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なぜ大阪梅田には有料パウダールームが複数あるのか

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2015年度 経済学部経営学科 網倉ゼミナール 卒業論文

なぜ大阪梅田には有料パウダールームが複数あるのか

A1142817 大本 奈生 2015年1月15日

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1

目次

I. はじめに

II. 基本情報

1) 有料パウダールーム

2) 大阪梅田

3) 大阪の女性 III. 仮説

1) 大阪の女性はパウダールームを休憩所感覚で使用している

2) 大阪の女性は自分磨き、あるいはリフレッシュの空間としてパウダー ルームに来ている

3) 企業側の戦略として大阪にいくつも出店している

4) 東京の女性はメイク直しを面倒だと感じているため、有料パウダールー

ムに行かない

5) 平日に女子会をしない

IV. 検証 V. 結論

VI. おわりに

VII. 参考文献、リンク

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2

Ⅰ . はじめに

11月、実家のある関西に帰省した際、大阪梅田駅で女性だけの長蛇の列を見た。何 かと思い見てみると、列の先に合ったのは「有料パウダールーム」である。しかも その有料パウダールームは1つでなく、梅田駅のほかの場所にも存在し、調べてみ ると梅田駅だけで4つもあることがわかった。化粧直しにお金を払ったり、化粧直 しスペースに並んだりすることは今まで考えもしない行動であった。また、東京で はあまりこのような有料パウダールームが存在しないにも関わらず、梅田駅には4 つもあることに大きな疑問を抱き、大阪の女性をひきつけるなにかがあると感じた。

一方で、東京にはこのような有料パウダールームが少ない。調べてみると渋谷と池 袋に1店舗ずつあった。なぜ東京には有料パウダールームが少ないのか、東京の女 性にはパウダールームが必要ないのではないかと感じ、これについても考えていこ うと思う。そして東京で有料パウダールームを増やしていくには何が必要になるの かを考えてみたい。

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Ⅱ . 基本情報

最初に私が研究の対象としている「有料パウダールーム」「大阪梅田」「大阪の女性」

について簡単に説明する。

1) 有料パウダールーム

今回対象とした大阪梅田にある有料パウダールームは以下である。

アンジェルブ クレデュプレ CLUXTA うめはんジェンヌ 運営母体

JR西日本 阪急阪神グループ パナソニック 阪急阪神グループ

1 時間当たりの価格

300円(16:30~20:30 入店は200円/30分)

300円 800円(30分500

円、以降10分ご とに100円)

300円

化粧品

資生堂 プチプラ系 資生堂 RMKなど

美容家電

パナソニック MTG パナソニック ?

場所

JR大阪駅構内 阪急梅田改札前 グランフロント 大阪

阪急梅田百貨店

その他の 無料サービス

なし 飲み物 飲み物 飲み物

これらはすべて半個室タイプのブースで化粧直しができるスペースになっている。

別途料金はかかるが、着付けやヘアセットのサービスがあるところもある。

1、プチプラ系コスメ:KATE、メイベリン、エクセル、レブロン、Za、ロレア ルパリ、キャンメイクなどシャネルやディオールなどと比較して安価な化粧 品ブランド

2、MTG:ローラーのリファを取り扱っている美容会社

3、うめはんジェンヌは調査を行った1月2日に営業していなかったため不明

2) 大阪梅田

西日本最大の繁華街であり、その規模は総売上高が全国で新宿に次いで2位、百 貨店規模では日本一である。関西への玄関口としての機能も果たし、JRのほか阪 急阪神、大阪市営地下鉄各線が乗り入れる巨大ターミナルである。また、関西国 際空港や新幹線(新大阪駅)へのアクセスも容易で国内のみならず、アジアをは じめとする世界各地と結びつく国際拠点という一面も有している。

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4

3) 大阪の女性

経済観念の凄さは男性以上でコストパフォーマンスにこだわるタイプ。他人より 安く買うことに命をかけるが、基本的には浪費家。流行にも敏感で、ブランド物 大好き人間が多い。外見より女性らしい人が多い。

http://www.netricoh.com/contents/officelife/kenmin/column/osaka_c.html

金に細かく計算高いが,裏表がなくすべての欲求をストレートに押し出す風土。

価値があれば金払いは良い。また,大阪は進取の気性を旨とし,新しいモノ好き で,“独自性”を尊ぶという土地柄をつくりあげてきた。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kobayasi/cha/cha_2/oosaka/oosaka-maind.html

上記のほか、商売の街である大阪で商人の嫁として家を守ってきた歴史もあり、

大阪の女性は“ケチで新しいもの好き”であり、角度を変えてみるとほかの地域 の女性と比べて遠慮がないことから“非常にあつかましい人”である。

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5

Ⅲ . 仮説

大阪梅田に複数有料パウダールームがある要因と東京に少ない要因を考えていくにあた り、大阪の要因(①~③)と東京の要因(⑤、⑥)に分けて仮説を立てた。

1) 仮説①

「大阪の女性はパウダールームを休憩所感覚で使用している」

今回対象とした有料パウダールームの使用料金は1時間平均350円である。疲れて スターバックスコーヒーなどのカフェで過ごすより、飲み物もサービスでおいてあ る有料パウダールームのほうがメイク直しもして綺麗になれ、お得と感じるのでは ないかと感じているのではないか。

2) 仮説②

「大阪の女性は自分磨き、あるいはリフレッシュの空間としてパウダールームに来 ている」

対象とした有料パウダールームにはすべて資生堂やRMKの化粧品の貸し出しを行 っている。そしてアンジェルブとCLUXTAは目元や足のマッサージ機器や頭皮エス テ、顔のスチーマー、脱毛器などの最新の美容機器をも備え、個数に制限はあるが 時間内に顧客に貸出している。エステに行ったり、自分で高い金額を払って美容機 器を買ったりするよりもパウダールームに通い、使用する方がお得、かつ、最新の 美容機器も使用でき、満足度に繋がり、リピート客を増やしているのではないか。

3) 仮説③

「企業側の戦略として大阪にいくつも出店している」

紹介している有料パウダールームに置いてある美容家電はほぼパナソニック製のも のである。実際にアンジェルブはパナソニックの運営する有料パウダールームであ り、大阪駅以外に神戸三宮にも店舗を構えている。パナソニックはもともと大阪が ルーツの企業であり、大阪の女性の特徴である「ケチで新しいもの好き」というこ とを知っているため、店舗を関西中心に展開しているのではないか。また、大阪の 女性というのは総じておしゃべり好きであり、商品が良ければ、企業の宣伝以上の 効果的な口コミも期待できると考えたのではないか。

4) 仮説④

「東京の女性はメイク直しを面倒だと感じているため、有料パウダールームに行か ない」

大阪の女性は東京の女性と比較して、外見にこだわっている人が多いのではないか。

実際にカネボウ化粧品の調査で大阪の若い女性が化粧品を購入するための平均予算

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6

は1万1563円で、東京の女性の1.5倍であったことがわかっている。東京の女性は 自らのメイクに気をかけることが少ないため、メイク直しにお金をかける必要がな いと考えているのではないだろうか。

5) 仮説⑤

「平日に女子会をしない」

仮説①では大阪の女性は有料パウダールームを休憩所感覚で使用していると仮説を たてたが、有料パウダールームを使う本来の目的はメイク直しである。では女性が メイク直しを必要だと感じるのはいつ、どんなときだろうか。最近女子会というワ ードを頻繁に耳にする。女子会とは“女性だけで集まって飲食をしたり、話(情報 交換)をしたりする会”のことである。そして以下のような記事を見つけた。

人気リキュールブランド〈マリブ〉が2000人の女性を対象に、夜の“お出かけ”

準備にどれだけ時間をかけているかアンケートを行ったところ、ボーイフレンド や夫とのデートに比べて、いわゆる“女子会”の準備にかける時間と労力はハン パではないことが分かった。

外出直前の身支度にかける時間は、相手がボーイフレンドや夫の場合、わずか 40 分であるのに対し、女同士の外出の場合は1時間強。これだけ見ると、た いして違わないように思えるが、“女子会”の場合、着ていく服やアクセサリーを 決めたり、場合によってはそれらを新調するためにオンラインショッピングをし たり、集まる店をあれこれ検討したり、メールや電話で仲間と連絡を取り合った りと、事前の準備に平均8時間19分かけているのだ。つまり、1度の女子会の準 備に1日の労働時間に匹敵するほどの時間をかけていることになる。

また当日も、女子会の場合は華やかな装いになり、ヘアスタイルやネイルに もより気合いが入っていること、皆を「あっと言わせる」ファッションやス タ イ ル を 目 指 し て い る こ と が 分 か っ た 。http://irorio.jp/kondotatsuya/20130601/61443/

上記の調査によると、多くの女性は女子会に気合が入ることが分かった。仕事終 わりに女子会をするのであれば、メイク直しや髪形を整えることは多くの女性が 考えることであるように感じるが、トイレでメイク直しはできても、髪形を直す ような場所はない。これではみんなを「あっと言わせる」スタイルで女子会に行 けないのではないか。そこで私が考えたのは女子会が平日の仕事帰りには行われ ていないということである。

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Ⅳ . 検証

1) 【大阪の女性はパウダールームを休憩所感覚で使用している】に対する検証 人々が休憩所として選ぶ基準は何だろうか。

カフェを休憩所として選ぶ基準は「味」「価格が手ごろ」「気軽に利用できる」「リラ ックス」「行きつけ」が上位5つである。コーヒーそのものの味に対する絶対評価が 厳しくなり、リラックスできるスペースがトレンドである

味以外で求められているのは「くつろぎ」や「価格」であり、これらは顧客を引き付 ける要因となる。

そしてカフェに行ったときにかける平均金額は大学生は536円(n=1237)、社会人は

598円(n=1526)であることが分かり、有料パウダールームの1時間350円より高額で

あることが判明した。

本当にパウダールームで女性は化粧直しをしているのだろうか。

実際に1月2日、休みであったうめはんジェンヌ以外の3つの有料パウダールームに 行き、話を伺った。その回答は3店舗とも

「 お 客 様 は 基 本 的 に 1時 間 化 粧 直 し に 時 間 を 使 っ て い る 。」

というものだった。クレデュプレからの回答には

「 ク レ ン ジ ン グ も 置 い て あ る の で メ イ ク を す べ て 落 と し て 最 初 か ら 化 粧 を し 直 す 人 も お り 、 延 長 さ れ る 人 も い る 。」

ということであった。しかし席の配置は2人で利用できるようになっており、友人同 士で来店している人もいた。また、携帯の充電器の貸し出しサービスやwifiが通って いる店舗もあるが、化粧直しが目的として来店するということがわかった。化粧直し をして、少し休憩していく”という感覚が最も近いのではないだろうか。

よって仮説①は正しくないとする。

2) 【大阪の女性は自分磨き、あるいはリフレッシュの空間としてパウダールームに来て いる】に対する検証

女性が化粧品や美容機器に本当に興味を持ち、お金をかけているのかどうか調べてみ た。

A. 化粧品市場

以下の図は2011年から今年までの4年間の国内化粧品市場推移である。2014年 には2兆3310億円と予測され、成長を続けている。特にBBクリームやCCク リーム、また美容液配合のマスカラが大きく売り上げを伸ばした。

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8

(矢野経済研究所の調査結果より作成 http://www.yano.co.jp/press/pdf/1316.pdf)

B. 美容機器市場

以下の図のとおり、現在美容家電市場は急拡大している。保温スチーマーの市場 規模は100億円を超える。美容家電市場の拡大が周辺の美容関連業界を侵食する のは間違いなく、化粧品業界やエステサロンの市場は13年に160億円も減少す ると予測されている。

(野村総合研究所の調査結果より作成

2271000

2290000

2320000

2331000

2011 2012 2013 2014(予測)

単位:百万円

国内化粧品総市場規模推移と予測

12

15.4

17.32

2010 2014 2015(見込)

単位:百万円

美容機器市場推移と予想

(10)

9

http://biz-journal.jp/2014/07/post_5407.html)

以上のことから化粧品、美容家電市場は拡大を続け、ニーズがあることが分かっ た。

新しいもの好きな大阪の女性にとって、高機能な新製品を1時間350円ほどで使 用できることは大きなメリットであり、エステに通うよりも安く済む。パナソニ ックの最新の美容家電が揃えられているCLUXTAにはエステコースが2種類用 意されており、「 平 日 に 主 婦 が 利 用 す る 」 との回答を得た。

よって仮説②は正しいとする。

3) 【企業側の戦略として大阪にいくつも出店している】に対する検証

パナソニックの戦略として地の利のある大阪に出店しているという仮説を調べるた め、IR情報を見てみたが、その是非は分からなかった。

一方で、美容機器市場の売り上げを調べてみるとパナソニックが半分を占めているこ とが分かった。

(価格.comより作成)

パナソニックが大阪に本社があり、その地の利を生かした戦略としてパウダールーム を出店しているという可能性も大きくあるだろう。しかし上のグラフを見ると美容機 器市場の半分をパナソニックが占めているため、梅田にある多くのパウダールームに パナソニックの美容機器が置いてあることに対する地の利であるとは言い切れない のではないか。阪急阪神グループやJR西日本が有料パウダールームをオープンした 理由はほかのところにあると感じ、パナソニック、阪急阪神グループ、そしてJR西

49.96

21.03 15.05 4.71

3.67

1.4

1.07

美容機器売れ筋(価格

3.11

.com)

パナソニック 日立 MTG フィリップス ヤーマン シャープ コイズミ その他

2014.12.31 現在

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10 日本に問い合わせてみた。

パナソニック、阪急阪神グループからは回答はできないということで、返信があった が、JR西日本からは以下の回答を得られた。

◆なぜ有料パウダールームを展開しようとしたか

アンジェルブ事業は、弊社の「社内ベンチャー制度」から事業化された事業です。

駅でゆっくり快適に化粧直しがしたいという女性のニーズに応え、駅付帯サービ スの側面をもちながら、事業として展開できる見込みがあること等から事業化が 決定致しました。

◆なぜ大阪梅田に出店したのか

アンジェルブ事業は、社内ベンチャーの制度上、まず、パイロット展開を行い事 業性を確かめた後に、本格展開を決定するというフローで店舗展開を始めました。

試験的に店舗を開店するにあたり、弊社一の乗降客数を誇る大阪駅で事業性を確 かめるという意図で大阪駅を第1号店として開店した次第です。

(JR西日本アンジェルブ事業担当 原田様より回答メール引用)

しかしパナソニックの持つもともとの地の利、そしてJR西日本と阪急阪神グループ がそれぞれ沿線上に大阪梅田駅を所有していること、そして梅田駅の規模を考えると パウダールームの展開は3社の持つ社内リソースを生かしているように感じた。

よって仮説④の仮説は正しいとする。

4) 【東京の女性はメイク直しを面倒だと感じているため、有料パウダールームに行かな い】に対する検証

メイク直しをする人はどれくらい存在し、また、メイク直しをしない人の理由はなに か調べてみた。その結果3割の人がメイク直しをせず、その理由の半数以上が面倒と いう答えだった。また、メイク直しをする人の8割近くがメイク直しを面倒だと感じ ていることも分かった。しかし東京と大阪で面倒だと感じている差が見られるかどう かはわからなかった。

(12)

11

(カバーマーク株式会社のニュースリリースより引用

http://www.covermark.co.jp/jusme/common/pdf/attitudesurvey.pdf#search='%E3%

83%A1%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%8 2%8B%E6%84%8F%E8%AD%98%E8%AA%BF%E6%9F%BB)

そこで私が考えたのは「東京の女性がメイク直しを面倒だと感じているのではなく、

大阪の女性のメイクそのものがメイク直しを必要とするメイクなのではないか」とい うことである。

大阪の女性の化粧は一般的に派手だと言われており、東京ではシンプルな色遣いで爽 やかなファッションが好まれる一方、大阪ではヒョウ柄や幾何学模様などが好まれる。

また、「京都の公家文化が源流の厚化粧を継承している大阪流と、紙方をアレンジし た薄化粧をよしとする江戸流の違い」という文化の歴史的な影響もある。

以下の写真はメイクの専門学校の講師が学生をモデルに大阪と東京のメイクの違い を表現したもので、左が大阪、右が東京である。東京風は上品なかわいさを打ち出し、

30 7.2

0.4 0.4

5.2

18.2

38.6

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

メイク直しはしない 崩れたらその都度 5回以上 4回 3回 2回 1回

1 日に何回メイク直しをしますか( n=500)

6

38 24.7

12 3.8

7.3

66.7

0 10 20 30 40 50 60 70 80

その他 特に意識する相手がいない 時間がない 場所がない 職場に女性が少ないので気にしない 職場に男性が少ないので気にしない メイク直し自体が面倒

なぜメイク直しをしないのか (n=150)

(13)

12

大阪風では目元を際立たせるメイクである。実際にカネボウ化粧品美容研究所が東京 と大阪で行った調査では、東京の女性は肌や眉毛にこだわり、大阪の女性はアイメイ クにこだわることがわかっている。同研究員は「大阪の特徴はメイクの濃さと強さ。

特に目元を強調することでストレートに自己をアピールすることになる。」と語る。

このことから大阪の女性はメイクが濃く、メイク直しが必要だと感じるメイクである といえる。

それと同時に東京の駅ビルにはきれいなトイレが備わっていることが多い。特にルミ ネやマルイなどのトイレにはブースになっているところやコンセントの電源が置い てあるところもある。最近ではトイレの綺麗さをウリにしている場所もある。吉祥寺 に2014年6月にオープンした京王キラリナはオープン前からトイレの綺麗さが話題 となり、メディアに取り上げられた。

このような綺麗で機能的なトイレがあれば、メイク直しをあまり必要としない東京の 人にとって有料パウダールームは必要ではない。

よって仮説③は正しくないとする。

5) 【平日に女子会をしない】に対する検証

女性が平日の仕事の後(アフター5)なにをしているのかを調べてみると以下の結果 が出た。

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13

(住信SBIネット銀行の調査結果より作成

https://www.prtimes.jp/data/corp/521/1703c80ba1876edad2e9f01ffb641ad6.pdf)

この調査のアフター5の定義は「仕事帰りに自由に使える時間」を指し、残業等で遅 くなったときは除かれ、残業もなく、退社後自由な時間が比較的多い日の行動である にもかかわらず、退社後まっすぐ家に帰る人が86%とかなりの割合を占めている。そ して退社後、すぐに帰宅したいかの問いについても「ほぼ毎日まっすぐ帰宅したい」

「予定を入れるのは週に1回程度」を希望するOLが80%にもなり、このように退 社後まっすぐ家に帰るOLは学生の部活になぞらえ、“帰宅部OL”と呼ばれる。まっ すぐ家に帰る理由としては【仕事で疲れている】が最も高く、【お金を使わないよう にするため】などもあった。ある精神科医は「最近のOLは職場のストレスで疲弊し た結果、非常に保守的になっている。」と話す。また、帰宅後の行動として「お風呂」

「テレビ」「料理」があげられ、“快適に過ごしたい”という思考と掛け合わせると「退 社後は家でリラックスしたい」という思いが分かり、平日には食事に行くのではなく、

2

86 12

4

12 7

18

38

3

86 9

2

16 6

18

34

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

その他 まっすぐ帰宅する 娯楽施設に行く 美容系サロンに行く スポーツ 習い事 ショッピング 食事、飲みに行く

アフター5の過ごし方(3つまで選択可能)

30代 20代

n=1211

(15)

14

その日の疲れを癒すようにしていることが読み取れた。

しかし一方で休日にも開放感やリラックスを求めているという回答結果もある。

この結果からみると仕事をしている女性は食事やショッピングにいくよりも、家で楽 な格好、そしてノーメイクでテレビを見たり、料理をしたりするほうが快適だと感じ ていることが分かった。そして女子会の頻度を調べてみたところ、20代30代共に 月1回程度というのが最も多い。

85.8 4.1 10.1

休日すっぴんで過ごしたい?( n=465)

はい いいえ どちらでもない

54.6 25.4

20

休日下着をつけずに過ごしたいですか?

(n=465)

はい いいえ どちらでもない

(16)

15 (第一生命の調査結果より作成

group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/watching/wt1010.pdf)

このような結果から女子会を平日に開催するのではなく、1か月に1回程度しか開催 しないため、パウダールームを使用する機会が少ないことが分かった。女子会に気合 が入り、「あっと言わせたい」願望があっても自宅でしっかり準備をする余裕がある ときに女子会は開かれている。

よって仮説⑥は正しくないとする。

5.7 3.1

7.1

20

24.5 18.8

16.8 4

11.4 4.5

9.9

21.4 24.6 14.4

12.3 1.5

0 5 10 15 20 25 30

過去1年参加してない 年に1回 半年に1回 2,3か月に1回 1か月に1回 2週間に1回 週に1,2回 週3回以上

女子会への参加頻度

30代(n=932) 20代(n=934)

(17)

16

Ⅴ . 結論

以上の検証から

大阪の女性は休憩所として利用しているのではなく、化粧が派手という要因があるため、

化粧直しのためにパウダールームを使用している。そして新しいもの好きで化粧品にもお 金をかけているので最新の美容機器が試用できる有料パウダールームに惹かれる要因があ る。

一方で、化粧が薄く、メイク直しをあまり必要としない東京の女性にとってパウダールー ムは魅力的ではない。準備に時間をかける女子会も開催頻度が月1回程度との調査結果が 出ており、仕事帰りの女子会への準備のためのパウダールーム利用は期待できない。そし て休日や退社後のOLはリラックスであったことから、最新の美容機器を利用するためにパ ウダールームを利用するという概念は生まれない。

ことが分かった。

有料パウダールームは単に化粧直しのスペースを付与するだけでなく、最新の美容機器や 無料のハーブティーを置くなどの工夫により、大阪の女性特有の“ケチで新しいもの好き”

にうまく合致していることから、大阪梅田に複数出店し、また、行列ができるほどに繁盛 しているのであろう。

一方で東京に多く有料パウダールームができないのは、女性のメイクが大阪と比べ、薄い ことそしてより“リラックス”を求めているからであろう。最新の美容機器や無料のハー ブティーではなく、家で料理をしたり、ゆっくりお風呂に入ったりすることを好む人たち には化粧直しのスペースにお金を払うことには抵抗があるのだろう。

今後東京で有料パウダールームを増やしていくためには、“リラックスさ”を重視した設備 が必要になるだろう。家電量販店でよく見かける光景として、買う気もないのにマッサー ジチェアを試している客をよく見る。そして最近東京ディズニーリゾートの系列某ホテル のプランに“マッサージチェア付部屋プラン”というのがあり、実際に友人が利用したと の話も聞いた。このように日ごろの身体的な疲れを癒すような家電が備えられてあれば、

東京の人たちも利用するようになるのではないだろうかと私は考えた。

今後社会に出て実際にどのように自分がリラックスするのかはわからないが、もし有料パ ウダールームがあればリラックスを求めてぜひ利用してみたいと思うと同時に、今後の大 阪梅田から東京、そして全国への展開があるかどうかに注目していきたい。

(18)

17

Ⅵ . おわりに

今回の卒業論文を作成するにあたって、仮説が一向に固まらず、自分が世の中にいかに興 味を持たず、疑問を感じていないかを痛感した。その一方で仮説が決まった後は、調査や 考察を考えていくことの楽しみを少し感じた。必要なデータの収集や論文の展開など疑問 ばかりで、出来上がった今も正確性に乏しいこの論文に、自分の未熟さを感じるが、今後 もこの経験をなにかに生かし、社会で役立てていければと思う。

最後になりますが、ご指導いただいた網倉先生、調査にご協力いただいた対象店舗、対象 企業の方々には深く感謝しております。ありがとうございました。

(19)

18

Ⅶ . 参考文献、リンク

アンジェルブ http://angelbe.jp/

クレデュプレ http://www.colorfield.ne.jp/cleduple/

CLUXTA http://panasonic.co.jp/ap/cluxta/about.html http://panasonic.co.jp/center/osaka/floor/floor_2f/beauty/#r=s

CLUXTA ニュースリリース

http://news.panasonic.com/press/news/official.data/data.dir/2013/04/jn130419-1/jn13041 9-1.html

うめはんジェンヌ

http://www.hankyu-hanshin-dept.co.jp/lsnews/01/a01/00021202/?catCode=601001 阪急阪神グループ ニュースリリース

http://holdings.hankyu-hanshin.co.jp/file_sys/news/1199.pdf

仮説①

http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2013021-0305.pdf#search='%E3%82%AB

%E3%83%95%E3%82%A7%E3%81%AB%E3%81%8B%E3%81%91%E3%82%8B%E9%8 7%91%E9%A1%8D‘

仮説②

http://biz-journal.jp/2014/07/post_5407.html 仮説④

http://www.nikkei.com/article/DGXZZO34425590R30C11A8000000/

仮説⑤

http://www.ozmall.co.jp/career/honne/vol17/

http://www.sankeiliving.co.jp/research/ol/011.html

https://www.prtimes.jp/data/corp/521/1703c80ba1876edad2e9f01ffb641ad6.pdf http://www.vlcank.com/mr/report/018/004

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はじめに はじめに はじめに はじめに 本論文は、女子会ブームが起こった理由を研究する。2008年から使われるようになった「女 子会」という言葉。2010年には、新語・流行語大賞のトップテンにランクインした。2年間で 急速に普及し、レストラン、居酒屋、旅行代理店など多くの場所で女子会という言葉を見かける