/cm

3

) 吸水率(%)

単位容積 質量 (kg/L)

実積率(%) 粗粒率f.m.

矢作川産 2.57 2.53 1.53 1.7 66.4 3.50

矢作川産 2.57 2.53 1.53 1.7 66.4 3.50

矢作川産 2.57 2.53 1.53 1.7 65.4 3.50

矢作川産 2.59 2.55 1.51 1.4 54.1 3.08

矢作川産 2.59 2.55 1.51 1.6 63.3 3.08

矢作川産 2.57 2.52 1.82 1.6 62.0 2.85

矢作川産 2.59 2.55 1.32 1.6 63.5 3.08

矢作川産 2.58 3.08

矢作川産 2.56 2.49 2.70 1.7 65.6 3.42

矢作川産 2.53 3.46

細骨材

(4)九州大学(玄海島産 細骨材)

図9 表乾密度の経時変化

図10 吸水率の経時変化

図11 粗粒率の経時変化

表4 文献に記載されたデータ(九州大学)

産地 表乾密度

(g/cm

3

)

絶乾密度

(g/cm

3

) 吸水率(%)

単位容積 質量 (kg/L)

実積率(%) 粗粒率f.m.

玄海島産 2.58 2.52 1.65

玄海島産 2.59 2.53 2.12

玄海島産 2.59 2.55 1.43 2.72

玄海島産 2.57 2.52 1.91

玄海島産 2.59 2.56 1.25 2.79

玄海島産 2.58 2.54 1.41

玄海島産 2.59 2.56 1.25 2.73

玄海島産 2.59 2.56 1.13 2.49

玄海島産 2.56 2.51 1.68

玄海島産 2.54 2.55

細骨材

(4)

(5)建材試験センター(大井川産 細骨材)

図12 絶乾密度の経時変化

図13 吸水率の経時変化

図14 単位容積質量の経時変化

表5 文献に記載されたデータ(建材試験センター)

年代 産地 表乾密度

(g/cm3)

絶乾密度

(g/cm3) 吸水率(%)

単位容積 質量 (kg/L)

粗粒率f.m.

1992 大井川 2.62 2.59 1.42 1.72 2.73

1993 2.64 2.61 1.32 1.78 2.82

1994 2.63 2.6 1.32 1.76 2.66

1995 2.63 2.58 1.67 1.74 2.74

1996 2.63 2.58 1.67 1.74 2.74

1997 2.67 2.63 1.42 1.7 2.78

1998 2.59 2.54 1.95 1.7 2.72

1999 2.59 2.54 1.79 1.72 2.73

2000 2.58 2.52 2.19 1.7 2.72

2001 2.59 2.54 2.07 1.73 2.78

2002 2.61 2.55 1.96 1.74 2.76

細骨材

4.まとめ

4.1 骨材の品質基準に関する調査結果のまとめ 骨材の品質基準の変遷について、日本建築学会の鉄筋 コンクリート工事標準仕様書JASS5、土木学会のコ ン クリート標準示方書およびJIS A 5308 を調査した結果 は以下のようにまとめられる。

(1)日本建築学会の標準仕様書JASS5では、品質 基 準ではないが、標準調合表で用いる骨材の絶乾比重が、

1957 年の 2.65 から 1965 年の 2.60 に変更になっており、

これは、全国の河川骨材の品質の実態に基づくとされて いる。

(2)1975 年には、JASS5で骨材の品質を 3 種類に級 別し、それぞれについて絶乾密度と吸水率が初めて規定 された。絶乾密度と吸水率は、1993 年にJIS A 5308 の 付属書1コンクリート用骨材に規定され、1996 年には土 木学会のコンクリート示方書にも規定された。

(3)骨材の混合使用の場合の取り扱いが、JIS A 5308 では 1985 年に、また、JASS5では 1986 年に規定され、

粒度と塩分については混合後に規定を満足すればよいこ ととなった。

これも、単独では品質基準を満足することの困難な場合 が増加したためと考えられる。

4.2 骨材の各種品質の調査結果のまとめ

コンクリートに関する実験を多く実施している 5 つの 大学の研究室および1つの公的試験機関で実施した骨材 試験の結果のうち、密度、吸水率、単位容積質量、実積 率および粗粒率についてデータを収集し、品質の経時変 化を調べた結果は以下のようにまとめられる。

(1)北海道大学の調査結果からは、当別産の粗骨材の 密度が徐々に減少していること、吸水率が徐々に増加し ていることより、品質低下の傾向がみられた。

(2)足利工業大学の調査結果からは、鬼怒川産の粗骨 材の吸水率が徐々に増加していることより、品質低下の 傾向がみられた。

(3)名城大学の調査結果からは、矢作川産の細骨材の 密度が減少していること、粗粒率が 1980 年以降徐々に増 加していることより、品質低下の傾向がみられた。

(4)立命館大学の調査結果からは、品質の低下を示す 結果は認められなかった。

(5)九州大学の調査結果からは、玄海島産の細骨材の 密度が減少していること、吸水率が 1983 年以降増加して いることより、品質低下の傾向がみられた。

(6)建材試験センターの調査結果からは、大井川産の 細骨材の吸水率が徐々に増加していることより、品質低 下の傾向がみられた。

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