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教育業界に携わる卒業生にお話を伺う──

Dalam dokumen Socially (Halaman 101-109)

面   談   者:匿名希望(2016年社会学科卒業) ※プロフィールは本文後ろに記載 取材・構成・編集:金子由依奈(社会学科2年)

イ ン タ ビ ュ ー 日:2021年8月11日(火)

─教育関係のお仕事というと、現在されている塾 関係のお仕事の他に学校の先生だったり、公務 員の教育関係のお仕事というのも多々ある中で 塾講師を選ばれた理由はありますか。

 現在の仕事を選ぶに至る過程についてですが、

大学在学時からお話しいたします。大学では教職 課程を履修していました。中学高校で公民と地歴 を取っていたりして。でもよくあるパターンです ね、教育実習の3週間で実際に現場を見た時に、

すごいところだなと怖気づいてしまいました。

 学校は教育機関ですけれど、人間そのもの、子 どもたちそのものを教育する機関なんですよね。

塾で言うと、私たち社員が考えるところであれ ば、正しい勉強方法を生徒・保護者へ伝えるとい う場所です。役割が結構限られているのだなとわ かりました。若い人間がいきなり学校に配属さ れ、正しく動くことができるだろうかというと、

全く自信がなかったんです。であればゆくゆく目 指すものとして、教師というのは置いておいても いいのではないかと。

 まずは塾という業界で揉まれ、教えるというこ とに特化できれば自分にスキルが備わり、その後 の人生設計として先生という道があってもいいの ではないかなと思いました。

─このお仕事をされる中でやりがいに感じること についてお話していただいたのですが、他に何 かやりがいに感じることはありますか。

 はい。簡単に言うと子どもたちや保護者の方と 意思疎通が取れたときです。相手にも自分のこと が理解され、こっちの意図も伝わっているのだろ うなっていうコミュニケーションが取れたとき は、やりがいを感じます。そうすると仲良くなり ますし、すごい生徒が伸びるんですよ。どうして これをやってほしいかという私たち講師からの要 求が、かなり端的に伝わるので。

 塾というのは子どもたちの能力を上げる養成所 のように思われる節があるんですけれど、結構子 どもたち本人によるところが多いです。やる気が

ないと、こちらが言っても仕方がない。さっきお 話ししたように正しい勉強方法を教えるところで あって、勉強方法を実践するのは生徒本人です。

やってもらわないと、効果測定ができない。そう いうところは生徒本人に委ねられているので、言 い方を変えれば向こうが本気であれば、こっちも やりがいがあるし、もっと宿題を出したりして、

もっと成長させてあげられる。そういうところが やりがいだと思います。

 二つ目は、そういう本気の生徒と出会えたとき です。尚更頑張らねばと思いますね。本気という ことはそれだけ伸びしろがあるので、こっちが頑 張りに応えてあげないと大樹の苗木を伸びるとこ ろまで伸びきらせてあげられない。そういう生徒 たちと出会えたときにやりがいを感じます。

─では反対に、子どもたちと関わったり、お仕事 をしたりする中で大変だと感じたことや、こう した方がうまくいくなと考えたことはあります か。

 大変と感じるのは他者理解というところです。

やりがいにも挙げたのですが、お互いに理解し合 えるなんて簡単ではありません。さらに年齢も離 れているので。

 私が教えるところだと小学校3年生から高校3 年生までいて、小学生は抜きにしても、中高生っ てやっぱり多感な時期じゃないですか。彼らはそ れなりに抱えているものが多いですから。7時く らいに起きて学校に登校し、勉強が終わったら部 活や習い事があった上で塾に来ているので、一日 の拘束時間で言えば私たち社会人並みかそれ以上 なんですよね。そういった子たち、夕方にへとへ とになった子たちを相手するときに、さらに疲れ させるだけなのか、疲れているなかでもう少し頑 張ろうと思わせられるのかというところに、私た ちの手腕が問われています。そこに失敗してしま うと、最初のつまずきって結構大きいですよね。

そこからグズグズになってしまうと、こっちが舐 められてしまう。これをきっかけに、他者理解か らかけ離れてしまうことが多いですね。

─私自身も塾に通った経験はありますが、そうい う講師側の気持ちというのはそんなに考えたこ とがなかったなと思いました。生徒をどうやる 気にさせるのかって難しいことですよね。

 そうですね。ちゃんと一日中勉強して動き回っ た後また勉強するということですからね。そうい う精神状態の子どもの相手をするってなかなか ね。大変と言ったらそこまでだけど。その上で自 分から勉強する子と、ましてや人生設計に本気な 子って、その時点でひと踏ん張りが違います。自 分のことだから、必要だから頑張れるっていう子 と、疲れ切った状況に、悪く言ってしまえば甘え てしまう、疲れたからしょうがないじゃん、って いう子もいる。そうなった時に、先ほどのやりが いの話に戻るけど、勉強しようって本気で塾に来 ている子の方が、当たり前だと思うけど相手しや すいですね。親御さんに言われるなどして流され て塾に来る子はしょうがないんだけど、頑張れる 環境を与えたうえで、こっちから「頑張った方が いいよ」っていうふうに気づかせてあげるのも仕 事のうちです。

 『将来を真剣に考えるのであれば、私たちはあ なたをある意味大人として迎え入れる。あなたが それに気づいてくれたらもっとたくさんの人生設 計における選択肢を提示することができる』。こ ういった自己開示を私たちがし続け、気が付いた 子どもたちがより自分の人生について主体的に考 えてくれたらこっちのもんです。私たちの仕事に は、他者に気付きを提供することも重要な役割と して課されているかもしれません。

 理想で言えば、あの先生がいるから通おう、あ の先生の授業だから受けようっていう心理状態に 持ってくのがベストだと思います。そういう教室 の空気ができれば、あとは簡単ですね。自分には 全然ないんだけど、講師個人にブランド力があれ ばあるほど、とても仕事がスムーズに進むと思い ます。言い換えればカリスマ性のある講師がいる 教室って、ちょっとドロドロした話だけど数字が いい。つまり入塾してくれる子たちが、毎月常に 何人かいる。授業をしていれば、自然と噂を聞き

つけ教室が膨らんでいくっていうイメージかな。

逆にカリスマ性がなくて、教室を引っ張っていけ ないところだと、退塾する人たちが月に何人も常 に抱えている。退塾しそうな人がいるっていう危 機的状況の中、授業をするって空気が悪いよね。

 私は今、本社で人事をやっているから、現場で ある校舎には「頑張ってる?」って新卒の子たち の面倒を見に行くことがあります。そういう機会 があって、だいたい教室の雰囲気っていろんなと ころに行ってわかるんだけど、活気づいていると ころはいろいろと目が行き届いています。細かい ところだと、ポスターがはがれていないとか、掲 示物が綺麗に並んでいるとか、掃除が行き届いて いるとか、先生同士や受付の人とのコミュニケー ションがとても活発だとか。そういういい雰囲気 が見てとれる。さっきお話ししたように退塾生を 抱えている教室は会話がないくらい。あとは私み たいな本部から来る外様の人に冷たい。そういっ た校舎へ代打(現場で病欠等講師が一時的に不足 した場合本部の人間が校舎へ代わりに授業をしに 行くこと)に行くと、例えばやり手がおらず余っ てしまった現代文を担当することになったりと か、「先生何をやりますか?」ではなくて、「余っ ている現代文でお願いします」という感じで授業 をすることになる。

 最近大変なのは、自分から主体的に交流をしな い人がいることかな。そもそも雰囲気の悪い校舎 であればあるほどその割合が多いかもしれない。

─ありがとうございます。次にコロナ禍でのお話 をさせていただきます。コロナ禍でお仕事に多 少なりとも変化はあったと思うのですが、その 中でも、「この変化大きかったな」ということは ありますか。

 たくさんあります。そのなかでもやはり世間の 目かな。私たちは仕事柄、対人が命なので、やり 取りにラグが少しでもあると新鮮さが失われてし まいます。伝えたいこと100のうち、100必ず伝え るっていうくらい重視しているので非常に苦戦 したのではないかなと思いますね。世間体を見て

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