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コスメトロジー研究報告 10号(2002)

植物由来のクロロゲン酸代謝産物を用いた化粧品素材としての 配糖体の合成とその美白効果に関する研究

野  村  正  人1、澤  辺  昭  義2、藤  原  義  人1 近畿大学工学部化学環境工学科1)、近畿大学農学部農芸化学科2)

活性酸素抑制効果および人体での変異性病原性物質の生成を阻害するなどの薬理効果があるク ロロゲン酸を含有する植物の摂取により、生体内で分解され最終代謝物としてカフェ酸、フェル ラ酸、イソフェルラ酸およびバニリン酸(4-ヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸)などになることが 知られている。本研究ではカフェ酸、フェルラ酸およびイソフェルラ酸を基質にとり、アセトブ ロモ-α-D-グルコースなどの糖類との縮合反応により、水溶性配糖体を効率的かつ経済的に合成 する手法を確立した。得られた配糖体については、酵素レベルでの美白効果試験とB-16細胞に 対する毒性試験を実施し、機能性化粧品材料化学への展開について検討する。また、植物性食品 中に広く含有し活性酸素抑制効果ならびに人体での変異性病原性物質の生成を阻害するなどの 薬理効果があるクロロゲン酸からの代謝物であり、生体内で分離される最終代謝物のカフェ酸、

フェルラ酸およびイソフェルラ酸を、それぞれ4-ヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸(バニリン酸)、

3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒドおよび3、4-ジヒドロキシ安息香酸から効率よく合成 する手法の確立と同時に、これらを含む数種の関連化合物 4-ヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸、

4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジルアルコールおよび 4-ヒドロキシ-3-メトキシケイ皮アルデヒド についての美白効果ならびに任意の割合で混合した試料についても美白効果を検討し、個々の化 合物間での相乗効果による美白効果向上についても明らかにした。

【結果および考察】

酸化・還元・マロン酸縮合の組み合わせのみで合成可能な出発原料として市販品(和光純薬製およ び東京化成工業製)である3、4-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸および 3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒを用いて行った結果、4-ヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸 からフェルラ酸を 39%の収率で、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒドからイソフェルラ 酸を60.8%の収率で得ることができた。また、3、4-ジヒドロキシ安息香酸からカフェ酸を25.5% の収率で得ることができた。チロシナーゼ阻害活性を検討したところ、フェルラ酸およびイソフ ェルラ酸はチロシン基質と DOPA 基質において、いずれも良好な阻害を示す数値が得られた。

つぎに、DNAの攻撃、皮膚老化の促進あるいはメラニン生成に影響を及ぼすなどの有害作用が ある活性酸素・フリーラジカル( 、 1O2、 H2O2、LOOH、 ・OH)に対する消去効果について 検討したところ、クロロゲン酸、カフェ酸およびイソフェルラ酸に良好な消去効果を示す数値(い ずれも 70%以上)が認めらた。一方、ヒアルロニダーゼ活性阻害を検討したところ、いずれも 著しい阻害活性を示す数値は得られなかった。それぞれの化合物を混合物として任意の割合で調 合しチロシナーゼ阻害活性試験および活性酸素消去効果を検討した。チロシナーゼ阻害活性試験

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コスメトロジー研究報告 10号(2002)

ではフェルラ酸およびイソフェルラ酸の調合割合が阻害活性に大きな影響を及ぼすことが認め られ、いずれも DOPA 基質において、その阻害活性が向上(40%以上の数値)した。また、活 性酸素消去効果試験においても著しい抑制効果を示す数値(90%前後)が得られ、測定濃度を希 釈(0.1%)した場合にも良好な消去効果を示した。

このようなことから母核のフェニルプロパノイドのベンゼン環にヒドロキシル基とメトキシ基 が存在し、側鎖にα、β-不飽和カルボン酸が存在しているそれぞれの化合物を任意の割合で混 合することにより、相乗効果が著しく発現し、美白剤として重要であるチロシナーゼ阻害活性お よび活性酸素消去効果を期待どおり向上させることができた。また、著者らは比較物質として用 い た オ イ ゲ ノ ー ル の グ ル コ ー ス 配 糖 体 と し て ア フ リ カ 産 食 用 葉 の ノ ゲ イ ト ウ (Celosia

ArgenteaL.)に含まれるシトラシンC(Scheme 3)の合成に成功するとともに、非常に高い美白

効果があることについても明らかにすることができたことから、クロロゲン酸分解生成物である フェルラ酸およびイソフェルラ酸の配糖体合成を行い美白効果を検討したが、シトラシン C よ りも高い阻害活性値は得られなかった。しかし、市販品であるアルブチンと同等の値を示すこと を明らかにすることができた。

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でき る位置に ある ため、その生育阻害の程度 (毒性) はおおま かには 、た んぱく 、酵素、 核酸、 A T Pなどのアミ ノ酸やリン酸残基との 相互作用 の強さ で評価できるはずで ある。す なわち、 カチ オン性元素の毒性はアミノ酸や リン酸 との結合性に 、ま たアニオン性元素の 毒性 はリ ン酸 との類似 性な どに関連付けら れ る と思わ