• Tidak ada hasil yang ditemukan

死亡数変動と気象の関連性 - Mie U

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2024

Membagikan "死亡数変動と気象の関連性 - Mie U"

Copied!
2
0
0

Teks penuh

(1)

死亡数変動と気象の関連性

気象・気候ダイナミクス研究室 515374 出口 純也 指導教員 : 立花 義裕 教授

Keywords

:人口動態計,前年差・前月差死亡数,相関分析

1 .研究背景

近年,世界各国で地球温暖化による気温の 上昇が観測されており,温暖化の影響によっ て気温が

1

度上昇すると死亡リスクが増加す るという研究が行われている(1).夏の高温化 は糖尿病や心筋梗塞などの慢性疾患をもつ高 齢者にとって負担となり,平均寿命を短くし 年間に数千人の死亡者を引き起こすおそれが ある.今までは異常気象による高温化が健康 にもたらす影響はよく分かっていなかったが,

Antonella Zanobetti (2012)

(2)によると夏温度 中の日差変動が熱波とは関係なく平均寿命を 短くするということがわかった.また,前年差 や前月差,前日差での気温が大きいと体調を崩 しやすいことからもわかるように,医療や人々 の健康面においても深刻な影響をもたらす可能 性がある.

しかし気象が長期間もたらす人体への影響 をみる研究は,日本では非常に少なく,

Hisanori Nagata and Yuzo Takahashi

(1975)

(3)が行なった京都市内を対象とした夏季冬 季における日々の死亡数と気象条件といった 約

40

年前の研究が挙がり,近年を対象とし た研究はない.

そこで本研究では,1998

年-2017年の

20

年間の日本全体の死亡者数と気温の変化の相 関を考察し,どの月が死亡者数に影響を及ぼ しやすいかを解明する.

2 .使用データと解析手法

本研究では気象庁日平均気温の月平均値デ ータ(4)を使用した.日本の人口全体の約

3

割 以上が東京都に密集しているので,東京都の

1997-2017

年の

20

年間の日平均気温データを

代表値として使用した.

また本研究では,厚生労働省による

1997

- 2017

年の

20

年間の人口動態計を用いて死亡者 数のデータを使用した.

以上から日平均気温データや前年差データ,

死亡者数の年別の変動と前年差の各年・各月の 変動データを用いて相関分析を行なった.

3 .結果と考察

人口動態計から

1997

-2017

年の

20

年間 の死亡者数の変動を示す(図1).

20

年の推移 から死亡者数は緩やかに増加傾向を示してい る.増加傾向を除去するために,前年差の死 亡者数と前年差の平均気温の変化の相関を見 た(図2).相関係数は

-0.309

を示している.

この場合では統計的に有意な相関は見られな い.よって,次に

20

年間の月別の死亡者数の

1.1998-2017年の死亡者数推移

図2.1998-2017年の前年差の死亡者数と 平均気温の前年差の相関(相関係数:-0.3039)

データ(図3)と各月の平均気温のデータから,

両者の前年差の数値を出し相関分析(図4)を 行なった.5月,

12

月が有意水準

10

%以上の相 関を出し,

11

月が有意水準5

%

以上,7月が有 意水準1%以上の非常に高い相関を出した(図 4).

このことから前年差での死亡者数と気温では,

夏季・冬季どちらも相関が強く現れ,前年差で の気温が高ければ高いほど,あるいは低ければ 低いほど,死亡者数は増加するということが示 された.

この時点での前年差の夏季・冬季の死亡者数 と気温において,両者の間でなぜこれほどにま で高い相関が出たのかのメカニズムはまだ解明 されていない.今後,本研究ではその部分に更 に焦点を絞り解明していく所存である.

(2)

4 .謝辞

本研究を進めるにあたり,ご指導をいた だきました立花義裕教授には深く感謝いたし ます.また,数多くの助言をくださった,西 井和晃准教授,飯島慈裕准教授をはじめ,同 研究室の小松謙介氏,安藤雄太氏,関陽平氏,

杉原直樹氏,松岡優輝氏,永田桃子氏,そし てその他研究室の皆様に感謝の意を表します.

5 .参考引用文献

1出典:糖尿病ネットワーク http://www.dm-net.co.jp

2) Antonella Zanobetti (2012) Temperature Variability May Increase Mortality Risk for Elderly with Chronic Disease, Proceedings of the National Academy of Sciences

(3) Hisanori Nagata and Yuzo Takahashi (1975) 夏季冬季に おける日々の死亡数と気象条件 Daily Variation of Number of Deaths and Meteorological Conditions (Observations in Summer and in Winter),

日本衛生学雑誌,第40巻,4号

4出典:厚生労働省.人口動態調査

https://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/toukei/index.ht ml

5出典:国土交通省.気象庁.日平均気温の月平均値

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_

s3.php?prec_no=44&block_no=47662

図3.1998-2017年の東京の月別平均死亡者数

図4.1998-2017年の東京の前年差の月別死亡者数 と気温の相関係数(表1の図示化)

Referensi

Dokumen terkait

地球の温暖化が進行中である。地球全体の年平均気温は、産業革命前に比べ、すで に約1.0°C上昇しており、昨年までの近年5年間の値が、歴代の1位から5位まで占め るという状況になっている。そして、温暖化の最大の原因が、人間活動による化石燃 料燃焼等による温室効果気体の排出であることがわかっている。

1, 2015 温暖化による開花時期の短縮 温暖化と開花 地球温暖化問題が指摘されて久しいが,日本において も昨今の猛暑や北日本における豪雪など,身をもって何 らかの気候の変化を感じることが多くなってきた.気候 変動に関する政府間パネル(IPCC)によると,高濃度 の温室効果ガスの排出が続くと21世紀末には地球の平 均気温は最高で約4.8

みんなで考えて調べる小学理科ワークシート4年 2 天気による気温の変化 観そく2 4年 組 名前( ) 【見つけよう】 教科書 24~25 ページと 29 ページの朝の空の様子をくらべると,どのような ちがいがありますか。 くもりの日の気温は,晴れの日の気温よりも なっている。 天気によって,気温は変わるようだ。 【観そく2】

JPCZ に及ぼす対馬暖流の影響 -1時間毎のラジオゾンデ XCTD 同期観測- 立花 義裕 1,本田 明治 2,西川 はつみ 3, 川瀬宏明4,山中 晴名1,畑大地 2,柏野祐二 5 1:三重大学,2:新潟大学,3:東京大学, 4:気象研究所,5:水産大学校 Submitted to Scientific Reports: High moisture

研究目的 CMIP3 マルチ気候モデルの中から 海氷の再現性の高いモデルを選定し, 海氷減少に影響を与える大気場 を探る. また 将来北半球にどんな影響を与えるか ,を求 める CMIP3 マルチ気候モデルの中から 海氷の再現性の高いモデルを選定し, 海氷減少に影響を与える大気場 を探る. また 将来北半球にどんな影響を与えるか ,を求 める 4

ーツク海が西日本豪雨を強化した可能性がある。 (3)オホーツク海が低温である主因の一つに海洋の潮汐によるかき混ぜ効果と海氷の存在が ある。温暖化が進行しても潮汐は変化せず、海氷も直ちに無くならないことからからオホー ツク海の低温は維持される。温暖化により日本の南の気温は上がり南北の温度差が大きくな

◇ 中緯度海域における大気海洋相互作用の新しい知見 導入 Kushnir et al., 2002 warm cold Nonaka and Xie 2003 Strong wind Weak wind ◇ 中緯度海域 熱帯に比べ,海面水温 SST がそれほど高くない。 ⇒対流が起こりにくい。

3),3 月のほうが熱を多く海から大気に供給している ことが分かる.そのため,寒気が弱まりやすく, 急低下が起こりにくくなっていたのではないか と考えられる. これらのことより,気温の急変には低気圧の 通過のみならず,海と陸の温度コントラストが 重要であるということが示唆される. 4 謝辞 本研究を進めるにあたり,ご指導をいただきま