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(1)

Zn, Cu...

Ti

「金属塩の細胞毒性に及ぼすTiCl 4 の影響」

 本研究レポートは,高知大学医学部歯科口腔外科学講座と共同研究を行い,第59,60※および62回歯科理工学会 学術講演会において発表した内容の一部を加筆・修正している.なお,各試験結果は基礎研究によるものであるこ とをあらかじめお断りさせていただく.

 歯科用インプラントは,術式や症例によりフィクスチャー,ア バットメント,上部構造など複数の構造物で構成される.

 上部構造に歯科用合金を用いた場合,口腔内にはインプラント から溶出するチタンイオンと,歯科用合金から溶出する種々の金 属イオンとが共存することとなる.

 チタンあるいはその他の金属の細胞毒性については,これまで に歯科用合金の溶出金属を中心に,個々の金属単独での毒性評価 が行われているものの,複数の金属を組み合わせた場合の毒性を 評価した研究は少ない.仮に,チタンと組み合わせることで細胞 毒性が増加するような金属が存在するならば,そのような金属を 多量に溶出する歯科用合金はインプラントの上部構造として不 適切である可能性も考えられる.そこで本研究では「金属塩の細 胞毒性に及ぼす TiCl4の影響」と題して,歯科用合金を構成する種々の金属とチタンを組み合わせ,ヒト急性単球性白 血病細胞株 THP.1 細胞に対する細胞毒性の変化を分析した.

 細胞毒性の評価には WST-8 法を用いた.生細胞の持つ脱水 素酵素(NAD+,NAD(P)+ デヒドロゲナーゼ)によって,指示 薬である WST-8 は WST-8 ホルマザン(橙色)へと還元される.

本法はこの原理を利用し,橙色の濃淡を測定することにより 試料の細胞への影響を分析するものである.すなわち,試料の 細胞毒性が低い場合,細胞の脱水素酵素の活性が維持される ため,濃い橙色を呈する.一方,試料の細胞毒性が高い場合,脱 水素酵素の活性は損なわれ,橙色の濃度は減ずることとなる.

■図1 金属イオンの溶出■

■図2 WST-8法■

WST-8

WST-ホルマザン

毒性

NADH NAD

+

THP.1細胞

Ti + Zn Cu

研究レポート No.1

※第60回日本歯科理工学会学術講演会発表優秀賞を受賞

(2)

 はじめに,チタン(TiCl4,TiCl3,K2TiO(C2O4)2)および種々の 金属(ZnCl2,CuCl2,CoCl2,NiCl2,FeCl3,AlCl3,MnCl2,CrCl3, GaCl3,Ag2SO4)を単独で細胞に供した場合の細胞毒性を,阻害 率(%)として評価した.次に,チタンと種々の金属の混合溶液 の細胞毒性を評価した.単独で評価した場合の阻害率の和を 予測値とし,混合溶液の阻害率(実測値)と比較した.金属の細 胞毒性に及ぼすチタンの影響は,予測値に対して実測値が増 加の場合に相乗効果(++),同等の場合に相加効果(+),減少の 場合に相殺効果(−)と判定した.例えば,細胞の増殖をチタン が 30%阻害,金属が 30% 阻害する場合,予測値は 30+30=

60%阻害となる.チタンと金属の混合溶液が細胞の増殖を

80% 阻害した場合,実測値 80% は予測値である 60% を上回るため,相乗効果と判定される.

 各金属の細胞毒性に及ぼすチタンの影響は組み合わせた金属によって異なっていた.

 TiCl4は,CoCl2,Ag2SO4に対しては相乗作用を,CuCl2,NiCl2,FeCl3,AlCl3および CrCl3に対しては相加作用を,

ZnCl2,MnCl2および GaCl3に対しては相殺作用を示した.

 TiCl3は,CoCl2に対しては相乗作用を,CuCl2,NiCl2および Ag2SO4に対しては相加作用を,ZnCl2,FeCl3,AlCl3, MnCl2,CrCl3および GaCl3に対しては相殺作用を示した.

 K2TiO(C2O4)2は,CoCl2および Ag2SO4に対しては相乗作用を,CuCl2,FeCl3および CrCl3に対しては相加作用を,

ZnCl2,NiCl2,AlCl3,MnCl2および GaCl3に対しては相殺作用を示した.

 コバルト(CoCl2)あるいは銀(Ag2SO4)は,チタンと組み合わせることで細胞毒性を増す傾向 (相乗効果) が認めら れた.今後,試験管内だけでなく口腔内においてもこの現象が生じるのか,さらに組み合わせる金属によってチタン の作用が異なる機序について解析を行う必要があるものと考えられた.

YAMAKIN 株式会社 生体科学安全研究室

■図3 組み合わせの影響の例■

■表1 金属塩の細胞毒性に及ぼすチタンの影響■

120.0 100.0 80.0 60.0 40.0 20.0 0.0

阻害率(%)

相乗作用 相加作用 相殺作用 実測値 予測値

TiCl

4

TiCl

3

K

2

TiO(C

2

O

4

2

+ CuCl

2

+ +

++

CoCl

2

++

++

+ NiCl

2

+

+ FeCl

3

‑ +

+ AlCl

3

‑ MnCl

2

+ CrCl

3

‑ +

‑ GaCl

3

++

Ag

2

SO

4

+ ++

‑ ZnCl

2

ヤマキン  歯科

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