• Tidak ada hasil yang ditemukan

第10回「糸状菌胞子生産の応用 -- 種麹と微生物農薬 --」

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2024

Membagikan "第10回「糸状菌胞子生産の応用 -- 種麹と微生物農薬 --」"

Copied!
6
0
0

Teks penuh

(1)

1.醸造に用いられる麹菌

昨年「和食」がユネスコの無形文化遺産として登録 されたが,「和食」の味わいをつくり出すには酒,味噌,

醤油,味醂,鰹節のような素材が欠かせない.実はそ れらは麹なくしてはありえず,麹は縁の下の力持ちと して日本の食文化を支えているといっても過言ではな い.

麹菌は,1000 年以上にわたる醸造の歴史の変遷を 経て完成された我が国の食文化の原点に位置する微生 物であり,桜が国花,雉が国鳥であるならば麹菌はま さに国を代表する微生物「国菌」と呼ぶにふさわしい ものである(一島,2004).

弊社は明治 43 年の創業以来,麹の種菌(種麹)を 主軸に酵母菌,乳酸菌等,醸造に欠くことの出来ない 微生物の種菌を全国の蔵元に供給している.このよう に多岐にわたる種菌を製造している会社は全国でも珍 しく,弊社を含め数社しかない.

醸造界では胞子の色の相違から黄麹菌,黒麹菌,焼 酎用白麹菌の 3 グループに分けられている(図 1).

黄麹菌 Aspergillus oryzae は清酒,味噌の製造に使わ れており,種小名は最初の記載者がこの菌を清酒用米 麹から分離したことから,イネの学名である「Oryzae sativa」にちなんだものである.同じ種でも,用途に よって麹菌の系統や麹の材料,培養法が微妙に異なっ ている.味噌醸造に適した菌株は,旨味の主体となる

アミノ酸やペプチドを蓄積させるために大豆タンパク 分解力の強い菌が選択されているが,清酒醸造におい ては淡麗な酒質が好まれるため,逆にタンパク分解力 が弱く糖化力の強い菌が選抜されている.同じく黄麹 菌の醤油麹菌 Aspergillus sojae は醤油づくりに使わ れ,生育速度が早く,タンパク分解酵素群の働きが強 い種小名も大豆(soya bean)に由来する.

黄麹菌の野生菌群には,強力な発がん物質であるア フラトキシンを生産するものが知られているが,日本 の醸造に使用される黄麹菌からアフラトキシンを生産 する菌株はまったく発見されておらず,明確に区別さ れる(山田,2009).

黒麹菌のアワモリコウジカビ Aspergillus awamori は沖縄の泡盛をつくるのに用いられ,黒麹菌の突然変 異 で あ る 焼 酎 白 麹 菌 Aspergillus kawachii

(A.luchuensis mut. kawachii)は九州地方で本格焼酎 製造に使われている.黒麹菌も焼酎用白麹菌も,酸味 のもとであるクエン酸を黄麹菌に比べて数十倍も多く つくるうえ,耐酸性アミラーゼや生デンプン分解力も 強く,酸っぱい麹で仕込んだ焼酎醪は,温暖地の醸造 でも雑菌に汚染されず,香りも良くなるという利点が ある.カビ付けをした鰹節の「枯節」には Euretium herbarioume が使われている.

2.種麹の製法

種麹製造の基本工程(図 2)は麹の製造法と類似し た点が多いが,目的が酵素生産でなく胞子生産にある 第 10 回  

糸状菌胞子生産の応用

─種麹と微生物農薬─

今野 宏

株式会社秋田今野商店 〒019-2112 秋田県大仙市刈和野 248

The application of mass fungal spore production

─ Koji starter and biological control agent ─

Hiroshi Konno

Akita Konno Co., Ltd., Kariwano 248, Daishen, Akita 019-2112, Japan 連載「微生物の産業利用─はたらく有用微生物」

E-mail: [email protected]

(2)

こと,原料の精白歩合が高いこと,蒸上り後に木灰を 添加すること.培養期間が 5 ~ 6 日と長く,その間高 湿度の環境下に置くこと.出麹を乾燥することなど麹 と異なった工程上の特徴がある.また種麹は玄米に近 い米(97%前後の精白)を使用するため麹菌の増殖が 旺盛で製麹中の発熱量は清酒麹の 3 倍を超え,通風に よる温度制御方式の機械製麹が出来ないため,在来式 の麹蓋による製麹を行っているのが普通である.

以下に一般的な麹菌の製造方法を述べる.種麹の製 造では蒸米の放冷後に原料の 1%相当の木灰を添加す るのが大きな特徴である.近年では木灰の代わりにリ ン酸カリを中心にした人工灰を用いることも行われて いる.灰の効用については麹菌の「生育促進効果」や

「防腐効果」「米粒相互の隔離」「胞子形成の促進」「胞 子の耐久性の増加」「胞子色相を良くする」などが知 られている.

洗米 浸漬

原株 添加

椿枝葉 蒸焼 貯蔵 灰たき 手入れ

詰替え 麹菌

原株

培養

原菌 出麹

品質検査

培養室

粒状製品袋詰 乾燥

原料米 精白 蒸煮

分生子採取 粉状製品

木灰 純粋培養 木灰添加・冷却

2

 種麹の製造工程

黄麹菌 純白麹菌

焼酎用黒麹 焼酎用白麹

1

 麹菌の種類

醸造用麹菌には 4 種類あり,それぞれ胞子の色が異なる.胞子を無数に付けた種 麹(写真)をふるって胞子を米や麦,大豆に付けて麹にする.麹菌は用途によっ て使い分けられる.

(3)

灰は椿のものを最良とするが,広葉樹雑木灰も使わ れる.椿灰は雑木の 5 倍以上の水溶性成分があり,こ の水溶性成分の差が椿灰を良しとする理由と考えられ ている(奈良原,1986).

灰を塗した後,30℃位に冷却した蒸米に麹菌を接種 する.接種用の原菌は予めフラスコ中で純粋培養され たものを用いる.接種量は原料の 1/3000 位で,麹の 標準接種量(1/1000)より少ない.接種量が少ないの は原料が玄米で白米と比べて栄養豊富で麹菌の増殖が 早いこと,接種量の少ない方が胞子着生が早く始まる ことによる.

原菌は種麹業者の命である.保存方法においても木 灰は活躍している.木灰を加えてつくった種麹は,木 灰を加えないでつくった胞子に比較して耐久性が増大 され,種麹を悪い環境に保存した場合でも胞子の発芽 率が低下しない.木灰の使用は,胞子の貯蔵性の本質 にふれ,菌株保存問題にも大きく関与している(真鍋,

1987).今から 500 年も前に,未だ微生物の存在すら 知られていない昔に,世界中のどんな民族にも先駆け てこのような「長期保存法」を木灰で行っていた日本 人の知恵には感服させられる.

実際弊社でも木灰を入れた乾燥胞子を密閉容器に封 印し,80 年以上保存しているが変異は見られない.

その他に培地(麹エキス,PDA 等)を時々変えての 継代培養法を行うとともに凍結乾燥保存,冷凍保存法 なども併用して保存している.

さて,接種の終わった蒸米だが,1 日目はドラム式 製麹機に入れて,28 ~ 30℃で高層培養を行う.2 日 目に品温が 38℃位まで上昇し,麹菌の増殖が肉眼で 認められる頃に麹蓋や金属製トレイに盛り分ける.盛 る量は胞子を蒸米全体の表面に生成させるようにする には,少量を薄く広く広げることが望ましい.しかし,

薄層ほど乾燥が早いので一般には 1.8 l のトレイに 0.9 l の麹の盛りが標準とされている.2 日目から 7 日目ま での培養期間は前半が麹菌の栄養体細胞の増殖に適し た 35℃に,後半が胞子形成に適した 30℃に設定し,

温湿度を調整した操作が行われる.湿度は 98%位が 最適である.製麹中には蒸米の水分の減少と還元糖の 消費によって水分活性が低下し麹菌の増殖と胞子形成 に適さなくなる.そこで,水分の散逸を防ぐため麹室 の湿度を飽和温度近くまで高める加湿や麹蓋やトレイ に湿った布を被せ,布の水分散逸により代謝熱の放出 を行ったり,空の麹蓋に培養中の麹蓋を逆さに被せる ことによって培養環境を密閉状態にして,器壁より熱 の放出で水分の散逸を防ぐ工夫などがされている.

胞子が充分に着生した種麹は水分が 28%近くあり,

その胞子には約 36%の水分を含んでいる.胞子の生 存率を長期間高く保つには乾燥して水分を胞子で 15%以下に,粒状種麹(培養物をそのまま乾燥したも の)で 10%以下に保つ必要がある.乾燥は胞子の死 滅を防ぐため 40℃以下での除菌温風乾燥が一般的で ある.粉状の種麹にするためには,乾燥された粒状種 麹をふるいに掛けて菌糸や玄米粒を除き胞子のみを回 収する.ふるい分けの方法としては,80 メッシュと 150 メッシュ位の 2 段振とうふるいにより先ず玄米粒 を除き次に菌糸を除いて胞子のみを回収する.

乾燥後の種麹はロット毎に胞子数,発芽率,細菌数 の検査を行う.分生子には一定量の滅菌済増量剤(a 澱粉)を混合して種麹として検査に合格したものが包 装される.製品としては乾燥したままの粒状種麹(胞 子数 8×108 /g 程度)と篩別により分離した胞子に

a

澱粉を混合し,胞子数 2×109 /g 程度に調整した粉末 種麹がある.

3.生物防除剤とは

農薬は高い農業生産性を維持するために不可欠であ り,世界的な食糧不足を解消するためにも,今後その 役割はますます増大すると考えられている.しかし一 方で環境などに及ぼす悪影響への懸念も広がってい る.さらに単一の農薬を多用することによって農薬に 抵抗性の土壌病害菌が発生して,大きな問題となって いる.いわゆる連鎖障害である.せっかく形成された 産地も崩壊,移動を余儀なくされている.その解決策 として,より安全な農薬の開発と,その施用技術の改 善の努力がなされ,大きな成果を上げた一方,農薬を 使わず,あるいは農薬の施用量を減らして土壌病害菌 を防除しようとする取り組みも行われてきている.

その一つが自然環境に存在するものを防除に使おう とする試みである.自然に存在するものならば,ヒト が合成して作り出した難分解物質(農薬)と異なり,

安全であると考えられるからである.その中で生まれ たものが微生物農薬である.生物防除は自然の生態系 の機能を利用するものといわれる.自然には多くの生 物が互いに干渉しあって生きている.微生物には寄生,

抗生,競合,抵抗性誘導などの機能があり,微生物相 互,あるいはそれに動植物が加わった三者の関係の中 で展開される.

とりわけ欧米では,化学合成農薬一辺倒に対する反 省を踏まえ,微生物農薬を積極的に開発し利用する機 運が強まり,様々なタイプの微生物農薬が実用化され

(4)

つつある.我が国においても,近年の環境保全指向の 高まりの中で微生物農薬に対する期待は大きいものが あり,市場性も高まりつつある.現在その開発に取り 組んでいこうとする企業は確実に増えてきている.

4.種麹づくりの技術が生んだ微生物農薬

微生物農薬は「生きている」ということが従来の農 薬と異なる点である.当然のことながら製剤化過程,

貯蔵期間,施用作業などを通して「生きていること」

が必須になる.実はこのような種々の環境下で生きな がらえる手法として,微生物は自らの細胞を環境の激 変に耐えられるように耐久細胞というものをつくる.

カビの場合それが胞子である.微生物農薬のほとんど が胞子でつくられているのは,このような理由による.

種麹づくりの手法は微生物農薬生産の手法としても注 目をあびている.

実用化にあたっては培養・胞子化・回収などの製造 プロセス開発技術を高めることが重要なポイントとな るが,実はこの工程,種麹の製造方法に酷似している のである.もちろん原菌は Aspergillus ではないが,

高い生物活性を持った胞子生産性の優れた保存性の高 い糸状菌が選定される.製造方法は基本的に前述した 種麹製造方法に準拠して胞子を回収していく.培地に あたる穀物は原菌によって使い分けられ,主に小麦ふ すま,圧偏大麦,玄米が用いられる.微生物農薬の場 合も,いかに生物活性の高い胞子を多量に穀物に形成 させるかが採算性に大きく影響するため,種麹にはな いそれぞれの菌株にあった胞子形成環境を整えていか なければならない.一般的に胞子形成を促進させる方 法として栄養体細胞に何らかのストレスを与えてやる ことによって胞子が着生することがある.温度,湿度,

酸素分圧,pH,浸透圧などの要因である.弊社で現 在製造している微生物農薬原体は Trichoderma atro- viride,Talaromyces flavus,Metarhizium anisopliae がある.それぞれに最適培養条件があり,それぞれに 異なった胞子形成要因があるが基本的には種麹製造の ノウハウが活かされている.糸状菌(固体培養)の場 合は 109 /g 以上の有効胞子数が実用化のための一つ の目安になると思われる.保存安定性が悪い微生物に ついてはさらに目標値のかさ上げが必要になるが,い ずれにしても有効菌株のスクリーニングに際しては生 産性・保存安定性を考慮に入れたものでなければ実用 化は難しい.弊社では大手農薬会社からの委託を受け て,指定生物農薬登録製造場としてすでに多くのカビ を使った微生物農薬原体の製造をスタートしている.

そして今後さらに,この部門の需要は増加していくも のと思う.そのいくつかを紹介する(図 3).

「エコホープ」(熊倉,2006)はクミアイ化学工業が 静岡県内で分離した糸状菌 Trichoderma atroviride SKT-1 を有効成分とする水稲用種子消毒剤で,糸状菌,

細菌の両方に起因する病害に既存の科学農薬と同等以 上の防除効果を発揮する.環境負担が少ないのが特徴 で,トータルコストも既存化学農薬と同等である.本 菌が病原菌と競合して増殖することで病原菌の繁殖を 抑制する.適用病害はいもち病,ばか苗病,もみ枯細 菌病,苗立枯細菌病,ごま葉枯病で,200 倍に希釈し て種子を 24 ~ 48 時間浸漬して処理する.薬剤耐性は なく,各種化学農薬の耐性菌に対しても高い防除効果 を示す.土壌中では速やかに自然界に存在する菌量ま で減衰し,水系では死滅するなど水棲生物や他の生物 への影響はほとんどない.エコホープドライは,胞子 製剤で,室温 6 ヶ月間の保存を可能にして取り扱いと 輸送性を改善した製品であり,2004 年に登録を取得 し,販売を進めている.適用,効果ともにエコホープ 同等で,化学農薬と同等以上の生物効果を有する.

Talaromyces flavus SAY-Y-94-01 は栃木県農業試験 場 で 発 見 さ れ た 子 嚢 菌 で あ る. 不 完 全 世 代 は Penicillium vermiculatumn で,環境条件によって有 性生殖と無性生殖を行う生活環を持つ.Talaromyces flavus 剤は固体培養法により製造された分生子(1×

108 cfu/g)を有効成分とする製剤で,出光興産によ り 2001 年にイチゴたんそ病,うどんこ病用の微生物 殺菌剤として「バイオトラスト水和剤」の商品名で農 薬登録された.さらに,水稲種子消毒剤として効果を 示すことが分かり,2007 年には「タフブロック」(石川,

2007)として農薬登録された.本剤は水稲の育苗場面 において防除が不可欠な種子伝染病害(ばか苗病,い もち病,もみ枯細菌病,苗立枯細菌病,褐条病など)

および土壌伝染性病害(苗立枯病など)を同時防除す る.

2014 年にはアリスタライフサイエンス社から昆虫 病原性糸状菌 Metarhizium anisopliae の農薬登録が行 われた.商品名「パイレーツ粒剤」(宮田ら,2012;

紫尾ら,2013)の有効成分の Metarhizium anisopliae は,一般的な土壌に常在している昆虫の天敵糸状菌で ある.本剤は破砕米の表面にメタリジウム菌をコー ティングした粒剤タイプの製剤で,作物の株元に散布 する.アザミウマ類の幼虫は蛹になるために作物の茎 葉部から土壌に落下する性質がある.製剤を散布する と,落下してくるアザミウマ類幼虫をメタリジウム菌

(5)

が土壌表面で待ち伏せして感染し,短期間で死亡させ る.

5.胞子製造業の未来

本来カビにとっては,固体基質上で生育する方がよ り自然な培養法である.そしてこの固体上での培養条 件で,カビの機能を最大限に発揮させているのが「麹 づくり」のような固体培養ではないだろうか?

最近,この日本特有の製麹手法(固体培養)で培養 された麹菌以外の様々な環境から分離された麹菌の仲 間のカビ達が,抗ウィルス物質(Kanai et al., 2000)

や新規抗菌物質(Ishiyama et al., 2000; Sato et al., 2000)を沢山つくってくれる事実を目のあたりにして いる.

米粒に麹菌をそだてることにより,このような環境 下での培養でなければつくりえない生産物が沢山あ る.この麹づくりの手法をもってすれば多くのユニー クな生理活性物質を探し出せるに違いない.

今後,醸造から生まれた製麹技術は世界的に醸造以 外の分野で大いにもてはやされることになることは間 違いない.まさに「温故知新」である.

文 献

一島英治 2004.日本の国菌コウジキン.日本醸造協 会誌 99:83.

石川成寿 2007.タラロマイセス フラバスを用いた新 戦略.生物農薬の新戦略とバイオコントロール研究 の最前線,p. 28-35,日本植物病理学会バイオコン トロール研究会,東京.

Ishiyama, D., Satou, T., Senda, H., Fujimaki, T., Honda, R. & Kanazawa, S. 2000. Heptaibin, a novel antifungal peptaibol antibiotic from Emericellopsis sp. BAUA8289. J, Antibiot. 53: 728-732.

Kanai, Y., Ishiyama, D., Senda, H., Iwatani, W., Takahashi, H., Konno, H., Tokumasu, S. &

Kanazawa, S. 2000. Novel human topoisomerase I inhibitors, topopyrones A, B, C and D. I. Producing strain, fermentation, isolation, physico-chemical properties and biological activity. J, Antibiot.

53:

863-872.

熊倉和夫 2006.Trichoderma 菌によるイネ種子伝染 性病害の生物除去.温古知新 43:48-54.

真鍋 勝 1987.種麹と木灰とアフラトキシン.温古 知新 24:33-43.

宮田将秀,宮本武彰,山中 聡 2012.ナスのミカン

3

 各種微生物農薬の効果

岩瀬亮三郎氏撮影(現埼玉農総研).

Metarhizium ansopliae が付着したア ザミウマ成虫(アリスタライフサイ エンス提供)

Talaromyces flavus のもみ殻表面への定着(出光興産 提供)

Trichoderma atroviride の「ばか苗病」に対する発病抑 制効果(クミアイ化学工業提供)

(6)

キ イ ロ ア ザ ミ ウ マ に 対 す る 昆 虫 病 原 糸 状 菌 Metarhizium anisopliae 製材を利用した防除.北日 本病害虫研究会報 63:181-183.

奈良原英樹 1986.Ⅱ.種麹(もやし).村上英也(編),

麹学,p. 32-47,日本醸造協会,東京.

Sato, T., Ishiyama, D., Honda, R., Senda, H., Konno, H., Tokumasu, S. & Kanazawa, S. 2000. Glomosporin, a novel antifungal cyclic depsipeptide from Glomospora sp. I. Production, isolation, physico-

chemical properties and biological activities. J.

Antibiot. 53: 597-602.

紫尾 学,山中 聡,田中 寛 2013.メタリジウム 粒剤処理による施設キュウリのミナミキイロアザミ ウマ,タバココナジラミおよびトマトハモグリバエ の防除.関西病虫害研究会報 55:13-16.

山田 修 2009.黄麹菌 Aspergillus oryzae がアフラト キシンを作らないのには理由(わけ)がある.温古 知新 46:29-34.

Referensi

Dokumen terkait

有用微生物の細胞機能に関する分子遺伝生化学的研究 東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 教授 依 田 幸 司 人類は古来より経験的に多様な微生物の働きを利用し,微生 物の実体を知ってからは,積極的な探索と育種が進んだ.動植 物に比べて,有用微生物の育種では,理屈に基づく計画的改変 と,膨大な数の変異体からの闇雲な探索が,容易に両立する.

【解説】 ゲノム解読が進むにつれ,糸状菌には,これまで同定された 化合物から予測されるよりも,はるかに多くの二次代謝物を 生産する能力が秘められていることが明らかになってきた. 二次代謝物生合成遺伝子の大半は,通常の培養条件下では休 眠状態にあり,われわれは,その能力の一部しか引き出せて いない.最近,急速に解明されつつある,エピジェネティク

3, 2017 糸状菌におけるネクトリシン生合成経路の解明 イミノ糖の微生物生産への応用 イミノ糖(アザ糖)は微生物や植物などが産生する糖 のアナログで,最も基本的なものは,ピラノース環やフ ラノース環中の酸素が窒素に置換された構造を有する. 一般に,イミノ糖はそれぞれに対応した糖の構造を模擬 することでそれらに作用するグルコシダーゼなどの酵素

はじめに わが国では,農業害虫の防除はお もに化学農薬が使われている.一方, 農産物の安全・安心に対する消費者の 関心が高まっていること,化学農薬の 散布が生産者にとって負担であるこ と,重要害虫において化学農薬に対す る抵抗性の発達が深刻化していること などから,化学農薬に代わる防除手法 の開発が求められている.天敵など, 生物の機能を利用して害虫を防除する

5, 2016 微生物学大木 理 著 B5判,162頁,本体価格2,400円 東京化学同人,2016年 「化学と生物」誌 46巻5号の巻頭言「人間の未来と農 芸化学」の中で,私は次のように書いた.「農芸化学は, 自然の事物を常にパートナーと考える,いわば『性善説の 自然科学』である.医学の世界では微生物と言えば病気を

【解説】 麹菌は伝統的な醸造産業だけでなく,酵素生産などバイオテ クノロジー分野にも幅広く利用されている.近年,ゲノム情 報が容易に入手できるようになり,相同組換え効率が向上し た変異株を用いた遺伝子ターゲティングなどの技術が開発さ れたことから,染色体レベルでの操作が可能になり,育種研 究のスピードアップが期待されている.ここでは,われわれ

buchneri 1001 は添加 した 2%のグルタミン酸を全て GABA に変換してお り,高い GABA 生成能を有することが明らかとなっ た.通常,GABA 含有食品は精製された GABA を添 加し製造されているが,GABA 生産乳酸菌をスター ターとして用いることで,直接 GABA を添加するこ となく,うま味調味料として一般的に発酵ソーセージ

りであり,これらの病害に関して多くの研究が実施さ れ,供試された微生物株が集積されてきたことがうか がえる.これに対して 1 株しか登録されていない植物 病(害)は,大半が樹木や野生植物に起きるものであっ た. 3)農業生物資源ジーンバンクと他機関との保存状況 の比較 すでに触れたとおり,植物病原微生物は NIAS Genebank 以外に NITE