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論文内容の要旨 - 自治医科大学機関リポジトリ

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Academic year: 2024

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氏 名 石田い し だ 祐一ゆういち 学 位 の 種 類 博士 (医学) 学 位 記 番 号 乙第 765号

学 位 授 与 年 月 日 令和 元年 6月 21日

学 位 授 与 の 要 件 自治医科大学学位規定第4条第3項該当

学 位 論 文 名 Salmonella Enteritidis (SE) 不活化ワクチンによる鶏腸管内SE定着軽 減メカニズムの検討

論 文 審 査 委 員 (委員長) 教授 加 藤 大 智

(委 員) 教授 國 田 智 教授 畠 山 修 司

論文内容の要旨

1 研究目的

Salmonella enterica subspecies enterica serovar Enteritidis (SE)は、主に鶏卵や鶏加工品を 介してヒトに食中毒を引き起こす病原細菌である。そのため養鶏業界において鶏卵及び鶏加工品 の SE汚染防止はサルモネラ食中毒を予防するための優先課題である。世界的に様々な SE汚染 対策が講じられる中で、最も有効な手段の一つとして鶏用 SE生ワクチンやSE 不活化ワクチン が開発され実用化されている。しかし、SE不活化ワクチンに関して実際に使用されているワクチ ンの作用メカニズムには不明な点が多い。そこで本研究では、現在本邦で用いられている SE 不 活化ワクチンの鶏腸管内SE定着軽減メカニズムを明らかにすることを目的とした。

2 研究方法

まず、SE不活化ワクチンによる糞便中へのSE排出抑制効果を検討するために、5週齢鶏にSE 不活化ワクチン接種後、その4週後にSE生菌2.9×108~1.0×109 CFU/mLを経口投与し、さら にその6日後に糞便中へ排出されたSE生菌数を測定した。

次に、SE 不活化ワクチンによる抗体誘導能を検討するために、22 週齢鶏へのワクチン接種4 週後の血液、小腸粘液及び卵管粘液中の抗SE-IgG抗体価及び抗SE-IgA抗体価をenzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) により測定した。

最後に、SE不活化ワクチンによるSE細胞付着抑制効果を検討した。ワクチン接種4週後に得 られた血清及び小腸粘液を用いて、SE菌体の上皮細胞由来Vero細胞への付着能を測定した。

3 研究成果

1) SE不活化ワクチンによる排菌数の測定

ワクチン接種群ではSEの糞便中排出菌数が5.5×103~4.6×105 CFU/gであり、ワクチン非接種 群の2.5×105~3.2×106 CFU/gに対して少なかった (p < 0.05) 。また、SE不活化ワクチンの持続 効果を検証するために、ワクチン接種10か月後にSE生菌を投与したところ、ワクチン接種群の

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排菌数は少なかった (p < 0.05) 。

2) ワクチン接種の有無による鶏の抗SE抗体の比較

ワクチン接種群はワクチン非接種群と比較して抗SE-IgG抗体及び抗SE-IgA抗体を有意に産生 していた (p < 0.05) 。

3) 上皮細胞へのSE付着に対する免疫血清及び粘膜液の抑制効果

ワクチン接種した22週齢鶏の血清添加によって、Vero細胞へ付着したSE菌体数 (平均±標準 偏差) がワクチン非接種群と比較して、Vero細胞 1個当たり18.9±13.9個から6.8±7.4個へ減少 した。同様に、小腸粘液の場合、ワクチン非接種群の11.5±10.4個からワクチン接種群の6.5±8.2 個へ減少した (p < 0.05) 。

4 考察

本研究により、血清や小腸粘液と同様に、ワクチン接種鶏の卵管粘液に抗 SE-IgG 抗体と抗

SE-IgA抗体が存在することが明らかになった。さらに、抗SE-IgG抗体と抗SE-IgA抗体を含有

する小腸粘液によってVero細胞へのSE付着が抑制されたことから、SE生菌がたとえ卵管に到 達した場合であっても、卵管上皮細胞へのSE菌体付着の抑制効果があると推測される。つまり、

SE不活化ワクチン接種によって、卵管の汚染が原因で発生するインエッグ汚染の軽減効果も期待 できると考えられる。

5 結論

本研究によって、SE不活化ワクチンは抗SE抗体を誘導し、当該抗体が腸管上皮細胞へのSE 付着を抑制することでSEの定着を阻害し、その結果、腸管からのSE排出が減少することがSE 不活化ワクチンの作用メカニズムの 1つである可能性が示唆された。本研究は今後有効なワクチ ン開発の重要な基盤となることが期待される。

論文審査の結果の要旨

本論文は、鶏サルモネラ症の予防に対して現在使用されている不活化ワクチンがどのようにし て有効性を発揮しているのか、そのメカニズムを明らかにすることを試みたものである。

この研究において申請者は、ワクチン接種鶏においては、1) 腸管から糞便に排泄されるSE菌 数が低減されること、2) 血液ならびに腸管および卵管粘液における抗SE-IgAおよびIgG抗体が 増強されること、3) 血清および腸管粘液が菌体の上皮細胞への付着を抑制することを明らかにし た。本研究を通して得られた成果は、鶏サルモネラ症不活化ワクチンの効果を検証する上で意義 のある研究成果であると言え、博士の学位を授与するに相応しいものと評価できる。

なお、審査員からは学位論文に関して多くの修正事項の他、全体的な構成を修正するよう指摘 があった。再提出された論文を審査員一同で検討し、さらに幾度かにわたって修正を指摘、デー

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タおよび図の修正を行った後、それらが適切に修正されていることを確認した。

試問の結果の要旨

申請者は学位論文に沿った研究内容の発表を行った。発表内容は鶏サルモネラ症の現状や本ワ クチンに関する背景などを理解しやすいように構成され、予定通りの時間で発表が行われた。

申請者の発表の後に、本研究が実施された背景や意義、現在使用されているワクチンの効果や その作用メカニズム、実験方法と結果の解釈などについて、予定時間を延長して活発な質疑応答 が行われた。いくつかの質問に対して申請者の応答や根拠が不明確な部分も見受けられたが、全 体としては適切に質問に答えており、有意義な質疑応答が行われたと考える。

論文審査および最終試験から、申請者が研究者としての知識と研究遂行能力を有すると評価し、

審査員全員一致で最終試験に合格と判断した。

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