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惑星の内部構造

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Academic year: 2024

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(1)

地球惑星圏物理学 

惑星の内部構造

1

(2)

固体惑星の内部構造論

静水圧平衡の式

67

第 6 章 惑星内部構造

惑星の内部構造という場合、密度・圧力・温度といった物理構造に加えて、化学組成・相 状態

(

固体

/

液体、鉱物組成など

)

といった化学構造が重要となる。惑星内部の状態はダイナ モ磁場の強度・有無を通じて惑星表層環境や磁気圏にも影響を及ぼす。さらに、地球型惑星 の場合、惑星内部と大気・海洋の物質輸送を通じて、マントルの状態が表層環境にも関連し ている。

6.1 内部構造論の基礎

地球半径の約

6,300 km

に対し、人類が掘削によって直接アクセスできる深度は数

km

から

10 km

程度である。また、大気と比較して、惑星内部は間接的な観測による情報も限られて

いる。したがって、まずこのような限られた情報を用いて内部構造がいかに推定されるかの 概略を述べる。

6.1.1 基礎方程式

大気と同様に、内部構造の推定にも静水圧平衡の式が用いられる。

dp(r)

dr = − GM (r)

r 2 ρ(r). (6.1)

地球型型惑星の場合、密度

ρ

と圧力

p

の関係式である状態方程式としてよく用いられるのは

Birch-Murnaghan

方程式である。

p = 3K 0 m − n

!" ρ ρ 0

# (m+3)/2

" ρ ρ 0

# (n − 3)/2 $

. (6.2)

ここで、

ρ 0

0

気圧下での密度、

K 0

0

気圧下での体積弾性率、

n

1

または

2

m

3

ま たは

4

の定数である。温度変化の効果を含める場合は、

ρ 0 (T ), K 0 (T )

として取り扱う。一般 に、岩石や鉄などの固体・液体の密度は温度依存性が小さく、主に圧力に依存する。代表的 な物質の密度を表

6-1

に示す。圧力による圧縮の効果が効かない惑星浅部や小天体では、岩 石:

3 g/cc

、鉄:

8 g/cc

、氷:

1 g/cc

と覚えておくと概算に便利である。

! 1

0

dτ =

! p(τ =1)

0

κ

g dp (33)

κ ∼ 10 − 8 " p 1bar

# cm 2 g − 1 , g = 10 3 cm s − 2 (34)

1 ∼ 10 − 8 10 3

p(τ = 1) 2

2 (35)

p(τ = 1) ∼ 0.1 − 1 bar (36)

p = p 0 " T T 0

#

γγ1

(37)

∼ 1 bar " 1500 K 250 K

#

72

(38)

p ∼ 500 bar (39)

f = Φ D /Φ H

[D]/[H] (40)

dM (r)

dr = 4πr 2 ρ(r) (41)

3 質量保存の式

状態方程式

67

第 6 章 惑星内部構造

惑星の内部構造という場合、密度・圧力・温度といった物理構造に加えて、化学組成・相 状態

(

固体

/

液体、鉱物組成など

)

といった化学構造が重要となる。惑星内部の状態はダイナ モ磁場の強度・有無を通じて惑星表層環境や磁気圏にも影響を及ぼす。さらに、地球型惑星 の場合、惑星内部と大気・海洋の物質輸送を通じて、マントルの状態が表層環境にも関連し ている。

6.1 内部構造論の基礎

地球半径の約

6,300 km

に対し、人類が掘削によって直接アクセスできる深度は数

km

から

10 km

程度である。また、大気と比較して、惑星内部は間接的な観測による情報も限られて

いる。したがって、まずこのような限られた情報を用いて内部構造がいかに推定されるかの 概略を述べる。

6.1.1 基礎方程式

大気と同様に、内部構造の推定にも静水圧平衡の式が用いられる。

dp(r)

dr = − GM (r)

r

2

ρ(r). (6.1)

地球型型惑星の場合、密度

ρ

と圧力

p

の関係式である状態方程式としてよく用いられるのは

Birch-Murnaghan

方程式である。

p = 3K

0

m − n

!" ρ ρ

0

#

(m+3)/2

" ρ ρ

0

#

(n3)/2

$

. (6.2)

ここで、

ρ

0

0

気圧下での密度、

K

0

0

気圧下での体積弾性率、

n

1

または

2

m

3

ま たは

4

の定数である。温度変化の効果を含める場合は、

ρ

0

(T ), K

0

(T )

として取り扱う。一般 に、岩石や鉄などの固体・液体の密度は温度依存性が小さく、主に圧力に依存する。代表的 な物質の密度を表

6-1

に示す。圧力による圧縮の効果が効かない惑星浅部や小天体では、岩 石:

3 g/cc

、鉄:

8 g/cc

、氷:

1 g/cc

と覚えておくと概算に便利である。

例) Birch-Murnaghan 方程式

!

1

0

dτ =

!

p(τ=1) 0

κ

g dp (33)

κ ∼ 10

8

" p 1bar

# cm

2

g

1

, g = 10

3

cm s

2

(34)

1 ∼ 10

8

10

3

p(τ = 1)

2

2 (35)

p(τ = 1) ∼ 0.1 − 1 bar (36)

p = p

0

" T T

0

#

γγ1

(37)

∼ 1 bar " 1500 K 250 K

#

72

(38)

p ∼ 500 bar (39)

f = Φ

D

H

[D]/[H] (40)

dM (r)

dr = 4πr

2

ρ(r) (41)

K = − V ∂p

∂V (42)

3

体積弾性率

m, n

は整数で物質ごとに異なる 

0

0

気圧での物理量を表す 

温度依存性は小さく、

ρ

0

, K

0に含める

2

(3)

内部構造の推定方法

人類が直接アクセスできる深度 数 km ~ 10 km 程度 (地球の場合) 

➭  間接的に情報を得る観測が必要

地震波観測

http://www.jma-net.go.jp/sapporo/bousaikyouiku/mamechishiki/jikazanknowledge/img/jikazanimg2̲1.png

P波(縦波):固体でも液体でも伝播

S波(横波):固体でのみ伝播

68 第 6 章 惑星内部構造

表 6-1. 太陽系の代表的物質の密度 (1 bar における凝縮相のもの ) 。岩波書店『比較惑星学』

より転載。

6.1.2 内部構造の推定方法

内部構造の推定方法の中で、最も多くの情報をもたらすものは 地震波観測 である。惑星を 構成する岩石や鉄は弾性体としての性質を持っているため、惑星のどこかでなんらかの破壊 減少 ( 震源 ) が発生すると、その振動は波として伝播する。その伝播速度は P 波 ( 縦波 ) 、 S 波 ( 横波 ) それぞれについて、

V P = !" K + 4

3 µ/ρ

#

, V S = $ µ/ρ (6.3)

と書くことができる。ここで、 K は体積弾性率、 µ は剛性率である。地震波の速度は、物質 の情報を含んでいることがわかる。また、地震波は光と同様に異なる性質を持つ物質の境界 面で反射屈折を受ける。このため、ある震源で発生した地震波は様々な経路で伝播していく ( 図 6-1) 。実際には地震波の到達時間が観測量であり、そこから波の経路や内部構造の推定が 行われる。このような地震波観測により、薄い 地殻 の下に、岩石の マントル 、液体鉄の 外核 ( 横波が伝播しない ) 、固体鉄の 内核 という地球内部の基本的な構造 ( 後述 ) が明らかにされた。

地震波の伝播速度を測定すれば、密度構造を知ることができる

!

1

0

dτ =

!

p(τ=1)

0

κ

g dp (33)

κ ∼ 10

8

" p 1bar

# cm

2

g

1

, g = 10

3

cm s

2

(34)

1 ∼ 10

8

10

3

p(τ = 1)

2

2 (35)

p(τ = 1) ∼ 0.1 − 1 bar (36)

p = p

0

" T T

0

#

γγ 1

(37)

∼ 1 bar " 1500 K 250 K

#

72

(38)

p ∼ 500 bar (39)

f = Φ

D

H

[D]/[H] (40)

dM (r)

dr = 4πr

2

ρ(r) (41)

K = − V ∂ p

∂ V (42)

µ = F/A

∆x/l (43)

3 剛性率

3

68 第 6 章 惑星内部構造

表 6-1. 太陽系の代表的物質の密度 (1 bar における凝縮相のもの ) 。岩波書店『比較惑星学』

より転載。

6.1.2 内部構造の推定方法

内部構造の推定方法の中で、最も多くの情報をもたらすものは

地震波観測

である。惑星を 構成する岩石や鉄は弾性体としての性質を持っているため、惑星のどこかでなんらかの破壊 減少 ( 震源 ) が発生すると、その振動は波として伝播する。その伝播速度は P 波 ( 縦波 ) 、 S 波 ( 横波 ) それぞれについて、

V P =

!"

K + 4 3 µ

#

/ρ , V S =

$

µ/ρ (6.3)

と書くことができる。ここで、 K は体積弾性率、 µ は剛性率である。地震波の速度は、物質

の情報を含んでいることがわかる。また、地震波は光と同様に異なる性質を持つ物質の境界

面で反射屈折を受ける。このため、ある震源で発生した地震波は様々な経路で伝播していく

( 図 6-1) 。実際には地震波の到達時間が観測量であり、そこから波の経路や内部構造の推定が

行われる。このような地震波観測により、薄い

地殻

の下に、岩石の

マントル

、液体鉄の

外核

( 横波が伝播しない ) 、固体鉄の

内核

という地球内部の基本的な構造 ( 後述 ) が明らかにされた。

(4)

地震波観測

6.1.

内部構造論の基礎

69

6-1.

地球内部でのいろいろな破線とその名称。岩波書店『地球科学入門』より転載。

地震波観測が行われた天体は地球と月に限られており、他の天体ではより限られた観測か ら内部構造の推定が行われている。惑星や衛星の観測値としてまず求められるのは、質量

M

である。その周囲をまわる衛星や探査機の軌道から、

(1.12)

式を用いて、

M = 4π

2

G

a

3

T

2

. (6.4)

ここで、

T

は軌道周期、

a

は軌道長半径である。半径

R

は天文観測や探査機の画像解析から 推定されるため、

M

R

から平均密度

ρ

が計算できる。平均密度と表

6-1

の既知の物質の密 度を比較することにより、第

0

近似的な天体の組成を推定することができる。

地球内部の地震波の伝播 (岩波書店『地球科学入門』より) 地震波速度・密度構造 (Spring 8 ウェブサイトより)

岩石の地殻・マントル、金属鉄の外核(液体)・内核(固体) という 地球内部構造が地震波観測から明らかになった

4

(5)

慣性能率・重力場観測

70 第 6 章 惑星内部構造

表 6-2. 岩石惑星・月の内部構造に関する物理量。 Cambridge Press 『 Physics of the Earth 4th Edition 』より転載。

より高次の内部構造の推定では、慣性能率 I を用いる。

I = !

V r 2 dm (6.5)

ここでの r は自転軸からの距離であることに注意。慣性能率 I は天体の質量の中心集中度を 表しており ( 中心の密度が大きいほど I が小さい ) 、天体の形状や重力場などの測地学的観測 データから求めることができる。完全な球形・一様密度の天体の場合、 I/M R 2 = 0.4 となる。

表 6-2 に実際の惑星の慣性能率を示す。月、火星、地球の順に I が 0.4 より小さくなってお り、質量の中心集中度が高いことがわかる。これはコアの存在や、自己重力による惑星深部 の物質の圧縮を示している。

慣性能率(慣性モーメント)

回転させやすさを表す 

物体の質量の中心集中度

70 第 6 章 惑星内部構造

表 6-2. 岩石惑星・月の内部構造に関する物理量。 Cambridge Press 『 Physics of the Earth 4th Edition 』より転載。

より高次の内部構造の推定では、慣性能率 I を用いる。

I = !

V r 2 dm (6.5)

ここでの r は自転軸からの距離であることに注意。慣性能率 I は天体の質量の中心集中度を 表しており ( 中心の密度が大きいほど I が小さい ) 、天体の形状や重力場などの測地学的観測 データから求めることができる。完全な球形・一様密度の天体の場合、 I/M R 2 = 0.4 となる。

表 6-2 に実際の惑星の慣性能率を示す。月、火星、地球の順に I が 0.4 より小さくなってお り、質量の中心集中度が高いことがわかる。これはコアの存在や、自己重力による惑星深部 の物質の圧縮を示している。

密度一定の球体の場合、

Cambridge Press『Physics of the Earth』より

70

6

章 惑星内部構造

6-2.

岩石惑星・月の内部構造に関する物理量。

Cambridge Press

Physics of the Earth 4th Edition

』より転載。

より高次の内部構造の推定では、慣性能率

I

を用いる。

I = !

V

r

2

dm (6.5)

ここでの

r

は自転軸からの距離であることに注意。慣性能率

I

は天体の質量の中心集中度を 表しており

(

中心の密度が大きいほど

I

が小さい

)

、天体の形状や重力場などの測地学的観測 データから求めることができる。完全な球形・一様密度の天体の場合、

I/M R

2

= 0.4

となる。

6-2

に実際の惑星の慣性能率を示す。月、火星、地球の順に

I

0.4

より小さくなってお り、質量の中心集中度が高いことがわかる。これはコアの存在や、自己重力による惑星深部 の物質の圧縮を示している。

• コアの存在 ・圧力による圧縮

r

5

(6)

岩石惑星の内部構造

・小さい慣性能率 ・水星の磁場と火星の岩石残留磁場 

➭  地球同様に分化した内部構造を持つ 

水星と火星は液体の外核を持つ   金星は未知 

➭  各惑星の熱史 (内部温度の時間進化) の複雑性を反映

6

(7)

巨大ガス惑星の内部構造

6.2.

各惑星の内部構造

73

6-2

によると、金星は地球と同様に約

30 %

程度の質量のコアを持っていると推定されて いるが、水星のコアは質量の約

70 %

にも及ぶ。また、火星のコアはやや小さい。このような 違いが惑星形成過程においてどのように生じたかは未知である。

水星にはダイナモ磁場があることから、コアの少なくとも外部は液体であると考えられる。

また、現在の火星はダイナモ磁場はないが、火星の潮汐変形の観測から、コアに液体部分が あることが示されている。地球とサイズの近い金星がダイナモ磁場を持っていない理由はよ くわかっていない。ダイナモ磁場の有無や液体外核の有無は惑星のたどってきた熱史

(

内部の 温度変化の歴史

)

の違いを反映しているが、太陽系の岩石惑星のこれらの観測事実は、小さい 天体ほど早く冷却しているという単純な熱史ではないことを示している。

6.2.3 巨大ガス惑星の内部構造

Jupiter

Molecular H2 (Y~0.23)

Metallic H+ (Y~0.27)

Helium rain

165-170 K 1 bar 6300-6800 K

2 Mbar

15000-21000 K 40 Mbar

Saturn

Molecular H2 (Y~0.20?)

Metallic H+ 0.30?)(Y~

Helium rain

135-145 K 1 bar

5850-6100 K 2 Mbar

8500-10000 K 10 Mbar

Ices + Rocks core ?

6-4.

木星・土星の内部構造の推定。

Elsevier

Treatise on Geophysics, Second Edition

』よ り転載。

巨大惑星においても、質量・半径に加えて慣性能率やより高次の重力場測定によって、内 部構造の推定が行われている。図

6-4

は木星・土星の内部構造の模式図である。惑星形成論 に基づく理論的予想と、重力場の観測から、水素・ヘリウムを主成分とする木星・土星の中 心部には岩石や氷のコアが存在すると考えられている。また、大気中のヘリウム含有量が原 始惑星系円盤のヘリウム含有量よりやや小さいことから、内部でヘリウムの沈殿が起こって いると予想されている。

Elsevier 『Treatise on Geophysics, 2nd Edition』より

※ Y:ヘリウムの質量存在度

重力場測定・形成理論  ➭  高密度のコア(岩石/氷)を示唆 

大気中のヘリウム存在度 < 原始惑星系円盤のヘリウム存在度 (Y=0.28) 

➭  ヘリウムの沈殿 

強力なダイナモ磁場  ➭  金属水素の存在

7

(8)

巨大氷惑星の内部構造

74 第 6 章 惑星内部構造

-2 0 2 4 6 8 10 12

log P [bar]

1 2 3 4 5 6 7

lo g T [K ]

Ju pit er Ju pit er Sa turn Sa turn

Ura nu s, Ne ptune Ura nu s, Ne ptune tune tune Ura nu s, Ne p Ura nu s, Ne p

Gl229 B CoRo

T-15b

HD209458 b HD209458 b

Su n

liquid gas

soli d

solid H

2

molecular

H

+

m eta llic

molecular metallic H atom ic

H

+

Pgas

=Prad

T=T

F

IV IV IV IV I I

III III III

molecular molecular

IIII

?

?

plasma

図 6-5. 水素の相図。 Elsevier 『 Treatise on Geophysics, Second Edition 』より転載。

巨大ガス惑星の内部構造の特徴として、金属水素相の存在が挙げられる ( 図 6-5) 。巨大惑星 内部の高密度領域では、電子のエネルギーがイオン化エネルギーを上回り、水素原子は電離 した状態にある。電子は金属中の自由電子のように振る舞う。この金属水素相は木星・土星 の強力なダイナモ磁場の起源となっている。

6.2.4 巨大氷惑星の内部構造

Uranus

~75 K 1 bar

~2000 K 0.1 Mbar

6000~6500 K

~8 Mbar

Neptune

~70 K 1 bar

~2000 K 0.1 Mbar

5000~5500 K 10~16 Mbar Molecular H2

Helium + Ices

Mixed with hydrogen?Ices Mixed with rocks?

Rocks?

図 6-6. 天王星・海王星の内部構造の推定。 Elsevier 『 Treatise on Geophysics, Second Edition 』 より転載。

Elsevier 『Treatise on Geophysics, 2nd Edition』より

木星・土星と比較して観測データが少ない  水素ヘリウム層の下に氷の層 

高圧氷はスーパーアイオニック相(水素イオンが自由電子的に振る舞う) になっていると考えられている

8

(9)

まとめ

内部構造の推定方法:地震波、慣性能率、磁場 

慣性能率が0.4より小さいほど、中心に質量が集中 

地球の内部構造:地殻・マントル・外核・内核に分化  他の岩石惑星も同様に分化している 

巨大ガス惑星:分子水素/ヘリウム・金属水素・岩石/氷コア 

巨大氷惑星:分子水素/ヘリウム・氷(スーパーアイオニック相)・コア

9

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