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www.tohoku.ac.jp

令和 2 年 12 月 1 日 報道機関 各位

東北大学 多元物質科学研究所

【発表のポイント】

 酸化亜鉛結晶の発光量子効率*1と発光寿命*2の関係を実験的に明示

 外部からの励起頻度が高くなると、主に光らない(非輻射再結合*3)過程 が減速し、発光量子効率が上昇することを発見

 発光効率や点欠陥濃度の測定精度向上により、様々な半導体デバイスの省 エネ化に寄与

【概要】

電気エネルギーと光エネルギーとを相互に変換する発光ダイオードや半導体 レーザ、太陽電池などの光電相互変換デバイスを効率化するにあたり、効率を左 右するのは光る(輻射再結合*3)過程の頻度増加なのか、光らない(非輻射再結 合)過程の頻度減少なのかが問題となりますが、両者を切り分けて測定すること は容易ではありませんでした。東北大学多元物質科学研究所 小島 一信 准教授、

秩父 重英 教授は、水熱合成法にて作製された高純度酸化亜鉛結晶の発光量子 効率と発光寿命の関係を実験的に調べた結果、発光量子効率の変化は主として 光らない過程(発熱過程)の頻度減少に起因していることを明らかにしました。

本研究は、電子デバイスや光デバイスの製造に用いられる半導体結晶の発光・

非発光再結合過程の頻度を定量的に明らかにするものであり、半導体デバイス のさらなる省エネ化や高性能化の指針となるものです。

本研究成果は、本成果は応用物理学会と日本物理学会との協同内部組織であ る物理系学術誌刊行センター (PCPAP)の科学誌Applied Physics Express誌に て11月24日にオンライン公開されました。

本研究の一部は、文科省の「人・環境と物質をつなぐイノベーション創出ダイ ナミック・アライアンス」および新学術領域研究「特異構造の結晶科学」の助成 を受けています。

光り方を決めるのは光る頻度か光らない頻度か?

~酸化亜鉛結晶の発光効率と発光寿命の相関を明示~

(2)

2

【参考画像 1】外部からの励起頻度を変化させたときの、光る(輻射再結合)

過程と光らない(非輻射再結合)過程の頻度の逆数(再結合寿命)の振る舞い。

100 101 102 103 10-1

100 101 102

Lifetime (ns)

Pumping density (nJ/cm2) 1015 1016 1017

軸タイトル X

輻射再結合寿命

非輻射再結合寿命

NR

R

単位面積当たりの励起光強度Ppulse(nJ/cm2) 励起電子濃度nini(cm-3)

寿命(ns)

【問い合わせ先】

(研究に関すること)

東北大学多元物質科学研究所

准教授 小島 一信(こじま かずのぶ)

教 授 秩父 重英(ちちぶ しげふさ)

電話: 022-217-5363

E-mail: [email protected]

(報道に関すること)

東北大学多元物質科学研究所 広報情報室 電話: 022-217-5198

E-mail: [email protected]

(3)

3

【詳細な説明】

1.背景

価値観の多様化や経済格差の鮮明化に加えて新型コロナウイルス感染症の問 題など、先を見通すことが困難になりつつある現代において、持続可能な社会を 実現して安心・安全な生活環境を構築することは、多くの人が願うところである と考えられます。このためには、限りあるエネルギー資源の高効率な利活用技術 の開発が一つの方策と言えます。特に照明や通信、太陽光発電などの光応用分野 においては、電気エネルギーを光エネルギーに変換する発光ダイオード(LED)

や半導体レーザ、また逆に、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池 のような光電相互変換デバイスの高効率化が不可欠です。これら半導体デバイ スは、用途に応じて様々な材料を用いて製造されます。

これまで小島准教授らは、半導体結晶の高精度な発光効率の計測手法である 全方位フォトルミネセンス(ODPL)法*4を提案し、積分球*5を核とする分光技術 を駆使した半導体ウェハの高速・高感度検査手法の確立や、極低温下における発 光量子効率測定を実現させてきました。しかし、光る(輻射再結合)過程と光ら ない(非輻射再結合)過程の競合によって決定される発光量子効率が、どちらの 過程により支配されているかを切り分けて測定することは容易ではありません でした。

2.研究手法と成果

本研究では、直接遷移型半導体*6と呼ばれる酸化亜鉛(ZnO)結晶に着目しま した。ZnO結晶は、外部から励起を受けると特有の光を放出します。この時、結 晶欠陥の少ない結晶ほど強く発光するため、発光量もしくは発光効率を指標と することによって結晶の品質管理が可能となります。光計測は一般に瞬時かつ 感度が高いという利点がありますが、一方で計測者の技量によってその強度が 簡単に揺らぐため、再現性に乏しいことが知られています。このため小島准教授 らは、積分球と呼ばれる装置内に試料を配置して、結晶から放出される光を全方 位に渡って集めることにより発光量や効率を絶対測定する方法に着目し、評価 技術の改善に取り組んできました。

特に本研究では、水熱合成法にて作製された高純度なZnO結晶を対象に、ODPL 法による内部量子効率測定(参考画像2)と時間分解フォトルミネセンス法によ る発光寿命測定を併用することにより、光る(輻射再結合)過程と光らない(非 輻射再結合)過程の頻度の逆数(再結合寿命)を切り分けて測定することを試み ました。その結果、参考画像1に示す通り、外部からの励起頻度を非常に低い状 態から徐々に高めると、光らない(非輻射再結合)過程の頻度の低下(非輻射再 結合寿命の増加)が、光る(輻射再結合)過程の頻度の増加(輻射再結合寿命の 減少)よりも顕著に生じていることが分かりました。

(4)

4

【参考画像 2】 発光効率(内部量子効率)と外部からの励起頻度の関係。

本研究は、電子デバイスや光デバイスの製造に用いられる半導体結晶の発光・

非発光再結合過程の頻度を定量的に明らかにするものであり、半導体デバイス のさらなる省エネ化や高性能化の指針となるものです。そのため、ZnOを含めた 様々な半導体材料によって作製されるトランジスタやLED、半導体レーザ、太陽 電池など、多様な半導体デバイスの開発・製造を加速させるものと期待されます。

3.今後の展望

ODPL 法は、直接遷移型半導体であれば無機材料だけでなく有機材料にも適用 が可能であるため、ZnO 以外の様々な光材料についても検証を行いたいと考えて います。

【論文情報】

タ イ ト ル : Correlation between the internal quantum efficiency and photoluminescence lifetime of the near-band-edge emission in a ZnO single crystal grown by hydrothermal method

著者名: K. Kojima and S. F. Chichibu 雑誌名: Applied Physics Express DOI: 10.35848/1882-0786/abcd73

【用語解説】

*1.発光量子効率

対象となる発光材料に(本研究では励起レーザによって)入射・吸収された光 子数に対する、発光に利用された光子数の割合のこと。

*2.発光寿命

外部からの刺激によって励起された結晶から、光子が放出される頻度の逆数。

10-410-310-210-1100101 102 10-1

100 101 102

CW

Pumping density (W/cm2)

IQE (%)

101510161017101810191020

軸タイトル X

CW, RT

単位面積当たりの励起光強度Pcw (W cm-2) Pumping rate (sec-1cm-2)

単位面積当たりの励起頻度G(sec-1cm-2)

内部量子効率(%)

(5)

5

*3.非輻射再結合、輻射再結合

結晶内に光励起された電子・正孔ペアが、光子を生成して(光って)消滅する ことを輻射再結合と呼ぶ。反対に、光子を生成せずに(光らずに)消滅するこ とを非輻射再結合と呼ぶ。

*4. 全方位フォトルミネセンス(ODPL)法

積分球を使った分光法の一つ。基礎吸収端エネルギー以上の光の放出方向が 決まっていることを利用し、結晶の発光効率を再現性良く測定できる。

*5.積分球

内壁が硫酸バリウムやスペクトラロンといった拡散反射率の極めて高い(つ まり、真っ白な)材料にて覆われた球状の装置。硫酸バリウムは、胃のレント ゲンで造影剤としても用いられる。

*6. 直接遷移型半導体

光を強く放出し、かつ、基礎吸収端エネルギーよりも大きなエネルギーの光を 強く吸収する性質を持つ半導体のこと。

Referensi

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