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審 査 結 果 の 要 旨

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Academic year: 2025

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学位授与年度 2021 年度 甲 第 17 号

審 査 結 果 の 要 旨

審査委員会

審査員主査

光 田 恵

博士後期課程

専 攻 長

渡 邊 慎 一

審 査 員

鷲 見 哲 也

審 査 員

颯 田 尚 哉

審 査 員

棚 村 壽 三

審 査 員

坪 井 涼

審 査 員

山 中 俊 夫

論文題目: 室内における芳香剤のにおいの評価と活用方法に関する研究 申 請 者 :

近 藤 早 紀

(課程博士)

審査要旨

近年、室内におけるかおりの活用が増えており、芳香剤もにおい対策だけでなく、室内 雰囲気の演出などに用いられている。しかし、においの感じ方には個人差があり、空間に 拡がるにおいが強すぎると、質的に良好であっても不快に感じられる要因になり得るため、

芳香剤を設置してからのにおいの拡がり、空間での芳香剤のにおいの強さの分布を把握す ることが重要である。においの分布を把握するためには、多点での同時測定を行う必要が あるが、芳香剤のにおいを測定するための人のにおい感覚に対応した多点で同時に測定可 能な方法は確立されておらず、室内のにおいの分布を測定するのは困難である。本研究は、

芳香剤のにおいを対象として評価・測定方法を確立し、その方法を用いて芳香液の噴霧方 式と空間の給排気口の位置の違いによるにおいの拡がりを把握し、芳香剤の活用方法を提 案する目的で行われたものであり、論文は全 6 章で構成されている。

第 1 章では、研究の背景と目的を示し、既往研究から生活環境のにおいと芳香剤に対す る人々の意識、においの評価・測定方法を整理し、本研究の位置づけを明確にしている。

第 2 章では、居住者のにおい意識と芳香剤使用の実情を把握するために、住居内のにお いに対する意識調査と、芳香剤の使用実態調査を行っている。住居内で不快なにおいを感 じる場所とにおいの種類を 1990 年の調査と比較した結果、1990 年は「キッチン」での「生 ごみ臭」、「リビング」での「たばこ臭」のように、住居内の各場所での代表的なにおい があったが、本調査では、「キッチン」では「生ごみ臭」と「調理臭」が、「リビング」

では「汗臭・体臭」「調理臭」「たばこ臭」のように各場所で複数のにおいが意識されて おり、近年の生活スタイルの多様化が、住居内でのにおい意識にも関係している実態を明 らかにしている。におい対策として用いられている方法は、どのにおいに対しても清掃な どの「発生源管理」が 30%以上、「換気」が 60%以上であり、「芳香剤の使用」は、「トイ レ臭」、「汗臭・体臭」に用いられている割合が 40%以上であることを把握している。

申請者〔 近藤 早紀 〕

(2)

また、住居内で使用されている芳香剤の方式は、80%が「置き型・拡散方式」で、香調は 主にフローラル調、シトラス調であることを明らかにしている。

においの測定・評価方法は、嗅覚測定法と機器測定法に大別されるが、第 3 章では、嗅 覚測定法の検討として、芳香剤のにおい質評価に用いる表現語の検討を行い、機器測定法 の検討として、芳香剤のにおい分布測定に用いるための半導体ガスセンサの検討を行って いる。におい質評価に用いる表現語の選定方法の検討では、におい表現語 303 語の理解度 の調査と、80 種のにおい物質のにおい質評価実験が行われており、においの表現語を選定 するには「理解しにくい割合」「使用頻度」「評点の標準偏差」「相関係数」を考慮する 必要があり、芳香剤のにおいの質評価の適切な用語として、「明るい」「はっきりした」

などを選定している。また、半導体ガスセンサの検討では、芳香剤に含まれている溶媒や 香料を 4 種の半導体ガスセンサに曝露し、芳香剤のにおい感覚と対応がみられる半導体ガ スセンサ 1 種類を選定している。その半導体ガスセンサを用いて、嗅覚測定法より求めら れる臭気濃度とガスセンサ抵抗値比の関係式を求め、半導体ガスセンサの器差補正式を導 き、多点での同時測定を経時的に行う方法を確立し、この方法により空間内における芳香 剤のにおいの拡がり、においの強さの分布が測定できることを実証している。

第 4 章では、室内(約 65m

3

)にフローラル・シトラス調の芳香剤を設置し、においの拡 がり、においの強さの分布について検討を行っている。室内のにおいの拡がりを芳香液の 噴霧方式(置き型方式、ファン方式、空気圧縮方式)別で比較しており、置き型方式のに おいの拡がりが限定的で、5 時間後の室中央のにおいがファン方式、空気圧縮方式の 30 分 後と同程度の臭気濃度 50 であることを示している。空気圧縮方式では、ミスト状で噴霧さ れるため、噴霧される芳香液が少量であっても、におい物質が長時間、室内に残存し、5 時間後の室中央の臭気濃度は 800(ブランク 13)と高くなること示している。また、芳香 液の噴霧方式が違うことで室内の臭気濃度だけでなく、においの質にも違いがみられてい る。ファン方式ではシトラス調、空気圧縮方式ではフローラル調に感じられ、噴霧方式に より空間に拡がるにおい成分とその濃度が異なり、におい感覚に影響を及ぼすことを明ら かにしている。

第 5 章では、悪臭物質としてアンモニア、芳香液の成分として D-リモネンを用いて、空 間(1m

3

)の給排気口の位置の違いによる各物質の拡がり、濃度の分布を測定し、室内のに おい対策と雰囲気の演出の両面から、芳香剤の適切な設置場所と使用方法が検討できるデ ータを整理している。第 4 章の芳香液の噴霧方式別のにおいの拡がり方の結果と合わせて 検討し、芳香剤の活用方法を提案している。

第 6 章では、結論として本研究を通して得られた成果をまとめ、今後の展望を述べてい る。

以上のように、本論文は芳香剤のにおいの測定・評価および活用方法について論じたも のであり、芳香剤のにおいの測定用として人のにおい感覚に対応したセンサを選定し、多 点での同時測定が経時的に行える方法を確立し、室内での芳香剤のにおいの拡がり、にお いの強さ分布を捉え、悪臭物質とされるアンモニアの拡がりとの違いを明確にし、使用目 的に即した芳香剤の活用方法を提案している。本研究成果は、におい・かおり環境学会誌 に掲載されており、日本建築学会環境系論文集、Journal of the Human-Environment System への掲載も決定し、高い評価を受けている。

よって、申請者である近藤早紀は大同大学博士(工学)の学位を受けるに十分な資格を 有すると判定する。

以上

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