-1の2( )-
第1学年2組 国語科学習指導案
指導者 中島 和代 1 単元名 「けんかした山」
2 単元について (1)単元観
本単元は,学習指導要領第1学年及び第2学年の「C読むこと」の目標(3)
「書かれている事柄の順序や場面の様子などに気づいたたり,想像を広げたりしな がら読む能力を身に付けさせるとともに,楽しんで読書しようとする態度を育て る。」に基づき,内容(1)「イ時間的な順序や事柄の順序などを考えながら内 容の大体を読むこと。」「ウ場面の様子について,登場人物の行動を中心に想像 を広げながら読むこと。」を受けて設定されている。
1年生は,今までに「けむりのきしゃ」「おおきなかぶ」の物語で,音読を通 して自由に想像したりお話の変化をとらえたりしながら読む楽しさを味わってき た。本単元「けんかした山」は,起承転結のはっきりした物語である。二つの山 のけんかしてやめるまでの様子や気持ちが,周りの動物たちや遠くから見守るお 月様やお日様たちとの関わりを通して変化していく様子を捉えていく。挿絵や場 面の様子を想像させる表現や会話文に目を向けることで,登場人物に共感したり,
場面を実感させたりしていきたい。会話文のないところは,二つの山の気持ちを 想像して会話文や内心語を言わせたり書かせたりしながら,興味を持って楽しく 学習できるようにしていく。また,けんかは二つの山だけの問題ではなく,周り の動物たちにも迷惑をかけていることにも気づかせ,けんかのない学級をつくっ ていこうとする気持ちがもてるようにもしていきたい。
(2)児童の実態
学習しようとする意欲はあるが,特に一斉授業では話を聞いていない児童が多 く,発言したり人前で演技したりすることは嫌う児童が多い。そのため,自分が 伝えなければいけないことが言えなかったり,発表やスピーチの声が小さかった りする児童が多い。また,自分の考えを文字で表現することを苦手とする児童も 多い。ほとんどの児童は,読書や読み聞かせが好きである。しかし,中には文字 を読むのが苦手で文字を読まず絵を見ていることもある。
意識調査 (調査人数 28名 平成24年7月18日実施)
<教材に関する実態>
1 国語の勉強で何が好きですか。 (複数回答)
音読・・・・・・・・・・・・・・・・・・23名 平仮名の練習・・・・・・・・・・・・・・22名 吹き出しに気持ちを書く。・・・・・・・・11名 吹き出しに書いたことを発表する。・・・・11名 絵日記を書く。・・・・・・・・・・・・・22名
-1の2( )-
2 「おおきなかぶ」は,どんなお話ですか。順番に番号を書きましょう。
完答・・26名 誤答・・ 2名
最後にかぶはどうなりましたか。
ぬけた・・・・・・・・・11名 やっとぬけた・・・・・・15名 とれた ・・・・・ 1名 無回答 ・・・・・ 1名 <読書に関する実態>
1 どんな本を読むのが好きですか。 (複数回答)
絵本・・・・・・・・・・・・23名 物語・・・・・・・・・・・・22名 図鑑・・・・・・・・・・・・19名 ゲーム・なぞなぞの本など・・24名
(3)支援・指導
このような児童の実態から,国語学習や読書に対して興味や関心はあるもののこ の時期からすでに平仮名の読み書きや発表することに苦手意識を持つ児童がいるな ど個人差が激しい。そのため,音読する時間を大切にし,その後吹き出しに思った ことを書かせたいと考える。そして,パネルを活用することで物語を演じる楽しさ を体験させたり,発表することの抵抗感を和らげたりすることで,意欲的に取り組 ませたい。
児童は,7月まで平仮名の学習にそいつつ,ひとまとまりのお話「けむりのき しゃ」を読んだりやや長めのお話「おおきなかぶ」の読みを楽しんだりする学習 体験をしてきた。まず,「けんかした山」という題名は,1年生に興味を十分引 きつけると思われる。登場人物が無生物であっても,すぐにお話の中のこととし て擬人化できる児童が多いと思われる。このお話は,各場面に表情豊かな挿絵が ありストーリーの展開がわかりやすい。場面ごとの様子から人物の心の動きを想 像させることができると思われる。
-1の2( )- <つけたい力>
○場面の様子や登場人物の気持ちを読み取ったり想像したりする力
3 仮説との関連
<仮説①>
子どもたちに目的を明確にもたせて読ませれば,自分の考えをもつことができるだ ろう。
本単元では,まず,文章全体の姿を捉えさせる。最後に「クラスでパネルシアター をしよう。」という場を設定することで目的意識や相手意識を持つことができると考 える。これによりクラスのみんなに見せるという意識が高まり,毎時間進んで登場人 物の気持ちを想像するだろうと考える。
また,毎時間パネルを使って吹き出しに書いたことを発表させることで,書くこと や発表することにも意欲を持って取り組むと考える。
<仮説②>
表現活動の場を工夫すれば,目的に応じた表現することができるだろう。
この物語には会話は尐ないので,吹き出しに登場人物の言葉を補うことでその気持 ちや場面の様子に対する想像を広げさせることができると考える。
そして,お日様,お月様,動物たちの言葉を読み分けることによって,周囲の心配 や困惑ぶりと,それに気づかない二つの山の状況を対比させていきたいと思う。表情 豊かな挿絵にも注目させることで想像を広げさせたり,登場人物の心情,場面の展開 や転換に関する言葉や部分を大切に扱ったりしていきたいと考える。
4 単元の目標
○ お 話 に 興 味 を 持 ち , 進 ん で 読 ん だ り 意 見 を 言 っ た り し よ う と す る 。 (関心・意欲・態度)
○ 場 面 の 様 子 を 想 像 し な が ら 読 み , お 話 を 読 む 楽 し さ を 味 わ っ て い る 。 (読むこと)
○ 新 出 漢 字 を 読 ん だ り 書 い た り し て , 文 や 文 章 の 中 で 使 っ て い る 。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項)
5 指導計画(9時間扱い)
過程 時配 学 習 活 動 ○支援 ◇評価
つ か む
(2)
1
○『けんかした山』の全文を通読し,
好きな場面について発表し合う。
○心に残ったところを絵に描く。
○登場人物や時間の流れを読み取 らせる。
◇読んで心に残ったことを描き,友 だちに伝えている。
1 ○漢字「山・日・月・火・木・一・
二・三」の読み方を知る。
◇漢字に興味を持ち進んで読もう としている。
-1の2( )-
○全文を音読し,場面分けをする。
○文章の姿を考える。(仮説1)
○時間の経過や登場人物の変化,挿 絵などに注目させて場面を捉え させる。
◇『けんかした山』の場面を意識し ながら,進んで音読している。
表 す
・ 深 め る
(5)
1
○新しく出た漢字「山・日」の読み 書きを練習する。
○一の場面を読み,言葉や挿絵を手 がかりに物語の発端や登場人物 について話し合う。(仮説1・2)
○「いつもせいくらべばかり」「け んかばかり」という言葉に注目さ せる。
◇挿絵や文章から登場人物の様子 を捉え,友だちに伝えている。
1
○新しく出た漢字「月」の読み書き を練習する。
○二の場面を読み,「お日さま」
「お月さま」にいさめられてもけ んかを続ける山たちの気持ちや 言葉を考え,話し合う。(仮説1
・2)
○「お日さま」と「お月さま」の言 い方の違いを考えさせる。
○P92の挿絵や「お月さま」の言 葉から森の動物たちの気持ちに も触れる。
◇けんかを続けている山たちの気 持ちや言葉を考え,友だちに伝え ている。
1
○新しく出た漢字「火・木」の読み 書きの練習をする。
○三の場面を読み,山が噴火した時 の様子や,森の動物たちの様子に ついて話し合う。(仮説1・2)
○紙などを使って噴火の様子を表 し,「どっと」「あっというまに」
という言葉を捉えさせる。
◇噴火の様子や森の動物たちの言 葉・気持ちを想像し,表現してい る。
1
(本時)
○四の場面を読み,雲が雨を降らせ る様子や,しょんぼりとする山の 様子について話し合う。
(仮説1・2)
○「わっさわっさ」「しょんぼりと かおをみあわせました」という言 葉を動作化させ,イメージを広げ させる。
◇雨を降らせる雲の様子やしょん ぼりとする山たちの気持ちを表 現している。
1
○新しく出た漢字「一・二・三」の 読み書きの練習をする。
○一行空けて書き出されているこ とや,「なんねんもなんねんも」
「すっかり」という言葉に注目さ
-1の2( )-
【並行読書】
書 名 著 者 名 出版社名
きょだいな きょだいな 長谷川 摂子 福音館書店
もりのなか マリー=ホール 福音館書店
とべバッタ 田島 征三 偕成社
あめふり さとう わきこ 福音館書店
くんちゃんのはじめてのがっこう ドロシー=マリノ ペンギン社
くろねこ かあさん 東 君平 福音館書店
6 本時の指導 (6/9)
(1)目標
○進んでお話を読もうとしている。 (関心・意欲・態度)
○ 二 つ の 山 ・ お 日 様 ・ 雲 の 気 持 ち を 想 像 し , 吹 き 出 し に 書 い て い る 。 (読むこと)
(2)展開
時配 学 習 活 動 と 内 容 ○指導上の留意点 ◇評価 5
3
1 前時までの学習を想起する。
2 本時の学習課題を確認する。
○火を噴き出した二つの山の様子や助 けを呼ぶ動物たちの様子を思い出さ せる。
○挿絵から山の様子が前時とどう違う のかに着目させ,読みのめあてをし
○五の場面を読み,時間の経過や山 の気持ちを捉え,すっかり変わっ た山の様子について話し合う。
(仮説1・2)
せ,時間の経過を感じさせる。
◇すっかり変わった山の様子を捉 え,山の気持ちや様子を表現して いる。
ま と め る
(2)
1
○役割分担をし,発表の練習をす る。(仮説1・2)
○学習を振り返り,吹き出しに書い た自分の言葉を使って練習させ る。
○場面の情景がわかるように工夫 して表現させる。
◇場面の様子がわかるように工夫 して表現している。
1
○発表会をする。(仮説2) ○これまで学習してきたことを広 げるために,練習した「けんかし た山」のパネルシアターをする。
◇場面の様子がわかるように発表 している。
-1の2( )-
っかりとつかませる。
20
15
2
しょんぼりとかおをみあわせた二つの山は,どんなことをおもった のでしょう。
3 四の場面を音読し,二つの山・お 日様,雲などの気持ちや様子を想 像させる。
・一人読み,一斉読み,指名読み をする。
・雲の集まり方や雨の降る様子を 読み取り,話し合う。
・一人読みしながら火が消えた山 の様子を読み取り,気持ちを想 像し,吹き出しに書く。
(仮説2)
4 吹き出しに書いたことを発表し合 う。 (仮説1)
○二つの山・お日様・雲などの気持ち や様子を想像させながら音読させ る。
○「くろいくも」「わっさわっさ」
「どんどん」の言葉を動作化させ,
イメージを広げさせる。
○「しょんぼり」「かおをみあわせま した。」という言葉に注目させ,動 作化させる。
○前時の動物たちのことを思い出させ る。
○二つの山の気持ちが書けたらお日様 や,雲の気持ちを書くことを知らせ る。
◇二つの山の気持ちを書いている。
○自分と友達の考えを比べながら最後 まで聞くよう促す。
○二つの山は,掛け合いで発表させ る。
◇二つの山・お日様・雲の気持ちを発 表している。
二つの山
・緑の木がなくなって森の動物たちに悪いことをした。けんか をしなければよかった。ごめんね。
お日様
・二つの山が大変だ。動物たちが困っている。雲さん早く雨を 降らせてください。
雲
・仲間を呼んで一杯雨を降らせるからね。
5 次時の学習への見通しを持つ。 ○この後はどうなっていくのかを思い 出させる。
-1の2( )- (3)板書計画
-1の2( )-
こくごアンケート
なまえ
1.こくごのべんきょうでなにがすきですか。
( ) おんどく
( ) ひらがなのれんしゅう ( ) ふきだしにきもちをかく。
( ) ふきだしにかいたことをはっぴょうする。
( ) えにっきをかく。
2.「おおきなかぶ」は,どんなおはなしですか。じゅん ばんにばんごうをかきましょう。(1.2.3.4)
( ) ( )
( ) ( )
さいごにかぶはどうなりましたか。
-1の2( )-