「2004年度 上智大学経済学部経営学科
網倉ゼミナール 卒業論文」
『リサイクル』
学生番号:A0042415 氏名 :松本 慎平
提出年月日
2004年 一月十五日
Ⅰ素朴な疑問
まずこの卒業論文を制作するにあたった一番の大きな理由である自分自身の『素朴な疑問』につい て言及したいと思う。
真の意味での疑問の最初の発端は、毎朝学校へ行くために利用する地元の駅周辺で起こった。駅の 周りには数多くの自転車が放置されたままになっている。今社会的にも重大な問題になっている放置自 転車である。この放置自転車を見た時、自分はまず第一に無駄だな、まだ使えるのにもったいないとい う気持ちを持った。それから、世の中にはまだまだ無駄なモノが沢山あるのではないかと考える様になり、
しばらくの間そのような目で色々なモノを観察するようになった。今回の場合は、人的資源は範疇に入 れず、物質的なモノに限定するが・・・。そのように観察してみると、つまり世の中には無駄なモノが多く 存在するのではないかと思いながら見てみると、数多くいろんなモノが見えてきた。例えば、ビニール傘 もそうである。自分は三年間ほどコンビニエンスストアーでアルバイトをしていたが、ビニール傘の需要は いつまでもある。絶対に誰しもが一度は買ったことがあるはずであるのに。それでも需要があり続けると はどういうことであろうか?それは皆どこかに忘れてきたり、置いてきたり、捨ててきたりしているのだと思 う。また、粗大ゴミ置き場で埋もれている様々な物もそうである。空き缶や空き瓶、ビニール袋等々数え だしたらキリが無い。つまりそういう意味ではゴミ=無駄なモノと言えるのかもしれない。しかし、これらは まだまだ何かしら使えるものが多いのではないか?
要するに、自分が抱いた素朴な疑問というのは『世の中には無駄なモノが多いのではないだろうか?
そして、その中にはまだまだ使えるモノが多いのではないか?』という単純な発想から始まった。上記に もしたが自分が考えるに、無駄なモノやまだまだ使えるモノということで、自分が一番に思い浮かぶのは やはり『ゴミ』である。それをどうにかして有効活用できないだろうか?有効活用できる余地はあるか?ど うにかして商売に活用できないだろうか?ということを真剣に考えてみた。その結果、いささか単純では あるが、またその分奥が深いとも思う『リサイクル』という卒業論文のテーマが決定したのである。
Ⅱ作業仮説
『日本のリサイクル事情を分析し、同時にリサイクル大国として世界的に有名なドイツのリサイクル事 情を検討し、日本とドイツのリサイクル事情の違いを比較する。そうすれば、ドイツのいいところを上手く 取り入れられるのではないだろうか?』
この仮説を考えて、何か商売に応用できないかも同時に考えてみたいと思う。
Ⅲ分析
まず、やはりこのテーマや仮説を考察するにあたり日本のゴミ問題や、リサイクル事情を分析すること は必要不可欠であると思う。
日本では、最近になり再びゴミ問題というということが大きくクローズアップされ、マスコミでもしきりにこ のことや、リサイクルや資源の有効活用ということが叫ばれているように感じる。では、その日本のゴミ問 題の特徴というものを考えてみたいと思う。
※1:現下のごみ問題の特徴の一つは、ごみの急増ぶりが大都市においてとくに顕著な点にあるのだが、
その要因は、家庭ごみよりも事業系ごみが凄まじい勢いで増えていることにある。東京では 1985-89 年
における家庭ごみの収集量の伸び率は年平均 3.4%にとどまったのに、事業系ごみはその四倍に近い 12.2%の伸び率となった。「寄本勝美(1990)による」
ここでなぜこのようなこと事態になっているのか、その問題点を考えてみたい。それは、膨大な事業系ご みが無料収集サービスを享受しているところにあると思う。要は、どのようにゴミを処理するか、また、各 自治体ごとにゴミをどうするのかと考えるのではなく、どうしたらゴミの発生量を減らせるか、そしてゴミを どのように資源化するかを考える必要があると思う。
自分は日本のリサイクルを研究するために、今回は主に学生を中心に以下のような簡単なアンケートを 実施した。
サンプル
リサイクルについてのアンケート
A0042415 松本 慎平
・ このアンケートはゼミの論文用アンケートです。
・ 全ての質問に回答して頂けることが重要なので、なるべく全ての質問に回答して下さい。
・ 回答用紙の保存には細心の注意を払い、プライベートな個人情報などの個人の諸情報は、
研究者および研究関係者以外の人物の目には絶対に触れないことをお約束いたします。
・ 氏名は任意でお答え下さい。
以上の点を踏まえ、ご理解の上、ご協力願えれば幸いです。
その他不明な点、質問・疑問があれば、下記にお知らせ下さい。
E-mailアドレス:[email protected]
氏名:
フリガナ:
1、 あなたの性別は?
1 男性 2 女性 2、あなたの年齢は?
( )歳
3、 あなたはリサイクルということについて興味がありますか?最もあなたの気持ちに近いも のに○を付けて下さい。
1 非常に興味がある 2 興味がある 3 普通
4 あまり興味がない 5 興味がない
4、 あなたは日々の生活でリサイクルを意識し、それに伴うことをしたことがありますか?
例:スーパーに行く時、自分の買い物袋を持っていく。
コンビニエンスストアーで弁当等を買った時、箸やスプーンなどをもらわず、自分の家 の物を使う。
1 ある 2 ない
4´、上記の質問であると答えた人に、それは具体的に何をしましたか?
( )
5、 あなたが日々の生活でもったいないと感じるものや、こんなものがリサイクル商品であった らいいのにと思うものは何ですか?三つ上げてください。
1、
2、
3、
6、 それらの商品がリサイクル商品として市場に出た場合、あなたは買いたいと思いますか?
1 買いたい
2 買いたいとは思わない
7、 それは(1・2共に)なぜですか?
( ) 質問は以上です。御協力ありがとうございました。
回答結果
対象人数:100 人
リサイクルに関するアンケート結果
(アンケート対象は学生 100 人、男女比 1:1)
リサイクルに興味があるか。
普通 44%
あまり興味 がない
13%
興味がない
2% 非常に興味
がある 15%
興味がある 26%
もったいないと感じる物や、リサイクル商品であったらいいのに、と思う物のアンケート結果ベスト5。
1. ペットボトル 2. コンビニの袋 3. ペン 4. 服
5. 店でもらうプラスチックのスプーンやフォーク 少数:CD、コンタクト、紙、など
それらの商品がリサイクル商品として市場に出た場合、買うか、否か。
買う 買わない
17%
83%
『買う』と答えた人に対して聞いた理由で多かったものベスト3。
1. 資源を大切にしないといけない時代だから。
2. 見た目に変わりがないのなら、特に害はないから。
3. リサイクルと言っても、実際どうすれば良いかわからないが、リサイクル商品という形にしてくれれば、
自らリサイクルに貢献しようと思うから。
日々の生活の中で、リサイクルを意識したことがあるか、又、それに伴う行為をしたこと があるか。
ある 74%
ない 26%
『ある』と答えた人に対して聞いた具体例で多かったものベスと 3。
1. 一度使ったペットボトルを洗ってまた使った。
2. コンビニエンスストアーでお弁当を買った時、箸などをもらわず、家の物を使った。
3. スーパーに買い物袋を持って行く。
◎今回の調査ではあまり男女の差は見られなかった。(男女共にペットボトルが多い)
◎男子はペットボトルを含め、コンビニの袋など社会的な物、女子はペンやCD、コンタクトに至るまで割 と日常生活で利用する物をという傾向も若干みられた。
◎年齢は調査したのが学生だったので、あえてグラフにはしなかった。
<考察>
このアンケートやアンケートの結果を見て思ったことは、予想以上にリサイクルに対しての関心が高い という印象であった。自分の周りでもペットボトルにお茶とかを入れていたりする人も多い。皆おのおの 工夫して、自分なりにリサイクルに取り組んでいるように思えた。そしてある製品をリサイクルするか否か は、安価で見た目に影響無く、気軽に使えて、無ければお金を出して買うような物が条件として挙げら れているようである。例えば、中古車などの高価な物は、なんとなく新車を買いたいという人が多かったり、
その製品に対する自分の中での重要度や大切さなどが関係してくるようだ。つまり、古本の漫画などで も、自分がその漫画が大好きで全巻集めようとしている人などは新品で集めようとする人も多いようであ る。さらに衛生・清潔さのことも絡んでくる。人が一度使った物を再度利用する際に、嫌悪感(衛生や清 潔さの面で)を抱いてしまう物は、リサイクルをするということにおいて敬遠されがちである。そのような観
点でいうとペットボトルが一位なのにはうなずける。普段の生活で気軽に使えて、別の使い道もある。そ れに自分で洗うという行為を通すために、気持ち的にも使いやすい。そして、上手くリサイクルの流れを 整えれば、社会的にも価値のある、ゴミを減らすことのできる製品であると思う。
では、そのペットボトルのリサイクルについて詳しく見ていきたいと思う。
●PETボトルのリサイクル概況(数表)
単位:千トン(量および能力)
実績 予測(分別収集量は計画)
1997 年度 1998 年度 1999 年度2000 年度2001 年度 2002 年度2003 年度 2004 年度 生産量 219 282 332 362 403 433 440 452 伸び率(%) 127 129 118 109 111 107 102 103
分別収集量 21 48 76 125 162 199 217 231 回収率(%) 9.8 16.9 22.8 34.5 40.1 46.0 49.3 51.1 再商品化能力 18 30 47 102 155 247 247 247
分別市町村数 631 1,011 1,214 2,340 2,617 2,878 3,001 3,003
注)1997 年~2001 年の間、能力に対し分別収集量が上回っていますが、一部の市町村では指定 法人外のルートで再商品化事業者に出しています。
○生 ( 出 所)
産量・伸び率は、1997 年度~2002 年度はPETボトル協議会資料。2003 年度からは厚 生省(現環境省)2000 年 3 月発行「容器包装リサイクルシステム推進事業報告書」。
○分別収集量・分別市町村数は環境省資料。
○回収率は分別収集量÷生産量。ただし生産量、分別収集量では千トン未満を四捨五入し てあるため、数値が若干上下している。
○再商品化能力は経済産業省資料。
この上記の表を見ても分かる通り、まだまだ回収率は低いという印象を受ける。リサイクルの課題は色々 と山積みであると思うが、自分が思うにはこの「回収」という問題が最も重要な課題ではないだろうか?で は、なぜ回収率が悪いのであろうか?そもそもペットボトルについての性質を考えてみたいと思う。
ペット(pet)というのは、ポリエチレン・テレフタレート樹脂をさし、プラスチックの一種である。近年に入 り、まずアメリカでペット容器が大々的に利用され始めた。そのメリットとしては、従来のガラスの瓶と違い 割れることがないので安全性が高いうえ、軽量で持ち運びに便利であり、プラスチック容器としてはバリ
ヤー性(外気の遮断)が良いということが挙げられる。最近になって、様々な業界がペット容器への進出 の動きを見せている。これは消費者の多様なニーズに応えるためであると思われる。容器のデザイン、
手軽さ、シンプルさ、美しさなど、消費者の感性に訴えることが製品の売り上げを左右し始めている。で は、デメリットはどこにあるのであろうか?リサイクル・ゴミの問題として考えるにあたりペットボトルのリサイ クルについてはリサイクルの過程がまだ整っていない。回収・再利用の制度を体系化しなければならな いと思う。また、このペットボトル・ペット容器がゴミになった時のことを考えなければならない。廃プラスチ ックの量を調査すると年々5%増し程度の勢いで増加していることが分かる。また、現状のところ、ペット ボトルは使い捨てと言ってもいい状況である。
では、リサイクルで有名なドイツのリサイクルについて見てみたいと思う。ペットボトルには、「PFAND
(プファンド)」というのがあって、ペットボトル容器の料金が、商品の値段に含まれていて、 ペットボトル をお店に返却すると、その料金が戻ってくるシステムのようだ。例えば、volvic(ヴォルビック)の 1.5 リット ルペットボトルは、 25 セントの PFAND がかかります。ペットボトルのラベルに、表示してある。今年 1 月 から、缶にも「プファンド」がかかるようになりました。(今までは、ビンとペットボトルだった) 500ml の缶で 25 セント。商品の値段に上乗せしてあり、 缶を返せば、25 セント戻ってくる。
黒いゴミ箱』がある。ちょうどドラム缶を四角くしたぐらいの大きさで、各家ごとにある。 これにいわゆる"
燃えるゴミ"を入れておくと、定期的に自治体のゴミ収集車が回収してくれるのだ。他に、『茶色いゴミ箱』
Bio(野菜の切りくずや、落ち葉など)『青いゴミ箱』 Papier(紙ゴミ)がある。各自治体によって、ゴミ箱の 色や形状はそれぞれ違う。
ここで、なぜドイツでは「リサイクル」活動が他の国より進んでいるかについて考えてみたいと思う。一番 の強みは「環境教育」の重みであると言えるであろう。ドイツでは 1970 年代から各州ごとに環境教育が行 われており、その成果が現われつつあるようである。つまり、1970 年代に小学校・中学校で「環境教育」
を受けた人が、今は社会を実質的に動かしている 40 代になっている。そしてその人たちが、昔に教わり、
取り組んできた考え方が環境問題やリサイクル問題についての社会的エネルギーであり、原動力になっ ているのではないだろうか?またドイツ人の「循環型社会」の考え方ということも影響しているのではない であろうか?
これは、自分がドイツからの留学生から話を聞いたり、文献やその他の資料や雑誌などを見たことに基 づいている。ドイツでは、リサイクルすることが循環型社会という考え方はしていないようだ。生活する限り ゴミや廃棄物は必然として出るが、それを社会システムの中で処理可能な適正量にすることが一番望ま しいと考えられているようだ。こうした考え方から企業メーカーなどに対して設計、開発、生産を含めた段 階からその排出量を減らす対策を求め、しかも法的に厳しく責任を課している。要するに、リサイクルす ればこと足りるのではなく、なるべくゴミを出さない仕組みを作ることがまず大切であり、どうしてもゴミが 出る場合は技術を用いてリサイクルをしようというのがドイツのリサイクル、「循環社会」の考え方である。
では、ドイツのゴミの収集システムについて調べてみたいと思う。日本ではほとんどの自治体で分別排 出(分別してゴミを出す)、分別収集(分別してゴミを収集する)を義務づけている。それに対して、ドイツ は DSD 社(デュアル・システム・ドイチュラント社)と言うところがゴミ収集の中心である。DSD 社による収 集システムはでは混合収集となっている。この理由は、混合収集してもマテリアル、ケミカルどちらのリサ イクルにも使える原料化技術が確立しているからです。これにより、消費者は分別の手間をかけず手軽
にリサイクルに参加できるようになった。しかしドイツでは、使用済みプラスチックを一般ゴミとして出すと 料金を徴収されるため、消費者にはできる限り排出量を減らそうという考え方が定着するようになったの である。その一方で「GP」表示のついた軽容器包装類(プラスチック容器、牛乳パック、空き缶)をイエロ ーバックと呼ばれるものに入れて DSD 社の収集ルートに乗せれば消費者が料金を直接負担する必要 がなくなるため、リサイクル量は増加している。
また、日本では信じられないことであるが、ゴミが有料で、1 つのゴミ箱にゴミを出すのに約 1200 円(日 本円)もかかることだ。このことは上記のドイツのゴミの収集システムのところでも少し触れたが、これによ って、ドイツの人々は、ますますゴミを減らすように拍車が掛けられる。また企業には製品のリサイクルと 回収が義務づけられ、それができない場合、商品の販売をしてはいけないという法律があるということも 上記で言及した通りである。そして商品には「ブルーエンジェル」と言われる環境マークが付けられてい る。このマークは企業が環境について考えている証明にもなるので、国民はそのマークが付いている商 品を安心して買うことができる。このように、ドイツは、法律によっても国民や企業に厳しいルールを強い ている。国民と国家が一体となり、リサイクルということに取り組んでいる印象がある。「環境教育」の話も したが、現在は子供に対しても、幼稚園の時からリサイクルの大切さが教えられるので、大人になっても リサイクルに対して違和感を感じない。
一方、日本では「容器包装リサイクル法」に基づいて分別収集がなされている。それでは自治体が税 金によって費用を負担していますが、消費者にとって見かけ上は無料のため、プラスチックゴミも分別す れば、気軽に出せるというか、あまり排出量を気にしない傾向にある。日本では瓶や紙に関するリサイク ルは早くから行われ、分別排出・分別収集が溶け込んでいると言えるであろう。例えば、酒屋に空き瓶を 返したり、ちり紙交換に出したりなど。今は一応コンビニエンスストアーのレジキーの中にも空き瓶の収集 のためのキーがあるくらいである。これは、お客さんが空き瓶を持ってきてくれたら、それに合わせてレジ からお金を返金する。めったに使うことはないようだが・・・。だが、「その他プラスチック」に関するリサイク ルは始まったばかりで、まだ定着しているとは言えない。まあ、ドイツにおいても DSD 方式にリサイクル・
システムを社会に浸透させ、馴染ませるまでにするには、三度におよぶ法令の改正やそれなりの時間を 要した。しかし、消費者が手間暇掛けず気軽に参加できることが、リサイクル・システムを持続していくこ とにつながるという判断に基づき、容器包装材の混合排出・混合収集をスタート、さらにその後様々な工 夫や新技術によってリサイクル量を拡大させることに成功したと言える。
現在、日本では主に瓶・缶・ペットボトルなどがリサイクルされている。ペットボトルは年間約 60 億本も 生産されている。だが、リサイクルが始まったのは、容器リサイクル法が制定された 1997 年からである。
今、その回収量は、全体の 20%にも及ばない。缶なども同じく回収量はとても少ないのが現状である。さ らに、驚いたことに、瓶に至っては、生産された物のうち約 70%が使い捨てになってしまっているようだ。
なぜ個人のリサイクルが進まないのであろうか?主な 3 つの理由が考えられる。1、リサイクルのコストが 高く、効率的に進まない。2、消費者がリサイクルにあまり関心を持ってない。3、容器包装リサイクル法の システムが浸透していない。ということなどが挙げられると思う。一方で、事業系の大量のゴミは、焼却さ れたり、そのまま埋め立てられており、リサイクル・システムが確立されているとは言い難い。このようの状 態が現状である。私たち一人一人の意識を変え、日本全体のリサイクルに対する考え方、取り組み方を 変えてゆかなければならないであろう。
<ドイツと日本のゴミ政策とリサイクルについてのまとめ>
第1節 ドイツのごみ処理政策のあゆみ 1.「廃棄物回避管理法」について
1986 年、それまでの廃棄物法制度や問題対応を根本的に転換しようと、1972 年に制定された「廃棄 物処理法」を全面的に改正して成立した。
「廃棄物処理法」とは次の点で大きく異なる。
(1)ごみ「回避」の責任を事業者に課している。今まで、事業者が最終責任を負わず、市町村と市民が
「処理」責任を負わされるしくみになっていたが、この法律ではごみを製造・輸入・販売する事業者の責 任において、総合的・計画的にごみ「回避」を実現しようとしている。
(2)製造・輸入・販売段階でのごみ「回避」できなかった製品や素材などのリサイクルについて、優先 順位を明示している。事業者責任による製造・輸入・販売の各段階における徹底したごみ「回避」を最優 先に、次が「再使用」、その次が「再生利用」、それも不可能・困難なものについて例外中の例外措置と してエネルギー回収やエネルギー転換が許されるのである。
2.「循環経済・廃棄物法」について
1994年には「廃棄物回避管理法」が「循環経済・廃棄物法」に改正されている。改正の基本は、製 造から最終処分に至る製品の循環過程において製造者と消費者の責任をさらに鮮明にし、「廃棄物回 避管理法」が示した廃棄物規制の視点をさらに強化することにある。製品の再使用性や耐久性を考慮 した製品設計、さらに使用済みの製品回収、リサイクルを生産者の責任として義務づけている。
また、環境にやさしい「循環経済(リサイクル経済)」の基礎になる物質循環の優先順位:1.排出回避 2.再使用 3.原料的利用(再生利用) 4.エネルギー的利用(回収) 5.廃棄物処分、をあらためて確認し ている。商品の開発、設計段階から生産、消費、廃棄にいたる各段階での廃棄物を抑制し、発生する すべての廃棄物をリサイクルしようというのだ。
3.「包装廃棄物回避政令」と「デュアルシステム」
「廃棄物回避管理法」制定後、基本法的な性格をもつこの法律を補完し、その理念を実現させるため、
連邦政府は 1991 年に「包装廃棄物回避政令」を制定した。廃棄物の「発生源責任の原則」を基本として いる。
包装廃棄物回避政令では、1.事業者(製造者ならびに販売者)は自分で全ての包装を回収し、再使 用またはマテリアルリサイクルをしなければならない、2.使い捨ての清涼飲料水や洗剤などの容器にデ ポジットシステムを導入する、3.もしくは例外として、この二つの履行に代えて、回収業務を第三者に委 託し、回収・リサイクル・システムを構築することができる―とされ、回収・リサイクルの目標値も決められ た。
(1)デュアルシステムの誕生
包装廃棄物回避政令に対応するため、関係事業者は共同出資して、包装廃棄物を回収・再生する ための有限会社、デュアル・システム・ドイチュラント(DSD社)を設立した。
従来の自治体による処理システムと並行(デュアル)した事業者による包装材回収システムがつくられ たのだ。つまり、デュアルシステムというのは、自治体の回収ルートと DSD社による「包装廃棄物」の回 収ルートが誕生したことによる。加盟会社は 15,000 社であり、包装材流通量の 90%以上をカバーしてい る。DSD社は、グリーン・ポイントの使用料を運営費として、このマークのついた包装廃棄物を独自に回 収する。
DSD社は、自治体と契約して包装廃棄物の回収ボックスを街角に配置したり、各家庭に回収容器を 配布したりしている。回収容器を業者に委託し、回収し、分別して再生処理を行う企業に引き取らせるま でがその主な仕事である。
当初の使用料は、包装材の体積に応じた額であったが、1993 年からプラスチックや複合材のような 分別・リサイクルの難しい材料は高く、ガラスのようにリサイクルしやすい材料は安くなった。
(2) デュアルシステムの成果と問題点
DSD社ができたことによって包装ごみが減少し、包装の簡略化や不要な包装の 80%がなくなった。
回収を企業が直接やることにすれば経費がかさみ消費者の負担は 10 倍くらいになるであろうといわれ ている。
このような成果が得られた反面、次のような問題点、批判も発生している。
(a)90%以上の商品にマークがついて販売されていながら、実際はその 50%分しかライセンス使用料 が入ってこないため、DSD社は巨額の赤字を抱え、深刻な財政難に陥っている。
(b)リサイクルが前面に出ることによってワンウェー(使い捨て)瓶が増え、リターナブル(再使用)瓶までを ワンウェーに回す例が出てきている。
(c)市民は「グリーン・ポイントのついた商品は環境によい」と錯覚している。減らすことよりポ イントの ついた商品を買うことで環境によいことをした気分になっているが、グリーン・ポイン トは単に回収費用 をDSD社に支払っている印でしかない。
(d)選別が困難で利用範囲も少ないプラスチック類はリサイクル施設及び技術が伴わないため、再 利用のメドが立たず、その多くがそのまま放置されている。
第2節 日本のごみ処理政策の歩み 1.ごみの法体系
(1)「廃棄物処理法」
日本で、ごみを定義し、ごみ処理などを規定している法律は、それまでの「清掃法」を全面改正して 1970 年の公害国会で制定された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」 (廃棄物処理法)である。
その後、わが国の経済社会は規模が拡大し、産業構造が高度化し、大量消費・大量放棄のライフス タイルが定着し、廃棄物はますます増大し、多様化した。その結果、最終処分場等の処理施設の確保 が困難になり、不法投棄等の不適正処理が増加するなど、廃棄物問題は社会問題化するに至った。
その結果、1991 年に「廃棄物処理法」の改正が行われた。この改正では廃棄物の適正処理を図るた
(2)「リサイクル法」
一般に「リサイクル法」として親しまれている「再生資源の利用の促進に関する法律」が、 1991 年に 施行された。再生資源(=使用後の物品又は工場等で発生する副産物のうち有用な資源として利用で きるもの)の利用の促進を図るための法律である。そのために、再生資源の原料としての利用、製品が再 生資源として利用できるような設計、分別しやすい表示、副産物の利用促進などが求められている。
各業界によって目標が策定・公表され、その後、一定の成果が上がったが、再生資源の利用に対す る経済的誘導・支援策が十分ではなかったことなどにより、結果的には問題を積み残すこととなった。
(3)「容器包装リサイクル法」
一般廃棄物の中で大きな割合を占める容器包装材のリサイクルについて規定する「容器包装に係る 分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(容器リサイクル法)が 1995 年に制定された。容器包装 廃棄物の分別収集、再商品化を図ることによって、一般廃棄物の減量、資源の有効利用を期待してい る。
(4)リサイクル関連法の問題点
日本のリサイクル関係の法律は 1 の(2)・(3)で見てきた「リサイクル法」、「容器包装リサイクル法」と、
1998 年に制定された「特定家庭用機器再商品化法」(家電リサイクル法)の三つであり、いずれも問題を 抱えている。
(a)共通した問題点(欠陥)
1.再生資源の利用を促進するというねらいで再生利用(リサイクル)ばかり強調していて、再使用( リユ ース)、さらには発生抑制(リデュース)を優先するという優先順位がない。
2.再生資源の供給を増やすことばかり考え、再生資源の需要拡大策がない。
3.経済政策がない。リサイクルは経済問題でもあり、再使用や再生利用のコストが新しい資源からの生 産よりも安ければ進み、逆に高ければ停滞する。だから、リサイクルを促進するには両者のコスト差を左 右するような経済政策が重要である。
(b)「容器包装リサイクル法」についての問題点 1.事業者負担がドイツと比べて極めて低い。
費用の最もかかる回収と保管は自治体負担で、そのあとのリサイクルのみが事業者負担。事業者負 担が軽すぎて、その分自治体負担が重いのだ。「容器包装リサイクル法」では容器包装廃棄物を自治 体が回収・保管して、そのあと事業者が運んで再資源化するということになっていて、この方式は特にペ ットボトルの場合無駄が多い。とういうのは、かさばった状態のまま運搬するから運搬費がかさむからで
2.日本のごみ問題解決の特徴
日本の 1970 年代以降のごみ問題は、ごみの量産化・量販化・多様化を作り出した社会経済システム と「使い捨てライフサイクル」からなる「大量廃棄型社会」システムの結果なのである。その他のごみ激増 の要因としては、ごみ発生源・排出源の市町村内における拡大と集積や、市町村の適正処理能力不 足・脆弱化があげられる。
ごみの減量化にはどこで減量するのか、誰が減量化主体であるのかによって、生産・販売段階にさか のぼった事業者責任による減量化と、排出・収集段階で主に行政や市民の責任で行う減量化に二分さ れる。日本での対応は、後者の末端での対応であった。末端での減量化も一定の減量効果はもたらす が、発生源(生産・販売)規制を伴わないものでは緊急避難策に過ぎない。
問題解決のためには「大量廃棄型社会」システムの転換と「リサイクル社会」形成が不可欠である。とこ ろが日本では「リサイクル社会」形成とは対立関係にある「有料化」や「指定袋」制導入の議論が浮上し てきている。「有料化」、「指定袋」制の導入でごみ問題に対応しようとする日本の選択は、ごみ問題と地 球規模の環境問題を「リサイクル社会」形成により根源的に解決に取り組んでいるドイツとは対照的であ る。
3.ごみ処理の現状
廃棄物は、廃棄物処理法で一般廃棄物と産業廃棄物の二つに大別される。産業廃棄物は、事業活 動に伴って生じる廃棄物で、法令によって 19 種類が定められている。一般廃棄物は「産業廃棄物以外 の廃棄物」をいう。一般廃棄物は市町村、産業廃棄物は事業者、と、その収集・運搬・処分の責任体制 が根本的に異なっている。つまり、一般廃棄物をどのような区分で収集するかは自治体ごとに異なって いる。
第3節 ドイツと日本を比較して
今まで、ドイツと日本のごみ問題解決システムについて見てきた。
日本では末端での対応を中心にしてきて、質の問題も量の問題も発生源にさかのぼらなければ根本 的解決はありえないのに、実際は問題が起きたところでの緊急避難策を行ってきただけである。法律の 内容も技術的対応の部分が多く、詳しくは政令や省令、あるいは市町村の条例でと末端市町村に責任 を預ける形で定められてきた。
一方ドイツでは、法律で細かい対応が定められ、どういう基本原則のもとで、どのような対応をすべきか が明確にされているばかりではなく、それが守られなかった場合にどうするかまで、何十ものハードルを 法律で示している。ここが、日本とドイツの最大の違いである。
現在の日本の資源循環型社会づくりは、生産者責任を問うことなく、税金負担や、消費者の直接の負 担によって、新たなリサイクル産業を進めようというものであるようだ。大量消費社会を変革する方向でな く、大量消費のうえにさらに浪費を重ねる方向「リサイクル」が利用されている。リサイクルが進むとしても、
<ドイツと日本を比較しての考察>
日本の原状回復の基本原則は、生産者主体のあり方の改善なしにはありえないということになる。
「容器リサイクル法」の問題点のところでも見てきたように、日本の法律は、生産者(事業者)責任を曖昧 にしているが、ドイツのように生産者に対してリサイクル・処理の義務を科し、さらに罰則規定を加えるこ となしには解決されないだろう。
法律の改正時の原案には盛り込まれていた制度が、財界からの圧力などで消えてしまったという事実が あるという。ごみ問題に限らず、環境問題をはじめその他の多くの分野で、現在の生産者主体の状況を 見直す必要があるようだが、それには現在の行政のあり方も見直さなければならないだろう。今は行政 が権限と情報の両方をもっているかたちになっていて、すぐに法律で住民の権利の拡大が進むのは難 しいだろうが、地域、自治体、国をつくっていく住民に情報を開示するべきだ。
Ⅳ日本のリサイクルの見解と今後の展望
自分が日本のリサイクルということを文献や資料を通して研究してきて、最も気になったことは「消費者 がリサイクルにあまり関心を持っていない」ということである。しかし、自分が行ったリサイクルについての 調査を通してでは、意外に皆リサイクルや環境のことを考えているなという印象がある。ではこの矛盾は 何なのであろうか?その正確な答えは分からない。自分が思うに皆心の中では環境のことやリサイクル のことを多かれ少なかれ考えているのではないだろうか。しかし、まだ実行に移すキッカケが無く、実行 できていない人も多いのではないだろうか。これは、普段から一人一人が環境のことを意識したり、少し でも考えることがリサイクルや、またリユースということにもつながると思う。
では、どのようにしたらリサイクルについてのモチベーションを上げたり、そのキッカケを作ることができ るであろうか?自分なりに考え、まとめてみた。これは実際にあるというわけではなく、自分の素朴な疑問 にも通じる自分が考える、あればいい的な見解である。また、自分が思うにはリサイクルというのは、環境 の悪化を止めようとしたり、資源を有効に活用しようというものである。だから、中にはあまり金銭的な損 得を考えておらず、フリーライドする人がでてきそうな案もあるが、今回はよしとして欲しい。
●リサイクルショップ
⇒色々なリサイクル製品が安い値段で売られている。また、粗大ゴミやその他の衣類や日用雑貨な どを引き取ってくれる店を作る。
●駅前放置自転車貸し出し所
⇒駅前に何ヶ月も放置してある自転車を駅などの駐輪所などに集めて、貸し出しを行う。
●傘の貸し出し
⇒電車の中に忘れられている傘や、ホームに放置してある傘を駅で無料で貸し出す。
●ペットボトル換金所
⇒ペットボトル何本でいくらというような換金システムを作り、ペットボトルを集め、有効活用する。ま た、同じ要領で瓶や缶も集める。
●スーパーのビニール袋の有料化
⇒スーパーのビニール袋を非常に安価な値段で有料化する。たとえ 1 円でも買うという心理的なも のや、ビニール袋のために列を作るという行為を敬遠するために、自分で袋を持ってくる人が増 えるのではないだろうか?
●リサイクル屋
⇒ちり紙交換のように、定期的に訪れてくれ、使わなくなったものや、ペットボトルを回収する。
もちろんこれらの案は自分が考えただけの案である。また有料化などすでに議論がなされているものも ある。法的な問題もあるだろう。しかし、もしかしたらゴミを減らし、リサイクルを促進することに一役買って くれるかもしれない。思うにこのようなリサイクルや、ゴミといった問題は個人の気持ち次第とはよく言った ものであるが、本当に一人一人の意識次第であると思う。そして日常生活と密接に係わらせることが重 要である。日々の生活で少しでも意識して、小さなこと(買い物袋を持って買い物に行ったり、ゴミをしっ かり分別したり)から実行に移すことができれば、それが大事な第一歩になることだろう。
最後に、この論文作業をするにあたり立てた『日本のリサイクル事情を分析し、同時にリサイクル大国 として世界的に有名なドイツのリサイクル事情を検討し、日本とドイツのリサイクル事情の違いを比較する。
そうすれば、ドイツのいいところを上手く取り入れられるのではないだろうか?』という仮説について振り 返ってみたい。日本に比べ、ドイツという国はリサイクルということについてかなり意識が高いと思う。しか もすでに体系的なリサイクル・システムができつつある。日本はこのような体系的なリサイクル・システム や国の政策、例えば PFAND(プファンド)など、には見習うところがあると思う。しかし、浸透させるにはや はり大変な時間が掛かる。また、丸々そっくりそのまま政策を取り入れることは、文化や風習や価値観も 違うので馴染まないだろう。何よりそっくりそのまま真似るのは好まないし、オリジナリティーがない。だか ら、ポイント・ポイント、要所・要所いいところを、日本に合うところを取捨選択して取り入れればよいので はなかろうか?そうしたら、最初のうちはドイツのリサイクル・システムのいいところを取り入れたに過ぎな いかもしれないリサイクル・システムも、段々と日本独自のリサイクル・システムへと進化するかもしれない。
また、このようにリサイクルという供給を増やしていくだけではなく、もっとその供給を得ることのできる場 を増やしていかなければならないと思う。せっかくシステムを整えて、リサイクル商品やリユースできる物 があり、その需要があったとしてもその供給を提供する場、需要を満たす場がないといけない。そうしな いと需要と供給のバランスが崩れて、リサイクルやリユースとして供給できた物が結局またゴミという物に 戻ってしまう。そうなってしまったら、本末転倒であり、リサイクル活動も水の泡である。そのようなことを考
慮にいれることができたら、この仮説にあるドイツのリサイクル・システムのいいところを取り入れるというこ とは実現可能であると思う。さらに日本のオリジナルなエッセンスを加えることができたら、それこそ日本 の「リサイクル・システム」であると思う。
Ⅴまとめ
モノには必ず表の面と裏の面があると思う。そして表と裏は比例の関係にあることが少なくない。薬にし ても、ほとんどの薬には何らかの副作用がある。自分がこの研究をするにあたり読んだ本の中で、書か れていた文の中に非常に興味深い文があった。
※2:考えてみれば、ごみ問題というのも、さまざまな商品の‘副作用‘の問題とでもいうべきものである。
売れる商品は、買い手にとって買うだけの効用があるにちがいないが、しかしそれが廃棄された後を見 れば、副作用をまったく伴わない商品というのは、皆無であろう。その処理にはコストがかかるからである。
このコストには、ごみ処理に要する金銭的なコストのみならず、環境への負荷といったコストも、もちろん 含まれている。「寄本勝美(1990)による」。しかし、だからといって売るな、買うな、使うなということを言っ ているのではないということは著者も言っている。ここで問題になるのは効用と副作用のバランスである。
効用より副作用の方が大きかったら・・・。薬ならばこのような場合にはほとんど人への使用を見合わせる だろう。だが、他の製品の場合はそうではなかった。なぜ、だろう?
それは効用を享受する人と副作用の害を被る人の関係を考えてみると容易に想像できた。薬ならば、
それは同一人物である。病気であるのも自分、薬を飲むのも自分、その副作用を受けるのも自分である。
他の製品においては効用と副作用の関係は必ずしも薬の様とは言えない関係である。ゴミ処理のコスト の上昇や環境の悪化の代償など、まわりにまわって享受者に多少は返ってくるかもしれないが、実際に 直接にその副作用で悩むのは、現場の清掃業者であったりする。リサイクルというのは結局この効用と 副作用のバランスを取ろうとすることなのかもしれない。
この卒論を通して自分は色々なことを考えさせられた。最初は世の中無駄なものが多いな、ではリサイ クルでも研究してみるかぐらいの感じであったが、予想以上に奥が深く大変だった。でも、それだけ考え る価値はあったし、研究は興味深かった。自分もこれからは、環境保護やリサイクルということだけでなく その裏にある効用と副作用のことも考えていきたい。そして、自分も環境やリサイクルのことを今までより あと一歩踏み込んで考えたい、意識したいと思う。
※参考文献
寄本勝美 『ごみとリサイクル』 岩波新書、1990
田口正巳・竹内登志成 『ドイツに学ぶごみリサイクル –デュアルシステムの意味するもの-』 自治 体研究社、1994
川内俊英 『環境先進国と日本』 自治体研究社、1998