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論文内容の要旨 - 自治医科大学機関リポジトリ

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Academic year: 2025

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氏 名 AEい しEA AE EA AEよ うEA AEい ちE 学 位 の 種 類 博士 (医学) 学 位 記 番 号 甲第471号

学 位 授 与 年 月 日 平成27年3月18日

学 位 授 与 の 要 件 自治医科大学学位規定第4条第2項該当

学 位 論 文 名 妊婦末梢血natural killer細胞の網羅的 microRNA -遺伝子発現解析

論 文 審 査 委 員 (委員長) 教 授 川 島 秀 俊

(委 員) 准教授 柏 田 正 樹 准教授 土 橋 洋

論文内容の要旨

1 研究目的

Natural killer細胞(NK細胞)は大型の細胞内顆粒を持つリンパ球であり、自然免疫のエフェク ター細胞として、癌細胞やウイルス感染細胞を殺傷し排除する役割と同時に、獲得免疫において も調節役としての重要な機能を担っている。NK細胞は血液中に存在し(pNK細胞)、リンパ球の 5~20%を占めているが、妊娠期間中のpNK細胞において、microRNA(miRNA)の発現様式や、

転写後遺伝子発現調節については不明のままである。

2 研究方法

自治医科大学および日本医科大学の倫理委員会の承認を得た後、妊娠初期、中期、後期、産後 4日目の末梢血NK細胞を採取し実験に用いた。今回、妊婦pNK細胞においてどのようなmiRNA が発現し、NK 細胞内の遺伝子ネットワークを転写後調節しているのかを明らかにするため、先 端のPCRアレイ miRNA解析とDNAアレイ解析を組み合わせた網羅的miRNA-遺伝子発現解析 を、特に本来NK細胞に存在しない胎盤由来である第19番染色体上のmiRNA(C19MC miRNA)

が、妊娠中pNK細胞に取り込まれるのかに焦点を絞り解析を行った。さらに、妊婦pNK細胞に おけるmiRNAによる遺伝子ネットワーク調節の解析をIngenuity Pathway Analysis(IPA)ソフトウ ェアを用いてNK細胞の機能への影響やパスウェイ解析を行った。

3 研究成果

PCR miRNAアレイ解析から、妊娠初期と比較して後期pNK細胞において、胎盤由来の6種類 のC19MC miRNAを含む25種類のmiRNA の発現が有意に上昇していた。妊娠後期と分娩後4 日の比較解析から、9種類のmiRNAが産後4日のpNK細胞で有意に減少し、減少した9種類の miRNAのうちには8種類のC19MC miRNAが含まれていた。DNAアレイ解析から、妊娠初期と 比較して後期pNK細胞において、69 種類のNK細胞機能関連遺伝子に有意な変動を認め、これ らには細胞周期に関連した遺伝子とともに、細胞表面に発現している様々な受容体をコードして いる遺伝子が含まれていた。さらに、IPA を用いたバイオインフォマティクス解析から、妊娠後 期pNK細胞の細胞障害性が上昇している可能性が示唆された。In silico解析により、妊娠後期pNK

(2)

細胞において、9種類の発現低下したNK細胞機能関連遺伝子の3'-UTRに、結合部位を持つ12 種類の発現上昇miRNAを見出した。発現上昇した12種類のmiRNAの中にはC19MC miRNAで あるmiR-512-3pが含まれており、Killer細胞免疫グロブリン様受容体遺伝子であるKIR2DS4が 標的遺伝子候補であった。

4 考察

母体pNK細胞におけるC19MC miRNAの取り込みとクリアランスは、胎盤の発達とともに血 中の胎盤由来miRNAは増加するため、それに伴い、おそらくエクソソームを介してpNK細胞へ の取り込みが増加し、分娩後はその供給がなくなるためクリアランスされると考えられる。IPA Core Analysis解析から、妊娠後期に向けてpNK細胞において細胞周期・細胞増殖が亢進している ことが示唆された。一方、細胞周期・細胞増殖に関連する遺伝子以外の NK 細胞機能関連遺伝子 の動向に関しては、細胞周期・細胞増殖関連遺伝子ほど単純でなく、複雑であった。

5 結論

胎盤由来C19MC miRNAは妊娠時期に依存してpNK細胞に取り込まれることをはじめて明ら かにすることができた。妊娠時期依存的にpNK細胞は miRNA-遺伝子ネットワークの発現を調 節・適合させている可能性が示唆された。今回の研究は妊娠維持や分娩発来の分子機序における 母体pNK細胞の役割解明に新たな知見を提供した。

論文審査の結果の要旨

母体にとっては異物ともいえる胎児が、母体環境下において、いかに認容され、育成され、そ して誕生に辿り着けるのかというテーマは、これまでも様々な視点から解析されてきた。妊娠維

持さらに分娩発来を司る体内の環境の中でも、特に免疫ネットワークの働きが注目されている。

様々な細胞群が免疫ネットワークを形成しているわけだが、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、

自然免疫のエフェクター細胞としてがん細胞やウイルス感染細胞を殺傷排除するとともに、獲得 免疫においても調節役としても重要な機能を担っている。以上を勘案すると、妊娠期間中の母体 血液中にも存在するこのNK細胞(pNK細胞)が、母体の妊娠・出産というプロセスにどのよう に関与しているのか、必然的に興味深いテーマの一つとなってくる。

申請者らは、microRNA(miRNA)が、タンパク質をコードしない短鎖RNAでありながら、相 補的な配列を持つ標的mRNAの非翻訳領域と結合する事により遺伝子発現を調節している事に注 目し、様々な妊娠時期および出産後の妊婦よりサンプルを得て、各群サンプルからのpNK細胞に

おけるmiRNAの発現程度の比較検討を行なった。その結果、

1)PCR miRNA アレイ解析から、妊娠初期〜後期の pNK細胞において、25 種類(胎盤由来の C19MC miRNA6種類含む)のmiRNA発現が上昇していた。また、妊娠後期〜出産後のpNK 細胞において、9種類(胎盤由来のC19MC miRNA8種類を含む)のmiRNA発現が低下して いた。

2)リアルタイムPCR解析により、C19MC miRNAのなかのmiR-517a-3p、 miR-518bの発現レベ ルを各群サンプルにおいて解析すると、妊娠後期で有意に高くなり出産後に有意に減少した。

(3)

3)DNAアレイ解析から、妊娠初期〜後期の pNK細胞において、69 種類(胎盤由来の C19MC miRNA8種類を含む)のNK細胞機能関連遺伝子に有意な変動を認めた。その結果をIPA Core analysis のDownstream effects analysisにかけると、proliferation of immune cellsおよび quantity of cellsが後期にかけて低下、 activation of leukocytesおよびcytotoxicityが後期にかけて亢進、

と予測された。In silico解析では、妊娠後期のpNK細胞において発現上昇したmiRNAに対し て、6遺伝子(KIR2DS4KLRK1など)の発現が減少することが予測され、妊娠中pNK細胞 において 6種類のmiRNA–mRNA制御機構の仮説を構築した。

論文審査の結果、いくつかの論文体裁に関するアドバイスがなされ、また今後雑誌論文掲載に むけ、リアルタイムPCR解析による発現検証実験を実施すべきであるなど、今後の課題も指摘さ れた。しかし、提出された論文は、母体における妊娠維持に関与する免疫ネットワークの一翼を なす NK細胞にトピックを当てた充実した内容となっており、学位論文に値すると全員一致で判 断した。

最終試験の結果の要旨

発表および質疑応答から、申請者が研究者として充分な資質と能力を有することは明らかで、

医学博士号を受けるに値すると審査員全員が判断し、最終試験に合格とした。学位論文は審査委 員のアドバイスに従って構成・内容を修正することとし、再提出後に審査委員全員が確認した上 で合格とした。

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