豊橋技術科学大学グローバル工学教育推進機構
ペナンだより
(第 16 号 平成 28 年 2 月 29 日)
Toyohashi University of Technology
National Institute of Technology
Nagaoka University of Technology
※ 主要活動報告
◆ 2月1日(月)、PSPでグローバルFD高専教員による実務訓練(英語による講義)が始まり、
Fong氏と共に3名(森谷、Park、大沼の各先生)の講義を聞きに行った。学生は70名から 120名ほど聴講に来ており、学生からも活発な質問があり大変盛況であった。また先生方 は90分間、ほぼ淀みのない英語で講義をしていた。これまでのTUTとNYQCでの研修成果が 表れているようであった。
函館高専 森谷先生による回路系分野の講義 電気・電子系学生の聴講風景(約120名)
◆ 2月3日(水)、ペトロナス大学・国際交流室のNorzat Nordin氏から訪問要請とTUTとの 各種交流などについて連絡があり、4月以降に訪問したい旨の回答をする。ペナン校訪問
(5日)について長岡技大の佐藤先生から打診がある。PSP教員対象のFD講演は、小林先 生から阿南高専における工学教育の実践、東京高専の市川先生からはActive Learning についてであった。
◆ 2月5日(金)、水谷監事、菅谷係長と共に総領事館を表敬訪問し、野田総領事、寺本領事 を交えて懇談をする。水谷監事からは豊橋技大の諸活動の支援に対するお礼などを、ま た寺本領事からはTech Domeへの協力依頼があった。総領事館表敬訪問後、PSPへ移動。
竹澤先生(舞鶴高専)のコンピューター工学関連の講義を見学する。長岡技大の佐藤先 生、原田先生、高橋コーディネーターが来校し、Lim准教授と一緒に新たにToray-USM Knowledge Transfer Centre 内に設置される技学関連のLiaison Officeについて情報交 換を行う。長岡技大からは3月1日(火)開催のOffice 開所式の招待を受ける。
水谷監事と菅谷係長からペナン校の管理運営、会計処理、安全管理、要望事項などにつ いて監査があり、Lim准教授、Angeline氏、京兼が個別の対応をする。FD高専教員へのア ンケートの集計結果をもとに、水谷監事、8名の教員(京兼同席)とで話し合いを行う。
各先生からは多くの事柄について率直な意見や要望などが出され、有意義な意見交換の 場となった。終了後は水谷監事と菅谷係長を囲んで、総勢15名で懇親会を実施する。
◆ 2月8日(月)、中国の正月(春節)のためマレーシアは8日と9日が祝祭日。Angeline氏, Fong 氏、管理人のChooie夫妻は、12日(金)まで休暇。FD高専教員の市川、小林、森谷、朴 の各先生が来校し諸活動を行う。
◆ 2月10日(水)、高専機構本部の国際交流室から3月23日(水)に開催される、平成27年 度と28年度対象の海外派遣FD教員と在外研究員にかかる報告・研修会での講演依頼があ る。
◆ 2月12日(金)、FD高専教員8名が来校し諸活動を行う。
◆ 2月15日(月)、FD高専教員の市川、竹澤、小林、三澤、朴の各先生はペナン校で業務を、
森谷、大沼、柳沢の各先生はUSMのEngineering Campusで担当教員と講義などの打ち合わ せを行い、その後、ホテルの予約と周辺の視察を行う。第二次グローバルSD研修への参 加者が到着し、Fong氏がDisted Collegeの車で出迎えに行く。小林先生がDisted College の学生(約40名)を対象にした人口問題と統計処理に関する講義を行う。PSPでの経験が 活かされてきているようであった。
阿南高専 小林先生による統計処理の講義 Disted College 学生の聴講風景(約30名)
◆ 2月16日(火)、FD高専教員の市川、小林、竹澤、三澤の各先生が来校し活動を行う。PSDC での3名の教員によるTechnical Talk(18日開催予定)に対し、現時点で聴衆者が8名と 昨年(約70名)に比べ非常に少なく、PSDC担当者から今回は中止をしたい旨の申し入れ があった。柴田先生と講演予定の教員(3名)と種々相談をした結果、本年度は中止する こととした。PSDCでの講演は、実施時期や講演内容など次年度に向けた課題が浮き彫り となったので、今後、種々検討をしていく必要がある。
SD研修者7名を対象としたDisted Collegeでの実践英語講習が開始される。Disted Collegeでの実践英語講習後、ペナン校での研修の一環としてSD研修者に対し京兼から講
話を行う。内容は我が国のグローバル展開、三機関連携事業とペナン校の役割、マレー シアの歴史と情勢などについてである。
◆ 2月17日(水)、FD高専教員8名が来校し諸活動を行う。SD研修者7名は、引き続いてDisted Collegeでの実践英語講習。梅本特任教授、Tan特任助教、小林会計課長がペナン校に到 着。
◆ 2月18日(木)、FD高専教員8名が来校し諸活動を行う。SD研修者7名はDisted College での実践英語講習。府立大学高専の葭谷先生がペナン校での研修のため来校。梅本特任 教授、Tan特任助教、葭谷先生は実務訓練生の視察のためAmbu(建設系企業)を訪問し、
訓練状況などについて担当者と意見交換を行う。FD高専教員、葭谷先生、Fong氏と共に パナソニックを訪問。南部社長から会社概要の説明を受けた後、工場見学、インターン シップなどについての意見交換を行う。梅本特任教授、Tan特任助教は実務訓練生の視察 のためISOを訪問。SD研修者に対しては小林会計課長から、グローバル化に向けて職員と して求められる業務などについて講話がある。
パナソニック南部社長(前列中央)等との記念写真
◆ 2月19日(金)、FD高専教員8名が来校し諸活動を実施。SD研修者7名は引き続きDisted Collegeでの実践英語講習。市川先生がDisted Collegeの学生(約60名)を対象にした、
数学(フラクタル次元とその応用)に関する講義を行う。井上理事・副学長、Lim准教授、
黒田室長が来校しSD研修者7名と意見交換。梅本特任教授、Tan特任助教、高専教員8名、
葭谷先生、Fong氏と共に東レを訪問。東レでは2班に分かれ、豊橋技大側は実務訓練学生 の訓練状況などについて指導担当の上司から、高専側は会社概要などを総務部長の川勝 氏から各々説明を受ける。説明後は両者が合流し、工場・職場見学、各種の意見交換を 行う。終了後、ソニーEMCEを訪問(参加者は同上)する。人事担当者から会社概要の説
明を受け、工場見学、音響効果に関する体験などをした後、技大生や高専生の就職とイ ンターンシップなどについての意見交換を行う。
ソニー永井社長(前列左から3人目)等との記念写真
◆ 2月20日(土)、平成27年度 第3回在ペナン海外実務訓練生の最終報告会を開催。井上理 事・事務局長の開会の挨拶後、Tan特任助教の司会進行で10名の学生が2か月間の業務内 容と成果を報告し、梅本特任教授、Lim准教授、高専教員からの質問やコメントにも適切 に受け答えをしていた。報告会終了後は学生手作りの料理で、お世話になった企業の方 などを招き小宴を催し、皆さんと打ち解けた終始和やかなパーティーであった。
井上理事・副学長から開会の挨拶 海外実務訓練生の最終報告会
◆ 2月22日(月)、FD高専教員の森谷、柳澤、朴の各先生がEngineering Campusの電気系教 室および機械系教室で講義を実施。第二次グローバルSD研修者(7名)に対し、Fong氏か らUSMでの職場体験と職員との共同作業を実施するため、最低限必要な事項などについて の講話(Introduction to Malaysia and USM)が行われた。午後はSD研修者に対し京兼
から「大学・高専の職員としてグローバル化を推し進めるには、組織に対してどのよう に関わっていくか」の題目でワークショップ(WS)を行った。WSでは職員として何がで きるかをグループワークで考え討議し、全体共有をして、自分は何をするかを宣言文に 書いてもらった。最後に一人一人宣言を読みあげていただき、職場で引き続き頑張って 欲しいと締めくくった。
グループワーク後の発表(1班) グループワーク後の発表(2班)
◆ 2月23日(火)、FD高専教員の大沼、柳澤両先生がEngineering Campusの電気系教室で、
小林先生はMain Campusの数学系教室で講義を行う。Fong氏がSD研修者7名と一緒にUSM の諸施設を訪問。主な見学場所は、東レ-USM Knowledge Transfer Centre(日本文化セ ンター長の副田先生と情報交換)、図書館、学生寮、Sports Complex(体育館等)、美 術館である。日本人会の総会(於、JEN Hotel)に出席する。28年度の会長にはSony EMCE の永井社長が選ばれ、活動方針や予算などについての報告があった。
◆ 2月24日(水)、FD高専教員の森谷、朴の両先生は、Engineering Campusで電気系教室及 び機械系教室で講義を実施。SD研修者7名はUSMでの各職場体験の一環として、午前中は Human Affairs, Woman Research Center, International Office で 担 当 教 職 員 と 、 International OfficeではBodyの学生4名を含めて意見交換を行う。各部門では常に軽食 と飲み物、記念グッズが用意されていた。昼食後は Academic & Student Affairs 及び Alumnus Officeで、各部門の担当教職員とQ&A方式で情報交換を行う。
◆ 2月25日(木)、FD高専教員の大沼先生がEngineering Campusの電気系教室で講義。SD 研修者7名はFong氏と共にUSMのIndustry & Community Network Office、 Human Transfer Centreを訪問し、教職員と意見交換。昼食後はClinic(USM病院)と産学交流機関のCReST などで情報交換をする。ペナン校へ帰校後は、3日間のUSMでの業務などに関し「ふりか えり」を行う。
◆ 2月26日(金)、FD高専教員の朴先生はEngineering Campusの機械系教室で、市川先生と 小林先生は Main Campusの数学系教室で各々講義を実施。SD研修者は報告書作成とペナ ン世界遺産等への文化探訪を行う。
◆ 2月29日(月)、総領事館の寺本領事とFong氏と共にテックドーム・ペナンのプロジェク ト工事現場の視察と、今後の協力関係、支援について話し合う。今回は先方の要望のみ を聞くことにとどめ、大学本部と相談をし、調整をしていきたい旨の返事をする。FD高 専教員の三澤先生のMain Campusでの講義が先方の都合で中止となる。市川先生、小林先 生、Fongさんと一緒にEngineering Campusへ行き、柳澤先生の学生対象の講義と森谷先 生の教員対象のセミナーを聴講する。
徳山高専 柳澤先生の情報処理系の講義 Engineering Campus での記念撮影(FD 教員)
編集後記
他の高等教育機関に先駆けて本学が実施をしている、三機関連携事業による高専機構教員 のグローバル FD 研修および三機関職員の SD 研修は、3 年目に入り研修内容も充実をしてき ており、着実に成果があがっているものと思われる。特に高専教員の FD 研修に関しては、日 刊工業新聞(28 年 1 月 20 日付)に「高専教員の英語研修~日米とアジアで 1 年、教育・研 究手法を体験~」という見出しで取り上げられた。記事(一部抜粋)では、「これらを体験し た教員は各高専に戻り、海外機関との連携や高専生の海外引率などの業務に役立てる。高専 の国際化は、卒業生を通して地域企業の海外ビジネス展開の後押しにも繋がるだけに、研修 システムの拡充による効果が今後さらに期待されそうだ。」と締めくくられている。こうした 点を踏まえて、本学と高専との連携をより堅固なものとしつつ、今後とも事業が生かされ活 性化していく仕組みつくりが望まれる。
平成 27 年度の第 3 回在ペナン海外実務訓練生の最終報告会が 20 日(土)に開催された。
10 名の学生が 2 か月間の業務内容と成果を報告(英語)し、各教員からの質問やコメントに も適切に受け答えをしており成長のあとが窺えた。
中国の正月(春節)のためマレーシアは、8 日(月)と 9 日(火)が祝祭日となっている。
が、中華系の方が 50%を越すペナンではお祭りが 10 日ほど続き、各種機関や企業は休暇とな り街中は爆竹とともに獅子の勇壮な舞いが見られ、大変な賑わいとなっていた。また、今年 の 2 月は 4 年に一度の閏年で 29 日迄であったが、諸行事が目白押しでアッという間に過ぎ去 った。
京兼 純(国際教育センター特任教授)
マレーシア教育拠点(ペナン校)
Senior Director of Global Education, TUT-Penang 3 Cantonment Road, 10350 Penang, Malaysia Phone: +60-4-226-6242
E-mail: [email protected] http://www.tut.ac.jp/