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第6学年 体育科学習指導案
男子15名,女子19名 計34名 指導者名 1 単元名 「ソフトバレーボール」
2 単元について
(1)運動の特性
○2つのチームがネットをはさんだコートで相手チームとボールを打ち合い,得点を競い合ったり,
ラリーを続けたりする対陣型ゲームである。
○対陣型ゲームのため相手との入りまじりがなく,相手に邪魔をされずにプレーすることができる。
○コートが広くないので,ボールに触れる機会が多い。
○ボールを上手につなげることで楽しさを感じることができ,よいプレーでチームに貢献できると 充実感を得られる。
○お互い励まし合ってプレーすることで,仲間との一体感を感じられる。
○軽くて柔らかいボールを使用するため,あまり怖がらずにプレーすることができる。
○ボールの落下地点に素早く移動したり,仲間の位置を確認してパスを出したりと,瞬時の判断力 を要する運動である。
(2)児童生徒の実態
①体育の学習は好きですか? はい26名 いいえ8名
②好きな運動に○をつけましょう。
短距離走10名 鉄棒10名 バスケットボール23名 ハードル10名 マット11名 サッカー14名
走り幅跳び14名 跳び箱20名 ベースボール17名 走り高跳び10名 バレーボール5名 リレー12名
水泳21名
③苦手な運動に○をつけましょう。
短距離走14名 鉄棒20名 バスケットボール7名 ハードル14名 マット12名 サッカー19名 走り幅跳び13名 跳び箱9名 ベースボール11名 走り高跳び16名 バレーボール4名 リレー14名
水泳10名
④バレーボールはどんなふうに行うゲームであるか知っていますか。はい11名 いいえ23名
⑤みんなが楽しくゲームをするためには,どうすればよいと思いますか?
(3)教師の指導観
体育学習を好きではない主な理由は「運動が苦手」「疲れる」であり,好きである主な理由は,
「体を動かすのが好き」「みんなで運動するのが楽しい」であった。バレーボールについて知って いる児童は全体の3分の1程度しかおらず,しかもそれを苦手な運動としている児童は4名しかい ない。したがって,本学習はソフトバレーボールが楽しい運動であると感じさせることのできるチ ャンスと言える。運動することの楽しさが分かれば,体を動かすことを好きになってくれ,苦手意 識も軽減するのではないかと考える。
また,「みんなが楽しくゲームをするためには,どうすればよいと思いますか?」の問いに対し て,プラスの言葉かけをすることが大切だと気づいている児童は4名しかいなかった。現クラスの 半分の児童を昨年受け持っていたことを考えると,これまでの指導内容について今後改善すべき点 が見えた。
ソフトバレーボールでは,みんなが同じようにボールに接し,上手にパスをつなげていかなけれ ば,全員が同じように親しんだり楽しんだりすることはできない。そこで,全ての子がゲームを楽 しむことができるように,最低限の運動技能習得を目指した学習を組み立てる。
まず初めに,ソフトバレーボールの基本となるサーブ・レシーブ・パスの技能を高めるための習
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得学習①(ドリルゲーム)に取り組ませる。この活動は個人技能の向上を目的とする。技能が未熟 な児童にとって,飛んできたボールをダイレクトにレシーブしたりパスしたりすることは難しい。
そこで,落ち着いてボールをとらえることができるよう,一度ボールをキャッチしてから味方にパ スしたり,ワンバウンドパスでボールを送ったりするゲームを考える。
次に,ドリルゲームで身に付けた個人技能を発展させるため,習得学習②③(チーム練習)に取 り組ませる。この活動は,アタック攻撃を含めた連係プレーを行うための技能の向上と,連係プレ ーに必要な判断力と行動力を身に付けさせることを目的とする。この活動では,連係プレーは個人 技能の発展であることに気付かせ,チームが上達するためによりよい練習方法や作戦を考えるなど して,意欲的に運動に取り組めるようにしたい。
最後に,活用学習(メインゲーム)を行う。この活動では,習得学習②③の学習内容に,攻撃相 手の存在がプラスされる。ここでは連係プレーの技能だけではなく,飛んでくるボールに対する判 断力と行動力がいかに発揮されるかが重要となる。また,それぞれのチームの実態に合わせて,「ノ ーバウンドキャッチパス(点数獲得ごとに1点)」「ワンバウンドパス(点数獲得ごとに2点)」の2つの ルールから選択できるようにする。そして,それぞれのルールの難易度によって点数の差別化も図る。
ドリルゲームもメインゲームもチーム同士の点数制とする。ドリルゲームでは,個人技能の上達 がチームの点数につながることを意識付け,自分の上達がチームに貢献しているという仲間意識を もたせることで意欲的にゲームに取り組めるようにしたい。個人の上達を積極的に賞賛すること で,喜びを感じさせ,次のステップへの糧としたい。
展開の最後に,トーナメント戦を設定した。チームのふり返りの場として,また,まとめの場と して取り組ませたい。
3 単元で身に付けさせる学習内容(単元の目標)
技能 技① 相手コートへサーブすることができる。
技② ボールの落下点に素早く移動することができる。
技③ 仲間の受けやすい場所にパスやレシーブをすることができる。
態度 態① 仲間と協力してゲームを楽しんでいる。
態② 自分やチームの課題解決に向けて,意欲的に運動に取り組んでいる。
態③ お互い高め合える言葉をかけている。
思考・判断 思① 自分のチームにあったルールを選択している。
思② 自分のチームの特徴に合った作戦を立てている。
思③ ボールの位置に応じて移動している。
3 4 指導と評価計画(7時間扱い)
分/時 1 2 3 4 5 6(本時) 7
0
4
13
17
30
40
集合・整列・挨拶 学習の場作り 準備運動 オリエンテ
ーション
整理運動 用具の片付け 集合・整列・挨拶 指
導 と 評 価 の 機 会
技 能
①②③ ③ ③ ②③
態 度
③ ①③ ①③ ② ①②③
思 考
③ ①② ① ①②③
ねらい
ボールをつなげて,三段攻撃の楽しさを味わおう。
習得学習①(ドリルゲーム)
①ポイントサーブゲーム
②パスラリーゲーム
③アタックゲーム
④円形パスゲーム ポイント確認
①サーブ,レシーブ,パス,どれも片足が前に出る。
②賞賛の声,励ましの声をたくさん響かせる。
学習の振り返り
○ゲーム内容と,ルール上の問題点の確認。
○学習カード記入(相互評価・自己評価)
本日のめあての確認
習得学習③(チーム 練習)
○習得学習②で学習 したパスの方法を 使ったアタック攻 撃の練習。
本 日 のめ あ て の確 認
○ ト ー ナ メ ン ト 戦 を し よう
!( ま と め
)。 本日のめあての確認
○自分たちのチーム に合ったルール,作 戦,練習を工夫し,
メイン ゲームにつ なげよう。
習得学習②(チーム練習)
ト ー ナ メン ト 戦 を行 う
。
表 彰 式 を 行う
。 学 習 の 振 り 返 り を す る
。 本
日の め あ ての 確 認
○ 学 習 の 進 め 方 や ゲ ー ム の 行 い 方 を つ か も う
。
○ド リ ル ゲー ム の やり 方 を 知る
。
○ チ ー ム練 習
,メ イン ゲ ー ム のや り 方 を知 る
。
○学 習 カ ー ド の 記 入 の 仕 方 を 知る
。
活用学習(メインゲ ーム)
○3対3のゲーム
○ 2 つ の ル ー ル か ら 選択できるようにす る。
○ ノ ー バ ウ ン ド キ ャ ッ チ で パ ス を つ なご う
。
○ キ ャ ッ チ な し の ワ ン バ ウ ン ド で パ スを つな ごう
。
○ ノ ー バ ウ ン ド キ ャ ッ チ で の 攻 撃 練 習
。
○ ワ ン バ ウ ン ド パ ス で の 攻 撃 練 習
。 活用学習(メインゲーム)
○3対3のゲーム
○ ノー バ ウ ンド キ ャ ッ チ パ ス
( 点 数 獲 得ご とに 1点
)
○ ワン バ ウ ンド パ ス
( 点 数 獲 得 ご と に 2点
)
○ ノ ー バ ウ ン ド キ ャ ッ チ で パ ス を つ なご う
。
○ ノ ー バ ウ ン ド キ ャ ッ チ で の 攻 撃 練 習
。
○ ノー バ ウ ンド キ ャ ッ チ パ ス
( 点 数 獲 得ご とに 1点
)
4 5 本時の指導(6/7)
(1)目標
<技 能>○仲間の受けやすい場所にレシーブやパスをすることができる。
<態 度>○自分やチームの課題解決に向けて,意欲的に運動に取り組もうとしている。
<思考・判断>○自分のチームにあったルールを選択している。
(2)展開(6/7)
過程 時間 学習内容と活動 ○指導 ◇支援 ☆評価 用具・資料 は
じ め
4 1.学習の場作りをし,チーム ごと準備運動をする。
2.あいさつ,確認をする。
<単元のねらい>
○ボールをつなげて,三段攻 撃の楽しさを味わおう
<活動ポイント>
○サーブ,レシーブ,パス,
どれも片足を前に出す。
○賞賛の声,励ましの声をたく さん響かせる。
○支柱は両手で持つようにさせる。
○踏み込みや切り返しでよく使う 膝や足首を中心に準備運動をさせ る。
○名前を言って賞賛,励ましの言葉 をかけることを確認する。
高跳び用支 柱6セット
ネット用ゴ ム
ボール
な か
3
10
3.本日のめあての確認をする。
○今日のめあてを確認し,2 種類のルールとそれを使っ た練習の仕方,作戦の立て 方を考える。
4.習得学習①(ドリルゲーム)
を行う。
①ポイントサーブゲーム
②パスラリーゲーム
③アタックゲーム
④円形パスゲーム
○各チームに分かれて,各ゲ ーム,最初の30秒間は練 習し,次の1分間でゲーム をする。
○パスラリーゲームは,アン ダーハンドパス,オーバー ハンドパスそれぞれ30秒 間 の 練 習 と 1 分 間 の ゲ ー ム。
○アタックゲームは,30秒 間の練習と,左右アタック の2分間。
○良いプレーには賞賛の声,失 敗には励ましの声をかける。
○チームの特徴に気付くことが大 切であることを確認する。
○話し合いの時間を短く,活動時間 を長く取ることを確認する。
○サーブの指導
打つ方の腕とは逆の足を出す。他 方の手に持ったボールを,腕を伸 ばして手首で打つ。
○アンダーパスの指導
両肘を伸ばす。膝の曲げ伸ばしで ボールを送るようにする。どちら か一方の足を出す。
○オーバーパスの指導
両手の親指と人差し指で三角形 をつくり,おでこの前にかざす。
指先を使って膝の曲げ伸ばしでボ ールを送るようにする。どちらか 一方の足を出す。
○アタックの指導
万歳をする要領でジャンプし,強 く打つ。最初は手に当てるだけで も良い。
○全員で声を出して回数を数えさ せる。
○名前を言って賞賛,励ましの言葉 自分たちのチームに合ったルール,作戦,練習を工夫し,メイ ンゲームにつなげよう。
5 13
10
5.習得学習③(チーム練習)
を行う。
○習得学習②で学習したパス の方法を使ったアタック攻 撃の練習をする。
○良いプレーには賞賛の声,失 敗には励ましの声をかける。
○自分たちのチームにあった 攻撃方法に気付く。
○点数につなげられるよう,
ローテーションの組み合わ せを考える。
6.活用学習(メインゲーム)
を行う。
○3対3のゲームを行う。
・ノーバウンドキャッチパス
(点数獲得ごとに1点)
・ワンバウンドパス(点数獲 得ごとに2点)
○この2つのルールから選択 しゲームを行う。
○良いプレーには賞賛の声,失 敗には励ましの声をかける。
をかけさせる。
◇良いプレーには賞賛の声,失敗には 励ましの声を積極的にかける。
◇前時までの反省や習得学習①で の反省をすることにより,チーム の特徴を捉えさせ,ルールを選択 したり,作戦を考えさせたりする。
○名前を言って賞賛,励ましの言葉 をかけさせる。
◇良いプレーには賞賛の声,失敗には 励ましの声を積極的にかける。
☆自分やチームの課題解決に向け て,意欲的に運動に取り組もうと していたか。(態度)
○「いくよ」「いいよ」のかけ声で 開始させる。
○腰を低く待機させるため,サーバ ー以外の全員が片足を前にし,片 手の指を地面につけたのを確認し てから開始させる。
○前半後半でルールを変えていい ものとする。
○どのルールを選択したのかはっ きりさせるため,得点板に選択し たルール名を貼らせる。
○名前を言って賞賛,励ましの言葉 をかけさせる。
◇良いプレーには賞賛の声,失敗には 励ましの声を積極的にかける。
☆仲間の受けやすい場所にレシー
ブやパスをすることができたか。
(技能)
☆自分のチームにあったルールを 選択できたか。(思考・判断)
得点板
ま と め
5 7.学習を振り返る。
○ゲーム内容と,ルール上の 問題点の確認をする。
○学習カードに記入(相互評 価・自己評価)する。
8.片付け・整理運動をする。
○チームの友だちの良かったとこ ろを賞賛させる。
○問題点を確認し,改善するための 話し合いをさせる。
○学習カードを用いて,相互評価・
自己評価をさせる。
○支柱は両手で持つようにさせる。
学習カード
6 6 場の設定
習得学習① 活用学習