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M+ X M+ M+ M X Membrane potential

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Academic year: 2025

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(1)

氏 名 ( 本 籍 ) 大 﨑 秀 介(和歌山県)

学 位 の 種 類 博 士(工学)

学 位 授 与 番 号 甲 第12号

学 位 授 与 日 付 平成19年3月23日 専 攻 システム工学専攻 学 位 論 文 題 目

Control of Ion Selectivity in Neutral-Carrier-Type Ion Sensors by Liquid-Crystalline Compounds

【和訳】液晶化合物によるニュートラルキャリヤ型イオンセンサーのイオン選択性の制御 学位論文審査委員

(主査)教 授 木 村 惠 一

(副査)教 授 桶 矢 成 智 助教授 矢 嶋 摂 子

論文内容の要旨

イオンセンサーは医療計測,工業計測,環境計測などの分野で幅広く使用されており、被検体となるイオンを電気化 学的に検出するイオン選択性電極(ISE)やイオン感応型電界効果型トランジスタ(ISFET)などがある。これらのイオンセ ンサーはガラスやフッ化ランタンなどの固体電解質を用いる無機系のイオンセンシング材料から研究が始まった。その 後,有機系のイオン交換体材料が研究され、現在ではニュートラルキャリヤと呼ばれる電気的に中性の有機材料が、そ の高い選択性のため最も活発に研究されている。1960 年代に天然の生理活性を有するバリノマイシンをイオンセンシ ング材料として用いたカリウムイオンセンサーが非常に優れたイオン選択性を有することから注目を集めた。その後、

クラウンエーテル等の化学的に合成されたイオンセンシング材料の研究が精力的に行われ、現在まで多種多様な化合物 がニュートラルキャリヤとして報告されている。

これらのイオンセンサーは、そのイオン感応膜界面で発生する膜電位を検出することでイオンの定量を行う。ここで、

膜中のニュートラルキャリヤが測定水溶液から目的イオンのみを選択的に取り込むことで膜−水相界面に膜電位を発生 させるため(Figure 1)、イオンセンサーの感度、あるいはイオン選択性はニュートラルキャリヤのイオン認識能に依存 する。しかしながら、イオンセンサーの性能は、ニュートラルキャリヤの性能にのみ依存するのではなく、イオン感応 膜を構成する他の成分よっても影響を受ける。

Figure 1 Schematic diagram of membrane potential.

本研究では、イオン感応膜材料として液晶化合物を用いることでイオンセンサーの性能を制御することを試みた。

X

-

M

+

X

-

M

+

X

-

M

+

X

-

X

-

M

+

X

-

M

+

M

+

Membrane phase

Water phase

: neutral carrier

M

+ : target ion

X

- : counter ion

Membrane

potential

(2)

液晶とは、一般的に棒状分子が結晶における分子の配向方向の異方性と、液体のような流動性を兼ね備えた、結晶と 液体の中間的な状態を示す化合物の総称である。これらは温度などの外部刺激により可逆的に相転移(固体⇔液晶⇔液 体)を起こす特性を有している。このような特性を有する液晶をイオン感応膜材料に用いることでニュートラルキャリ ヤの配向状態を制御し、外部刺激により相転移を誘起させることで、そのイオン認識能に影響を与えることが可能であ ると考えられる。つまり、クラウンエーテル等のニュートラルキャリヤを分散させるとそれ自体に配向性が生じ、部分 的な会合状態を取り易くなり 2 つのクラウンエーテル環が 1 つの金属イオンを取り込み、単量体でありながら 2 量体と 同様の選択性を示す可能性が高くなると考えられる(Figure 2)。

Figure 2 Schematic diagram for change of ion selectivity by phase transition of liquid crystal.

第一章では、イオン感応膜の膜溶媒として液晶化合物を用いた ISE において、温度による液晶の相転移に伴うイオン 選択性の制御を試みた。その結果、ベンゾ-15-クラウン-5 誘導体をニュートラルキャリヤとして用いた液晶性 ISE は、

単量体クラウンエーテルがビス(クラウンエーテル)と同様のイオン選択性を示し、さらに温度変化による液晶の相転移 に伴いその選択性が変化するということが明らかになった(Figure 3)。この効果により、外部刺激によりスイッチング 機能を有する、これまでにない機能的なセンサーシステムの構築が可能であることが示唆された。さらに、より実用性 の高い液晶性 ISE を構築するために、高分子分散型液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystals)や、ポリテトラフルオ ロエチレン(PTFE)多孔質膜中に液晶を充填させた含浸膜、液晶性高分子膜として用い、ISE のイオン感応膜への応用を 検討した。その結果、ISE のイオン選択性挙動において上述の液晶効果を反映しつつ、可塑化高分子膜をイオン感応膜 とする従来の ISE と同等の実用性が実現できた。

0 -0.5 -1.0 -1.5 -2.0 -2.5 -3.0 -3.5

(Liquid crystal state) (Isotropic liquid state)

(a)

(c) (b)

25℃ 35℃

l o g k

p o t K , N a

Figure 3 Ion selectivity dependence on phase transition of nematic liquid crystal: (a) without neutral carrier;

(b) benzo-15-crown-5 derivative (monocyclic); (c) bis(benzo-15-crown-5).

M

+

Change of ion selectiviy

Phase Phase transition transition

M

+

M+

: liquid crystal : neutral carrier : metal ion

Liquid crystal state Isotropic liquid state

(3)

第二章では、高い配向性を有する機能性材料として高分子液晶を用いてイオン感応膜を作製し、ISFET によりそのイ オンセンサー性能を評価した。その結果、低分子液晶を可塑剤として加えることで K+に対して良好な応答を示した。ま た、高分子液晶を用いない場合と比較して、そのイオン選択性は高いものであった。このイオン選択性の差は高分子液 晶の高い配向性に由来すると考えられる。また、これらの膜は PTFE 多孔質膜で補強することで ISE での測定が可能と なり、その性能が三ヶ月以上持続することが確認された(Figure 4)。また、得られた高選択性と配向性のより詳細な関 係を現在検討中であり、詳細については今後、記述する予定である。

75 70 65 60 55 50 45

0 20 40 60 80 100 120

-2.0 -2.5 -3.0

-4.0 -4.5 -5.0

0 20 40 60 80 100 120

-3.5

S l o p e / m V d e c a d e - 1

Period / Day

l o g k

p o t K , N a

(a) (b)

Period / Day

Figure 4 Time-course changes of sensitivity (a) and selectivity (b) for ISEs with liquid-crystalline polymer (z) and without liquid- crystalline polymer („).

第三章では、温度以外の外部刺激によるスイッチング機能を液晶性 ISE に付与するために、液晶の光相転移に注目し た。フォトクロミック化合物であるアゾベンゼン誘導体を液晶中に添加することで、光照射によるアゾベンゼン誘導体 の異性化に伴い液晶の相転移が誘起されることが知られている(Figure 5)。この現象を応用することで、光照射(紫外 光⇔可視光)という容易な手段を用いて、上述の温度変化と同様のセンサー性能の制御が可能であることを明らかにし た。

Figure 5 Schematic diagram for photoinduced phase transition of liquid crystal by azobenzene derivatives.

Liquid crystal state Liquid crystal state

: liquid crystal : azobenzene derivative Photo

irradiation

PhasePhase transition transition

Isotropic liquid state Isotropic liquid state

trans form cis form

(4)

第四章では、イオン感応膜中でより大きな会合状 態を作り出すことを目的とし、フッ素を分子内に有 する化合物をニュートラルキャリヤ(Figure 6)とし て用い、ISE のイオン選択性の向上を試みた。原子 間力顕微鏡(AFM)や蛍光測定の結果から膜中でのニ ュートラルキャリヤの会合状態がフッ素を導入する ことで促進されることが示され、会合状態がイオン 選択性に影響することが示唆されたが、期待してい

た高いイオン選択性は発現しなかった。これは、フッ素を含む化合物が極めて強く自己集合することで、かえって選択 性が低下したためと考えられる。しかしながら、ニュートラルキャリヤの分子設計次第では、選択性を向上させること が可能であることが示唆された。

以上より、本研究では液晶化合物を膜材料として用いることでニュートラルキャリヤが存在する環境を分子レベルで 制御することにより、その分子認識能を高めることはもとより、スイッチング機能などのニュートラルキャリヤのみで は発現することのない性能を付与する、これまでにない新しい高性能、高機能イオンセンサーシステムの構築が可能で あることが示された。

論文審査結果の要旨

本研究では、ニュートラルキャリヤ型イオンセンサーの感応膜材料として液晶化合物を用いることでイオンセンサー の性能向上および制御を検討した。

第一章では、イオン感応膜の膜溶媒として液晶化合物を用いたイオンセンサーにおいて、温度による液晶の相転移に 伴うイオン選択性の制御を試みた。その結果、液晶化合物の高配向性により優れたイオン選択性を示し、さらに温度変 化による液晶の相転移に伴いその選択性が変化するということが明らかになった。また、高分子分散型液晶膜や液晶性 高分子膜を用いることによって、上述の液晶効果を反映しつつ、実用性の高い液晶膜型イオンセンサーが実現できた。

第二章では、高い配向性を有する機能性材料として高分子液晶を用いてイオン感応膜を作製し、イオン感応性電界効果 トランジスタによりそのイオンセンサー性能を評価した。その結果、低分子液晶を可塑剤として加えることで良好な電 位応答を示した。また、そのイオン選択性は高く、その性能が三ヶ月以上持続することが確認された。第三章では、温 度以外の外部刺激によるスイッチング機能を液晶感応膜イオンセンサーに付与するために、液晶の光相転移に注目した。

すなわち、フォトクロミック化合物であるアゾベンゼン誘導体を液晶中に添加することで、光照射によるアゾベンゼン 誘導体の異性化に伴い液晶の相転移が誘起され、センサー性能の光制御が可能であることを明らかにした。

当該論文は新しい研究成果を含んでおり、優れた研究であることが認められた。このことは、権威ある学会誌で数編 の研究論文として公表され、また、国内外の学会においても数多くの口頭発表がなされていることからも明らかである。

さらに、予備審査の結果を受けて、新たな研究結果を得たうえ、論文を加筆修正したことが確認された。

以上の結果および博士論文公聴会(平成 19 年 2 月 7 日開催)を含む審査委員会の審査により、本論文は博士論文と して価値あるものと認める。

最終試験結果の要旨

平成 19 年 2 月 14 日、全審査員出席のもとに学位申請者に対し、論文内容およびこれに関する事項について試問を行 い、最終試験に合格と判定した。

R

O O C

O

O O O O

O

R = -C

2

H

4

C

6

F

13

Figure 6 Chemical structure of neutral carrier bearing perfluoroalkyl chain

.

Referensi

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