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様式第2号 究 助 成 費 実 績 報 告 書 平成27年 3 月30日

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様式第2号

平成26年度 独 創 的 研 究 助 成 費 実 績 報 告 書

平成27年 3 月30日 申 請 者 学科名 保健福祉学部看護学科 職 名 准教授 氏 名 荻 あや子 印 調査研究課題 胃切除術後に在宅で療養を支える患者家族の病体験

交 付 決 定 額 100(千円)

調査研究組織

氏 名 所属・職 専門分野 役割分担

荻 あや子 看護学科・准教授 基礎看護学 研究総括, 文献検討, デー タ収集, 分析・解釈

岡山 加奈 看護学科・准教授 基礎看護学 分析・解釈

調査研究実績 の概要○○○

【目的】

医療技術の進歩は,高齢者の手術療法を可能にし,外科的治療への成功率や信頼性を拡大 させている.その一方,胃がんで胃切除術を受けた患者は長期にわたり病と向き合い,再発や 転移の不安,内臓感覚に悩まされている.また,手術前の生き方や価値観の見直しを迫られる ため,家族の役割が重要になる(荻,2007). しかし近年,高度で多忙な看護業務のために, 看護者は患者の看護問題を議論しても,家族の苦悩に目を向けたり声をかけたりすることが 少ないのではないだろうか.研究者自身が家族の立場になり抱いた疑問でもある.そこで,手 術後,家族はどのように患者を支えているのか,患者とともにあり患者を支える家族の存在 とはどのようなものであるのかについて家族の経験を明らかにする.先行研究では,化学療 法を受ける消化器がん患者の家族が経験する困難に関する研究(二井谷ほか,2007:水野ほ か,2005)や,患者や家族の社会復帰を促進するための効果的な看護援助を検討した研究

(浅野ほか,2008),胃切除術を受けて退院後 1 ヶ月までの妻の食の取り組み(北川ほ か,2006)を明らかにした研究はある.しかし,手術後長期にわたり患者の病に家族がどのよ うに向き合っているのかに焦点をあてて研究したものは見当たらない.そこで,胃がんで胃 切除術を受け,長期にわたり在宅で生活をする患者家族は,患者の病をどのように経験して いるのかについて明らかにする.在宅において患者と家族の安楽な生活を実現するために, 看護者は家族に対してどのような支援を行う必要があるのか,患者と家族が生活の質を向上 するための援助を見出す一助にする.

【方法】

研究デザインは質的記述的研究,総合病院で胃がんのために胃切除術を受け,手術後12年 を経過する患者家族2名に対して,平成27年2月に半構成的面接を実施した. 家族は,現在の 日常生活をどのように経験しているのか,食べることをどのように経験しているのか,病に どのように向き合っているのかなどについて家族の語りを記述した.研究参加者には,研究 の概要を説明し同意を得たうえで面接内容を録音した. 面接時間は約100分/回で,終了後,

次頁に続く

(2)

調査研究実績 の概要○○○

直ちに逐語録を作成した.分析は逐語録を何度も読みとり,参加者の語りを忠実に解釈し た.倫理的には,所属機関の倫理委員会で承認後実施した. データは個人が特定されないよ うに配慮し,保管と取り扱いを保証した.

【結果および考察】

研究参加者は,A氏80歳代とその妻70歳代,B氏80歳代とその妻70歳代である.患者は早期 胃がん,術式は幽門側胃切除術およびリンパ節郭清術を行い,定期的に外来受診を行ってい る.本報告書は,紙面の関係で,家族が現在,患者に対して注意深くかかわっている食生活に ついて述べる.

A氏とB氏の妻は,患者と二人暮らしであり,70歳代と高齢であるが,現在も食生活の支援 を継続していた.食生活で共通している点は【薄味になるように塩分の調整を行う】こと である.A氏の妻は「今日の味噌汁は辛いとか,味が薄いとか(言われます)・・でも,自分で も薄くなったなと思います.1カップ半くらいのお味噌汁・・・少なく作るのはやはり大変,

(省略).なかに入れる具の関係でも(味が)違うでしょ.(略)」と語り, 朝昼夕の毎回 2食分という少量の調理をする際の,薄味の味付けの難しさを語っている.また「(料理 は)あんまりお塩を使わないと美味しくない.(お塩)を振っても少し20~30分前にやっ ておいて,できるだけお醤油をつけないように・・・」と, 少ない塩分で調理を工夫すること によって少しでも食事が美味しく食べられるように,また料理がマンネリ化しないように 努めていることが分かる.

A氏の妻は,毎回,食事メニューを考え,食材を近くのスーパーに買い出しに出かけ,料理 を作っている.また,B氏の妻は,事前に献立のメニューとその食材を業者から購入し,不足 の食材を近くのスーパーで買い求め,食事を作っている.特に,A氏の妻は「(A氏は)外で 買っていた惣菜は口に合わないらしい」と語り,患者は妻が作る家庭の味を求めているこ とが分かる.そのために妻は,できるだけ手作りの料理が出せるよういろいろ工夫している と言える.また,妻は市販の料理では,比較的味が濃い物が多く,油物では油の鮮度が落ちる ことで,胃切除術後の残胃や健康状態に問題が生じることを気にしている.自宅では妻が食 材を確認して,手料理を作っており,【手料理は安全性が最も高い】ために,今もできる限 り患者のために料理を続けていると考えられる.

また,A氏やB氏の妻は,専業主婦として胃切除術前より患者の食生活を支えている.今 回,A氏の妻は「きんぴらは食べます.煮物は食べない.いろいろな野菜が入っている,里芋 とか煮た物は食べてくれない.(A氏は)じゃがいもが苦手,にんじんは好きで食べるので コロコロに切ったのをお皿に入れてあげます」と話している.妻は,栄養的な側面を考慮し て調理しているが,患者の好き嫌いを克服することまでは難しい.また,B氏の妻は「朝食は パン食で昼食は麺類を取り入れ,3時におやつ,夕食は米飯にしています」と語り,患者の食 事形態の好みをできる限り取り入れている.妻は,必要な食材や栄養素が体内に取り入れら れるよう,また少しでも患者が【好みの食物が取り入れられる】ように,1回量を一口でも 多く,栄養価の高い食物を摂取できる工夫をしていることが分かる.

患者は,胃切除術や加齢現象によって,食事摂取量が減少することに対して「仕方ない」

こととして受け止める一方,家族にとっては,少しでも手術前の状態を取り戻すことができ るよう支援している.家族は,患者が食生活に満足感が得られるように,食への援助を継続 していることが明らかになった.

成果資料目録

Referensi

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