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論文内容の要旨 - 自治医科大学機関リポジトリ

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Academic year: 2024

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氏 名 由利 康一こういち 学 位 の 種 類 博士 (医学) 学 位 記 番 号 乙第 716号

学 位 授 与 年 月 日 平成 28年 6月 20日

学 位 授 与 の 要 件 自治医科大学学位規定第4条第3項該当

学 位 論 文 名 弓部大動脈瘤治療における開窓型ステントグラフトの有用性の検討 論 文 審 査 委 員 (委員長) 教 授 百 村 伸 一

(委 員) 教 授 水 田 耕 一 教 授 新 保 昌 久

論文内容の要旨

1 研究目的

胸部大動脈瘤治療において、ステントグラフト(SG)内挿術は開胸・人工心肺を要しない治療 として急速に普及した。しかし、弓部大動脈病変においては、その解剖学的な制約故、従来の直 管型SGのみでは対応困難であった。

そのような背景の中、2000年より世界初の開窓型SGの開発が着手された。本術式は概念的に

は開胸を要することなく、SG留置のみで弓部大動脈瘤治療が完結する低侵襲な画期治療法である。

しかし、その手術手技の安全性、デバイスの有用性の確認が急務であった。

本研究では、開窓型 SG 治療を行う際のデバイス選択と手術手技の安全性の確認、および本デ バイスの弓部大動脈瘤治療に対する有用性を検討することを目的とした。

2 研究方法

当科および関連施設において2006年1月より2012年3月に至るまで、従来の開胸手術では耐 術困難と判断された弓部大動脈瘤患者24名に対し、一定の手術手技の元に、開窓型SG治療を行 った。

それらの初期成績、中期成績を検討した。

3 研究成果

早期成績:技術成功は100%であり24例全例が目的位置にSG留置可能であった。予定外の頸 部分枝の閉塞は認めなかった。手術死亡は1例(4.1%)であった。また一過性の下半身不全麻痺 を1例に認めた。脳梗塞および脳出血などの中枢神経障害は発生しなかった。

中期成績:平均観察期間25か月において、手術死亡を除いた3例の非大動脈瘤関連死を認めた

(生存率79.2%)。また、1例に瘤径拡大の無いType2エンドリークを認めた(4.3%)がType1

および3エンドリークは認めなかった。その他、大動脈瘤関連死亡、イベントおよびデバイス関 連有害事象は発生しなかった。

4 考察

本術式は従来の開胸による弓部置換術では耐術困難と考えられた症例に行われたにもかかわら ず、同時期に当科で行った開胸による手術と死亡率、中枢神経イベント発生においてほぼ同等の

(2)

結果であった。

また綿密な CT 解析を行ったうえでのデバイス選択、および術式の安全性に関しても容認でき ると思われた。

引き続きの遠隔期のフォローが必須であるが、これらの早期および中期成績からは、開胸手術 ハイリスク患者に対する弓部大動脈瘤の治療の一つとして、開窓型SGは容認できると思われた。

5 結論

開窓型SG を用いた本治療の初期、中期成績は良好であった。開窓型 SGは、開胸を要しない 低侵襲治療として手術ハイリスクの弓部大動脈瘤治療として容認できると思われた。

但し、本スタディは少人数かつ短期の追跡結果である。そのため手術時の患者の安全の確保、

引き続きの症例の蓄積、長期成績の解析などは必須であると思われる。

論文審査の結果の要旨

ステントグラフトは胸部大動脈瘤の治療法として急速に普及しつつあるが、とくに弓部大動脈 瘤に関しては重要な動脈の分岐もあることから直管型の SG では限界があった。弓部由利康一氏 は弓部大動脈瘤治療における新しい開窓型 SG の開発に取り組みその手術手技と安全性について の評価を24名の患者について行った。その結果、手技成功率は100%、手術死亡は1例のみ、そ の後の中期成績では25カ月間の平均観察期間において非大動脈瘤関連死亡はあるものの、大動脈 瘤関連死亡およびイベントなし、デバイス関連有害事象なしという成績であった。

この SG は術前の綿密なCT評価により個々の患者の解剖学特徴に合わせセミカスタムメイド を行うことによってランディングゾーンを保ちつつ頸部分枝への血流を保てる点が画期的で、ハ イリスク患者における弓部大動脈瘤の治療が可能となることが期待される。

本論文内容は明快かつ具体的であり、理路整然としており学位論文に値するものであることが 審査員全員により確認された。

ただし審査委員からの指摘事項として Frailty について言及し、表を添付する、また患者背景 表内にも脆弱度点数を記載する、患者ICについての記述を追加する、表中のアルファベットをカ ナ、日本語に統一する、患者背景をサマライズした表を挿入する、Tag-of-Wireテクニックの記述 を追加する、アカデミックな観点から若干の文言を修正する、などがあり、これらに沿った修正 を加えることを条件として合格と判定された。

修正論文の確認については審査員長の百村に一任され、4月28日に実際に修正論文を確認し合 格とした。

(3)

試問の結果の要旨

まず約30分で申請者、由利康一氏による発表が行われ、その後質疑応答を行った。

申請者による発表内容は具体的でありかつ簡潔・明快で理解しやすく開窓型ステントグラフト の独創性・有用性・安全性が良く理解できた。

また審査委員の質疑に対しては全て明快に回答された(主な質疑応答の内容は以下のとおり)。

以上より審査員全員一致で試問に合格と判定した。

 ステントがずれることは無いのか? あるいは位置合わせはどのように行うのか?→Tag of wireテクニックで行っており、大きくずれた症例は無い。またステントの開窓部には透視化 のマーカーがついておりそれを指標とした。

 安全性については死亡例について具体的にどのような症例であったか→死亡例はいわゆる

Shaggy aorta症例で、多発性塞栓症を引き起こし死に至った。大動脈内壁が広くアテローム

潰瘍に侵されておりいずれの治療法をとったとしても予後不良と考えられる症例であった、

今後このような症例は適応から外すべきであると考えている。

 同時期に行われた標準治療(手術治療)との比較はどうか?→遜色がなかった。

 長期予後についてはどうか?→今後もフォローアップを続け明らかにしてゆく予定である。

 抗血栓療法は不要か?→基本的に抗凝固療法は不要である。他の理由で抗血栓薬が使用され ている場合は継続可である。

 今回は有効性、安全性において良好な成績であったが今後の適応拡大は考えているか?→低 リスク群では標準的な手術成績も良好であるため現時点ではハイリスク群に限定している。

今後長期成績も参考にしながら判断する。

Referensi

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