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No.1のスライド [気体の状態方程式]

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(1)

物理学D

No.01

(2)

熱⼒学とは

熱に関する現象をあつかう分野

⽇常の様々な場所で熱が関わる現象を⽬にしている

熱を理解することは⾝の周りの現象を理解するために不可⽋

蒸気機関にはじまる,動⼒機械の原理を理解するためにも熱の理解 が必要

蒸気機関:熱によって発⽣させた⽔蒸気の⼒を利⽤してモノを動 かす

熱⼒学は蒸気機関の発明直後に,その改良を強い動機として発展

(3)

系とその分類

系: 観察の対象として注⽬する部分 


(例 実験装置の中,エンジンの中の気体,…)

孤⽴系 物質もエネルギーも外の世界とやりとりされない 


閉じた系 物質は中に閉じこめられているが,エネルギー は外の世界とやりとりがある 


開いた系 物質もエネルギーも外の世界とやりとりされる 形式上は,「物質はやりとりされるがエネルギーはやり

とりされない系」を考えることは可能だが,これは現実

的ではない。

(4)

微視的と巨視的

熱⼒学はこちらのアプローチをとる

系の⾒⽅として次の2つの⾒⽅がある 微視的(microscopic) 


系を構成する粒⼦(原⼦や分⼦)に注⽬し,それらに作⽤

する⼒や,この粒⼦達の運動を調べることで,系の性質 を明らかにする

巨視的(macroscopic) 


系がどんな粒⼦から構成されているかは気にしない。圧

⼒・体積・温度といった,系全体の特徴を表す量(状態

量という)に注⽬しつつ,系の性質を調べる。

(5)

巨視的と微視的

ひとかたまりの鉄があったとする

微視的な⾒⽅

鉄の原⼦というのは,どんな粒であるか?

鉄の原⼦がどんなふうに並んで結晶を作っているか?

鉄原⼦から何個の電⼦がとびだして,どのように動きまわっているか?

巨視的な⾒⽅

この塊の⼤きさ(体積)はどれくらいか?

塊⾃体がどれくらい熱いもしくは冷いか?

この塊を温めたらどれくらい膨張するか?

(6)

アヴォガドロ数

我々の周りの物質は全て,分⼦や原⼦といった粒の集合体 12gの炭素(C

12

)にはアヴォガドロ定数と等しい数の原⼦が 含まれる

N

A

と等しい数の構成粒⼦(原⼦,分⼦,イオン…)からなる 物質の量を1molとする

6×10

23

個の粒全部の運動を⼒学的に調べるためには,

それぞれの粒の座標と速度が必要。

36×10

23

個のパラメータ!!(ほとんど不可能)

(7)

熱⼒学とは

対象(系)を巨視的に観察し巨視的な情報を⽤いて状態を記述する。また,

状態の変化を調べることで,そこに出⼊りする熱の性質を明らかにしていく 微視的な性質(粒⼦の種類,粒⼦の相互作⽤の種類等)によらない議論ができ るので,⾮常に普遍的な法則を得ることができる。

熱⼒学の法則は,系の詳細によらない。相⼿が気体でも液体でも固体でも,

またどんな物質であっても,原理的には同じ議論が可能。

この授業では,具体的な事例をあつかうときは気体をあつかうことが多い。

状態変化が起こしやすい

⾊々な解析が簡単

気体の種類によらないあつかいが近似的に可能

(8)

熱と温度

熱と温度は別物である!

温度とは系(物体)の寒暖の度合いを数値化したもの。系の状 態を特徴づける巨視的な量(状態量)のひとつ

熱は,物体に出⼊りして,物体の状態に変化をもたらすも の。正体はエネルギーの流れ。

⽇常⽣活では2つを区別せずに使っていることが多い 例「⾵邪をひいて熱が⾼い」

物理の専⾨⽤語としては,全く別のものなので,きちんと 区別すること

単位も違う。温度の単位はK,熱の単位はJ

(9)

温度

寒暖の度合いを表す物理量 どうやってこれを数値化するか?

(改めて考えてみると,結構難しい問題)

多くの物体は,温めると膨張し,冷やすと収縮する 物体の体積を⽤いて寒暖の度合いを数値化できる!

しかし,物体ごとに体積の膨張の仕⽅は異なるので,これ では他の物体と温度の⽐較をすることが難しい…

例: ある状態のときに1m3の物体を温めたら,体積が1.5m3になった

→温度が1.5倍になった

(10)

熱平衡状態

熱平衡状態(単に平衡状態とよぶことも)とは?

系を⼀定の環境のもとに⻑時間放置したときの状態

⼀⾒,変化が起きていないように⾒える状態のこと。

(系を拡⼤して,ミクロな状態を⾒ると,分⼦や原⼦は激しく 動きまわっている)

例1: なべに⽔を⼊れて⽕にかける

→なべの中で対流がおこり,⽔⾯からは⽔が蒸発している。

これは⾮平衡状態とよばれる状態

例2: 魔法ビンにお湯を注いで,しばらく置いておく

→お湯はある⼀定不変の状態になる

これが熱平衡状態

(11)

熱平衡状態

それぞれが熱平衡状態にある2つの物体A,Bを接触させる

A B

⼀⽅の物体は温められ,⼀⽅は冷やされる

しばらくすると,2つの物体の間に寒暖の度合いの差がな くなって,AとBをあわせた全体が平衡状態になる

このとき,AとBはは互いに熱平衡であるという。

互いに熱平衡にある系の間には,共通な性質がある

「温度」と定義

つまり,互いに熱平衡にある物体の温度は互いに等しい

平衡状態でない系に対しては,温度が定義できない!

(12)

熱⼒学第0法則

普遍的な「温度」を定義するための⼟台となる法則 経験則を法則化したもの

系Aと系B,系Bと系Cがそれぞれ熱平衡状態であるとき,

系Aと系Cは互いに熱平衡状態にある。

A B C

AとCの温度が全て等しいことが保証される

「温度計」を⼀つ⽤意しておけば,この温度計の体積を

⽤いて⾊々な系の温度を共通の指標で表すことができる

BはAとCが同じ温度であることを⽰す役割を果たしている。

つまり,Bが温度計として機能している。

(13)

温度を温度計の体積で表したもの 経験温度

(1)ガラス管に⽔銀を⼊れたもの(温度計)を⽤意する。

(2)1気圧のもとで,⽔と氷が熱平衡になっている系を⽤意し,このときの

⽔銀柱の上端に0℃の⽬盛を打つ

(3)1気圧のもとで,沸騰している⽔と温度計を熱平衡にし,このときの

⽔銀柱の上端の位置に100℃の⽬盛を打つ

(4)0℃と100℃を100等分した1⽬盛分を1℃とする

⽔と氷

摂⽒温度(セルシウス温度)

沸騰した⽔

100等分する 0℃

100℃

SIにおける熱⼒学温度の定義とは異なる

(14)

(経験的)絶対温度

気体は,⼀定気圧のもとでは,種類によらずに概ね次のよ うな性質を⽰す (シャルルの法則/ゲイリュサックの法則)

V (✓ [ C]) ' V (0 C)

1 + ✓

273.15

θ℃のときの体積 0℃のときの体積 -273.15℃で気体の体積が0になる!

(これ以上低い温度に対する⽬盛がない) 温度には下限がある

-273.15℃を0として⽬盛をとりなおした温度を絶対温度という 単位はK(ケルビン)を使う

以下では,基本的に摂⽒温度ではなく絶対温度を⽤いる

(15)

熱について

それぞれが熱平衡状態にある2つの物体A,Bを接触させると き,温度が⾼い⽅から温度が低い⽅へと「熱」が移動する。

厳密にいうと,AとBの間や,それらの外の世界との間に 仕事のやりとりがあった場合には,こうなるとは限らない

TH TL

T

H

>T

L

とする

TH TL

T’ T’

同じ温度になる

必ず⾼温から低温に熱が移動

(16)

熱容量と⽐熱

熱容量: 物体(系)の温度を1K変化させる際に出⼊りする熱量。

単位はJ/K。

熱: 物体(系)に対して出⼊りして,物体(系)の温度を変化させ るはたらきをするもの。実はエネルギーの移動形態の⼀つ。

単位はJ(ジュール)を⽤いる。

以前は,calという単位も⽤いられていた。1calは,15℃の⽔1gの温度を1℃上昇させる のに必要な熱。現在ではcalの使⽤は推奨されない。

熱容量は,対象の物体(系)の性質を表す物理量ではあるが,その物体(系)の材質の 性質を表す物理量ではない。

(系のサイズを⼤きくすると,熱容量も⼤きくなる)

温度を上げるとき(T0→T1)も,下げるとき(T1→T0)も同じ量の熱が出⼊りする

(17)

熱容量と⽐熱

⽐熱: 1gの物体の温度を1K変化させる際に出⼊り する熱量。単位はJ/(g・K)

⽐熱は,物体(系)の材質固有の性質をあらわす。

例えば銅の⽐熱は,銅の量に関係なく0.379 J/(g・K)。⽔の⽐熱は約4.2J/(g・K)。

1molあたりの⽐熱をモル⽐熱(定積モル⽐熱)という。

単位はJ/(mol・K)

固体元素の定積モル⽐熱は元素によらずほぼ⼀定で,CV≃24.9 J/(mol・K)である (デューロン=プティの法則)。

厳密にいうと,熱容量や⽐熱は,物体に対して熱をどのよう に加えるかによって値が変わる。単に「熱容量」や「⽐熱」

と⾔った場合は,体積を⼀定にして熱を加えた場合の熱容量

(定積熱容量)や⽐熱(定積⽐熱)を指す。

(18)

熱の測り⽅

簡単な熱量計の基本的なアイデア

1. 性質(⽐熱)のよく分かっている物質を⽤意する(例えば⽔)

2. この物質を⼤量に集めたものの中で,何か反応を起こさせる

3. 反応が起きる前と,反応が終わってじゅうぶん時間が経ったあと の温度をそれぞれ測る。

4. 温度変化,⽐熱,質量が分かれば,どれだけの熱が発⽣したかが 分かる

何らかの 反応

とりかこんでいる物体の温度が変化 反応の際に発⽣した熱が分かる

熱をやりとりさせる具体的な⽅法によらずに,温度変化に

必要な熱は⼀意に決まるという前提に基づいいている

(19)

熱容量と⽐熱

質量m[g]の物体Aがある。この物体は分⼦量Mの物質でできている。

物体Aの熱容量をCA,物体Aの材質である物質の⽐熱をcm,モル⽐熱をcと する。cmおよび,cをCA m , Mで表せ。

また,物体Aの温度をΔT [K]だけ変化させるに必要な熱Qを求めよ。

例題

解答

熱容量がCA, 質量がm[g]だから,cm=CA/mである。分⼦量がMであると は,1molの質量がM[g]という意味であるから,Aに含まれるこの物質の 物質量n[mol]は,

n=m/M. ゆえに,

c=CA/n=CA M/m.

温度をΔT [K]だけ変化させるに必要な熱Qは,

Q=CA ΔT.

(20)

温度差のある物体の接触

熱容量 CA,温度 TAの系Aと,熱容量 CB,温度 TBの系Bがあ

る。AとBを接触させて(混ぜあわせて)しばらく放置しておく と,AとB全体の温度が T   ’になった。 T ’はいくらか?

TA TB

T

A

> TB

Aについて: T

A

→T’(温度が下がる) Bについて: T

B

→T’(温度が上がる)

熱はAからBに流れる。

Aが熱として失ったエネルギーは Q

A

=C

A

(T

A

-T’) Bが熱として得たエネルギーは Q

B

=C

B

(T’-T

B

) Aが失った熱がそのままBに流れこんだとすると Q

A

=Q

B

T 0 = CATA + CBTB CA + CB

T’について解くと T

B

>T

A

でも答は同じ形

(21)

理想気体の状態⽅程式

これからやること

気体に注⽬する。気体の状態とその変化を調べる。

平衡状態の気体の状態を表すには?

体積,圧⼒,温度, 物質量に注⽬

どれだけの空間を気体が占めているか

気体の性質:容器の中を充満しようとする 気体の体積=容器の容積

気体の量(mol単位)

(22)

圧⼒

気体が単位⾯積あたりにおよぼす⼒の⼤きさ

⾯積S

ミクロな観点では,この⼒の正体は,

気体分⼦が壁にぶつかってはねかえる 際に,壁に与える⼒積。

圧⼒(pressure): 単位はPa(=N/m

2

=kg m

‒1

s

2

)

⼒F

(23)

圧⼒

平衡状態では⼒のつりあいが常に実現している。

(つりあいが崩れると,加速度が⽣じるので平衡でなくなる) 重⼒等の影響を無視すれば,気体内部のどの部分でも

圧⼒は⼀定

ここで気体を2つに分けたと考える

A B

AがBを押す⼒と,BがAを押す⼒はつりあっている

(24)

⼤気圧の話

我々の周りにある⼤気の圧⼒を考える。

⼤気の中にあるものは,⼤気の圧⼒で押されている。

⼤気

例:掃除機 中の気圧

⼤気圧に押されて を下げる ゴミが⼊ってくる

⼤気のないところで,掃除機を動 かしても,ゴミはすいこめない。

トリチェリの実験

⽴てる

⽔銀

約0.76m ⼤気圧p

⽔銀柱の重⼒

パスカルの原理: 液体や気体の⼀点に 圧⼒を加えると, この圧⼒はそのま

まの強さで液体や気体全体に伝わる

重⼒と⼤気圧のつりあいが実現 h

⽔銀の密度

(25)

⼤気圧の話

例題: トリチェリの実験を⽔銀のかわりに⽔を⽤いて⾏うと,

柱の⾼さはどうなるか?

1013hPa

unknown

Pa

例えば,

10m以上深い井⼾からポンプを使って⽔をくみあげることはできない 10m以上⻑いストローで⽔をのむことは難しい

(26)

ボイルの法則

R. ボイル 1627-1691 wikipediaより

温度を⼀定に保ちつつ気体の体積を変化させる。

このとき,気体の圧⼒は体積に反⽐例する。

もしくは

ボイルによって,1661年に⽰された法則

3

以下の文章の空欄にあてはまる適切な式,数値を解答欄に答えよ。以下の問題において,大 気および管内の気体と液体の絶対温度は T,大気圧は p0 で,これらは常に一定であるとする。空 気は理想気体であるとし,気体定数を R,重力加速度の大きさを g とする。また,管内の液体の 気化による影響は無視する。

1 のように,断面積が S で一定の太さを持つ U 字管の直線部分を鉛直になるように立て,じゅ うぶんな量のある液体を入れると,2 本の管の液面は同じ高さの水平面となる。これは,2 つの液 面がそれぞれ大気圧によって押され,つり合った状態にあるからである。建築現場などでは,こ れを利用して水平位置を決めている (水盛りとよばれる)

ところで,図 2 のように,U 字管の一方の口を栓により密封し中にある液体を入れると,管の 長さが十分に長い場合には,適当な方法によって液面と栓の間に真空の空間を生じさせることが できる。このとき,栓の側の液面ともう一方の液面との間に h0 の高さの差が生じる。これは,大 気圧によって中の液体が押された結果であり,この高さは,液体の密度に依存する。そこで,液 体の密度を ρ とすると,大気圧 p0 g, h0, ρ を用いて  イ  と表される。

今度は,図 1 の状態で,一方の口を栓により密封する ( 3)。このとき,栓によって密封された 空間の長さ 0 は,空間中の空気の物質量 (モル数) n R, S, T, p0 を用いて  ロ  となる。こ こで,もう一方の口から管内に入っている液体と同じ液体を注ぎ込むと,図 4 のように液面の高 さに違いが生じる。このとき,栓で封じられた空間の長さを とし,液面の高さの差を h とする。

栓で封じられた空間の圧力 p g, h, p0, ρ で表すと  ハ  となる。

さて,1662 年の論文で,ボイルは,h を変化させつつ を測定した結果,h + h0 0

h0 が一致 することを示した。この意味を考えてみよう。 イ と ハ から,h+h0 p, g, ρ を用いて  ニ  と表せる。それが 0

h0 に等しいので,pℓ p0 0 で表すと pℓ =  ホ  と書ける。この関係式 の両辺に S をかけることにより,温度が一定の状態においては,圧力と体積の積が一定であると いうボイルの法則が示されたわけである。

この実験において,ボイルは液体として水銀を用いた。水銀の密度を ρ = 13.6 g/cm3,重力加速 度を g = 9.8 m/s2,大気圧を p0 = 1.013 × 105 Pa とすると,h0 は  ヘ  [m] である。一方,液 体として水を用いると,水の密度はおおよそ 1 g/cm3 なので,h0 はおおよそ 10 m となる。ポンプ を使っても深さ 10 m よりも深い穴からは水をくみ上げられないことは,当時から知られていた。

また,当時ボイルは助手であるフックとともに開発した真空ポンプで空気を排気して気圧を下げ た環境を作りだし,その環境下で水銀を用いて図 2 の実験を行うと,h0 はおおよそ 2.5 cm となっ たということである。h0 = 2.5 cm とした場合,彼らは U 字管の外部の気圧を  ト  [Pa] まで 下げることに成功したことになる。

h0

真空

0

h

1 2 3 4

6

h + h0 = 0 h0 実際にボイルがやった実験

⽔銀 h0=0.76m

hを⾊々変えて測定すると が成り⽴つことが分かった

p0 = h0 g

⼤気 p pp0= p0 + h g g + p0

g = 0 p0 g p = p0 0

よって

(27)

例題

圧力が 1.0 × 105 Pa, 体積が 20 L の気体がある。温度を一定に保ったま ま,体積を 40 L にすると,圧力はいくらになるか?

圧力が 1.0 × 105 Pa, 体積が 20 L の気体がある。温度を一定に保ったま ま,体積を 40 L にすると,圧力はいくらになるか?

ボイルの法則より,pV =(一定) より,求める圧力を p とすると,

p × 40 L = 1.0 × 105 Pa × 20 L ,

が成り立つ。よって,

p = 20 L

40 L × 1.0 × 105 Pa .

(28)

シャルルの法則

気体の圧⼒を⼀定に保った場合,気体の温度は気体の体積に⽐例す る。

1787年にシャルルが測定したデータと,⾃⾝が精密に測定した 結果に基づいて,1802年にゲイ=リュサックが発表した法則。た だし,この性質⾃体は1700-1702にアモントンが定性的に発⾒

していた。(アモントンの法則とよばれることもある)

ただし上式のTは絶対温度(K単位)で測った温度である 摂⽒温度

絶対温度

(29)

例題

圧力が 1.0 × 105 Pa, 体積が 20 L の気体がある。温度を一定に保ったま ま,体積を 40 L にすると,圧力はいくらになるか?

ボイルの法則より,pV =(一定) より,求める圧力を p とすると,

p × 40 L = 1.0 × 105 Pa × 20 L ,

が成り立つ。よって,

p = 20 L

40 L × 1.0 × 105 Pa .

温度が 10 C, 体積が 20 L の気体がある。圧力を一定に保ったまま,温度 20C にすると,体積はいくらになるか?

ボイルの法則より,pV =(一定) より,求める圧力を p とすると,

p × 40 L = 1.0 × 105 Pa × 20 L ,

が成り立つ。よって,

p = 20 L

40 L × 1.0 × 105 Pa .

圧力が 1.0 × 105 Pa, 体積が 20 L の気体がある。温度を一定に保ったま ま,体積を 40 L にすると,圧力はいくらになるか?

ボイルの法則より,pV =(一定) より,求める圧力を p とすると,

p × 40 L = 1.0 × 105 Pa × 20 L ,

が成り立つ。よって,

p = 20 L

40 L × 1.0 × 105 Pa .

温度が 10 C, 体積が 20 L の気体がある。圧力を一定に保ったまま,温度 20C にすると,体積はいくらになるか?

シャルルの法則より,T /V =(一定)。求める体積を V とすると,

283.15 K

20 L = 293.15 K

V ,

が成り立つ。よって,

V = 293.15K

283.15K × 20 L ≃ 20.7 L .

(30)

ボイル-シャルルの法則

ボイルの法則とシャルルの法則を組合せる。

ボイルの法則→ kの値は温度によって変わる (kは温度の関数である) k(T)はどんな関数であるべきか?

シャルルの法則→

⼀⽅,

体積は温度に⽐例 pを⼀定にした場合

これが満たされるには, という関数でなければならない。

(ボイル-シャルルの法則)

(31)

例題

圧力が 1.0 × 105 Pa, 体積が 20 L の気体がある。温度を一定に保ったま ま,体積を 40 L にすると,圧力はいくらになるか?

ボイルの法則より,pV =(一定) より,求める圧力を p とすると,

p × 40 L = 1.0 × 105 Pa × 20 L ,

が成り立つ。よって,

p = 20 L

40 L × 1.0 × 105 Pa .

温度が 10 C, 体積が 20 L の気体がある。圧力を一定に保ったまま,温度 20C にすると,体積はいくらになるか?

シャルルの法則より,T /V =(一定)。求める体積を V とすると,

283.15 K

20 L = 293.15 K

V ,

が成り立つ。よって,

V = 293.15K

283.15K × 20 L ≃ 20.7 L .

温度が 10 C, 体積が 20 L,圧力が 1.0 × 105Pa の気体がある。温度を

20C にすると同時に,体積を 40 L にすると,圧力はいくらになるか? ただ し,物質量は一定であるとする。

ボイル-シャルルの法則より,pV /T =(一定)。求める圧力を p とすると,

1.0 × 105Pa × 20 L

283.15K = p × 40 L 293.15K

が成り立つ。よって,

p = 1.0 × 105Pa × 20 L

283.15K × 293.15 K

40 L = 0.517 × 105Pa .

圧力が 1.0 × 105 Pa, 体積が 20 L の気体がある。温度を一定に保ったま ま,体積を 40 L にすると,圧力はいくらになるか?

ボイルの法則より,pV =(一定) より,求める圧力を p とすると,

p × 40 L = 1.0 × 105 Pa × 20 L ,

が成り立つ。よって,

p = 20 L

40 L × 1.0 × 105 Pa .

温度が 10 C, 体積が 20 L の気体がある。圧力を一定に保ったまま,温度 20C にすると,体積はいくらになるか?

シャルルの法則より,T /V =(一定)。求める体積を V とすると,

283.15 K

20 L = 293.15 K

V ,

が成り立つ。よって,

V = 293.15K

283.15K × 20 L ≃ 20.7 L .

温度が 10 C, 体積が 20 L,圧力が 1.0 × 105Pa の気体がある。温度を

20C にすると同時に,体積を 40 L にすると,圧力はいくらになるか? ただ し,物質量は一定であるとする。

ボイル-シャルルの法則より,pV /T =(一定)。求める圧力を p とすると,

1.0 × 105Pa × 20 L

283.15K = p × 40 L 293.15K

が成り立つ。よって,

p = 1.0 × 105Pa × 20 L

283.15K × 293.15 K

40 L = 0.517 × 105Pa .

(32)

物質量を変えたとき

ボイル-シャルルの法則は,閉じた系の気体に対して成り⽴つ法則である。

( 物質量が変化しない)

物質量も変化させたとすると,どのような法則が得られるか?

気体 気体 気体

気体の量はそれぞれn/2 物質量n

体積V 圧⼒p 温度T

このとき,体積,圧⼒,温度はどうなるか?

体積:それぞれV/2 圧⼒: p(もとと同じ) 温度: T(もとと同じ)

つまり,pV/Tは 物質量を半分にすると,半分になる

⽤語

⽰量数: 系のサイズに⽐例する量

⽰強数:系のサイズによらない量

(33)

アヴォガドロの法則

1811年にアヴォガドロによって提唱された法則

A. アヴォガドロ 1776-1856 wikipediaより

同温,同圧,同体積の気体はその種類に関係な く,同数の分⼦を含む

この法則に基づくと,次式が得られる。

気体の種類によらない定数 (気体定数)

具体的な数値を挙げると,

のときの1molの気体の体積は, である(気体の標準状態SATP)

standard ambient temperature and pressure

(34)

分⼦の発⾒

1661年: ボイルによる元素の定義

「元素」=「実験によって,それ以上単純なものに分けられないもの」

1774年: ラボアジエによる質量保存の法則の発⾒

「物質が化合・分解しても物質全体の質量和は変わらない」

1799年:プルーストによる定⽐例の法則の発⾒

「化学反応の際,関係する物質の質量⽐は常に⼀定である」

化学反応=基本粒⼦の組み換え?

1803年: ドルトンによる倍数⽐例の法則の発⾒

「A,B2つの元素からなる2種類以上の化合物X,Yがあるとき(例えば⼀酸 化炭素と⼆酸化炭素),Aの⼀定量に対してX,Yに含まれるBの量は簡単な 整数⽐になる。」

A. ラボアジエ 1743-1794 wikipediaより

J. プルースト 1754-1826 wikipediaより

(35)

分⼦の発⾒

ドルトンの原⼦説

「単体も化合物も全ては原⼦からできている。それぞれの元素の原⼦は固 有の⼤きさ・質量・形をもっていて,それ以上分割できない。化合物は原

⼦がいくつか結合したものであり,物質の変化は原⼦の組替えによる。」

J. ドルトン 1766-1844 wikipediaより

ドルトンの原⼦説は倍⽐例の法則を実にうまく説明した

しかし,新たな困難に直⾯することになる

(36)

分⼦の発⾒

1805年: ゲイ=リュサックによる気体反応の法則

「気体同⼠の反応では反応の関係する気体の体積について,同温・同圧の もとでは簡単な整数⽐が成り⽴つ」

J. ゲイ=リュサック 1778-1850

wikipediaより

例:⽔素+酸素→⽔蒸気

+

⽔素 酸素 ⽔蒸気

ボイルの法則から,同温・同圧・同体積中の気体の粒⼦の数は 同⼀を考えられる。

原⼦が割れてしまう!

原⼦説の破綻

アヴォガドロ仮説(分⼦説)へ

(37)

分⼦の発⾒

1811年: アヴォガドロによる分⼦説

「同温,同圧,同体積の気体はその種類に関係なく,同数の分⼦を含む」

例:⽔素+酸素→⽔蒸気

+

⽔素 酸素 ⽔蒸気

これによって,気体反応の法則もうまく説明できた

それでもなお,分⼦の存在は仮説でしかなかった

(38)

分⼦の発⾒

18年代後半: ボルツマンらによって,気体分⼦運動論が発展

気体分⼦の⼒学的ふるまいから,気体の状態変化を説明する試み

L.ボルツマン 1844-1906 wikipediaより

しかし,実は熱⼒学の完成度があまりにも⾼いために分⼦の存在 はなかなか受けいれられなかった。

知覚も実証もされない分⼦や原⼦は科学的ではないという考え (単なる作業仮説にすぎない)

分⼦や原⼦は実在である

対⽴

1897年: J. J. トムソンによる電⼦の発⾒

分⼦・原⼦が実在する蓋然性が増していく

(39)

分⼦の発⾒

ブラウン運動

液体中の微粒⼦が不規則に運動する現象。植物学者ブラウンが 1827年頃に発⾒。

A. アインシュタイン 1879-1955

wikipediaより

原因は⻑らく不明だった

1905年:アインシュタインが「ブラウン運動は液体の分⼦の不規則な 衝突が原因である」という仮説を発表。

1908年:J. ペランがブラウン運動に関する精密な実験を⾏い,アイン シュタインが解析の結果導いた予⾔が正しいことを確認した。

分⼦の存在が確⽴

J. ペラン 1870-1942 wikipediaより

(40)

気体分⼦運動論

分⼦運動の⾮常に単純なモデルを使って,状態⽅程式 との関係を考察してみよう

速度 で運動する質量 v m の分⼦を考える 1辺 L の⽴⽅体

x ⽅向に注⽬

x L

壁で弾性衝突すると

運動量:

(41)

気体分⼦運動論

1個の分⼦は1つの壁に

x L

秒ごとに衝突 1個の分⼦が衝突1回ごとに

壁に与える⼒積は

t 秒間を考える: 衝突回数=

この間に壁が受ける⼒積は

壁が受ける平均の⼒は

(42)

気体分⼦運動論

箱の中には分⼦がたくさん(N個)いるので,平均値を議論する 分⼦がランダムに⾶び回っているとすると,

かつ が期待される。

よって,どの壁も同じように⼒を受けることになり,その

⼤きさは

壁が受ける圧⼒を計算すると,

よって,

(43)

気体分⼦運動論

(ボルツマン定数)とすると,

少し書き換えて,

1分⼦あたりの平均運動エネルギーが温度に対応!

エネルギー等分配則

理想的な系の熱平衡状態においては,1⾃由度あたり平均で

   のエネルギーが割り振られる。

(44)

理想気体の状態⽅程式

気体の性質をよく近似する便利な関係式ではあるが,精密 に測定すると,実際の気体では厳密には成り⽴たない。

圧⼒が⾮常に⾼い場合や,温度が⾮常に低い場合にはボイル-シャルルの 法則が成り⽴たない

実際の気体は,温度によって固体になったり液体になったりする(相転移) 気体の種類に対する依存性もわずかにある

気体を近似的にあつかい,本質を知るために,この状態⽅程 式が,全ての温度や圧⼒の範囲で厳密に成り⽴つような仮想 的気体を考える。

理想気体という

実は「理想気体」の定義はこれだけでは不⼗分だが,これについては後述

(45)

気体の量

気体の量を測るのに,質量を⽤いることもできる。

pV = miRiT

気体の質量

ただし,このときには,気体定数の値が気体の種類によるようになる。

気体の種類によって値が異なる

気体の分⼦量(1molあたり何gか)をm0とすると,

n[mol]の気体の質量mは,m = nm0 pV = nRT = m

m0 RT = m R m0 T

Ri pV = mRiT

よって,

(46)

状態⽅程式の意味を考える

平衡状態の気体の状態は,( p , V , T , n )で表される

これらの4つの量の間にある関係式が気体の状態⽅程式

⼀般的に書くと,

理想気体の場合には

状態⽅程式の存在により,

p , V , T , n の全てを⾃由には決められない

これらのうち3つまでは⾃由に決められるが,残りの1つは

⾃動的に値が定まる。

(47)

例題

1molの理想気体をピストンつきシリンダーに封⼊する。

気体の体積がV0のときに温度を測定すると,T0であった。

このときの圧⼒はどうなるか?

上記の気体に対し,温度を⼀定に保ちつつ体積をV1まで膨張させた。

このときの体積の値に対する圧⼒の変化を表すグラフを描け。

求める圧⼒をp0とすると,状態⽅程式より,p0V0=RT0となる。

よって,

体積がVのときの気体の圧⼒pは,

定数

V p

(48)

ファンデルワールス気体

理想気体というのは,気体の状態をそれなりの精度で近似する気体モ デルだが,もう少し現実の気体に近い気体モデルを考えることも可能

気体分⼦の体積は0

気体分⼦同⼠の間に相互作⽤がない

気体分⼦の体積の効果

気体分⼦間の相互作⽤(ファンデルワールス⼒) 気体分⼦モデルの観点で⾒た場合

理想気体は,低温や⾼圧(10気圧以上)では近似が悪くなる

⾼温・低圧だとこれら の寄与は無視できる ファンデルワールス気体

理想気体

これらを考慮した場 合,マクロな状態⽅

程式はどうなるか?

(49)

ファンデルワールス気体

ファンデルワールス気体の状態⽅程式

p = nRT V bn

an2 V 2

R は気体定数(気体によらない) 

a , b は気体によって値が異なる定数

気体 a[Pa·m6/mol2] b[m3/mol]

ヘリウム 3.51 10-3 2.38 10-5

水素 2.49 10-2 2.66 10-5

窒素 1.37 10-1 3.86 10-5

空気 1.36 10-1 3.65 10-5

酸素 1.38 10-1 3.19 10-5

二酸化炭素 3.65 10-1 4.28 10-5 水蒸気 5.52 10-1 3.04 10-5

(50)

⾊々な状態⽅程式

理想気体の状態⽅程式やファンデルワールスの状態⽅程式 以外にも,「状態⽅程式」は⾊々ある

実在する気体を近似するもの(ファンデルワールスの状態⽅程式改良版) ディーチリチの状態⽅程式


ベン=ロビンソンの状態⽅程式


光⼦気体の状態⽅程式


p = nRT

V nb e RT Vna

p = nRT V nb

n2a

V (V + bn) + bn(V bn)

p = a

3 T 4

Gambar

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