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対話による「読み」と「書き」の指導

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Academic year: 2024

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年少者日本語教育実践研究      2004年8月31日

対話による「読み」と「書き」の指導 

  実践報告者  飯野令子 

名前 W

在籍学年 中学校1年生 指導開始時の在日期間 9ヶ月

言語環境 中国語・日本語

家庭内言語 中国語

言語使用状況 中国で小学校高学年まで学んできたため、中国語は 読み書きにも問題ない。

日本語

[JSLバンドスケール]

生活に必要な日本語は、正確ではないが、ほぼ使う ことができる。

測定日 話す 聞く 書く 読む 2004.7.15 3 3 3 3

子どもの様子 中国のアモイで小学校に通っていた。両親は中国 人で、10年前から日本で商売をしている。去年、1 つ上の姉と共に呼び寄せられた。

来日直後、小学校6年生に編入し、今年の4月、

中学校に進級した。性格は明るく活発で、クラスに 溶け込んで、楽しそうにしている。スポーツが大好 きで、部活は野球部に入っている。歴史に興味があ り、好きな教科は社会である。週3日、学習塾に通 っており、日曜には家庭教師から日本語を習ってい る。   

今までの支援の有無 なし

実践の概要

期間 2004年6月10日〜2004年7月15日(計5回)

時間 木曜の3,4時間目

形態 入り込みと取り出しの併用 目標 読むことと書くことに重点を置く 実践報告 

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あいさつ:6 月 2 日 

校長先生、教頭先生にあいさつをした。お二人とも、Wに日本語の支援が必要であるこ とを強く感じておられた。休み時間に担任の先生とWにも会った。Wは教頭先生や担任の 先生が話すことはわかっているのか、にっこりしながらうなづいたり、一言で答えたりし た。Wに一番わからない科目を聞くと、国語とのことだったので、国語のある木曜の 3 時 間目と4時間目に入り込み指導をすることになった。

第 1 回:6 月 10 日   

国語担当の先生が職員室で先生方に紹介してくださった。いすも用意してくださり、一 緒にWの教室へ行った。クラスでも筆者を紹介してくださった。Wの席は教室のちょうど 真ん中あたりであった。クラスの雰囲気はよく、みんながWを仲間として接しているのが わかった。

 

3 時間目  国語  入り込み 

  単元復習プリントの答え合わせだったが、Wのプリントは白紙であった。先生は説明し て答えを言っていくが、Wは内容がわかっていなかった。Wは問題のもとになっている教 科書の文章の内容もわかっていないので、問題に取り組みようがないようであった。そこ で、先生の授業の進行とは別に、プリントの最初の漢字だけ一緒にやった。教科書の新出 漢字の中から問題になっている漢字を探して、書いていった。途中、先生がその単元に合 わせて、クジラやイルカの鳴き声のテープで聞かせてくれたときは一緒に聞いて楽しんだ。

最後に漢字の答え合わせがあり、Wはそこだけクラスメイトと一緒に確認することができ た。最後に、復習プリントの発展版が配られ、次回はその答えあわせをするとのことであ った。

4 時間目  書写  入り込み 

  外国の国名や都市名の漢字表記をカタカナに書き換えるプリントの答え合わせをした。

Wも辞書で調べたのか、8割がた書いていた。中国語での表記を頼りに、予想して書いたも のもあった。クラスメイトと一緒に答え合わせをしていく中で、Wも答えに自信があるも のは大声で言い、合っているものには喜んで丸をつけていた。しかし、間違えたら、Wは 正しい答えが聞き取れず、表記もわからないので、筆者が手伝った。

  次に先生が「いろは歌」の意味の説明と表記の解説に入ったが、Wには理解できていな かった。筆者が「わゐうゑを」の「ゐ」と「ゑ」の表記と読み方の他、現在使われなくな った読み方(「けふ=きょう」など)について説明し、斉読ではみんなと一緒に読むことが できた。最後に、ひらがなで書かれた「いろは歌」の書写をした。Wのひらがなはあまり 読みやすくないので、いい練習になっていた。

Wの様子

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・国語の授業中、Wが筆者に「先生、国語好き?」と聞いたので、「まあまあ。Wくんは?」

と言うと、Wは「嫌い。社会、好き」と言っていた。

・国語の授業の終わりに近づくと「10分」「5分」「2分」とカウントダウンし、早く授業が 終わってほしいとそわそわしていた。

・書写は鉛筆で書くように言われていたのに、Wは鉛筆を持って来ていなかった。そこで、

近くの友達に小声で「○○(友人の名前)、鉛筆貸して」と言って、鉛筆を借りていた。

・書写の授業の最後に先生が「いろは歌」の暗記の宿題や、いずれは作文を書くなどの話 をした。筆者が説明すると、「暗記も作文も大嫌い」と拒否反応を示した。

・休み時間は他の子のほうからWに近づいてきて話したり、男の子たちと一緒に廊下に出 て、じゃれあったりしていた。

筆者の考察

*国語の時間、Wは授業の内容を理解できずプリントもできないので、取り出して指導し たほうがいいだろう。

*クラスの友人との関係はいいので、日常的な話す力や聞く力は徐々に伸びていくのでは ないか。*Wの興味のある題材を利用して、読んだり書かいたりする力をつける活動をし たい。

第 2 回:6 月 17 日 

教頭先生とお話しし、Wは国語の時間は理解できないので、取り出させてほしいとお願 いした。「W君もそうしたいなら」ということで、職員室の隣の研修室(会議室)を開けて くださった。Wの意志を確認しに教室へ行くと、3時間目は国語ではなく社会になっていた。

Wは社会が一番好きだと言っていたこともあり、そのまま教室で勉強することにした。そ の旨を教頭先生に伝え、研修室は使用しなかった。

 

3 時間目  歴史  入り込み 

  ほとんど先生の講義であるが、古代の内容で漢字が多い上、特別な読み方が多いため板 書でも振り仮名が多く、Wにとっては理解しやすいようであった。担当の先生の話し方は ゆっくりで、板書も図のように書かれ、わかりやすかった。また、教科書や資料集もWの 興味を引く写真や絵や図が多く、Wは先生の話を聞きながら熱心に資料集や教科書を見て いた。中国や朝鮮との交流の話題が多いことも興味を引いているようだ。

 

4 時間目  書写  入り込み 

  前回の続きで「いろは歌」の朗読と書写をした。Wは古いかなの読み方をすっかり忘れ ているので、他の生徒が当てられて朗読している間、筆者がWにもう一度説明した。その 後、クラスで斉読した。その後、「いろは歌」の書写の続きをして、次に作文用紙の使い方 に入った。いい例、悪い例を先生が黒板に書いて示してくれ、Wも理解していた。最後に、

作文の書写をした。

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Wの様子

・休み時間に、中国語でWといろいろな話をした。Wは中国の三国志が好きで、中国で歴 史は習わなかったが、主にゲームで知っているとのことであった。ゲームはするが、テ レビは特に見ないそうである。本当はサッカー部に入りたかったが、サッカー部の練習 がある曜日に、ちょうど塾があり、スポーツは何でも好きなので、野球部に入ったそう である。

・4時間目が始まるチャイムが鳴ると、Wは教室の前の棚に置いてある自分の書写のファイ ルを取りに行った。先にファイルを探していた男子学生が「W!」と声をかけて、Wの ファイルを手渡してくれていた。

・書写の時間、Wは先生の話をよく聞き取れず、先生が「まだ書かないで」と言っていて も書き始めたりするので、筆者が周りを見ながら進めるように、何度か注意した。先生 の話がわからないためか、手持ち無沙汰そうに体を動かしたり、集中できないことが多 かった。

筆者の考察

*歴史に対する熱心さを見ていると、歴史を題材にした読み物などなら、読むことに興味 を示してくれるかもしれないと思えた。

*書写はクラスの活動についていけるので、以後も入り込みで支援するのがいいだろう。

第 3 回:6 月 24 日 

  3時間目の前に職員室で、国語担当の先生に授業で何をするか聞いた。内容によっては入 り込みにしたほうがいいかと思ったが、先生が「今日から新しい単元の物語に入る。W君 には難しいだろうから、取り出してやってもらったほうがいい。話の内容がわかってくれ ればいいのだが」と言われた。そこで、クラスの授業の内容を聞き、教科書を借りて、職 員室の隣の研修室に取り出して指導することになった。

チャイムが鳴ってからWに近づき、この時間は研修室で 2 人で勉強すると言うと「オー ケー!」ととても元気になった。国語の教科書とノートを持って、二人で研修室へ行った。

研修室に入ると、制服の見本を着たマネキンがずらりとならんでおり、Wは大喜びでいじ り始めた。ホワイトボードにも落書きを始めてしまい、座って勉強する気持ちにさせるま で、少し時間がかかった。

 

3 時間目  国語  取り出し 

  教科書を開き、今学期勉強したところを始めからざっと見てから、今日勉強する物語を 一緒に見ようとしたが、Wにとっては難しく、理解できない。語彙も文法もわからない上 に、その物語は方言の表現が多く入っていた。Wは内容にまったく興味を持っておらず、

筆者と一緒に見ていこうと言っても、聞かず、集中しない。

やはり、彼の日本語力に合ったことをやろうと思い、筆者が準備していった 4 こま漫画 100

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にお話をつける作業をした。これにはとても興味を示し、筆者が絵を指しながら「この人、

どうしたの?」と聞くと、絵の場面を日本語で言い始めた。そこで筆者が「横に書いて」

というと、書くことも、ためらいなく始めた。一言一言、私に聞くように言うので、間違 っても「うん、いいよ。それで?」と続けさせた。Wが書いたものは、助詞が抜け、動詞 や形容詞は辞書形を並べただけであり、自分の耳に聞こえた音を仮名にしているので、表 記が正確ではなかった。言いたい語彙が日本語でわからないときは、しばらく考えさせ、

最後に筆者が与えた。全部書き終わったところで、一つ一つ修正した。

  4こま漫画の話をひとつ完成させると、中国にいたときのこと、家族のことなど、少しお しゃべりをした。お父さんが経営する店の場所や家の場所などを、地図に書いて説明して くれた。

  2つ目の4こま漫画の話を書く時は、一つ目の経験を生かし、助詞をつけることを意識さ せた。2つ目は1つ目よりふざけがちになったが、それでも最後まで書き、書き終わったら 修正した。

  チャイムが鳴ると、Wは「次もここ」と言ったが、次は書写だから教室だというと、素 直に教室に向かった。

4 時間目  書写  入り込み 

  前回の続きで、原稿用紙に書かれた作文を書写した。Wは手本に注意を向けず、自分の 書き方でどんどん書いていくので、途中で何度も止めて「書き直し。そっちの字見て」と 手本に注意させた。先生が「きれいじゃない字は全部書き直し」と言っていたのに、Wは さっさと書き終えて先生に見せに行こうとした。そこで筆者が引き止めて、きれいに書い てない字を書き直させようとした。Wは「大丈夫、大丈夫」といいながらも、いくつか書 き直したが、だんだん「う〜ん、う〜ん」と小さい子がダダをこねるように、体をくねら せていやがるようになり、筆者の制止を振り切って見せに行ってしまった。先生にチェッ クしてもらっている間も落ち着きなく、あまり真剣に見ていない。それでも、先生はWを ほめながら、少しだけ注意し、最後に、内容を音読させた。Wはにやにやしながら帰って きて「やっぱり大丈夫だった」という素振りを見せた。いくつか先生に注意された字があ ったので、筆者が何度も書き直させ、もう一度先生に見せに行き、OKをもらった。

その後、できた人から原稿用紙の使い方の間違いを発見するプリントをもらった。Wは

「これ、何?」とわかっていなかったので筆者が説明し、一緒にやり始めた。なかなか注 意深く見ないので、ゆっくり見るように、一行一行、鉛筆でゆっくりなぞりながら見てい った。原稿用紙の使い方は基本的にわかっているようで、ほとんどWが自分で間違いを見 つけることができた。

筆者の考察

*Wはクラスに溶け込んでいるように見えるが、取り出しになると、教室にいるときより、

元気になった。教室では多少緊張しているのかもしれないと感じた。

*絵を見せて、物語を作らせる活動はWに興味を持たせ、抵抗なく書かせることができ、

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うまく  いったと思う。助詞の脱落や不正確な表記をチェックするのにも有効であった。

第 4 回:7 月 8 日 

  この日は国語が2時間目であると聞き、2時間目と3時間目に支援に入ることになった。

国語の授業の前に先生にお聞きすると「新しい短編に入るので、W君には内容をわかって もらえればいい」ということだった。「別の部屋でやったほうがよさそうなら、別の部屋で」

とおっしゃったので、筆者の考えもお伝えし、また職員室の隣の研修室で支援することに なった。

教室へ行き、Wを探すと、席替えがあったようで、席が一番後ろになっていた。2人で勉 強すると言うと、Wは大喜びで準備した。

2 時間目  国語  取り出し

  国語の読み物は、著者の少年時代の戦争体験談「大人になれなかった弟たちへ…」で、

前の単元の物語に比べると、わかりやすい文章だった。そのため、教科書をそのまま使っ て内容を追っていくことにした。2人でやり取りしながら、タイトルから順番に意味を確認 していった。

筆者:大人になれなかったって、どんな意味だと思う?大人、わかる?

W  :わかる。

筆者:なる、わかる?

W  :わかんない。

(筆者が「なる」「なれない」などを説明)

W  :死ぬ?

筆者:うん、そう。何の話かわかる?

(2人で文章をなぞり、中から「太平洋戦争」を探し出す)

W  :太平洋戦争(中国語)

(筆者が日本語の読み方を教える)

筆者:戦争のときどうして死んだと思う?

W  :撃たれた?爆破された?(中国語)

(筆者が「食べ物がなかった」という内容の部分を示して読ませる)

W:飢え死にした!(中国語)

(筆者が「栄養が足りない」などの言葉を教える)

以上のように対話しながら、大体、どのような話か理解させたあと、はじめから少しず つ読み、一句一句追うではなく、大体の意味を確認していった。3分の2ほど進んだところ で、チャイムが鳴った。

 

3 時間目  書写  入り込み 

  前回の続きで、原稿用紙の使い方の間違い探しの答え合わせをした。Wひとりでは聞き

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取りづらいこともあるので、筆者が手伝って、一緒に見ていった。原稿用紙の使い方の規 則はわかっているようだ。次に、原稿用紙の使い方の練習のため、最近の出来事で作文を 書くことになった。最近、うれしかったこと、悲しかったこと、悔しかったことなど、心 を動かされたことについて、400字程度で書くよう指示された。Wははじめ「ええ〜」と言 って顔をしかめ、「作文大嫌い」と言った。しかし、他の生徒たちも拒否反応を示しており、

口々に「絶対無理」「書くことない」などと言っていた。筆者は対話を通して、Wが書ける ように促した。

筆者:最近うれしかったことは?悲しかったことある?

W  :ない!…あ、うれしいは、中国に帰る。

筆者:それはまだでしょ。最近あったことで。

W  :…試験。

筆者:試験はどうだった?

W  :悪かった。

筆者:どうして?勉強しなかった?

W  :勉強した。夜10時まで勉強した。

筆者:じゃあ、どうして?

W  :試験が難しい。

筆者:勉強したのに、悪かった。

W  :うん。

筆者:じゃあ、悔しかったでしょう。

W  :うん。

筆者:じゃあ、試験の勉強したこと書こうよ。

(Wは原稿用紙に向かい、「試験の前、夜8時から10時まで勉強する」などと書き始めた)

筆者:過去だから、「する」じゃなくて…。何?

W  :あ、そうだ。

このように、作文の題材を決め、まずWが書き、筆者が間違いに気付かせながら、W自 身が少しずつ書いていった。4行ぐらい書いたところで、チャイムがなり、続きは来週にな った。しかし、Wは「来週、中国〜」と言っていて、もうやらなくてもいいと思っている ようだった。

Wの様子 

・期末試験がどうだったか聞くと、「英語、93点」とうれしそうに言った。その他の科目は みんなよくなかったようだが、特に数学の点が悪かったのが悔しかったようだ。社会は 全体の平均点が悪かったので、Wがとても悪いわけではないということだった。理科(中 国では習ったことがない)と国語は悪くても仕方がないという気持ちでいるようだ。

・Wは授業の合間に、来週から中国に帰るかもしれないと話した。中国には友達もたくさ んいて、遊ぶのを楽しみにしているとのことであった。両親は10年以上前から日本で商 売をしており、4年生の夏休みに3ヶ月間、日本に来たことがあるなどの話をした。

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筆者の考察

*2時間目の読みでも、3時間目の作文でも、筆者との対話によって、内容を理解させたり、

作文の題材を見つけさせたり書き進めさせたりすることができ、無理なく適切な指導が できたと思えた。

5 回目:7 月 15 日 

  職員室へ行って確認すると、Wは明日から中国へ帰ることになっているそうで、この日 は学校に来ていた。この日は45分授業で、筆者が学校に到着したときには、既に3時間目 が始まっていたので、急いで教室へ向かった。

3 時間目  書写 

  クラスでは前回の続きの作文を書き始めていた。Wは前回の内容に「はははいう試験」

と書き加えていた。そこで、前回と同じように、Wは筆者と話しながら、書き進めていっ た。

筆者:お母さんが何を言ったの?

W  :お母さんは、試験の成績が良かったら、中国に帰ってもいいって言った(中国語)

筆者:ああ、じゃあ、「母は〜と言った」だよ。

W  :母は試験いい、中国帰ると言った。

筆者:まず、「母は」の後に鍵カッコつけて。母は、試験の成績が…

  このように、Wが書きたいことを自分で考え、日本語で表現した後に、筆者が正しい書 き方を教えていった。Wは特に「○○は〜と言った」という表現が気に入って、その後、

何度も使った。この時間が終わるまでに、先週分と合わせて300字以上書くことができた。

4 時間目  理科 

  メスシリンダーと上皿天秤の使い方を勉強した。始めに先生の説明があり、その後、教 科書にある説明部分を図と共に紙に書き写した。Wはとても集中して、授業終了少し前に 全部書き写すことができた。そこで、内容を理解しているか、Wに質問して確認しようと したが、すぐにチャイムが鳴ってしまい、確認することができなかった。

筆者の考察

*筆者が助けながらではあるが、Wが書きたいことを自分で書き進めていったことは意味 があると思う。対話しながら書いていく指導法はWには有効であったと感じる。

全体を通しての考察

  筆者の支援は 5 回と非常に少なかったので、筆者が支援に入っている間のWの日本語力 の変化は特に感じられなかった。見たところ、クラスメイトとの関係も良く、部活もやっ ているので、日常的な会話に使う日本語はなんとかできている。しかし、「読み」「書き」

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については取り組む場を作らなければ、いつまでも伸びないだろう。筆者が行った 4 こま 漫画に物語をつける活動、対話による「読み」や「書き」の支援は、Wに自然に「読み」「書 き」をさせることができ、成功であったと考える。今後も「読み」「書き」の支援、さらに は授業で使う日本語への支援が必要であろう。

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