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PDF 7 種々の分離公理 - 東京理科大学

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Academic year: 2024

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(1)

7 . 種々の分離公理

科目: 数学演習IIB( d組)

担当: 相木

今後数回に分けて分離公理と呼ばれるものを扱う.前回のプリントでハウスドルフ空 間を定義したが,位相空間がさらに特定の条件を満たすときに様々な性質を導くことがで きた.その「条件」のいくつかを「分離公理」と言い,各条件を満たすときにどのような 性質が成り立つか,あるいは各条件の間の相互関係を明らかにしていくのが今後数回のプ リントの目的となる.

ハウスドルフ空間の定義に現れた条件(H)は2点x, y ∈Sが異なる点のとき,「互いに 交わらないそれぞれの近傍が取れる」というxyがどの程度「離れているか」というこ とを表現した条件であった.このような意味で条件(H)も後に記すように分離公理の1つ である.「離れている」度合いによって様々な分離公理が定義される.

第1分離公理・T1空間

(S,O)を位相空間とする.以下の条件(T1)を第1分離公理という.

(T1) Sの任意の相異なる2点x, yに対して

∃U V(x), y ̸∈U    が成り立つ.

また,第1分離公理を満たす(S,O)をT1空間とよぶ.

(2)

条件(T1)は以下の2つと同値であることが知られている.

(T1)と同値な条件

(S,O)を位相空間とする.条件(T1)は,以下の条件(T1)および(T1)′′とそれぞれ同 値である.

(T1) ∀x∈Sに対して

UV(x)

U ={x}

が成り立つ.

(T1)′′ ∀x∈Sに対して1点集合{x}Sの閉集合である.

一見すると第1分離公理はハウスドルフ空間の定義に現れる条件(H)に似ているが違うも のである.実は,条件(H)が第2分離公理と呼ばれる条件で一般には(T1)よりも強い条 件である.

第2分離公理

(S,O)を位相空間とする.以下の条件(T2)を第2分離公理という.

(T2) Sの任意の相異なる2点x, yに対して

∃U V(x), ∃V V(y) s.t. U ∩V =

   が成り立つ.

また,第2分離公理を満たす(S,O)をハウスドルフ空間とよぶ.

第2分離公理はすでに解説した条件(H)と同じであるが,他の分離公理の表記パターンに 合わせて再掲載した.(T2)に対しては以下が知られている.

(3)

(T2)と同値な条件

(S,O)を位相空間とする.(S,O)が(T2)を満たすことと以下の(T2)を満たすことは 同値である.

(T2) ∀x∈Sに対してその閉近傍全体の集合をVc(x) とおいたとき,

AVc(x)

A ={x}

   が成り立つ.

ここで,x∈Sに対してその閉近傍とはxの近傍であり,かつ閉集合であるような集合の ことである.つまり,位相空間(S,O)の閉集合系をAとおけば

Vc(x) =V(x)A

のことである.(T2)と(T2)が同値になることの証明は演習問題にする.

なお,Vc(x)という記号は相木が勝手に定めた記号であり,一般的に通用するもので はないので注意.近傍系を表すV(x)に閉集合(closed set)の頭文字cをつけて作った記 号である.

第3分離公理・正則空間

(S,O)を位相空間とする.以下の条件(T3)を第3分離公理という.

(T3) Sの任意の閉集合Ax̸∈Aを満たすSの任意の点x に対して

∃O1, O2 ∈ O, x∈O1, A⊂O2, O1∩O2 =

   が成り立つ.

また,(T1)と(T3)の両方を満たす(S,O)を正則空間とよぶ.

正則空間はハウスドルフ空間であることが分かる(演習問題).(T3)についても以下が知

(4)

最後に最も強い分離性を紹介する.

第4分離公理・正規空間

(S,O)を位相空間とする.以下の条件(T4)を第4分離公理という.

(T4) A1∩A2 =であるようなSの任意の閉集合A1, A2に対して

∃O1, O2 ∈ O s.t. A1 ⊂O1, A2 ⊂O2, O1∩O2 = が成り立つ.

また,(T1)と(T4)の両方を満たす(S,O)を正規空間とよぶ.

やはり条件(T4)に対しても以下が知られている.

(T4)と同値な条件

(S,O)を位相空間とする.(T4)は以下の(T4)と同値である.

(T4) A⊂Oを満たす任意のSの閉集合Aと任意のO ∈ Oに対して

∃O1 ∈ O s.t. A⊂O1, O1 ⊂O が成り立つ.

以上で様々な分離公理を紹介してきたが,分離公理の番号が大きいほど強い条件になっ ている(3と4に関しては(T1)も同時に仮定する).また,これらの強弱は「真に強い

(弱い)」関係である.例えば,正則空間ではあるが,正規空間ではないような例が存在 する.これら条件の相互関係に関しては次回のプリントで詳しく扱う.

(5)

予約制問題

(7-1) 位相空間(S,O)が(T1)を満たすならば(T1)′′を満たすことを示せ.

(7-2) 位相空間(S,O)が(T2)を満たすならば(T2)を満たすことを示せ.

(7-3) (T1)と(T1)′′ の同値性を認めた上で正則空間はハウスドルフ空間であることを示せ.

(7-4) 位相空間(R2,Od(2))は(T4)を満たすことを示せ.

早いもの勝ち制問題

(7-5) 位相空間(S,O)が(T1)′′ を満たすならば(T1)を満たすことを示せ.

(7-6) 位相空間(S,O)が(T2)を満たすならば(T2)を満たすことを示せ.

(7-7) 位相空間(R,Od(1))は(T3)を満たすことを示せ.

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