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現代の若者の社会適応方法に関する考察

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Academic year: 2025

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卒業論文

現代の若者の社会適応方法に関する考察

平成20年度入学

九州大学 文学部 人文学科 人間科学コース 社会学・地域福祉社会学専門分野

平成24年1月提出

(2)

要約

本論文は、大学の運動系部活動に所属する学生を対象とした調査をもとに、現代の若者 がどのような特徴を持っているのか、また現代の社会に適応するためにどのような方法を とっているのかを探り、これから社会に出ていく若者がどう行動していくべきかについて 考察することを目的としている。

第1章では、若者論の先行研究を通して、現代の若者が世間からどのような存在として 捉えられているのかを考察している。目立った若者の言動から若者について述べる若者印 象論では、若者の人間関係の希薄化や自己中心性が指摘され、量的調査をもとにした若者 データ論では大人の期待に応えたい社会規範意識・自己意識の高い若者の姿が指摘されて いた。共通していたのは、若者の持つ意識や性質、特に人間関係については大きく変化し ているということを述べている点であったが、中でも人間関係を中心とした若者の二極化 を指摘している点に興味を覚えた。

第2章では、若者の中から対象を大学生に絞り、先行研究を見ていく。キャンパスライ フの変遷からは大学生の遊び文化の衰退と真面目化、勉強志向の復活が指摘されていた。

現代大学生の意識調査では、大学生活に社会に出た時にすぐに役立つものを学ぶ機会を求 めていることが分かり、それが遊び文化の衰退と大学生の真面目化につながったものと見 られる。

第3章では、衰退してきた遊び文化の代表である部活動と、それに参加する部活動生に 焦点を当てた先行研究をまとめている。現代の大学生活において、部活動に参加するとい うことは特殊なことであり、部活動生は特殊な若者と言える。より特殊性が高いと思われ る運動系部活動の参加・継続動機について調べ、そして部活動生の特殊性を最も体現して いると思われる部活動リーダーについて言及したのち、部活動生は社会規範意識や自己意 識が高く、大人の希望に応えたい若者であると考え、「部活動生は社会規範意識・自己意識 が高く、受動的な性質を合わせ持つ古い志向の、現代の若者たちに適応できない特殊な若 者」であるとの仮説を立てた。

第4章では、仮説の検証を行うことを目的に、自己意識・大学生活・部活動といった3 つの質問群を作成し、筆者の所属する九州大学空手道部のリーダー経験者5人を対象に聞 き取り調査を行った。

第5章では、調査結果をもとに部活動参加者と非参加者の違いを、交友関係の範囲と行 動の制限、自己実現への積極性と集団帰属意識、平成的志向と昭和的志向の3つの視点か

(3)

ら分析し、仮説の検証を行った。その結果、部活動生は「社会規範意識・自己意識が高く、

既存の社会に積極的に適応していこうという昭和的志向を持つ若者の代表的存在」である ことが分かり、仮説の一部が否定されることとなった。また、部活動生的な若者の持つ特 徴は、所属する集団の持つシステムによって強化される可能性があることを指摘した。

第 6 章では、部活動リーダーと一般部員の違い、また調査中に見られた発言などから、

部活動の持つシステムについて考察した。部活動は、集団に適応するために部活動独特の 規則に積極的に順応するよう働きかける作用や、集団内の規則に従って起こした行動や意 識を唯一正当化できるシステムを備えていることが分かった。また、部活動の持つシステ ムの影響は、所属期間が長く集団への適応が進むほど、また集団内で背負う責任が増すほ ど大きくなるということも分かった。そして、これら部活動の持つシステムは、部活動に 限らず他の集団や組織も備えている可能性が高いことを指摘した。

第7章では、ここまでの分析と考察を踏まえて、部活動生的特徴を持つ昭和的志向の若 者の現代社会への適応方法について意見を述べている。平成的志向の若者の社会適応方法 と比較しながら昭和的志向の若者の社会適応方法について不安要素を指摘し、これから昭 和的志向の若者がとるべき行動についての意見を述べ、本論文を締めくくっている。

(4)

目次

はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

1 若者論から見る現代の若者の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

1.1 大人・世間から見た若者――若者印象論より・・・・・・・・・・・・・・・2

1.2現代の若者の実態――データから見た若者論より・・・・・・・・・・・・・・4

2 若者の中の大学生の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

2.1 大学生の特徴――キャンパスライフの歴史的変遷から・・・・・・・・・・・6

2.2 現代の大学生・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

3 部活動生の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

3.1 大学で部活動をするということ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

3.2 運動系部活動生の特殊性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

3.2.1 運動系部活動への参加・継続動機――先行研究から・・・・・・・・・12 3.2.2 運動系部活動への参加・継続動機――九州大学体育系公式サークルのデー タから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

3.3 「プロトタイプ」としての部活動リーダー・・・・・・・・・・・・・・・・16

3.4 部活動生とは――社会規範意識と自己意識からの考察・・・・・・・・・・・17

4 調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

4.1 調査の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19

4.2 調査対象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19

4.3 調査方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

5 分析と考察①――部活動生の持つ特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22

5.1 回答者の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22

5.2 部活動参加者と非参加者の違い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22

5.2.1 交友関係の範囲と行動の制限の視点から・・・・・・・・・・・・・・23 5.2.2 自己実現への積極性と集団帰属意識の視点から・・・・・・・・・・・27

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5.2.3 平成的志向と昭和的志向の視点から・・・・・・・・・・・・・・・・30

5.3 仮説の検証・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32

6 分析と考察③――部活動の持つシステム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34

6.1 部活動リーダーと一般部員の違い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34

6.1.1 社会志向に関して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 6.1.2 部活動継続動機に関して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 6.1.3 部活動リーダーと一般部員の違いを引き起こす原因について・・・・・41

6.2 部活動の持つシステムについての分析と考察・・・・・・・・・・・・・・・43

7 現代の若者の社会適応方法について――部活動生的特徴を持つ若者への言及・・・ 46

参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49

付録――聞き取り調査メモ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51

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