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厚生労働省で地域共生社会の推進をめざして働く田代善行さんにお話を伺う──

Dalam dokumen Socially (Halaman 115-125)

面談者 田代 善行

(2005年社会福祉学科卒業)

[写真上段右]

※プロフィールは本文後ろ に記載

取材・構成・編集:池田 希帆(社会福祉学科3年)  鈴木 好葉(社会福祉学科1年)

         草間 琴美(社会福祉学科1年)  金子  充(社会福祉学科教授)

イ ン タ ビ ュ ー 日:2021年8月17日(火)

─学生時代にやっていて良かったことや、やって おけば良かったことを教えてください。

 やっていて良かったことは、知的障害児のレス パイトサービスのボランティアです。障害を持つ 子どもたちや親御さんたちと一緒に、工作をした り、町を歩いたり、食事をしたり、宿泊したりな ど本当に色々な経験をさせていただきました。散 歩中に子どもたちが大きな声を出すのでびっくり したり、車道の近くで走ったりする子がいて慣れ るまでヒヤヒヤしたりすることもありましたが、

楽しそうに野球の話や好きな子の話をして照れた りしている子どもの表情やしぐさを見ていたら、

障害の有無って何だろうと、いろいろな思いを自 分自身の中で巡らせる機会となりました。

 学生時代にやっておけば良かったと思うこと は、福祉の勉強と同時に、福祉以外の分野につい てももっと勉強しておけば良かったなと思いま す。また、大学の講義だけでなく、例えば、福祉や それに関連するセミナー、研修会、イベントなど に参加したり、地域には様々な民間の活動があり ますので、そうした活動の場にもっと足を運んで おけば良かったなと思います。特に学生時代は自 分でコントロールできる時間をたくさんもって いる人も多いと思いますので、福祉以外の分野の 方々がどのように福祉を捉えているのかというこ とを知るためにも、様々なイベントにもっと参加 しておけば良かったなと思います。

─大学の授業で一番興味深かったものは何です か。

 学生時代に新保美香先生のゼミに入らせていた だいて、特に生活保護に関する勉強をさせていた だきました。関連して、3年生の頃に公的扶助論 を授業で受け、バイスティックのケースワークの 7原則に出会い、その内容にとても興味が湧きま した。元々自分自身、人にすごく関心がありまし た。例えば、誰かと話をするときに、その人がど のような考えを持たれていて、ものごとにどのよ うな感じ方をされるのかなどを考えたり、また、

なぜそのような行動をされているのか、その人を 取り巻く環境がその人の行動にどのように影響 しているのかなど、感情や感性といった人の持つ 感覚的な部分にすごく興味がありました。ケース ワークの原則では、人が人に関わるときに、特に 専門職として大切にしなければいけないポイン トが整理されていて、対人支援にかかわる知識や 技術が研究されていることを知ることになりまし た。それがとてもおもしろくてバイスティックの

『ケースワークの原則』は学生時代に何度も読ん だのを覚えています。また、自分が生活する上で もこの原則は役立てられるのではないかと思い、

原則を意識しながら生活していたような気がしま す。誰かとお話しているときも、その人の話して いる内容や、言葉の背景にあるものは何だろうな どといったことを自然に考えるような癖がついた ように思います。一方で、こうした意識を持ちす ぎてしまうことで自分の意見を主張することに積 極的になれない自分がいるなと悩んだりすること もありました。バイスティックのケースワークの 原則との出会いをきっかけに、自分の中で人に対 するコミュニケーションのあり方といったものを すごく考えさせられました。

─どこの実習先に行かれましたか。また一番印象 に残っていることは何ですか。

 実習先は4つありました。1つ目は都内にある 知的障害児のレスパイトサービスを提供する事業 所で、先ほどお話したボランティアをさせていた だいた事業所でもあります。2つ目は千葉県にあ る知的障がい者の方が利用される福祉作業所、3 つ目は都内の福祉事務所、4つ目は都内の生活保 護の更生施設です。

 どの実習先でも貴重な経験をさせていただきま したが、一番印象に残っているのは、生活保護の 更生施設での実習です。更生施設の所長が入所者 の目の前で退所命令を告知する場面に立ち会った ことがありました。退所命令の対象は精神障害の ある女性で、乳児のいるひとり親でした。短い実 習期間の中でその女性がどのような生活歴であっ

て、施設でどのように過ごしてきたか、身近な人 との関係性はどうであったかなど十分に把握をし ていませんでしたが、度重なる収入の無申告など が退所命令のきっかけとして話されていた記憶 があります。所長が文書を持ちながら退所命令理 由を読み上げている様子をみていて、おそらくそ れまで施設側も信頼関係の構築に努めていらっ しゃったと思うのですが、所長が文面を読み上げ る姿と、それに対して激しい言葉で抵抗する女性 の姿を目の当たりにして、信頼関係が崩れてしま う場面に遭遇しました。支援する側もつらい立場 であると思いましたし、ただそうせざるをえない 事情もあったと思います。しかし、退所後の女性の 生活はどうなってしまうのだろう、子どもの生活 はどうなってしまうのだろう、私自身そのとき何 かできたわけではありませんが、ただただ支援の 難しさを感じたことがすごく印象に残っています。

 あとは余談ですが、更生施設での実習は特に厳 しくて、実習期間中のプログラム(その日の予定 など)はほぼ示されることがなく、自分でその日 に何をするか考えなければなりませんでした。実 習初日に入所者の方を知りたいと思い、ケース記 録を読んでいたのですが、ケース記録は量が多い こともあって1時間ほどデスクで記録を見続けて いました。ずっとデスクにいる私をみて、指導担 当者から「あなたは何をしにきたのか。書類ばか り見てやることないの?」と厳しく叱られたのを 覚えています。初日ということでどう動いていい か分からないということもあったのですが、ただ 振り返ってみると利用者の方のことを知るために まず記録を読んでしまったのがダメだったなと。

利用者の方について知るためには、まず利用者の 方に積極的に話しかけにいくべきだったなと反省 しました。それからすごく利用者の方と積極的に コミュニケーションをとるようになりました。い ろいろな利用者の方とお話をして、その方々の言 葉やその背景にあるものなどしっかり聞くように 意識しました。1人1人の多様な価値観に触れら れたことは、自分の中に気づかぬうちに根付いて しまっている「常識」というやっかいなものをリ セットしてくれたと思います。

─社会福祉士の資格を取る勉強はいつ始めました か。

 国家公務員試験が終了した後なので、意識的に 資格勉強を始めたのは4年生の9月ぐらいだと思 います。

─今私は社会福祉学科の3年生で、実習と卒業論 文とが重なることが不安なのですが、多忙な4 年生の時期にどのように勉強していましたか。

 私自身の経験では、3年生の夏くらいから公務 員試験の勉強を始めて、試験が落ち着くまでは社 会福祉士の試験勉強には取り組む余裕がありませ んでした。並行して論文にも少しずつ取り組んで いたと思いますが、やはり論文も公務員試験が終 了した後から本腰を入れられたように記憶してい ます。

 どのように社会福祉士の資格勉強をしていたの かについて、やはり過去にどのような試験問題が 出題されたか、その傾向を知っておくことが重要 だと考えました。直近5年分の過去問題を集中的 に解いた後、予想問題に着手しました。試験問題 集のほかに参考テキストも購入しましたが、過去 問を解いていく中で理解できなかったものについ てテキストで振り返るといったかたちで活用しま した。合格ラインに届かせるためには過去問は解 いておいた方がいいと思いますので、試験対策と してはまずそこから着手するのがいいかなと思い ます。

 論文については、学生時代にしっかりやりきっ たかというと自信がないのですが、まずは自分が 興味・関心をもった分野、決めた研究テーマに関 するいろいろな書籍にあたることが大切だと思い ます。専門書のほかに、雑誌論文や小論文を読ん でみて、その中で引用されている出典で気になる ものがあればそこにあたってみたり、時間が十分 あるうちは本から本へとグルグルしてみるのも いいと思います。私は性格的に体系立ててキチっ と1つ1つ読んでいくよりも、気になるものに広 くあたっていくやり方が合っていました。煮詰ま

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