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WEB 上で減少する無料サービスについて」 - Sophia

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上智大学経済学部経営学科網倉ゼミナール卒業論文

A9942221 森口聡

「 WEB 上で減少する無料サービスについて」

~ネットは無料と言う固定観念の正しい破り方?~

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素朴な疑問・・・

もともとは、興味のあった音楽関連の話にもっていき、特にポータブル圧縮音楽の領域 に踏み込んで自分の趣味満開で行こうと考えているうちに、圧縮音楽と言う劇的な変化を 伴う業界に対応していくためには、ユーザーに対するアフターサービス的なものの必要性 を強く感じ、そのサービスにおいて、ユーザーに対してどこから料金を発生させればよい のかと考えるようになった。そこで、現在減少しつつある無料のWebサービスへと話がつ ながった。

そもそも、フリーメールや、フリーウェアを使いはじめる際に、なぜ無料でこんなこと ができるのだろうかと驚いていたこともあり、素直に先生の提案を取り入れてみた。

アウトライン・・・

1.そもそも無料サービスとは

~無料サービスの成立と、メリット、位置付け~

2.無料サービスの現状

~広告収入が落ちて、システムの維持費は変わらないし・・・~

3.仮説

~こうすれば有料化できるんじゃないか??~

4.有料化成功例とその原因による立証

~Yahoo!オークションなどをもとに重要なファクターを探す~

5.結論

~??~

と、進めて行こうと思います。

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1 無料サービスとは

ここでは、そもそもどうして無料サービスなるものが成り立っている(きた?)のかを考 察していこうと思います。

1-1 無料によるメリット

なぜ無料でサービスを提供していくのかについてその背景とメリットを考察していこうと 思います。

1-1-1 インターネットインフラの整備

古くは、1957 年の米国軍による、軍事にも応用できる科学と技術をリードする研究機関

として、DOD(アメリカ国防総省)内に、ARPAを設立したあたりにさかのぼるのだろうが、

TCP/IPの仕様が固まったのが1982年と、今年で約21歳と自分よりも若いメディア?で

ある。ようやくブロードバンド環境(概ね 500kbps以上の通信回線。圧縮のコーデック と再生環境にもよるが、うまくいけば動画のストリーミングをこれまでのテレビほどの画 質で見られるはず)が整ったというインフラの整備の時代であったということから、ユー ザーにとってトライアル的な感覚がどうしても強かった。したがって、無料でサービスを 提供していかなければ満足度を得られないような状況でもあった。また、最近まではユー ザーがインターネットを利用するためにかかる費用として、回線の使用料、インターネッ トプロバイダー料と別々に従量制でかかっていたため、そこにさらにサービス料を追加し ていくのはかなり困難であった。

(関連用語)

TCP/IP

インターネットやイントラネットで標準的に使われるプロトコル。米国防総省が、核攻撃 で部分的に破壊されても全体が停止することのないコンピュータネットワークを開発する 過程で生まれた。UNIXに標準で実装されたため急速に普及し、現在世界で最も普及してい る。OSI参照モデルではIPが第3層(ネットワーク層)、TCPが第4層(トランスポート層) にあたり、HTTPやFTPなどの基盤となるプロトコルである。

1-1-2 バイラルマーケティング効果

企業の商品やサービスを消費者に口コミで宣伝してもらい、利用者を広げるマーケティン グ戦略。「バイラル」は「感染的な」という意味で、マーケティングの仕組みをウィルス の感染・増殖に例えている。一般的なマーケティング戦略では、企業は広告メディアを利 用して直接消費者に自社のサービスを宣伝する。これに対して、バイラルマーケティング では、既存のユーザーに自社のサービスを知人に紹介してもらえるよう働きかけ、既存の ユーザーを通して間接的に自社のサービスを宣伝する。バイラルマーケティングには、サ ービスや商品自体が知人を巻き込みやすい構造になっている「1次的バイラルマーケティ ング」と、サービス自体には知人を巻き込む必要がなく、インセンティブなどで紹介行動

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を誘発する「2次的バイラルマーケティング」がある。1次的マーケティングの例として は、ICQ のようなインスタントメッセージングサービス、メーリングリストのホスティ ングサービス、電子年賀状サービスなど、複数人の間のコミュニケーションを支援するも のが多い。1次的マーケティングでは、ユーザーはサービスを活用するために積極的にサ ービスを紹介する傾向が強まるため、サービスを提供する企業が特に意識しなくても、ユ ーザー間で勝手にバイラルマーケティングが発生する。2次的バイラルマーケティングに あたるのは、いわゆる「お友達紹介キャンペーン」のような商品販売サイトのキャンペー ンに代表される、インセンティブベースのマーケティングである。例えば、ネット通販を 行なう Webサイトの場合、よほど商品が優れている場合でもなければ勝手に口コミが広 がることはない。そこで、2次的バイラルマーケティングではユーザーの紹介行動を誘発 するべく、「お友達を紹介してくださった方に割引券を進呈」といったインセンティブを 提供する。バイラルマーケティングでは、企業は少数の初期ユーザーを抱え、口コミが発 生しやすい環境を整えておくだけでよく、比較的コストもかからない(インセンティブ予 算程度しかかからない)。特に 1 次的バイラルマーケティングや、2 次的でもキャンペー ンの内容が1次的バイラルなマーケティングは、手間の割に高い成果をもたらすことがあ る。前述のICQは、ほとんど宣伝を行なわなかったにも関わらず1000万人規模のユーザ ーを獲得している。このように、時として1次的バイラルはインターネットの勢力図すら 変えるほどの破壊力を持つが、一方で、バイラルマーケティングでは宣伝の規模を企業が コントロールできないため、マーケティングの当たり外れが激しい。また、マーケティン グが当たった場合でもそれがインセンティブ付きのキャンペーンだった場合、とんでもな い金額のインセンティブコストがかかってしまう場合もあるなど、コントロールの難しい マーケティング手法である。

というように、人が人を呼ぶと言うネットワーク作用をインターネットサービスで行なう ためには、無料と言うことが多くの人々にとって共通のメリットとなり、ユーザーさんか 障壁を小さくすることができるため、多くのサービスが無料を選択したものと思われる。

1-1-3 広告収入ビジネスモデル

インフラ整備の時代であったこと、バイラルマーケティング効果を期待していたこともあ り、サービスを無料で提供していかなければならなかったため、コンテンツ提供、検索サ ービスを行なうための資金源をサービスに付随させる広告による収入に求め、さらにユー ザーを拡大させることで露出を上げ、広告の価値を高めようというビジネスモデルを採用 する企業が多くなり、ドットコムバブルを生み崩壊の一つの原因にもなったビジネスモデ ルとも言われている。

1-1-4 他の商品(サービス)との関連付け

MSNのHotmailならば、MSNポータルのPVの増加や、MSNメッセンジャーの増加、

果ては自社製品の広告メール、Yahoo!オークションならば、Yahoo! Japanと、関連サー

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ビスのPVが必然的に増え、価値を高め、さらに広告収益を増やしていくということにつ ながる。

1-2 収益欄に広告収入と書けば済むほどの貴重な収益である広告について

ここでは、ビジネスモデルとして成立するほどであり、現在も変化しているインターネッ ト広告(中でも今回関わりのあり、インターネット広告においても代表的なWeb広告)

の種類について考え、そして課金方式について調べていこうと思う。

1-2-1 広告の種類 (WEB広告)

・ バナー広告

Webサイトに広告の画像(多くの場合は横長)を貼り、広告主のWebサイトにリンク する手法。インターネット広告としては最も広く用いられる手法である。画像の表 示回数に対して課金する方法(インプレッション保証型)のほか、実際にユーザーが クリックした回数に応じて課金する方法(クリック保証型)や、広告主のWebサイト で実際に成約に至った件数に対して課金する方法(成果保証型)など、様々な課金方 法がある。

・ ポップアップ広告

Webページがスクリプトを使って新しいブラウザウィンドウを自動的に開き、別の 内容を表示させること。代表的な広告表示の手法だが、サイトマップやメニューを 別ウィンドウで提供する、訪問者をランダムに抽出してアンケートを依頼する、な どの使用法もある。 ポップアップはユーザーの注意を引く効果が大きい反面、ポ ップアップを強調しすぎるとユーザーにWebサイト自体に対する不快感を持たせ てしまう。ポップアップはスクリプトの機能のひとつに過ぎないため、使いように よってさまざまなポップアップの形態が発生する。例えば、ポップアップウィンド ウが閉じられるたびに新しいポップアップウィンドウを開くという動作も可能で、

多くのアダルトサイトがこの手法を用いている。また、無限に新しいウィンドウを ポップアップさせることも可能で、OSのハングアップなども誘発する、悪質なス クリプトとして知られている。ポップアップはJavaScriptなどのスクリプト言語を 使用して実装されているため、Webブラウザのスクリプト実行機能をオフにすれば、

ほとんどのポップアップは防止できる。ちなみに、最近はポップアップ広告がユー ザーに悪印象を与えることを踏まえて、開いているブラウザウィンドウの裏側に新 しいウィンドウを開く、いわゆる「ポップアンダー広告」が普及の兆しを見せてい る。

・ スポンサーシップ

スポンサーシップは、特定のメディア、または、あるメディア内の特定コンテンツ

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を提供し、そのスポンサーメリットとして1社独占で、コンテンツ内にスポンサー ロゴを表示したり、広告コンテンツの掲載などを享受したりするもの(いわば買い きり)。広告効果としては、スポンサーシップしたコンテンツへのアクセスが多けれ ば、当然PR効果が高いといえる。例えば、Yahoo! Japanのスポーツ面のトップペ ージは、あるビール会社がスポンサードしているので、スポーツ面のトップページ にはいつもビール会社のバナー広告が出てくるようになっている。また、メディア によっては、この他にも、メディアと共同で、広告主と関連のあるコンテンツを作 ることもできる(雑誌広告の編集タイアップのようなもの)。

(メール広告)

・ テキスト広告

Eメールに含まれる本文以外の、4~5行程度の広告文章のこと

・ オプトインメール

ダイレクト電子メールの一種で、ユーザーにあらかじめ受け取りを許可するジャン ルを登録してもらい、そのジャンルの広告のみを送るというサービス。One to One マーケティングの一種と言える。オプトインメールのサービスを受けたいと思った ユーザーは登録して会員となり、企業は登録されたジャンルのダイレクトメールを 配信する。これによって、スポーツが趣味の人にパソコンショップの広告を送って しまう、といった無意味な広告配信を防止することができ、ユーザーの反応率を高 めることができる。また、ユーザーが登録しなければ送られてこないため、従来の ダイレクトメールのように迷惑メールとして煙たがられることもない。しかし、分 類を広く取るとユーザーにとって関心のない内容のメールを受け取る確率が上がる ため反応率が下がってしまい、逆に、ジャンルを細分化しすぎると、個々のジャン ルでの登録者数が極端に少なくなってしまう、というジレンマを抱えており、十分 な数の登録者を集めなければ有効に機能しないという問題がある。

1-2-2 課金の仕組み

(Web広告の課金方式と種類)

・ アフィリエイト

Webサイトやメールマガジンに企業サイトへのリンクを張り、ユーザーがそこを経 由して商品を購入したりすると、サイトやメールマガジンの管理者に報酬が支払わ れるというシステム。「アソシエイト」などと呼ばれることもある。仕組みとしては 成果保証型広告と同じだが、アフィリエイトの場合には、その商品やサービスに関 連した情報を掲載するWebサイトやメールマガジンが主な対象となり、それらと電 子商取引サイト間のパートナーシップの側面が強調される。書籍の書評にオンライ ン書店へのリンクを張る場合などは、それ自体が一つのコンテンツとなるため、サ イトと企業の双方に利益のあるマーケティングプログラムだと言われている。企業 にとっては、潜在的に商品に関心を持つ層に容易に到達できるというメリットがあ

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る。また、売上に応じて媒体側への支払い額が決まるため、ポータルサイトへのバ ナー掲載のように成果とは無関係に広告費が決まる他の手段に比べ、極めて費用対 効果の高い広告手法と言える。

・ インプレッション保障型広告

広告となる文章や画像などが一定回数表示されるまで広告掲載を行なう方式。契約 期間中に広告が表示された回数が一定数に満たない場合は掲載期間を延長する。「ペ ージビュー保証」「PV保証」とも呼ばれる。大手ポータルサイトのようにアクセス の多いサイトは、インプレッション保証で広告を販売している場合が多い。

・ 成果保証型

インターネット広告の料金モデルの一つで、広告によって実際に成果が生じた場合 にのみ、媒体運営者に報酬が支払われる方式。例えばバナー広告をクリックして企 業のWebサイトを訪れた人が商品購入をした場合や、会員登録をした場合などに、

一定の金額が媒体側に支払われる。売上の一部が還元される場合が多く、一回当た りの報酬は高いが、報酬を得られる回数は少ない。広告主にとっては無駄な費用を 使わずにすむ「究極の広告モデル」とも言われ、これからのネット広告の主流とな ると予想される。「カスタマーアクション」と呼ばれることもあり、売上の一部を還

元するAmazon.comの広告プログラムなどが有名である。ただし、クリック保証型

広告と同様に、バナー広告のデザインが悪い場合や、商品やサービス自体に魅力が ない場合、あるいは広告主側のシステムやサイトのデザインに問題があって成果が 出ない場合など、本来は広告主側が負担すべきリスクをすべて媒体側が背負わされ ることになるため、よほど単価が高くない限り、媒体側にとっては「ペイしない」

広告手法である。実際、すでにサービスを開始している広告代理店などのメニュー は、クリック保証に比べて同じ期間に得られる収入が1/10程度になってしまうよう に設計されており、単に媒体を買い叩く手段としてしか考えられていないのが現状 である。

・ クリック保証型

広告となる文章や画像などに広告主が提供するWebサイトへのリンクを設定して おき、リンクが一定回数クリックされるまで広告掲載を行なう方式。契約期間中に クリック回数が予定数に満たない場合は掲載期間を延長する。広告の露出回数に応 じて課金を行なう「インプレッション保証型広告」に比べて、費用対効果がより明 快なのが特長。個人サイトに配信を行なう広告サービスはクリック保証型の料金体 系を採用していることが多い。ただし、バナー広告のデザインが悪い場合や、そも そも広告内容の商品やサービスに魅力がない場合でも、媒体が一方的にリスクを負 担しなくてはならないという問題点がある。

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(関連用語説明)

・ インプレッション

バナー広告を表示され、訪問者がそのサイトを訪れること

・ CTR (Click through rate)

インターネット広告の効果を計る指標の一つ。広告がクリックされた回数を、広告が表 示された回数で割ったもの。この値が高いほどユーザーは広告に反応しているわけで、

「効率のいい」あるいは「効果の高い」広告であるといえる。一般にバナー広告よりも テキスト広告やメール広告のほうがCTRは高いと言われている。広告がクリックされ るたびにサイト運営者に入る金額を指す用語として用いられることもある。

・ PV

WWWにおけるアクセス数の単位の一つ。Webサイトの訪問者のブラウザにHTML文 書(Webページ)が1ページ表示されるのが1ページビューである。通常、訪問者はサイ ト内の複数のページを閲覧するため、訪問者数(ビジット)よりもページビューのほうが 数倍多くなる。

1-3 小まとめ(無料サービスとは)

インターネットインフラの整備段階という背景を持ち、資金源の多くを、様々な広告形態、

課金制度を駆使した広告収入に依存することで行っているサービスである。

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2 無料サービスを取り囲む現状と、有料化しなければならない理由、有料化してもいい 理由

2-1 広告収入の現状

ここでは、無料サービスを行っていく上で重要な資金源である、オンライン広告の現状に ついて考察していこうと思う。

市場全体のパイは、現在も伸び続け、日本のインターネット広告市場(携帯電話経由は含 まない)は、2001年の706.9億円から2006年には3286億円と4倍近い規模になり、広 告費全体に占める割合も1.3%から4.6%に拡大すると予測している(IDC JAPAN2002 年10月調査発表)。市場全体では、上記のようにオンライン広告に後発企業の参入もあ るため、依然成長するという見方が強い。しかし、単価あたりの広告費は、減少傾向にあ る。これは、先に述べたインターネット広告において、CTR や PV といった数値を主に 考慮し、対効果をきちんと把握していなかったことや、サイトを訪れる人々は、テレビと 違い広告に占有されることがないため、広告をあまり見ないというネット広告本来の特性 などから広告単価の見直しが行われていること。そして今までは、多くの広告主がとにか く単にブランディング目的でインターネット広告を打ち出し、インプレッション保証型な どの、対効果をあまり考えない課金の仕組みを多く採用してきたが、昨今は広告費用対効 果を広告主が重視していることによるのではないだろうか。

現在は無料サービスの代表的な成功例であるYahoo! Japanでも全盛期の半分程度の割合 でしか広告収入を得ていない。

2-2 有料化せざるを得ない事情

減少する広告収入に加え、さらに、ブロードバンド環境が整うことによって、より大きな データが転送されることになるため、システムなどの費用が嵩んできていることがあがる。

(これに関しては、システム製品技術との兼ね合いもあるだろうが・・・)

費用が嵩み、収益が減るため、ユーザーから課金するというのはやむを得なくなってきて いると言えそうだ。

2-3 有料化してもいい事情

1-1で書いたように、ユーザーはインターネットを利用する際、回線仕様料、ISP料金を 従量制で支払ってきた。しかし、現在のように、ADSLや、CATV、光ケーブルなどのキ ャリアを使用しているユーザーのほとんどは、定額制で利用している。したがって、イン ターネットに使う金と考えた場合、利用金額全体では安くなっており、ユーザーから課金 できる余地が出てきたと思われる。

2-4 まとめ

広告収入の減少や、システム維持などにかかる費用の増大、ユーザーにかかる負担が軽く なっているという現状を考えると、有料化は時代の流れといえそうだ。

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3 仮説

『料金を支払うという行為そのものによって付加価値を生 ませることで有料化できるのではないか・・・ !? 』

広告収入が減少したり、システム維持費が増大したり、その上で顧客を維持し、更なる利 益を求めていくためには、ユーザーの有料化というのがやむをえないものになってきてい る。しかし、単に広告収入が減少して、システム維持にも金がかかるからどうにかしてく れ的な課金では、顧客は納得できないだろう。そこで、有料化する際に、多くの人々が利 用しているからというネットワーク外部性が影響するのもちろんだが、ネットワーク外部 性が影響しづらいサービスや、料金を支払う際の料金設定や、支払方法を少し工夫するこ とによって、そこに意味を持たせ、有料化をユーザーにスムーズに受け入れさせることは できないだろうかと思った。

現状を維持することに金を支払うことはなかなか難しい。よって、そこに付加価値を付け 加えていくことが必要である。しかし、なかなか付加価値を付け加えるのは難しいものだ。

そこで、金を払うという行為に意味を持たせ、そこに消費者の新たな購買判断を生ませら れないかと言うのが仮説だ。

4 検証

4-1 有料化成功例としてのYahoo!オークション

2001年5月有料化。オークションに登録することに対して料金を発生させた。この際、

クレジットカード決済をすることによって、個人認証をはっきりさせ、取引相手、サイ トの信頼を上げ、登録者を増やした。2002 年4月有料化強化。出品や落札時に課金を するシステムを導入した。その結果、総出品数は約420万件(2002年3月末)から、

約230万件(2002年6月末)と大幅に減少した。しかし、落札率が24~30%だったも のが、47~59%におよそ倍増した。これには、登録時だけの課金システム時には可能で あった、悪質業者による同カテゴリー大量出品という、いわば迷惑メールのような出品 物を、出品時に課金することで排除でき、より良い商品をより見やすくという方向に進 んだことがこの数字につながったものと見られる。

最新の2002年第一四半期の決済を見てみると、オークション事業の売上に対する割合

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が増えているのがわかる。(Yahoo! Japan 2002年事業概況より

http://docs.yahoo.co.jp/info/investor/jp/bizres/gaikyo/20021023/20021023-gaikyo-jp.p df)

4-1-1 考察

オークションサービスの場合、『ネットは無料』という今までの固定観念と、『ネットは 匿名性が高い』という事実から言えば、フリーマーケットに行って直接ものを見て、交 渉するのと比べると、「無料だし、家でも見られるから利用したいが、匿名性が高く、

相手がわからないので気持ちが悪い」といった感覚を持ちやすい。さらに、有料になっ てしまうとより抵抗があるだろう。しかし、有料化することによって高い匿名性を減ら し、他のサービス(細かいことを言えば、同じ商品が1つのページに大量に映っている 事がなくなるなど)のメリットを提供できれば、ユーザーにとって、無料というメリッ トは減ったが、他のデメリットが減り、新たな購買判断をもたせることができたのでは ないだろうか。

Yahoo! オークションは、ユーザーのオークションというサービスへの抵抗感が少なく

なっていたこと、ネットワーク外部性が働いたことも大いに考えられる。しかし、月額 料金を払っているのだから何か買いたい、なんか売りたいという心理と、相手も料金を 払い利用しているからという心理も大きく影響し、落札率の倍増につながっているので はないだろうか。

4-2 その他の有料化成功例

・ エキサイトフレンズ

もともと携帯端末によるインターネットコンテンツとして発展し、課金していた。PC版は、

2002年2月4日有料化、しかし、会員数は減らなかった。(internet watch 2002/05/29付 記事による http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/0529/pm01.htm)

また、このサービスは、モバイルとの関わりの強さというのが大きな影響を及ぼしている ため、課金がしやすかったということもあるが、この例においても、Yahoo!オークション 同様、信用性を強く求められるサービスであったため、課金に対する意味を持たせられた のではないだろうか。

・ 医者専用出会いサイト(特定できず。日経broadband business lab 2002/07/27付記事 よりhttp://lab.nikkeibp.co.jp/communication/co20020727.html)

男性会員に数万円の入会手数料を取るという出会い系サイト。

女性利用者(目指せ玉の輿の女性?)にとって男性が(この際、医者であろうがなかろう が)金持ちであることを間接的に証明することとなる。これも、課金することに意味があ るという例になるのではないだろうか。

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4-3 現在有料化中のサービスに見られる課金の意味

・ Mac.com

2002年10 月1日より有料化。以前はメールアカウントを無料で提供してきたが、メール サービスのデータ容量を 15MB(従来は 5MB)、アンチウィルスの実行という具体的な付 加価値を提供し、有料化した。これは、4-2で出した例とは異なり、安心や、信頼といった ものよりも、データ容量、アンチウィルス機能という具体的な付加価値を提供している。(実 際に成功するかはまだわからないが・・・)

5 結論(と感想。)参考資料

このように見てみると、無料サービスは、インフラ整備の段階におけるトライアル的な感 覚が強く、そしてその際に大きな収益源だった広告収入が減少しつつあるため、現在岐路 に立っているということ、そして、現行のサービスのまま有料化するには、なかなか難し く、何らかの付加価値をつけることでユーザーに納得させる必要があるといえることが言 える。そこで、料金を払うという行為そのものによって、結果的に安心感を得るなどの意 味をもたせるということが必要だといえる(だろう・・・)。

有料化しているサービスはまだ少ないが、自分の至らぬ点も数多くあったため、求めてい た『料金を支払うという行為そのものによって付加価値を生ませることで有料化できるの では・・・』という仮説に対するはっきりとした答えは導き出すことができませんでした。

参考資料(代表的なサイト)

Japan.internet.com (http://japan.internet.com/)

CNET Japan (http://japan.cnet.com/)

Yahoo! Japan (http://www.yahoo.co.jp/)

Watch Impress (http://www.watch.impress.co.jp/)

Mainichi Internet (http://www.mainichi.co.jp/index.html)

PC web Myvom.com(http://pcweb.mycom.co.jp/)

Zdnet Japan (http://www.zdnet.co.jp/)

All about Japan.com (http://allabout.co.jp/)

アップルジャパン (http://www.apple.co.jp/)

E-words (http://e-words.jp/)

ワントゥーワンマーケティング協議会 (http://www.1to1.ne.jp/index.html)

オリックスインターネット玉手箱 (http://www.orixrentec.co.jp/itsite/index.html)

その他多数

Referensi

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