豊橋技術科学大学グローバル工学教育推進機構
ペナンだより
(第 26 号 平成 28 年 12 月 31 日)
Toyohashi University of Technology
National Institute of Technology
Nagaoka University of Technology
※ 主要活動報告
◆ 12月1日(木)、E & Oホテルで開催された天皇誕生日祝賀会に長尾特任教授、Fong氏、
京兼で出席する。本学の展示場所は祝賀会場入口の金屏風前であったため、ペナン州 Chief MinisterのLim Guan Eng氏の来場時には、技科大の展示ブースから見学を開始す るという栄誉もいただくことができた。また、本学の展示ブースには多様な方々が来て くれ、いろいろな質問が投げかけられた。今年の天皇誕生日祝賀会は企業や各種団体な どの展示があり、例年以上に華やかで活気があった。
展示の説明を受けるLim主席大臣(中央) Lim主席大臣(右側3人目)と糸井総領事 と糸井総領事(左側) (右側2人目)を囲んでの記念撮影
◆ 12月5日(月)、長野高専の戸谷教授(副校長)からアセアン諸国大学学長会議への出席 と高専機構本部国際交流センターの副センター長として12月1日付けで併任になった旨 の連絡がある。
Sony人事課長の松枝氏から高専専攻科生を対象とした来春3月実施予定の短期インター ンシップに関しては、諸般の事情で来夏に延長してほしい旨の申し出があった。
◆ 12月9日(金)、大門国際交流センター長から紹介のあったBiz Tech社長の佐藤氏が来校。
今回の訪馬は、クアラルンプールで開催された地域活性化などにかかる国際会議に出席 し、その流れのなかでペナン地区を訪問しCRESTで実施している各種事業の視察と共同研 究などに関する情報交換を行うためとのことであった。佐藤氏は本学でJICAとの事業に 関する講演を何度か実施しているため、ペナン校での主な話し合いは三機関連携事業と ペナン校の役割、高専と技大の技術者教育についてであった。
◆ 12月12日(月)、本日から三機関連携事業の一環として高専機構、長岡と豊橋両技大の 職員(6名)のSD研修がペナン校で開始される。初日のオリエンテーションでは、京兼か ら「グローバル化とペナン校の役割、留学生事情、諸外国大学の海外分校について、企 業の海外進出と英語力、三機関連携事業、今後に向けて」について、引き続きFong氏か らは「Introduction to Malaysia(マレーシアの歴史、文化と食生活、ペナンの状況、
教育制度など)」の講演を行う。午後からはDisted Collegeへ移動して各職場で必要と する実践英語研修を受講する。
Disted College正門での記念撮影 実践英語研修の授業風景
◆ 12月13日(火)、SD研修の二日目はグローバル化についてのワークショップ(WS)を実施 する。ファシリテーターは京兼が担当し「大学・高専の職員としてグローバル化を推し 進めるためには、組織に対してどのように関わっていくか」のテーマで行う。
グループ討議の発表(A班) グループ討議の発表(B班)
ワークショップでは職員として何ができるかを考え、グループ討議し全体共有をした後、
自分自身は組織の一員として何をしていくのかを宣言文に書いていただいた。最後に一
人一人宣言を読みあげて貰い総括を行い、職場で引き続き頑張って欲しいと締めくくっ た。午後はDisted Collegeのカフェテリアで学生等と昼食を取った後、引き続き実践英 語研修を受講する。
◆ 12月14日(水)、Disted CollegeでのSD研修者に対する英語授業を長尾特任教授と京兼で 参観する。見学後、本学とのTwining ProgramにかかるMOU調印式についてYeap理事長、
Sear学長、Liew副学長、Taiff副学長、大学本部からLim准教授と黒田室長を交えてSkype meetingを行う。会議終了後は総領事館へ訪問し、糸井総領事にDisted CollegeでのMOU 調印式への出席、アセアン諸国大学学長会議レセプションでの挨拶、SD研修者を対象と した総領事からの講話について依頼をした。同席していた西澤領事へ森主席領事の学長 会議レセプションへの招待状及び新年賀詞・名刺交換会の出席票を手渡す。
◆ 12月18日(日)、Disted Collegeにおいて両学関係者30名が出席して、本学とのMOU調印 式がSeah学長と大西学長との間で執り行われる。
大西学長(左)とSeah学長(右)によるMOU調印 両学長からの記念品の贈呈
アセアン諸国大学学長会議レセプションがG-Hotel Kelawaiにおいて大学関係者を始め、
各機関や企業の代表者など100名が集い盛大に開催された。大西学長、糸井総領事、USM Asma学長、Mini-Circuit Technology(MCT)Kelvin社長の挨拶後、USMの学生によるマレー シア舞踊のパフォーマンスがあり、皆さんは舞踊を鑑賞し、また和やかに懇談するなど 有意義なレセプションであった。レセプション会場ではペナン校で実施してきた、4年間 の諸行事(IGNITE国際会議、各種国際会議、学部生の実務訓練、グローバルサマースクー ル、特別推薦学生等のペナン研修、高専生の体験型英語研修等)のポスター展示を行い、
これらの行事に対し出席者からは多くの質問が寄せられた。
レセプション会場でのポスター展示 USMの学生によるマレーシア舞踊
◆ 12月19日(月)、アセアン諸国大学学長会議がペナン校で開催される。大西学長の開会 宣言及び挨拶、文部科学省国際企画室 堀尾室長補佐から高等教育と日本の役割について、
Keynote(1)としてUSMのAsma学長が、Keynote(2)では大西学長から講演が行われた。両 学長からはグローバル化の進展に伴い大学に課せられている役割、情報発信、教育研究 活動、交流事業についての話題提供があり、今日的な課題が盛り込まれた大変示唆のあ るものであった。
アセアン諸国大学学長会議の様子 議長の大西学長と副議長の松田教授
会議の主要テーマである「Issues & Challenges in Designing Globalization Strategy of University」においては、12大学から事例報告があり、報告に基づき討議と総括があっ た。午後からのセッションでは、「Issues & Challenges for International Mobility of Students and Faculty members and International Cooperation」に関し、10大学から 活動報告があり、これらの報告と活動状況について討議と総括がなされた。今回の第1 回アセアン諸国大学学長会議にかかる議長声明の後、プールサイドで集合写真を撮る。
ランチ懇談会の様子 参加者全員での集合写真
◆ 12月20日(火)、大西学長一行(随行者:Lim准教授、黒田室長、前田秘書)はUSMのAsma 学長の案内でEngineering Campusを訪問し、材料系学科等の見学を行う。髙嶋教授とTan 特任助教は、Jin Sin High School、Chung Ling High School (Penang校)の教員各1名と で本学への入学制度・概要及び日本留学試験(EJU)の日程などについて話し合う。長尾 特任教授と京兼は、アセアン諸国大学学長会議へ出席していた高専機構関係者(校長2 名、国際交流担当教授3名)と次年度に向けた高専生のペナン実践研修(低学年向け)、
体験型研修(高学年向け)について意見交換を行う。
文部科学省 堀尾室長補佐(右側2人目)と 高専(明石、熊本、鹿児島、茨城、八戸)
高専関係者との記念撮影 の校長、国際交流担当教授と記念撮影
SD研修者(6名)は小池特任教授、余語特任助教、Fong氏と共にUSMのAdministration officeを訪問し、各部署に分かれて担当者と業務や仕事上での問題点などについて意見 交換を行う。意見交換会では、小池特任教授と余語特任助教がアドバイザーとして助言 しつつ取りまとめの支援を行う。最後に全員で情報共有をする。
夕方、Jin Sin High School、Chung Ling High School (Penang校)の生徒3名と保護者1 名が来校する。髙嶋教授とTan特任助教が本学への留学制度とEJUについて説明を行う。
◆ 12月21日(水)、総領事館へSD研修者、長尾特任教授、黒田室長、Fong氏、京兼で訪問 する。研修者に対し糸井総領事から「外務省の仕事と海外安全対策」に関する講話があ り、主な内容は外務省の組織、大学生等の死亡事例、日本人の犯罪被害、テロ情勢と傾 向、外務省の取り組み、大学関係者の皆様へお願いしたいことであった。また、山川領 事からはペナン地区及びマレーシアでの犯罪被害、交通事故についての具体例と注意喚 起があり、講話後、糸井総領事と山川領事を囲んで全員で記念撮影をする。
総領事等の講話に聞き入るSD研修者 糸井総領事(前列右側から2人目)と
山川領事(後列左端)との記念撮影
ポリテクニック校(PSP)へSD研修の一環として、長尾特任教授、黒田室長、Fong氏と研 修者6名が訪問する。PSP校からはHj Zulkifli校長を始め副校長2名、各学科長と関係教 員が出席。Zulkifli校長からPSPの概要について、SD研修者からは各機関の所属部署に関 する説明を行うなど、終始打ち解けた和やかな研修会となった。終了後は軽食とCoffee が振る舞われ、引き続き懇談が行われた。
◆ 12月22日(木)、午前のSD研修者に対する講演は、黒田室長から「高等教育機関での国 際協力の様々なあり方と事務・技術職員の役割、国際会議など」についてであった。午 後からは NGK Electronics DevicesへSD研修者4名、黒田室長、Fong氏、京兼で訪問する。
山本社長(伴野総務部長が同席)からNGK E.D.の概要と各種製品に関する丁寧な説明が あり、その後、工場見学と懇談会を実施する。懇談会では来年度9月末に実施予定の佐世 保高専生(電子制御工学科40名+引率教員2名)の企業見学、引き続き高専生2名のイン ターンシップと本学の実務訓練について要望を出す。山本社長からは前向きに検討をす る旨の回答を得る。
SD研修者に対する黒田室長の講演 NGK Electronics Devicesの山本社長 (右側3人目)と伴野総務部長(左端)
を囲んでの記念撮影
◆ 12月25日(日)、ペナン校を利用した「11th International Forum on Eco-technology」
が4大学と4高専から20名の参加者のもとで開催される。主催者の開会挨拶後、本学の大 門 教 授 か ら の 基 調 講 演 後 、 5 件 の 一 般 講 演 及 び 6 件 の ポ ス タ ー 発 表 が あ っ た 。
Eco-technologyの講演会場 ポスター発表の様子
◆ 12月26日(月)、2日目のEco-technologyは、USMのDr. Puay How Tion准教授(京都大学 で学位取得)からの基調講演と2件の一般講演があった。午前中で会議が終了し、参加者 はTechnical TourとしてGeorge Town地区の世界遺産巡りを実施した。
第 2 回 目 の Secure Low Power Wireless Sensors and Mobile Gateway for Electrocardiograph (ECG) Monitoring Systemの共同研究について、USMのFadzil教授と Asrulnizam准教授、本学からは澤田教授、長尾特任教授、Fong氏、京兼とでSkype meeting を行う。共同研究に関し澤田教授からは、「IC Sensor素子を海外へ持ち出すことが規制
されている、Proposalには時間がかかる」などのコメントがあり、さらに両者で検討を していくこととなった。
◆ 12月28日(水)、佐世保高専(電気電子工学科4年生:40名)と引率教員2名の企業見学 についてミネベアへ打診をしていたところ、萩野社長から受入れ可能との回答をいただ く。本件に関しては1月17日に佐世保高専の担当者と長尾特任教授、京兼で打合せに行く 予定である。これとは別に高専生のインターンシップ(夏季休暇中の2〜3週間)受け入 れの可否については、本社と相談をするとのことであった。
◆ 12月29日(木)、USMのAsma学長がマレーシア科学院(Academy of Science Malaysia: ASM)
の第5代院長として国王から任命されたことについてFong氏から連絡がある。
編集後記
12月はE & Oホテルで開催された天皇誕生日祝賀会でのブース出展を皮切りに、三機関連携 事業としての職員のSD研修、Disted CollegeでのTwining ProgramにかかるMOU調印式、本学 初のアセアン諸国大学学長会議とレセプション、11th International Forum on Eco-technology に関する多種多様な行事がペナン校を中心して行われ、席を温める暇もないほど瞬く間に過 ぎ去った。こうした諸活動によって本学はペナンでの存在意義を確実に高めており、今後、
果たすべき役割がますます重要となり、貴重となってくるのではないかと捉えている。
京兼 純(国際教育センター特任教授)
マレーシア教育拠点(ペナン校)
Senior Director of Global Education, TUT-Penang 3 Cantonment Road, 10350 Penang, Malaysia Phone: +60-4-226-6242
E-mail: [email protected] http://www.tut.ac.jp/