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6年「世界の人々とともに生きる」にプラスワン

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6年「世界の人々とともに生きる」にプラスワン

(教科書では『小学社会6下』p.62~79)

社会科を「好き」と答える子どもの割合は,理科や算数に比べて少ない傾向にある。確かに,理科の 実験や観察を楽しいと思っている子は多いし,算数はすぐに問題の答えが出るので達成感を得やすい。

それに比べて社会科は,見学に出かけるのは年に数回あればいい方だし,追究活動にも時間がかかる。

「社会」とは「世の中」のことだ。世の中のことを教室で学習するのだから,やれることに限界があ るのは当然である。けれども,実際に現地へ行くことは難しくても,擬似体験(バーチャル体験)をす れば,感性が刺激されて,子どもの社会科に対する興味・関心はぐんとアップする。6年生の「世界の 人々とともに生きる」の学習では,次のようなバーチャル体験が可能である。

1 栄養不良の子どもの実態を実感できる「命のメジャー」

世界では今でも栄養不良により,多くの子どもたちが命を落としている。ユニセフが子どもの腕周り を測定して,栄養不良になっていないかどうかを調べる時に使っているのが,「命のメジャー」だ。こ の命のメジャーを二の腕にまくだけで,「重度の栄養不良」「要注意」「栄養不良の可能性は低い」の診 断が即座にできるのだ。

「重度の栄養不良」の子の腕は,ペットボトルのキャップ程度の太さしかない。ユニセフの資料によ ると,2017年現在,世界では年間約590万人の子どもが,5歳になる前に命を落としている。これは1 日に1万6000人,約5秒に1人の割合である。亡くなる原因がすべて栄養不良によるわけではないが,

栄養不良で抵抗力が弱っていることで病気にかかりやすくなるケースが多いのだ。

この「命のメジャー」は,ユニセフのホームページの以下のアドレスからダウンロードすることがで きる。実物大で印刷できるので,すぐに体験することが可能である。

https://www.unicef.or.jp/kodomo/nani/siryo/pdf/major.pdf

体験は二人組で行う。自分の二の腕に一人でメジャーを巻くのは難しいからだ。子どもたちの腕は当 然のことながら,栄養不良ではない。緑色の「栄養不良の可能性は低い」の太さが示されると,ほっと

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2 した表情を見せる。

では,栄養不良の子の腕はどれくらいの太さなのだろう。メジャーを赤い色の「重度の栄養不良」に 合わせてみると,そのあまりの細さに誰もが驚きと戸惑いの表情を浮かべる。世界の子どもたちの現状 を資料から学ぶだけでなく,実際にバーチャル体験を行うことで,子どもたちは「誰かが何とかしなく ちゃ」「放っておけない」という気持ちが芽生え,国連やユニセフの取り組みに対する興味・関心が高 まり,主体的に学習するようになっていく。ユニセフに募金する子も確実に増える。

2 社会科で学習してきたことを,これからの人生に生かす「12歳の主張」

本小単元では,「深める」段階で,「将来に向けて自分たちができることを考えよう」という活動が設 定されている。教科書に示されている例は,国際貢献の内容に絞られているが,これまでの社会科学習 のすべての内容に範囲を広げてみてはどうだろうか。

子どもたちには,次のように話して考えさせた。

「これからの日本,これからのぼくたち私たち」を考え,スピーチをします。

「これから」を考えるためには,「今の日本のよさや問題点」を踏まえる必要があります。

そして,「今のよさや問題点」は「これまでの日本」にその原因があることが多いものです。

「これまで」「今」「これから」,この3つがそろうことで,説得力のある主張になります。

主張を考える時には,教科書,資料集,ノートなど,何を見てもよいことにした。子どもの書いた文 章を紹介する。

「環境問題」

わたしは,さまざまな環境問題についてすごく心に残っています。

地球温暖化は,もし自動車を開発するときに二酸化炭素を出さない車にすれば進まなかったかもし れないし,砂漠化はこれまでに森林をばっさいしても,ばっさいした分くらいの木をまた植えていた ら,そんなに進まなかったと思います。でも,今から昔にはもどれません。

多くの人々が協力し合って,環境問題への取り組みをしています。世界の人々のために,日本のた めに,今,国際連合やボランティアなどが話し合い,活動しています。こうした話し合いや活動が行 われることによって,少しずつ環境問題について関心をもつ人が増えたのだと私は思います。これか らも環境問題に対して,より多くの人々に関心をもってもらいたいと思います。

そして,自分たちの問題として募金をしたり,大人になったら環境問題にかかわる取り組みに協力 したりして,よりよい世界にしていきたいです。

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「一番やってはならないこと」

私たちの住んでいる日本は原子爆弾を投下された唯一の被爆国です。毎年8月に,広島では平和記 念式典が行われます。出席している人の中には,家族や自分の大切なものを失った人もいると思いま す。

あの原爆が日本にどれくらいの被害をおよぼしたかは数字では表せないと私は思います。亡くなっ た人以外にも,けがをした人,原爆症とよばれる原爆の放射線を原因とする病にたおれた人,大切な 家族を失った人も被害者だと思いますが,これらすべての人々の数を知ることができないからです。

核兵器は,数字には表せないくらい多くの人々を傷付けます。だから,『核兵器をなくそう』とア メリカのオバマ大統領も言ったし,日本では非核三原則「核兵器をもたず,つくらず,もちこませず」

がかかげられました。

しかし,前にアメリカ軍の兵士が核兵器を持ちこみ,それを日本政府もゆるしていたというのは,

被爆国である日本が一番やってはいけなかったことではないかと思います。

だから,これからの日本は絶対に核兵器をもたず,つくらず,そしてもちこませてはならないのだ と思います。

子どもが選んだテーマは,「戦争と平和」「環境問題」が多かったが,「政治」や5年生で学習した「食 料自給率」をテーマにしたものもあった。一人ひとりの興味・関心に基づいた個性的なスピーチが続く ことは間違いない。「小学校生活最後の授業」にもおすすめである。

(2019年4月)

あらし

げんしゅう元 秀

東京都の公立小学校教師。教師歴31年。楽しみながら,調べ・考え・表 現する力が高まっていく社会科授業を目ざして研究・実践をしている。

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