豊橋技術科学大学グローバル工学教育推進機構
ペナンだより
(第 13 号 平成 27 年 11 月 30 日)
Toyohashi University of Technology National Institute of Technology Nagaoka University of Technology
※ 主要活動報告
◆ 11月3日(火)、柴田教授と黒田室長が Disted Collegeを訪問。Dr. Leiw 副学長と高専 教員8名のグローバルFD研修にかかる実務訓練(講義)について意見交換を行う。
◆ 11月4日(水)、黒田室長と共に建築設計事務所のTan氏とYee氏を交えて、ペナン校の用 途変更について話し合う。柴田教授と黒田室長が USMとPSDC を訪問し、グローバルFD にかかる高専教員の実務訓練などについて、再調整と意見交換などを行う。
◆ 11月5日(木)、世界溺死(水難)防止会議(The World Conference on Drowning Prevention)
と UITEMATE(ういてまて) 2015が Equatorial Hotelで開催される。これに合わせて、
日本水難学会長の長岡技術科学技大学(前副学長)の斎藤秀俊先生等一行7名が来校。自 己紹介をした後、日本人学校(6日開催)での「ういてまて」教室、ペナンゴルフクラブ
(7日開催)での Uitemate Instructor Training Course 2015「ういてまて」実務講習、
ペナン校での三機関連携事業として位置付けている国際水難ワークショップ(8日開催)
に関する打ち合わせをした後、ワークショップの準備などを行う。
* 世界溺死(水難)防止会議は救助目線の会議となっているが、日本水難学会が目指 すのは救助される側のskillを普及するためのワークショップである。世界標準では 救助技術にばかりに目がいき、救助される人(側)の技術に考えが及んでおらず、
欧米での手法は「スーパーマンシンドローム」と呼ばれている。特に日本を始め東 南アジアでは、「欧米の救助技術を上から目線で強制されても助からない」と考え ていたところに「浮いて救助を待つ方法」が入り始め、これを「子どもたちを中心 に広めた方が速い」との認識が急拡大し、現在の活動となっている。特に日本では、
3.11の三陸沖大地震(津波)の時、「ういてまて」で小学校の児童全員が助かった こともあり、急速に広がっている。
◆ 11月6日(金)、水難学会一行7名と共に日本人学校を訪問。学校側の要望に沿った形で 児童に対し、水難事故死防止策の実技講習「ういてまて教室」を低学年(1年〜3年)と 高学年(4年〜6年)に分かれて実施した。子供達は着衣、水着、靴(サンダル)、ペッ トボトルなどを持ってプールに入り、指導者の助言に従って熱心に楽しく訓練をしてい た。プールサイドには多くの保護者(母親)の姿があった。「ういてまて教室」の講習 中、浦江校長と小林先生の日本人学校訪問に関するスケジュールと質問項目などについ
て再度情報交換を行う。この日は野田総領事から公邸での夕食会に招待され、水難学会 一行7名と共に出席し、多様な話題で盛り上がった。
◆ 11月7日(土)、ペナンゴルフクラブで国際水難学会主催のUitemate Instructor Training Course 2015を開催。参加者は6ヶ国から約100名となっており、開会式では野田総領事か ら歓迎のご挨拶をいただく。午前中は各国の事例発表などがあり、午後からスイミング プールで水難学会の指導者による「ういてまて」実務訓練を行う。
日本人学校での水難学会指導者による説明 「ういてまて」の実技研修(高学年児童)
Uitemate Instructor Training 国際水難ワークショップ(長岡高専生の発表)
◆ 11 月 8 日(日)、ペナン校での国際水難ワークショップ及び救急救命訓練を開催する。
参加国は昨日に引き続きマレーシア、シンガポール、タイ、スリランカ、インドネシア、
日本で、各国が抱えている問題点や取り組み状況などの発表があった。日本からも多く の講演があったが、なかでも長岡高専水泳部の学生 5 名による発表が印象に残った。救 急救命訓練についてはシンガポールの代表者が話題提供とデモンストレーションを行っ た後、参加者全員がグループに分かれて訓練に臨んだ。
◆ 11月18日(水)、浜島特任教授、長尾教授、若原教授、Lim准教授と共にDisted College で、Diploma Electrical & Electronic Engineering (DEEE) のカリキュラムに関し、主 に Dr Liew副学長とTang Wei Jian先生とで意見交換を行う。Stephan Yeap氏、Dr Seah 学長等を囲んで昼食をとった後、午後からは今後の作業日程についての打ち合わせを行 った。シラバス(案)は本年度中にDisted College側が作成し、来年1月12日~13日の来 日時にすり合わせを行い、IGNITE 2016開催時に再調整をすることとなった。またIGNITE 2016開催時には、編入学試験の評価科目の選定や実施時期などについても情報共有を行 うことで合意をすることができた。将来、本学への編入学後のことを考慮して、数学、
回路系、日本語などの重要な基礎科目とマッチングが取れる教科に焦点を合わせて議論 を行った。
◆ 11月19日(木)、浜島特任教授、長尾教授、若原教授と共にDisted CollegeでのCS のカ リキュラムについて、本学とSkype会議を行う。先方は Dr Liew副学長、Lee Kor Yong 先生、Tang Wei Jian先生が出席し、青野教授、藤戸教授、黒田室長とで意見交換を行う。
会議に先立ち若原教授から昨日の話し合いの結果とDEEE のカリキュラムなどに関し概 要を説明し、その後、具体の科目に関しては Dr Liew副学長、Lee Kor Yong先生とで意 見交換を行い、基礎科目については同意を得た。今後、DEEEと共に歩調を合わせて取り 組むこととなった。浜島特任教授、長尾教授、若原教授とでDisted Collegeからの学生 の受け入れや、本学のグローバル対応などについて情報交換などを行う。
◆ 11月25日(水)、USMからLaunching of Toray Knowledge Transfer Centerの開所式と祝 賀パーティー(12月7日開催)について大西学長への出席要請にかかる招待状が届く。先 方からは急な依頼でもあり学長が多忙なこともあって、学長補佐の松田センター長と京 兼が出席することとなった。
◆ 11月27日(金)、東北工業大・内田先生、本学・高木准教授がMORIS2015の準備・設営の ため来校。業者により大テント一個と空調機材が搬入され設営を行う。
◆ 11月30日(月)、Magnetics and Optics Research International Symposium (MORIS2015) が、8ヶ国120名の参加のもとで開催される。Opening Remarksが井上理事・実行委員長か らあった後、午前中は Two Sessions(Energy Assisted Recording, Magneto-Optical
Devices)、午後からは One Session (Advanced Measurements)およびPoster Session
が行われ、各Session や Poster Sessionとも活発な質疑応答と討論などがあった。
MORIS2015が開催 招待講演発表の状況
午後からはUSMにてNobel Lecture(小林先生講演会)が開催された。講演会は300名強の 聴衆で埋め尽くされており、「Matter and Antimatter –Violation of CP Symmetry-」に ついて難解な数式を用いて説明をされていたが、参加していた企業や日本人会関係者、
教職員、学生達は熱心に聞き入っていた。講演後は、Shukri副学長の的をえた司会によ り多くの質問が寄せられ、また大きな拍手の中でOmar学長から記念品が贈呈された。講 演は本学へのネット配信が行なわれた。
USMでのNovel Lecture
USM主催の晩餐会(於、Equatorial Hotel)が開催される。マレーシア側は Penang Governor、
USMのOmar学長夫婦をはじめ幹部教職員総勢15名が、日本側からは小林先生、野田総領事
ご夫妻、本学の井上理事、松田CIEセンター長、梅本特任教授、Lim准教授、黒田室長、
京兼が出席し、終始和やかな雰囲気の中での懇談であった。
編集後記
11月は大きな行事として国際会議などが3件ほど開催された。
一つは世界溺死(水難)防止会議(The World Conference on Drowning Prevention)と UITEMATE(ういてまて) 2015に合わせて、日本水難学会長の長岡技大の斎藤先生等一行7名 が来校。日本人学校での「ういてまて」教室、ペナンゴルフクラブでの Uitemate Instructor Training Course 2015にかかる実務講習、三機関連携事業活動として位置付けられているペ ナン校での国際水難ワークショップである。特に国際水難ワークショップでは長岡高専生5 名による発表が印象に残った。
二つ目は Magnetics and Optics Research International Symposium (MORIS2015)が、8 ヶ 国 120 名の参加のもとで開催された。各 Session や Poster Session とも活発な質疑応答と 討論などがあった。
三つ目は7月の三水会で紹介した小林誠先生の USM での Novel Lecture である。本 Lecture が日本人会で大きな話題となり反響を起こしたことについては 9 号でも触れたところである。
京兼 純(国際教育センター特任教授)
マレーシア教育拠点(ペナン校)
Senior Director of Global Education, TUT-Penang 3 Cantonment Road, 10350 Penang, Malaysia Phone: +60-4-226-6242
E-mail: [email protected] http://www.tut.ac.jp/