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論文内容の要旨 - 自治医科大学機関リポジトリ

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Academic year: 2025

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氏 名 西頭さ い と うEA AEと もEAAEひ ろE 学 位 の 種 類 博士 (医学) 学 位 記 番 号 乙第 754号

学 位 授 与 年 月 日 平成 30年 8月 9日

学 位 授 与 の 要 件 自治医科大学学位規定第4条第3項該当

学 位 論 文 名 凍結肩に対する第 5.6 頚椎神経根ブロック下肩関節授動術は治療期間を 短縮できるか

論 文 審 査 委 員 (委員長) 教 授 秋 山 達

(委 員) 准教授 五十嵐 孝 准教授 嶋 﨑 晴 雄

論文内容の要旨

1 研究目的

凍結肩は、整形外科医にとって日常診療で非常によく診療する疾患である。凍結肩の治療法に は様々の方法があるが、まずは、ほとんどの症例において消炎鎮痛剤の内服、理学療法、肩関節 内へのステロイド投与などの保存療法が用いられる。保存療法に抵抗する患者に対しては、全身 麻酔下の授動術や関節鏡視下関節包解離術が行われてきたが、これらの治療は全身麻酔、入院管 理を必要とし、一般社会人にとっては家庭や仕事との兼ね合いから、治療を受けることが難しい 場面に多く遭遇する。

近年、整形外科領域での超音波が目覚ましく発達しており、診断にだけでなく、注射の補助と しても非常に重要な役割を果たしている。頚椎神経根ブロック注射においても、従来の電気刺激 によるブロックと比べ、超音波ガイド下ブロックはより安全で有効であると報告されている。凍 結肩に対する新しい治療法として、入院、全身麻酔を必要としない超音波ガイド下頚椎神経根ブ ロックでの肩関節授動術 (MUC: Manipulation Under Cervical nerve root block)が報告され良 好な1カ月の成績は報告されているが、中長期的な臨床成績についての報告はない。

本研究の目的は保存療法に抵抗する凍結肩に対し超音波ガイド下頚椎神経根ブロックで行った 肩関節授動術の術後1年の臨床成績を検討することである。

2 研究方法

凍結肩に対するMUC適応は、少なくとも6カ月の保存療法を行っても、持続する肩関節痛が あり、かつ、自動・他動可動域制限が少なくとも3方向にあり、前方屈曲100度以下、下垂外旋 10度以下、内旋L5以下のすべてを満たす患者とした。保存療法として、消炎鎮痛剤の内服、理 学療法、肩関節内ステロイド投与を行った。理学療法は経験のある理学療法士が、肩関節・肩甲 帯の柔軟性の獲得を中心に少なくとも3カ月以上行った。腱板断裂、変形性肩関節症、石灰沈着 性腱板炎、肩関節骨折の既往、糖尿病患者は除外した。

25人25肩にMUCを行い、少なくとも1年以上経過観察可能であった22人22肩(追跡率88%)

(2)

を対象とした。平均年齢は58歳(37-73歳)、男性9人、女性13人、症状発症からMUCまでの 期間は平均8.9カ月(6-19カ月)、平均経過観察期間は25カ月(12-33カ月)であった。

評価項目として、肩関節運動時痛をNumeric Rating Scale (NRS)を用い、自動可動域は前方屈 曲、下垂外旋、内旋可動域を、角度計を用いて測定した。また、機能評価として、American Shoulder and Elbow Surgeons (ASES) scoring systemを用いた。運動時痛、自動可動域、ASES scoreは 術前、術後1週と1年で評価した。また、患者QOLの評価として、自己報告式の健康調査票で あるShort-Form 36-Item Health Survey (SF-36)を用いて術前と術後1年で評価した。麻酔、授 動術に伴う合併症も調査した。

3 研究成果

肩関節機能はすべての患者で改善した。平均運動時痛は術前5.2±2.5から術後1週で2.6±2.0、 術後1年で0.8±1.0と有意に改善した(p<0.05)。術後1週の平均可動域は、前方屈曲130±21度、

下垂外旋29±12度、内旋L2であり術前と比較し有意に改善、術後1年でも前方屈曲152±16度、

下垂外旋51±16度、内旋T10と術前と比較しさらに改善した(p<0.01)。ASES scoreは、術前38±18 であったものが、術後1週で68±19、術後1年で93±9と術前と比較し有意に改善した(p<0.01)。 SF-36は、全体的健康観を除いてその他の項目で術前と比較し術後1年で有意に改善した(p<0.05)。 合併症として、1 例(4.5%)にホルネル症候群を認めたが、特に治療を要せず数時間で軽快し同日 帰宅となった。麻酔に伴う血管損傷や気胸、授動術に伴う骨折や腱板断裂、術後のCRPSは認め なかった。

4 考察

本研究により、MUCを行うことで 6 カ月以上の保存療法に抵抗する凍結肩患者の運動時痛、

自動可動域、ASES scoreを全身麻酔や入院加療を必要とせず、術後1週で有意に改善することが 分かった。さらにその改善は術後1年においても持続していた。また、全体的健康観を除くSF-36 の7項目で、術前と比較し術後1年で有意に改善した。1例にホルネル症候群を認めたが、治療 を要せず早急に改善し、その他大きな合併症は認めなかった。

一般に、6 カ月以上の保存療法に抵抗する凍結肩は、全身麻酔下肩関節授動術や関節鏡視下関 節包解離術などの侵襲的な治療法の適応となる。しかし、保存療法に抵抗する凍結肩に対する侵 襲的治療に関しての術後1週の臨床成績の報告はない。凍結肩治療に対してはすみやかに疼痛や 可動域制限が改善することが望まれ、MUCは術後1週での良好な臨床成績が得られたことから、

優れた治療法と言える。全身麻酔下肩関節授動術や関節鏡視下関節包解離術と違い、MUC は全 身麻酔や入院を必要とせず、外来で行えることが利点の1つである。MUC は仕事や家庭の事情 により入院が困難な患者にとって非常に有用であると考える。

5 結論

保存療法に抵抗する凍結肩に対するMUCは安全で術後1週で有意に疼痛、可動域を改善させ、

術後1年においてもさらなる改善が得られた。MUCは凍結肩治療期間を短縮しうる。

(3)

論文審査の結果の要旨

本学位論文は整形外科領域のcommon diseaseでありながら有効な治療法が確立されていない 凍結肩の新規治療法として、エコーガイド下に第 5.6 頸椎神経根ブロックを行い、関節授動術を 行う方法を報告し、その治療成績と既存治療への優越性も報告したものである。

これまでは保存的な投薬と理学療法の組み合わせか、関節鏡などの外科的治療法しか存在せず、

治療経過も遷延しがちであった。そのような現状で、既存治療に比べ優越性を示す外来で実施可 能な新たな治療法を報告する論文であり、新規性、独創性、学問的意義は非常に高い。

本論文自体は非常に質が高く、合格基準には達しているが、改訂指導については以下の三点が 挙げられた。

1.本治療法の既存治療に対する優越性をもっと述べるべき。

2.エコーガイド下C5.6神経ブロックの安全性について述べるのであれば文献引用をすべき。も しくはこの部分を削除すべき。

3.トリアムシノロン注射との比較も可能であれば論じるべき。

内容は合格水準であるが、より魅力的な論文に仕上げていただきたい。

試問の結果の要旨

申請者は凍結肩の新規治療法として、エコーガイド下に第 5.6 頸椎神経根ブロックを行い、関 節授動術を行う方法を報告し、その治療成績と既存治療への優越性も報告した。

審査員からの質疑については以下の三点が主な質問であった。

1.本治療法の既存治療に対する優越性をもっと述べるべきではないか。

2.エコーガイド下C5.6神経ブロックの安全性について述べるのであれば文献引用をすべき。も しくはこの部分を削除すべきであろう。

3.トリアムシノロン注射との比較も可能であれば論じるべきであろう。

そのほかには糖尿病合併患者がなぜ治療成績が悪いのかということや、ブロック下での授動術 による治療効果発現機序についての質問があった。

申請者の応答態度は非常に好感が持てるものであった。また、先の質問の 1-3については論文 の改訂を行うこととなり、糖尿病における治療成績不良の原因は不明であり今後の課題であるこ と、授動術に関しては関節包の血流途絶が重要な因子である可能性を回答としてあげた。

試問についても合格水準であるといえる。

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