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溶液中のアルカリ金属イオン

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(1)

溶液中のアルカリ金属イオン*

ー そ の 化 学 結 合 カ ・ 平 衡 ・ 反 応 速 度

北條正司**

1. はじめに まず始めに、非水溶媒中の水の影響

水溶液中では、比較的低濃度のアル について考慮しておく。アセトニトリ カリ金属やアルカリ土類金属塩は「無 ル (MeCN) 等の非水溶媒中には、脱水 関係塩」とみなされることが多い。「無 後も必然的に少量の水(〜数m M ) 関係塩」の効果は、イオン間の静電相 含まれている。このため、通常取り扱 互作用に基づく Debye‑Hi.icke]の理論ま う非水溶媒の性質は、「完全脱水」溶媒 たはその拡張理論等を用いて評価する のそれとは大きくかけ離れているので

ことができる。しかしながら、非水溶 液中では、アルカリ金属またはアルカ リ土類金属塩が、化学反応に直接関与 することが次第に明らかにな ってきた。

低誘電率 (E,< 10) 溶媒中では、 1 :  1   型電解質はイオン対に加えて、高次の

はないかと言う疑念がいつもつきま とっている。しかし、微量の水(残余 水)の存在は、溶存する化学種の化学 平衡・反応速度に対して、特殊な場合 を除き、大きな影響を及ぼさないと考 えられる。その根拠を次に示す。バル イオン会合をすることが、古くから認 ク水は水素結合のネットワークにより められてきた。逆に、高誘電率 (g>lo) 高度に構造化している。 一般に知られ 溶液中では、静電相互作用が小さくな ている水の特性は、バルク水(集団)に るため、高次イオン会合は起こりにく 由来するものである。バルク水はかな いとされているが、イオン間に水素結 り「強い 」酸として、また、かなり「強 合、配位結合等の化学的相互作用が働 い」塩基としても作用できる 。 しかし き得る場合には、高誘電率媒体中 (20 ながら、「孤立した」水分子は他の水分

<  £, <  65) でさえ、「三重イオン」等の 子との相互作用がない、または、他の

高次イオン会合が起こり得るのである。 水分子からの補助がないために、バル 本稿では、これらの化学的相互作用に ク水とはかなり異なる性質を示すと考 基づいて、非水溶媒または水混合溶媒 えられる 。気相中でも水の多量体が存 中における各種の化学平衡及び反応速 在する [l] ことから考察すると、水の 度に及ぼす濃厚塩効果が定量的かつ包 完全な孤立分子状態は、高温で低密度 括的に説明できることを示したい。ま の水蒸気によってのみ達成されるかも た、濃厚塩添加による水の構造の変化 知れない。

についても論証する。 「孤立した」水 (HO) の酸性度また

*第 121 回京都化学者クラブ例会 「200071日」講演

**高知大学理学部 780‑8520 高知市曙町2丁目 5‑1 :  e‑[email protected]‑u.ac.jp>  

(94)  海 洋 化 学 研 究 第13巻第2号 平 成1210

(2)

は塩基性度とジエチルエーテル (Et20) に至るまでに細心の注意が必要である。

やメタノール (MeOH) のそれとの間に

は、大きな相違を見出しにくい。例え 2. アザクラウンエーテルとアルカリ ば、ジクロロエタン中に分散した低濃 金属イオン間の相互作用

度の水 ( l m M ) の化学反応熱に基づ

く水のドナー数は 18.0 とされており [2]、この値はEt20 またはM e O H のド ナ ー 数 と ほ と ん ど 同 じ で あ る 。

Gutmann [2] は、バルクの溶媒として

は異常なエントロピー効果をもつ水さ

アルカリ金属イオンの錯形成能力は、

遷移金属イオンのそれよりもはるかに 小さく、希薄な水溶液では、ほとんど 認められないとされる。しかし、水溶 液中では、アルカリ金属イオンは、既 に、水分子による錯形成、すなわち、水 えも、ジクロロエタン中に希薄溶液と 和を受けていることを念頭に置かなく して存在するときには、(構造性がな てはならない。クラウンエーテルをは い、または構造性に乏しい)他の溶媒 じめとする大環状化合物とアルカリ金 と直線関係に良く乗ることは注目すべ 属イオンとの相互作用「錯形成」は、

きことであると述べている。水素結合 様々の手法により広範に研究されてい

(相互作用)によらない本来の単独水分 る [4]。

子の酸性度は、バルク水から類推され アザクラウンエーテル類は、 M e C N中 るものより、極端に小さい。水の0‑H でポーラログラフ法の水銀溶出波を与え 結合エネルギーは 458.9 kJ  [3] であり、 るが、アルカリ金属等のルイス酸の共存 メタンのC‑H結合エネルギー 410.5 kJ  によって、陽極波の半波電位E112が正電 [3] よりも大きく、簡単には解離できな 位側にシフトする (Fig. 1) 。この正側へ

いのである。 の電位シフトを利用して、各種のアザ

以上の議論を要約すると、非水溶媒 クラウンエーテル類とアルカリ金属イ 中に分散して存在する微量の残余水は、 オン等との錯生成定数を求めた [5]。ま バルク水とは異なり、大きなクラス た、同様にして、鎖状のポリアミン類 ターを形成することができないため、 とアルカリ金属イオンとの相互作用の その酸性度及び塩基性度は共に極めて 大きさを見積もった [6]。

小さい。言い換えると、非水溶媒中の 水は、その濃度が十分に低いときには、

同濃度の恥0 と同程度の効果しか及ぼ さないと考えられる。しかしながら、

強力なルイス酸(A 杯等)が存在すると きには、「孤立した」水分子との直接的 な反応が十分あり得る。純非水溶媒を 扱う研究においては、溶媒の脱水、使 用するガラス容器の乾燥、試薬の付着 水または結晶水の除去及び大気の湿度

Transactions of T h e  Research Institute of 

Oceanochenlistry Vol.13, N o.2, October..  21NMI  (95) 

ついでながら、モリブドリン酸等の ポリ酸中では、多数の酸素原子が規則 的に配列しており、クラウンエーテル と比肩できるかも知れない。本著者ら [7] は、無水M e C N中における数種のポ リ酸のC V還元波に及ぼす各種ブレン ステッド酸、リチウム及びナトリウム イオンの効果を調べた。最近、姫野ら [8] は、同溶媒及びアセトン (Me2CO) 中で同様の結果を提示した。なお、ポ

(3)

.   1  

l  

o  I - l

3

4 

5

>

l.OμA T   l. 

0.2  0   ‑ 0.5  

(Evs. Ag/ Ag+) / V  

/, o  ‑‑‑Li+ 

C H  3   C  0   

0 ‑ ‑‑Li・ 

Fig.1  D.c. polarograms of 0.30 m m o l  dm・3  cyptand [2.21  in acetonitrile containing  various supporting electrolytes  (all 0.1 M ) .   (I) base  current of Et4N C10 4.  (2)  N a C10 4.  (3)  LiCI0 4.  (4)  B u3N H C 104.  (5)  E t4NC 10 4.  (6)  Bu4NCI04. 

さらに、 R C O Oに対し、多量の共役酸

(HA) を添加すると、 1個の アニオ ンに 2分 子 の 酸 が 結 合 し た 、 ホ モ 共 役 種

[ R C O O  (HA) 」が生成することを確認

した (Sch e me 1)。「逆配位」種の生成の

可能性は、 Murray [1 21 及び板橋

l

131

~, 0-‑ ‑ H A   C H3  C 、◎

0 ‑‑‑ H A  

リ酸の電気化学的挙動に つい ては、優 れた総説がある [9│ 。

3. アルカリ金属イオンに関する配位 と「逆配位」

~- 0 ‑‑‑H A   C H  3   C

\‘ 0 • ‑‑‑Li+ 

(I) 

(I I) 

(II I) 

S c h e m e  1  

よ って示唆されていた 。「逆配位」種の 生成は、紫外 ・可視吸収ス ペク トル法 によ っても明 らかにな った

I

14│ 。 ピリ

ジン中の Li+イオン共存下におけるカ ルボン酸類の「水平化効果」は、単な

M e C N中で、 Li+,N a+, Iぐに対して、安 るイオン交換反応[15] ではなく、「逆

息香酸イオン ( P h C O O ) は、 2個配位 配位」種R C O O‑ (Li+)  2の生成によ って し、安定な錯体を生成すことを、通常 定量的に説明できた

I

16] 。

の ポ ー ラ ロ グ ラ フ 法 に よ り 見 出 し た [10│。また、 Li+に対し、 C l (Et4NCI) を 多量に添加すると、 Li+の還元波の半波 電位は負側にシフトするが、この負側 へのシフトを解析し、 Li+ (Cl一八 (n= 1  

4) の 生 成 定 数 を 求 め た [1  1  

I

。 逆に、

C H3c o o‑,  P h C O O‑に対し多量の Li+ま たはNがを共存させることにより、イ オン対に加え、「逆配位」種 R C O O ( M+)  zが生成することを提案した [10]

4. 導電率法による三重イオン生成

導電率法 (conductometry) は、イオ

ン種の輸送現象に基づき、溶液中の化 学種の存在状態や存在量(濃度)を調 べる方法である[17]。導電率法による 情報は、ある濃度に伴う導電率だ けで あり、大変限られたものであるが、相 当広い濃度範囲に渡って、極めて高精 度のデータが得ら れるため、溶液中 の

(96)  海 洋 化 学 研 究 第13巻第2号 平 成1210

(4)

イオンの溶存状態を厳密に規定するこ とが可能となる。通常の電気伝導度理 論または解析法は、電解質が(1) 完全 解離するか、または (2) 会合するがそ れ以外の高次の反応は起こらないこと を前提にしている。この前提条件は、

希薄水溶液等については、ほぼ問題が ないと思われる。しかしながら、 ①溶 媒の誘電率が小さくなる、 ②溶媒和力 が弱くなる、 ③電解質濃度が高くなる、

等によって、溶液中のイオンはイオン

対 (1 :  1) を生成する他に、高次のイオ

ン会合を起こすことがあり得ると思わ れる。

① の場合: FuossとKraus [18] は静電 的な相互作用を考慮しながら、誘電率

が低い (E,<  23.2) 溶媒中ではイオン対

とイオンとの反応、つまり静電的な三 重イオンの生成が起こり得るとしてい る。特に、誘電率が10以下では、導電 率曲線上に極小が生じる場合があり、

この現象が「三重イオ ン生成」発見の 端緒となった。極小の出現を他の原因 に求めるなど [19│ 、異論は残っている ものの、低誘電率媒体中の高次イオン 会合は広く受け入れられている。

最近、 T H F等の低誘電率溶媒中 (Cr <  

10) で極小が生じる塩濃度 (cmi』と 三重 イオン生成定数との間の直線性が、初 めて、実証された [20] 。この直線関係 は、理論的には古くから予想されてい たものである [21] が、このように長期 間、理論的予測が実証されずに残され ていたのは、最も基本的な塩と見なさ れるLiC]等が低誘電率媒体中で、 三重 イオン生成反応に加えて、大きな四重 極子生成(イオン対の二量化)反応を

示すために、導電率 曲線上に極小が生 じない l20] こと等が原因と思われる 。

② の場合:溶媒和力が小さい溶媒、

特に、水素結合の受容性及び供与性が 共に極めて弱い疎プロトン性非プロト

ン溶媒中では、その誘電率が高くても (20 <  £,  <  65) 、1 :  1 型電解質か らイオ ン対 ( M X ) を越えて、 三 重 イ オ ン ( M

+, M X2) 及び四重極子 ( M

2)が

生成する 122│。M e CN 中で、 Li+P M B P・

(lithium l‑phenyl‑3‑methyl‑4‑benzoyl‑5‑

pyrazolonate 

電率曲線上に極小を観測し、これらの モル導電率 (A) を、三重イオンを含む 高次イオン会合によって定量的に説明 した [23]。また、 Li+に対する4配位錯 体Li+(L) 2及び逆配位化学種 (Li

L の

生成を、それぞれ、 7Li ‑ N M R  (Fig.  2参 照)及び紫外・可視吸収スペクトル法に よって確認した。

③ 常温・常圧の水溶液であ っても、

濃厚溶液(例えば 8 M以上)中で、溶 存するイオンを水和するための水分子 の数が不足するような状態であれば、

0 

<fl 

(

Ed d) 9

・ 公

 

c  

[n‑Bu4NX] /  I  [L「]mole ratio 

Fig.2  Chemical shift of 7Li as a  function of  [n‑Bu4NX] /  [LiC104]  mole ratio, 0.01 M   LiCI04 in  CD3CN:  (0 )  X=PBI; (▲) 

X=PMBP;(△)X=PMTFP. 

Tr•nsrlions of The Research  lnslilule of 

Oceanocbemistry  Vol. lJ.  No.2.  Octobe..2(NHI (97) 

(5)

溶媒和の束縛から解放される部位がイ 6. M+またはM吋こよる「共有結合」の オンに生じ、そのため、静電的相互作 切断

用に加えて、イオン間の「共有結合・

配位結合」等によるイオン会合が起こ る可能性があると思われる(第7節参 照)。

5. 指示薬酸性度に及ぽす塩効果 M e C N 中で、 トロポロン(C

0川)

とトリエチルアミン (Et3N) 間のプロト ン移動反応 [24] は、共存するアルカリ 金属およびアルカリ土類金属イオンに よって、大きく促進された (eq.1 参 照)。 一方、 Et4NCIの添加によって、"フ

リー"のトロポロンイオンが生成した (eq. 2)。Li+と結合したトロポロンイオ

ンはフリーのそれより短波長側に吸収 バンドを与えた。

C

0 2H‑NEt3+  2  Li •

溶液中のカルボカチオンの安定化の 問題は、有機反応機構、特に、ソルボ リシスにおけるSNl 及 びSN2反応を考 察する上で、大変重要である。いくつ か の 溶 媒 、 例 え ば 、

s

O  2 中で、

triphenylmethyl chloride  (trityl chloride,  

CCI) はイオン化するが、 M e C N中で

は 、 ほ と ん ど イ オ ン 化 し て い な い 。 HgC12,  AICl3及 びSnC14等の金属塩化物

を添加すると、 ト リ チ ル カ チ オ ン

(Ph3c+)が定量的に生成することが知ら

れている [27] :  Ph3CCI +  MC!lll

Ph3C +

+  [MCl111) 。M e C N中で、 Ph3C X (X= 

Cl,  Br) にMCI04 (M =  Li+,  N a+) 及び M  (Cl04)  2  (M =  M g互Ca互Sr2+, Ba2+) を 添加すると、 Ph3C+が生成することを、

紫外・可視吸収スペクトルにより見出 した (Scheme 2)。4‑MeO‑置換したトリ

C

0 2・ (Li•) 2  +  Et3NH・  (1)  チルクロリド (4‑MeOC H )  Ph  CCl  (n 6   4  n    3,1

=  1 3) に上記の金属過塩素酸塩を添

C

O ZH‑NEt3+  2  Cl  加すると、相当するトリチルカチオン

C

0 2 +  Et3N H・ (Cl) 2   (2)  が生成したが、これらの反応は旧及び 各種のニトロフェノール類とアミン

またはピリジン塩甚との間のプロトン 移動も同様して、説明された l25]。ま た、 M e C N中で、"メチルイエロー "[4‑

(dimethylamino) azobenzene] を用いた指 示薬酸性度(またはHammettの酸度関 数eq.3) に及ぼす塩効果は、 M +M 2+ま たはClが直接関与する化学的相互作用 によって解明された [26] 。

H

= p K [  lnctH・]  ‑ log ([IndH•] /  [Ind]) 

(3) 

(98) 

13C  N M Rにおけるケミカルシフトの変

+  2  LI ・ 令

` 

(Li•), X  

+  M  2令→

` 

M X '  

Scheme 2  

海 洋 化 学 研 究 蒙13巻第2号 平 成1210

(6)

化よ っても確認でき、さらに過塩素酸 トリチル類の合成に利用された [28]。

ところで、比較的高濃度の塩化トリ チル類に金属イオンを添加すると Li+

及びM 囮を除く全ての金属イオンにつ いて、沈殿が生じた。ここで、 Ba2+から の沈殿は、 BaC¥2ではなく、 BaCJ+C¥04

(溶解度ca.2.0 x  1炉 M a t 25℃in MeCN)  であることが、組成分析、 IR, X 線粉末 法及び熱分析法によ って確認された [29]。

ローダミンB (この場合HCIフリー)

にM C I 04及びM (CIO山を添加すると、

溶液内反応により、分子内y―ラクトン

環 (C‑0) が切断されることが分かっ

た。 クリスタルバイオレット・ラクト ンの開環に対しては、 M gz+のみ有効で あった [28a] 。金属イオン添加による フェノールレッド、ブロモチモールブ ルー等のsulfonephthalein系指示薬の発

プロトンによるものであると結論した [30]。

7. ノルボリシス反応速度に及ぽす濃 厚塩効果

M e O H

0 混合溶媒中において、

adamantyl bromide及びt‑butyl chloride等 の典型的な SNl基質に高濃度のLiCI04 を共存させると、擬一次反応速度が指 数関数的に増加した [31]。Nずの効果 は、 Li+のそれより小さかったが、 M gZ+

及びBa2+の効果はより大きか った。 こ れら金属イオンの効果は、濃厚塩共存 による溶媒構造の変化 (Scheme 3参照)

及びその中におけるハロゲン化物イオ ンと金属イオン間の化学的相互作用に よって説明された。isopropyl bromideお よびbenzyl chloride 等のSNl ‑SN2中間 基質に対しては、金属イオン添加によ る速度上昇は、見かけ上、ほとんど観 測されなか った。逆に、 ethyl bromide のSN2基質のソルボリシス反応速度は、

金 属 イ オ ン添 加 に よ り 低 下 し た 。 M e2C O

0 [32]、ジオキサンー凡0

[33]、及びM e C N ‑ H p溶媒系について も同様の結果が得られた。

Bulk Water  Concentrated Salt Solution 

メ 、

H   H  

、, ' 、

O'  

/   \ 

/ \ 

,  H  

H り

H

9 9 ,  

O'   

/   \ 

/ 氏 戸 ヽ /

H   H  H   H  H   H  H   H  

molecules er 

alt

 

s  

 

"O 

 

H  Scheme 3  

H  / 

\ R  Salt 

R

/叉

Alternation of the bulk water to isolated water molecules. 

Tansactions of The Reseach Institute of 

Oceanochenlistry Vol.13、No.2,October..  200(1  (99) 

(7)

置 換benzyl halides  (chlorides and 

bromides) の加溶媒分解速度について、

ハメット則におけるcr値(または6十値)

とlog (k凡)との間に相関があるのは

当然であるが、さらに、 I.OM LiCI04 添加することによる反応速度の変化log (K1/k。) との間にも相関性があることを 見出した (Fig.3)  (33]。水に対して、多 量の塩を添加することによる水のクラ スター構造の変化については、次節で 詳しく述べることにする。

0,4  0.3  21

 

..  

00  

(Oyl- 4)60-

 

‑0.1 

‑0.2  ̲  

‑0.4  ‑0.2  0 .  0.2  0.4  a+• Values 

0.6   0.8 

Fig.3  T h e  relationship between the cr+ 

value in the Hammett equation and the in‑

crease in log k  caused by the adddition of  1.0 

M  

LiCl04 for substituted benzyl halides: 

(1)  4‑Me; (2) 4  ‑ (tert‑Bu); (3)  3‑Me; (4)  unsubstituted (H); (5)  4‑CI; (6)  3‑CI; (7)  4‑CN ;  (8)  4‑N02. The open and solid sym‑

bols represent the benzyl chlorides and  benzyl bromides, respectively. 

させると、イオンの周りに 3種類の異 なる領域が生成すると考えられる。即 ち、 A 領域:水分子が固定された領域、

B領域:水の構造が破壊された領域、 C 領域:正常な構造をもつ領域(バルク 水)である (Scheme4参照)。例えば、

Li+イオンはB領域よりもA領域の発達 を促すので、構造形成的なイオンに分 類される。逆に、 Cs+によるA領域の発 達は小さく、 Cゞは構造破壊的イオンで ある。この議論は、希薄溶液または比 較的低濃度の塩溶液について適用でき る。本著者らは、 H 20 または H 20 混合 溶媒中に、極めて高濃度の塩が存在す ると、 C 領域が縮小ないし消滅すると 示唆してきた [31] 。このような極端な 条件下では、上記のモデルにおける B 領域(水の構造が破壊された領域)だ けが有効な溶媒機能を有すると考えら れる。ここでは、水溶媒の性質が変質 し、「擬似アルコール」さらには「擬似 エーテル」即ち、本著者らの命名によ る「二水素エーテル」 ([RI[H]‑0‑[H] [Rl) 

. 

8. 濃厚塩添加による水構造の変化と

「二水素エーテル」の生成

まず、 FrankとW e n [34] によって提 案された、イオン近傍の水の構造につ いて説明しておきたい。水に塩を溶解

(100) 

A : 水分子の固定された領域 8 : 水の構造が破壊された領域

C: 正常な構造をもつ領域

Scheme 4  イオン近傍の水の構造

海 洋 化 学 研 究 蒙13巻第2号 平 成1210

(8)

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ー 及 ル

2800  2600  2400  2200 

Wavenumber/ cm‑I 

2400 C面付近のバンド強度が減少する

替わりに、 2500 Cffi"1 あたりのバンドが 増大することを、 Scherer ら [36] は報 告している。これらのバンドは、

D p

分子の対称的な(または両方の)水素 結合「錯体」 (2400 c mりと片方だけの 水素結合「錯体」 (2500cmりによるO D 伸縮振動に起因しているとされた 。い ずれにしても、温度上昇による液体 0 20 の水素結合の(部分的)破壊は

2500 c m・1付近のバンド強度の増大を促

進するのである。従って、本研究にお ける恥NBr濃度増加によるスペクトル Fig.4  The Raman spectra of0 contain の変化は、水素結合の切断に起因する ing various amounts of Et4NBr at room  と結論できる 。濃厚塩共存による水素 temperature:(― )  nosalt; (‑ ‑ ‑ ) R=20; 結合の切断により、 D 20 の大きなクラ ( ‑‑)  R=10;(‑ ‑)   ‑)R=3.75 

スターは、より小さなクラスターヘと where R= [Dpl /  [Et4NBr]. 

変化すると考えられる。

とこ ろで、 Brink とFalk [371 は、

28℃における異なる濃度のNaCI04及 びM g (Cl04) 2水溶液中のH O Oの (IR スペクトルにおける)O D伸縮振動吸収 帯を報告している。塩が共存していな い場合の2500 Cffi"1の吸収帯(水素結合 したH O OのO D伸縮)は塩濃度の増加 に伴い、高波数帯 (ca. 2620‑2630 c m

に変化していった。この観測結果に対 して、 Verrall [38] は「高波数側の吸収 帯はCl04イオンによる水素結合の破壊 によるものであり、温度上昇によるス ペクトル変化と類似している。」のよう にコメントしている。

四級アンモニウムイオン (R4N+) は、 その「疎水的効果」により、イオン径 から期待されるよりも大きな構造形成 的性質を示すと考えられている。しか しながら、水和部分 ( A領域)ではな 133]となっていると考えることができ

る。

Fig. 4は、室温における種々の濃度の

恥NBrを含むD 20 のラマンス ペク トル を示す。塩に対する水の量 (R=

IDPI 

I  

[塩」)が減少するにつれて、 2390cm1の バンドの強度が低下しながら、 2510

c m ・1付近のバンドが増大した 。液体

D 20 のO D伸縮振動によるラマンスペ クトルはca. 2200 c m・1か ら2800 c m  1に 広が っており、そのピークはca.2510  cm・1である ことが報告されている [35]。 本研究における恥NBrのR = 20におけ るラマンスペクトルは、吉村と管野 [35] よって観測されたD 20 中Et4NC]の R  =  16 におけ るラマンスペクトルに良 く似ている。 ‑l0 90℃の液体D 20 のラ マンスペクトルは、温度の上昇に伴い、

Transactions  of The Res,rch Institute of  

Oreanochemlstry Vol.13.  No.2. October..  2000  (101) 

(9)

Pa suIm mm3a

2800 

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・・i>"

 

'  

 

 

(I  

.. 

1  

.. 

、 こ

2200  2600 .   2400 

Wavenumber/ cm‑1 

Fig.5  T h e  R a m a n  spectra of D 20  contain‑

ing various a m o u n t s  of LiBr at  r o o m   temperature :  (‑ )  no salt; (‑ ‑ ‑)  R=20; 

(‑‑‑‑‑)  R=10;(‑ ‑ ‑ )  R=S;(‑‑‑‑ )  R=3.75  where R =  IDPl /  [LiBr]. 

く、溶媒部分 (B及びC 領域)を観測す るためには、 Et4NBrは最適な塩の一つ であると思われる。なぜなら、水溶液

ともに、強い水和を受けることがない 上に、水に対する溶解度が室温でも非 常に大きいからである。 Verrall [38] も

また、構造効果と関連づけるには、

N B r類は適当な塩であると述べてい

る。ここで、 D 20H 20 よりもより構 造性の高い液体であること [39] を認め ながらも、上記のD 20 についての議論 は、そのまま H 20 及びH 20 混合溶媒に

も適用できる と思われる。

濃厚なLiBrを含むD 20 のラマンスペ クトルは、 塩濃度 の増加に伴い、 ca.

2390 C面に替わり、 2530 C面 付 近 の バ ン ドの大きな増加をもたらした (F ig.

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3800  3600  3400  3200  3000  Wavenumber/ c m‑1   2800  Fig.6  T h e  R a m a n  spectraum of the sea  water from ca.330 m  depth, Muroto, Kochi,  Japan (sampled o n  Dec. 1,  1999). 

5)。LiBr塩の場合には、ラマンバ ン ド 中に、バルク水からシグナルに加えて Li+に対する水和効果が含まれているは ずである 。Et4N+の場合 ( 2 5 1 0 c mりと は波数が幾分異なっているのは、 Li+に 対する強い水和が関係しているためで あると思われる。

室温における「室戸海洋深層水」の ラマンスペクトルを Fig.6 に示した 。 3400 Cffi"1及びca. 3250 c m  1に2つのラ マンバンドが観測された。室温におけ る純水 のラマンバンドと比較すると、

深層水の場合、明らかに、低波数バ ン ドに対する高波数バンドの相対強度が 高くなっている。 Schererら [36] のラ マンデータを参照して考察した結果、

室温の深層水中のバルク水の水素結合 状態は、 50℃以上に 加温した純水のそ (102)  海 洋 化 学 研 究 第13巻第2号 平 成1210

(10)

れに匹敵すると推定された。言い換え ると、室温の深層水の性質は、 50℃以

り、それが顕在化する場合があると言 う考えのもとに研究を進めた。このよ 上に加温した純水と同じであると言え うにして、これまでは「異常現象」と る。「室戸海洋深層水」が持つ特異機能 して取り扱われてきた共存塩による溶 の多くは、高濃度の塩分に基づいてい 液内平衡及び反応速度の変動が、統一 ると思われる。しかし 、ここで、さら 的に解釈できるようになった。しかし、

に、溶解した塩類によってバルク水が 本概念は、アルカリ金属イオン等に対

「擬似アル コール」ないし「擬似エーテ する一般認識とは相容れない部分を含 ル」の性質に変化していると考えると、 んでいるかも知れない。「溶液中のアル 複雑な「海水中の化学平衡・反応」が カリ金属イオン等の化学結合力」が広 比較簡単に説明できるようになると提 く一般に受け入れられるためには、な

案する。 お一層の研究の進展が必要であろう。

このように、常温・常圧でも濃厚塩

の存在により、凡0 そのものの特性が 筆者は「室戸海洋深層水」の機能解 変化し、溶媒機能がもとの「水」のそ 明に関する研究に係わっている。溶解 れとはかけ離れたものになってしまう した塩類によって、バルク水が「擬似 ようである。ところで、高温・高圧の アルコール」ないし 「擬似エーテル」に 超臨界状態では、水の水素結合はほと 改質されていると考えると、海水中の んど切れているとされた I40]。しかし、 特異な化学現象が比較的簡単に説明で 気相中の水分子でさえ 二量体以上の多 きることを提案している。本稿が、分 量体を生成することができるのである 析化学、溶液内反応化学及び海洋化学 から Il]、低圧の気相に比べると密度が の研究発展の一助にでもなれば幸いで 著しく高い超臨界水中では、水素結合 ある。

が残存すると考える方が自然であろう と思われる。超臨界水において、高濃 度のNaClか らのイオン多重体生成が示 唆されている

I

41]。溶液中における希 薄な、または、比較的低濃度のイオン と溶媒間の相互作用の取り扱いについ ては、本誌にも詳しい報文 [42] が掲載 されていることを付記しておく。

9. おわりに

溶液中において化学反応性がほとん どないとされてきた アルカリ金属イオ ン等には、実は、化学反応に直接関与 する程強い「錯形成力 」が潜在してお

Transactions or The Research Institute or 

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