外国語学部中国語学科3年 叶 富 ﹁上海﹂という新しい地におり立って
9月
11日からの1週間︑私は中国語学科の孫安
石ゼミナールの一員として初めて上海へ行ってき
ました︒私のゼミは上海を研究題材として毎年︑
上海合宿を行っています︒今回の合宿では﹁上海
の租界建築﹂というテーマで活動をしてきました︒
孫ゼミのメンバーは上海の宿泊先ホテルの﹁新光
迎宾馆﹂を目的地として各自︑自力で現地へ赴き
ました︒飛行機の切符をネットで予約するところ
から始まって荷物をまとめて︑いざ出国手続きへ︒
私は家族と一緒に海外へ行ったことはありました
が︑自分で行くのは初めてのことでした︒そこで
私は同じゼミの友達︑石田くんと島津くん2人と
共に出発しました︒現地に到着した時の印象は︑
一見大きな違いはないと思ったのですがよく観察
してみると︑もちろん中国なので周りの言語は日
本語から中国語に切り替わり︑街の風景もよく
見ると看板や道路などが日本と違って右側通行に
なっていたり中国語表記になっていたりと︑同じ
アジアであるものの︑変化を実感したのは空港を 出てからでした︒私は今まで勉強してきた中国語
をフル活用して空港の案内のお姉さんや︑電車の
駅員さんに﹁ここへ行きたいのですがどうすれば
いいですか﹂︑﹁切符はどう買うのですか﹂などを
聞いてなんとか必要なワードを聞き取り︑右も左
も分からない土地でやっとのことでその晩︑新光
迎宾馆に着くことが出来ました︒あとから他のメ
ンバーも全員無事に到着することが出来て︑そこ
でやっと自分は本当に中国にやってきたのだと感
じました︒
中秋
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に対する中国人のこだわり 私たちが中国を訪れた時期はちょうど中国の4大祭りと言われる﹁中秋节﹂という中国のお祭り
の前で︑中国人はその日に家族で月餅を食べた
り︑日頃お世話になっている友達や会社の上司︑
先生などに月餅を贈り合う習慣があり︑日本の
お中元を贈る習慣と似ています︒人々はその月餅 を買うために朝晩を通して中秋 㡖の1週間前から
街のデパートや月餅屋さんの前で大行列を作って
いました︒私の行った南京路歩行街にある﹁新雅﹂
という月餅の店では行列の長さは優に100メー
トルを超える長蛇の列で︑私は日本でもそのよう 外国語学部 中国語学科3年 叶 富 ﹁上海﹂という新しい地におり立って
な光景を見たことが無かったので中国人の祝日に
対するこだわりは私の想像を超えるものでした︒
夜になると街の裏路地にある广西北路にも月餅
購入の整理券を売買する﹁ダフ屋︵黄牛︶﹂と言わ
れる業者とそれを購入したがるお客さんの群れで
广西北路をふさいで人々が群がっていて︑夜遅く
まで取引をしていました︒
なにがなんでも買おうとする人々の手に持って
いるお金がまるで競りをするような風景でなにか 危ない取引をしているかのようで少し怖かった印
象がありました︒またそれ以外にも夜の南京路歩
行街の大通りではネオン管の明かりに街が照ら
され︑多くの人々は祝いの歌を歌う人もいれば︑
カセットテープでハイテンポな音楽を流しながら
エクササイズをするような中国人もいて︑昼夜に
関わらず中国人の熱いにぎわいを肌で感じること
が出来ました︒ 現地で逢った人々
私は上海での活動を通して多くの中国人と交
流し新しい刺激を受けました︒また︑現地に友達
も出来るなど︑最後にそれはとても良い思い出と
なりました︒晩ご飯を調達する際に夜の出店に
出て︑何を食べるか考えていた時に目の前にあっ
た出店のおばさんに突然︑声をかけられて﹁日本
から来たのか?﹂と聞かれ︑人とコミュニケーショ
ンが好きな私はそのおばさんとつたない中国語で
会話をして︑その日はそのお店でチャーハンを注
文することにしました︒そこのおばさんと話が盛
り上がったのでチャーハンを大盛りサービスにし
て頂きました︒それから毎晩そこの出店に通うよ
うになっていつもそのおばさんにサービスしても
らうようになりました︒また︑ゼミで活動した際
にも現地の人にインタビューする場面があり︑私
の活動する班には上海の ϰढ大学の学生のニッ
キーさんという方に同行してもらってたくさん助
けて頂きました︒
ニッキーさんも中国で日本語を勉強する学生
で︑現地を案内してもらう一方︑私たちが上海に
いる間︑ともに行動しながら現地で話す中国語を
教えてもらったり︑﹁進撃の巨人﹂や﹁銀魂﹂など
「上海」という新しい地におり立って
現在日本で流行しているアニメの話をしたりと交
流が深まってニッキーさんとは今ではかけがえの
ない親友となりました︒他にもホテルの受付の方
や街で買い物した時に値切った店員など多くの
中国人と関わって︑今まで自分が思っていた中国
人のあり方とは違って︑本当に現地の方は私た
ちに対してとても優しくて︑時には慣れない対応
があってもそこから中国人が生活する日常を感じ
ることが出来て︑どれも自分に良い刺激になりま
した︒