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○ 気候変動枠組条約第1回締約国会議( 1) ベルリンマンデート〜京都会議直前

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  ベルリンマンデート〜京都会議直前 

平成13年5月2日 足利聖子・西村直樹

気候変動枠組条約締約国会議(C O P)の目的

  気候変動枠組条約政府間交渉委員会(INC) 温室効果ガスを削減するために今後の   気候変動に関する政府間パネル(IPCC)  枠組条約の実施の方向性を具体的に決定

気候変動枠組条約第1回締約国会議( C O P 1)

・  ベルリンにて1995 年3月28日〜4月7日開催。参加国数は117、総勢約4000人が参 加。

・  具体的には以下を話し合う事が目的

      1  約束の妥当性の検討(枠組み条約4条)

      2  共同実施(AIJ)の試行期間の設定と試行の開始       3  手続き規則(会議の進め方採択の方法)

各国の考え

  先進国:2000年以降の措置等の取り扱いについて決定すべき。そして先進国だけではな く途上国の義務も議定書に盛り込むべきだ

EUは目標値と年限も入れるべきと主張。他の国はこれには反対。

途上国:先進国の努力目標ですら実現不可能。途上国に義務を課すなどは絶対に認めな い。これは一致しているが、AOSIS、中国・インド、産油国では考えが違う。

会議の決め手

1)「グリーンペーパー」

産油国以外の途上国が「途上国は何ら新しい義務を負わず、先進国の義務のみ強化する議 定書を作成するための協議を開始する」という内容の『グリーンペーパー』を作成。

EU・アメリカがこれに譲歩する。(→アメリカの後悔)

2)「目標」と「目的」

「目標(target)」を「目的(objective)」にする  ⇒  先進国が折れる。

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3)半ば強引な採択方法 コンセンサス方式(?)

○成果=「ベルリンマンデート」

       (Mandate:命令・指令)

注目点は3点

1)枠組条約第4条a、b が不十分である          ↓

・「議定書またはその他の法的文書の採択を通じて先進締約国の条約の約束を強化するこ とを含め、2000年以降の期間についての適切な措置を先進締約国(付属書Ⅰ国)が取る ことを可能にするプロセスを出来るだけ早期に開始すること」

2 )C O P3 に お い て 「 数 量 化 さ れ た 排 出 抑 制 削 減 目 的 (Q E L R Os)」 の 設 定 を 含 む 議 定 書 が採択される事を目指した議定書締結プロセスを開始

○BM2条(a)  付属書Ⅰ国に対し

・政策および措置を詳細に作成し、提供すること

・温室効果ガスに関する、例えば2005年、2010年、2020 年といった特定の時間的枠組の 中における数量化された抑制および削減目的を設定すること

○BM2条(b)  途上国に対し

・何ら新たな約束は導入しないが、既存の約束(枠組条約)を再確認するとともに、持続 的開発を達成するためにこれらの約束の実行をより一層進める。⇒解釈の問題が起こる        

  1と2より、ベルリンマンデート・アドホックグループ(A G B M)が設立 これ以降、COP3までに8回開催される

3)共同実施活動(A I J)の開始

先進国:自国内のみでは削減費用が高価すぎる国がある。

    共同実施を試験的に実施し基準を作成すべしと主張。

途上国:共同実施では、先進国が自国内での努力を怠り、義務の履行はなされない。

    共同活動(枠組条約4条2a、bとは関係ない)ならばよい。

    (先進国から資金援助・技術移転が得られる)

      ↓

「 共 同 し て 実 施 す る 活 動 ( 共 同 実 施 活 動 )」を 2000年にかけて試 験 的 に実行される事が決 定される。(先進国にとっては「共同実施」ととれ、途上国にとっては「共同活動」ととれ

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る。これも妥協案。)これは削減のクレジットは伴わない、つまり自国の削減とされない。

COP1の評価・・ 「ベルリンマンデート」という結果は残せたものの、不明確な

点が多い。

<C O P1後から C O P3直前まで>

・京都会議の準備交渉は二年半以上にも及び、京都準備会合は8回開催された。

・交渉では、数値目標(排出削減率)とその枠組み途上国問題等が主な争点となった。

・経済や産業構造など背景の違いから、自国に有利になるよう各国が交渉をすすめた。

条約の手続き規則が定まっておらず、多数決でなくコンセンサス方式。全て の国が実質 的に「拒否権」を持っている。→交渉が長引く一因となった。

・京都会議をにらみ、G8デンバーサミット及び国連環境開発特別総会でも温暖化問題が 大きくとりあげられた。

C O P1からCOP3までの交渉

1995年3~4月      8月    10~11月     12月

C O P1  2000年以降の地球温暖化防止対策を規定する議定書等を

      COP3までに採択することを決定.

A G B M 1  議定書交渉開始.当面の作業日程を検討.

A G B M 2  今後の交渉の論点が概ね明確化.

I P C C 第2次評価報告書公表

1996年3月     7月        12月

A G B M 3  排出抑制削減に関する数値目標の論議が本格化.

A G B M 4  各国が議定書案を1996年10月までに提出することを決定

C O P2  COP3で採択する議定書の数値目標が法的拘束力を持つもの

とすること等を盛り込んだ閣僚宣言をテークノート

AGBM5  日本議定書案提出(p&q案).計13カ国から提出された議定

     書案をもとに検討.

1997年3月    5月    6月    7月   7~8月    10月    12月

A G B M 6  米国,オーストラリア,EU等から新たに提出された提案を含む

各国の提案をベースとした交渉用テキストが作成された.

G 8 環境大臣会合 G 8 デンバーサミット 国連環境開発特別総会 バード決議(アメリカ)

A G B M 7  数値目標に関する制度の枠組み等を中心に議論.

A G B M 8  COP3に向けた最終の公式会合.

C O P 3  京都議定書採択.

*C O P (締約国会議, C o n f e r e n c e o f t h e P a r t i e s ) 条約成立後の唯一の意志決定機関。年1回開催。

*A G B M (京 都 会 議 準 備 会 合, A d-hoc Group on the Berlin Mandate) ベルリンマンデートに基づき設け られた議定書作成の交渉の場。959月~9710月に8回開催。

斜線は温暖化防止京都会議のための準備交渉ではないが、温暖化問題が大きくとりあげられるなどした。

(4)

○COP2

アメリカが初めて政策転換し、2000年以降の抑制と削減目標に初めて「法的拘束力」を持 たせる。宣言に「相当の削減」と「拘束力」が盛り込まれた。

しかし、産油国や中国・ロシアなど14カ国が宣言に反対し、採択ではなくテイク・ノート (記録)となった。

COP3の京都開催が決定した。

○第5回AGBM  日本案など13カ国の議定書案が提出される。

日本案「p&q案」…「一人あたりの排出量をpトン以下にする」か「総排出量の平均を 1990年比でq%以上削減する」かのどちらかを選ぶ。→簡素化された差異化であり、具体 的。注目・評価される。

○第6回AGBM 

アメリカ・EU・オーストラリアなどが具体案を提出、統一した交渉用テキストが作成さ れた。主要な論点が全て出揃い、交渉が実質的にすすめられるようになった。

○G8環境大臣会合

アメリカが「排出抑制」の「抑制」の削除に傾いたことで、COP3主催国の日本が孤立 した点がポイント。

→以後日本は、「抑制」の削除を受け入れるかわりにメカニズムや差異化の主張へ転換。

国際合意の変遷

COP1、ベルリンマンデート(95.3~4)

温室効果ガスは、例えば 2005 年、2010 年といった特定のタイムフレーム内における数量 化された抑制および削減の目的を設定すること。

COP2、閣僚宣言(96.7)

例えば2005年、2010年、2020 年といった特定のタイムフレームの中で、排出および相当 の(significant,大幅な)削減のための数量化された法的拘束力のある目的…。

デンバーサミット共同宣言(97.6.22)

COP3において、ベルリンマンデートに合致し、数量化された、かつ法的拘束力のある 排出の目標を含む強力な合意を形成しなければならない。我われは2010年までに温室効果 ガスを削減する結果をもたらすような、意味のある、現実的で、衡平(公平)な目標にコミッ トする意図を有している。

国連環境特別総会・採択文書(97.6.27)

例えば2005年、2010年、2010 年といった特定のタイムフレームの中で、温室効果ガス排 出量を相当に(大幅に)削減する結果をもたらすような、付属書Ⅰ締約国に関して、法的拘束 力があり、意味のある、現実的で、衡平(公平)な目標を考える必要があるという、普遍的で はないものの、幅広い合意がすでにある。

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各国の背景

アメリカ  安い石油のうえに成り立つ経済大国、一人当たりCO2排出量は世界一 日本  すでに省エネ世界一。90 年比でも 0.5%削減が精一杯&差異化にしないと削減コス トが他国より膨大になる(by通産省)。

EU  国ごとの経済事情を踏まえ、域内で削減量を差別化することにより大きな目標を掲 げられる。

産油国・オーストラリア  化石燃料(石油・石炭)を大量に輸出、依存 AOSIS  海面上昇で国土水没。被害大きい。

中国・インド  現時点ですでに排出量が多く、かつ今後の伸びが着実で大幅なことが予想 される国。→自らに抑制削減義務が課されるのを恐れる。

後発開発途上国  温暖化よりも貧困撲滅に関心。→資金援助&技術協力を求める。

京都会議に持ち越された論点

①削減目標をいくらにするか

②対象とするガスの種類は三種類か、六種類か。

③国別に違った目標をつくるか(差異化)、一律とするか

④EUバブル(EU一括方式)を認めるか。

⑤排出権取引や共同実施などを導入するか。

⑥森林などの吸収源(シンク)をカウントするネット方式にするか。

⑦途上国への規制への参加を求めるか。

⑧途上国への資金援助はどんな仕組みにするか。

各国の案

アメリカ案 EU 案 日本案

目標年 2008年〜2012年を第 1 バジェット期間とす る

その後に第2バジェッ ト期間を設定する

2010年。ただし、2005 年 の 削 減 目 標 も 設 定 する

2008年〜2012年

基準年 1990年 1990年 1990年 削減率・数量目的 1990年比安定 1990年比15%削減 1990年比5%削減

②対象となるガス 代 替 フ ロ ン 含 め 全 て の温室効果ガス

二酸化炭素、メタン、

亜酸化水素

二酸化炭素、メタン、

亜酸化水素

③差異化 認めない、一律とする EU バ ブ ル は 認 め る が、その他は認めない (EU加盟国間では

ドイツ10%削減対し

ギリシャ30%増加可

など)

一 人 あ た り 排 出 量 に 着目。各国の人口増加 率 な ど を 考 慮 す る た め、差異化OK 第 2 バ ジ ェ ッ ト 期 間 に は よ り 精 密 化 さ れ

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要としている

④EUバブル 認めない OK 認めない

⑤認める柔軟的策 バジェット制度、排出 権取引、共同実施、ネ ット方式

バスケット方式、共同 実施

バジェット制度、排出 権取引、共同実施

⑥途上国について 途 上 国 の 参 加 も 求 め る

途 上 国 は 参 加 し な い でもよい

第 2 バ ジ ェ ッ ト 期 間 か ら で も 参 加 を 求 め る

*EUはトリプティーク・アプローチ(GHGs の排出を①産業部門からの排出②発電等エネルギー部門か らの排出③民生部門からの排出に分け分析し、可能削減量を算出。各国全体の削減可能量を出し各国の一 人あたりの排出量を同一にするやり方)をもとにされた。

○各国の議定書案提出後、第 7回AGBM、第 8回AGBMが開かれるが、何も決まらず。

そして京都会議へ……

略語集

INC (Inter‐governmental Negotiating Committee)=政府間交渉委員会

IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change)=気候変動に関する政府間パネル COP (Conference of the Parties)=気候変動枠組条約締約国会議

FCCC(Framework Convention on Climate Change)=気候変動枠組条約=UNFCCC AGBM (Ad-hoc Group on the Berlin Mandate)

=ベルリンマンデート・アドホックグループ QELROs (Quantified Emissions Limitation and Reduction Objectives)

      =排出抑制削減目的

AOSIS(Alliance of Small Island States)=小島嶼国(とうしょこく)連合 AIJ(Activities Implemented Jointly)=共同実施活動

GHGs(Greenhouse Gases)=温室効果ガス 参考文献

・「地球温暖化の政治学」  竹中敬二  朝日新聞社  1998年

・「地球温暖化と環境外交」  田邊敏明  時事通信社  1999年

・「地球問題と企業」  山口光恒  岩波書店  2000年

・「地球は訴える」  赤尾信敏  世界の動き社  1993年

・山口教授の2000年度講義レジュメ

・藤田真吾氏(山口ゼミ4期)の2000年度のレジュメ

Referensi

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