• Tidak ada hasil yang ditemukan

27 - 研究テーマ: 魚料理の嗜好性を確保した新調理システ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2024

Membagikan "27 - 研究テーマ: 魚料理の嗜好性を確保した新調理システ"

Copied!
3
0
0

Teks penuh

(1)

〔 研究区分: 域課題解決研究 〕

- 27 -

研究テーマ: 魚料理の嗜好性を確保した新調理システムによる食事提供方法の確立

研究代表者: 人間文化学部 健康科学科 准教授・谷本 昌太

連絡先:[email protected]

共同研究者: 教授・杉山 寿美

(独)国立病院機構本部中国四国ブロック事務所 統括部医療課・栄養専門職 橋本龍幸

【研究概要】

ニュークックチル方式(NK 方式)は,クックチルシステムで調製した食品を食器に盛付 後,直前に再加熱し提供する方法であり,最近,急速に普及している。そこで,NK 方式の 生産利点および改善点を明らかにする目的で,NK 方式を用いた貯蔵日数の異なる魚料理の 官能評価を行った。また,脂質酸化の指標としてのチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)

および過酸化物価(POV),脂肪酸組成,さらに香気成分を分析し,官能評価との関係を考 察した。

1.背景・目的

医療機関において食事提供は治療の一環として栄養管理の基本を担う。入院患者は食欲低下を 招いている場合が多く,より嗜好性を重視し多様なニーズに対応することも重要である。魚は,

高タンパク質で良質な脂質を含み栄養的価値の高い食品である。しかしながら,加熱および貯蔵 中に脂質酸化による臭いの劣化が著しい。事実,その匂いにより患者が食欲を低下させる事例が 認められる。一方, NK 方式は,クックチルシステムで調製した食品を食器に盛付後,提供直前 に再加熱し提供する方法であり,最近,急速に普及している。そこで,NK 方式の生産利点および 改善点を明らかにするため,NK 方式を用いた貯蔵日数の異なる魚料理の官能評価を行った。また,

脂質酸化の指標としての TBARS および POV,脂肪酸組成,さらに香気成分を分析し,官能評価と の関係を考察した。

2.方法

〈試料〉広島市内の小売店から購入したハマチ 6 体(4.3±0.3kg)を用いた。試料は,腹肉を除く 部分について重量約 30g,厚さ約 1 ㎝の切り身にした後,急速冷凍し,加熱処理まで-80℃で保存 した。

〈加熱方法と貯蔵日数〉急速解凍した切り身を 1%食塩 水で洗浄後,スチームコンベクションオーブンで以下 の条件で 1 次加熱(蒸し:100℃・6 分,焼き:250℃・

7 分)を行った後,ブラストチラーで 90 分以内に 3℃

以下に急速冷却した。尚,加熱直後の試料の芯温は 85℃

以上であった。貯蔵条件は 3℃で 0,1,3 および 7 日と した。2 次加熱は再加熱カートを用いて 110℃で 40 分 間行い,加熱終了後,カートの扉を開放し,30 分間放 置した。尚,再加熱直後の試料の芯温は 75℃以上であ った。官能評価を除く試料は,分析まで-80℃で保存し た。

〈試料の分析〉試料として普通肉および血合肉について,生,クックサーブ(1 次加熱のみ),NK

(0,1,3 および 7 日貯蔵)の計 12 種類で行った。①TBARS:1.15%KCl を用いてホモジナイズし た魚肉 1ml に 37.5%TCA・0.625mol/l HCl 溶液 2ml と 0.67%TBA 溶液 2.5ml を加え混合した。10,000

×g で 1 分間遠心分離した上清を 10 分間加熱後,氷中で急冷した。1,500×g で 25 分間遠心分離 し,上層について 535nm の吸光度を測定した。標準試料として TEP を用いた。②脂質抽出:

Bligh&Dyer 法で行い,分析まで-80℃で保存した。③POV 測定:抽出した脂質に脂質過酸化物と特

(2)

〔 研究区分: 域課題解決研究 〕

- 28 - 異的に反応する DPPP(1mg/10ml クロロホルム)

を加え,60℃で 60 分間加熱した。氷中で急冷後,

2‐プロパノール 3mlを加え,蛍光分光光度計で 測定した。④脂質含量:抽出した脂質について重 量法で測定した。④脂肪酸組成:抽出した脂質を メタノール-塩酸でメチル化を行った後,GC-FID

(カラム:DB-WAX)により行った。⑤香気成分:

香気成分の濃縮を HS-SPME 法により行い,GC-FID および匂い嗅ぎ分析(カラム:DB-WAX)により分 析した。⑥官能評価:調製直後の試料について健 康科学科の学生 9 人をパネルとし,加工条件の違 いによる嗜好性の変化を順位法により検討した。

3.結果・考察

①TBARS:蒸し・焼きのそれぞれについて普通肉・

血 合 肉 と も に 貯 蔵 日 数 の 増 加 に 伴 い , 有 意 に TBARS が増加し,特に 3 および 7 日貯蔵において 顕著であり,クックサーブ,貯蔵 0 および 1 日と 3 および 7 日の間に有意差が認められた。したが って,それぞれ処理の間にマロンジアルデヒド等 の脂質酸化二次生成物量に差があることが示唆 された。②POV:蒸しの普通肉においてクックサ ーブ,貯蔵 0,1 および 3 日の POV が,7 日と比べ て有意に低い値を示し,貯蔵 3 日以内では有意差 が認められないものの徐々に増加する傾向が認 められた。また,血合肉においても貯蔵日数の増 加に伴って POV が増加し,クックサーブと貯蔵 7 日の間に有意差が認められた。一方,焼きの普通 肉と血合肉ともに貯蔵中に POV が増加し,クック サーブ,貯蔵 0 および 1 日と 3 および 7 日との間 に有意差が認められた。③脂質含量:蒸し・焼き ともに生と比べてわずかに増加する傾向があり,

加熱によるものと考えられた。④脂肪酸組成:蒸 し・焼きのそれぞれについて普通肉・血合肉とも に貯蔵による脂肪酸組成の大きな変化は 認めら

れなかった。⑤香気成分:GC 分析の結果,蒸し・焼きともに普通肉・血合肉のいずれも貯蔵日数 の増加に伴い,揮発性成分が増加すること,また,匂い嗅ぎ分析によりトリメチルアミン,プロ パナールおよび未同定の化合物が臭いに寄与することを確認した。現在,さらに詳細について検 討中である。⑥官能検査:蒸し・焼きともに貯蔵 0,1 および 3 日の間で嗜好評価に有意差は認め られなかった。

以上の結果から,貯蔵期間を通じて栄養特性に変化は認められず,3 日以内の貯蔵では嗜好性 にも大きな違いはなく喫食することができるが,貯蔵日数の増加に伴い,脂質酸化の進行とそれ により嗜好性が低下する傾向にあるため,より少ない貯蔵日数で提供することが望ましいと示唆 された。さらに,本研究の成果を参考にして,現在,共同研究先の医療機関において NK 方式によ る食事の提供を実施している。

0 200 400 600 800 1000

-3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

TBARS(mol/g)

貯蔵日数(日)

CC 0 1 3 7

0 200 400 600 800 1000

図 ニュークックチル処理したハマチのTBARSの変化

(蒸し)

CC;クックチル

;血合肉, ;普通肉

0

順位の平均値

貯蔵日数(日)

CC 0 1 3 7 1

2 3 4 5

図 ニュークックチル処理したハマチの官能評価(蒸し)

CC;クックチル

CC 0 1 3 7 蒸し魚らしい香り 油のような香り

0%

20%

40%

60%

80%

100%

脂肪酸組成(%

貯蔵日数(日)

CC 0 1 3 7 20

40 60 80 100

ニュークックチル処理したハマチの脂肪酸組成

(蒸し)

CC;クックチル,■;飽和脂肪酸,■;一価不飽和脂 肪酸,■;多価不飽和脂肪酸

0 1 3 7

普通肉 血合肉

0 CC

(3)

〔 研究区分: 域課題解決研究 〕

- 29 -

Referensi

Dokumen terkait

講師略歴 若林 敬二(静岡県立大学 食品環境研究センター) (学歴・職歴) 昭和52年 3月 静岡薬科大学大学院博士課程 修了 昭和54年 9月 国立がんセンター研究所集団検診研究部 研究員 昭和60年11月 同センター研究所発がん研究部発がん促進物質研究室 室長 平成 6年 3月 同センター研究所生化学部 部長 平成 9年 4月

プロフィール 津田 賢一 (つだ けんいち) 中国・華中農業大学・教授 略歴: 1999年 北海道大学理学部生物科学科卒業 2001年 北海道大学大学院地球環境科学研究科 修士課程卒業 2004年 北海道大学大学院地球環境科学研究科 博士課程卒業 2004年~2005年 北海道大学理学部 博士研究員 2005年~2011年

弘前学院大学管理運営組織図 法人本部 本部事務長 長内 弘光 総務課 (事務長兼務) 財務課 三上ノリ子 大学事務長 對馬 充 教授会 学科会議 看護学部長 櫛引美代子 学科長 三上聖治 学部事務 社会福祉教育研究所委員会 社会福祉教育研究所 社会福祉学部長 (学長兼務) 学科長 葛西久志 学部事務 教授会 学科会議

慶應義塾大学・経済学部(日吉)・教授 科学研究費助成事業 研究成果報告書 様 式 C−19、F−19−1、Z−19 (共通) 機関番号: 研究種目: 課題番号: 研究課題名(和文) 研究代表者 研究課題名(英文) 交付決定額(研究期間全体):(直接経費) 32612 基盤研究C(一般) 2018 〜 2014

理工学専攻(修士課程)の授業科目区分と履修 1 履修科目の実施方法 授業科目に下記の種類を設ける。 1 研究科共通科目 「リサーチプロポーザル」2単位を必修とする。自身の研究対象について実際の研究討論等を 通じ、研究企画・立案能力、ディベート能力、プレゼンテーション能力を養う。研究プロポー

Press ReleaseH31/4/19 国立大学法人岐阜大学 応用生物科学部附属野生動物管理学研究センターの 池田敬特任助教1、國永尚稔研究員1、応用生物科学部の鈴木正嗣教授2、同大大 学院連合獣医学研究科院生の生島詩織さん3、国立環境研究所 生物・生態系環 境センターの鈴木嵩彬高度技能専門員4の研究グループは、「岐阜市金華山一帯

山東外国語職業技術大学 山東外国語職業技術大学は 2005 年に設立され、前身は山東外国語職業学院です。 2018 年 12 月に教育部から職業本科学校への昇格を承認され、2019 年 5 月に「山東外国語 職業技術大学」と名称を変更し、全国初の本科レベルの職業学校の一つとなりました。 学校は 2008

〔 研究区分: 学際的・先端的研究 学長プロジェクト 〕 - 25 - 研究テーマ: 災害に強いバックアップ型生産地域「広島」の確立を目指した調査研究 研究代表者: 生命環境学部 生命科学科 教授・達家雅明 連絡先: [email protected] 共同研究者: 准教授・斉藤靖和 【研究概要】