看 護
1 学 習 指 導 と 評 価 の 改 善 ・ 充 実
〜 キ ャ リ ア 教 育 の 視 点 を 踏 ま え た 学 習 指 導 等 の 工 夫 〜
職 業 教 育 と キ ャ リ ア 教 育 は 、 と も に 将 来 の 職 業 や 仕 事 と 深 く か か わ っ て 行 わ れ る 教 育 活 動 で あ る こ と か ら 、 両 者 の 活 動 内 容 や 目 標 等 に 様 々 な 共 通 点 が あ る 。 そ の た め 、 職 業 教 育 の 取 組 は 、 進 路 指 導 と と も に キ ャ リ ア 教 育 の 中 核 を な す も の で あ る 。
し か し 、 従 来 、 職 業 教 育 の 取 組 に お い て は 、 専 門 的 な 知 識 ・ 技 能 を 習 得 さ せ る こ と に 重 き が 置 か れ 、 生 徒 の キ ャ リ ア 発 達 を い か に 支 援 す る か と い う 視 点 に 立 っ た 指 導 が 、 必 ず し も 十 分 で は な か っ た 。 こ れ か ら の 職 業 教 育 に お い て は 、 生 徒 が 働 く こ と の 意 義 や 専 門 的 な 知 識 ・ 技 能 を 習 得 す る こ と の 意 義 を 理 解 し 、 そ の 上 で 、 将 来 の 職 業 を 自 ら の 意 思 と 責 任 で 選 択 し 、 専 門 的 な 知 識 ・ 技 能 の 習 得 に 意 欲 的 に 取 り 組 む こ と が で き る よ う 、 指 導 の 充 実 を 図 る こ と が 大 切 で あ る 。
ま た 、 看 護 教 育 に お い て は 、 近 年 、 看 護 基 礎 教 育 終 了 時 点 の 能 力 と 看 護 現 場 で 求 め ら れ る 能 力 の ギ ャ ッ プ 、 新 卒 看 護 師 の 医 療 事 故 の 増 加 、 就 職 1 年 目 の 離 職 率 の 上 昇 な ど の 課 題 が 医 療 現 場 か ら 指 摘 さ れ て お り 、 医 学 や 看 護 学 な ど の 進 展 に 伴 う 医 療 ・ 看 護 技 術 の 高 度 化 に 対 応 し 、 安 全 で 確 実 な 看 護 を 提 供 す る 職 業 人 を 養 成 す る た め 、 キ ャ リ ア 教 育 の 視 点 を 踏 ま え た 、 将 来 の ス ペ シ ャ リ ス ト と な る 能 力 ・ 資 質 を 高 め る 指 導 の 充 実 が ま す ま す 重 要 に な っ て き て い る 。
ま た 、 生 徒 の 学 習 成 果 の 評 価 に お い て も 、 キ ャ リ ア 教 育 の 視 点 を 踏 ま え た 、 観 点 別 評 価 の 工 夫 ・ 改 善 を 一 層 図 る こ と が 大 切 で あ る 。
2 「 確 か な 学 力 」 を 育 成 す る 取 組 の 改 善 ・ 充 実
〜 キ ャ リ ア 教 育 の 視 点 を 踏 ま え た 学 習 指 導 の 改 善 ・ 充 実 〜 (1) 5 年 一 貫 看 護 師 養 成 課 程 に お け る 科 目 構 成 の 明 確 化
キ ャ リ ア 教 育 は 、 学 校 の キ ャ リ ア 教 育 に 関 連 あ る 様 々 な 取 組 が 教 育 課 程 に 適 切 に 位 置 付 け ら れ 、 計 画 性 と 系 統 性 を 持 っ て 実 施 す る こ と が 重 要 で あ る こ と か ら 、 5 年 一 貫 看 護 師 養 成 課 程 に お け る 教 育 課 程 を 、 キ ャ リ ア 発 達 の 支 援 と い う 視 点 か ら 検 証 し 改 善 し て い く こ と が 必 要 で あ る 。 そ の た め に は 、 各 教 科 ・ 科 目 の 領 域 ・ 分 野 の 関 連 す る 活 動 を 再 検 討 し 、 そ れ ぞ れ の ね ら い や 内 容 等 を 踏 ま え な が ら 、 相 互 の 有 機 的 な 関 連 付 け を 図 り 、 生 徒 の キ ャ リ ア 発 達 を 支 援 す る 体 系 的 な 教 育 課 程 の 編 成 が で き る よ う 、 5 年 一 貫 看 護 師 養 成 課 程 に お け る 科 目 構 成 を 明 確 に す る こ と が 必 要 で あ る 。
(2) 普 通 教 育 と の 連 携 に よ る 指 導
キ ャ リ ア 教 育 は 普 通 教 育 で 行 う 場 合 も あ れ ば 、 職 業 教 育 で 行 う 場 合 も あ る 。 普 通 教 育 に お け る キ ャ リ ア 教 育 は 、 当 該 教 科 の 学 習 を 通 し て 、 自 己 の 生 き 方 を 探 究 し た り 、 将 来 就 き た い 職 業 や 仕 事 へ の 関 心 ・ 意 欲 を 高 め た り 、 目 指 す べ き 職 業 や 上 級 学 校 の 学 部 ・ 学 科 を 選 択 す る 力 を 身 に 付 け た り す る こ と な ど が 考 え ら れ る 。 一 方 、 職 業 教 育 に お け る キ ャ リ ア 教 育 は 、 自 己 の 目 指 す 将 来 の 職 業 に 関 す る 知 識 や 技 能 を 習 得 し た り 、 職 業 に 関 す る 具 体 的 な 情 報 を 得 た り す る こ と を 通 し て 、 将 来 の ス ペ シ ャ リ ス ト と し て 必 要 な 資 質 ・
能 力 を 身 に 付 け る こ と の 意 義 を 理 解 し 、 専 門 的 な 知 識 ・ 技 能 を よ り 高 め よ う と す る 意 欲 や 姿 勢 を 身 に 付 け る こ と な ど が 考 え ら れ る 。 そ れ ぞ れ に お け る キ ャ リ ア 教 育 は 、 キ ャ リ ア 発 達 の 各 段 階 に お い て 相 互 に 補 完 的 ・ 発 展 的 な 役 目 を 担 う こ と が 大 切 で あ る た め 、 普 通 教 育 と 職 業 教 育 が 連 携 を 密 に し て キ ャ リ ア 教 育 に 取 り 組 む こ と が 必 要 で あ る 。
特 に 、 す べ て の 教 科 の 基 本 と な る 国 語 力 を 育 成 す る こ と は 、 キ ャ リ ア 教 育 を 進 め る 上 に お い て も 重 要 で あ り 、 看 護 科 目 に お い て も 十 分 連 携 を 図 る こ と が 大 切 で あ る 。 看 護 を 学 ぶ 多 く の 生 徒 が 入 学 後 初 め て ぶ つ か る 難 関 は 、 看 護 科 目 の 教 科 書 に あ る 難 し い 看 護 医 学 用 語 の 読 み 方 や 書 き 方 、 そ の 意 味 の 理 解 で あ る た め 、 普 通 教 科 「 国 語 」 の 学 習 が 重 要 で あ る 。 で き る だ け 早 い 時 期 に 看 護 医 学 用 語 を 理 解 す る こ と が 専 門 教 科 の 学 習 を ス ム ー ズ に 進 め る 上 で 大 切 で あ る こ と か ら 、 こ こ で は 科 目 「 国 語 総 合 」 と の 連 携 を 図 っ た 学 習 指 導 計 画 と 看 護 医 学 用 語 テ ス ト の 例 を 示 す 。
〈 5 年 一 貫 看 護 師 養 成 課 程 に お け る 科 目 構 成 ( 例 〉)
進学(保健師・助産師・養護教諭課程)
看護師
キャリアアップ 看護師国家試験受験
5年一貫看護師養成課程修了
スペシャリストを目指す
看護臨地実習 キャリア育成の取組
・模擬試験
・職場説明会
社会学 解剖生理学 基礎看護学 ・職場見学
専攻科に 心理学 生理学 在宅看護学 ・模擬面接
おける 教育学 など 病理学 など 成人看護学など ・キャリアノートの
3分野 活用
・小論文添削指導
基礎分野 専門基礎分野 専門分野
高等学校卒業
キャリア発達を 支える取組
「看護臨床実習」
・模擬面接
基礎看護・成人看護・老人看護 ・インターン
★2 シップ
(病院)
(1)看護の意義と (1)母子の健康と看護 (1)成人・老人の生活と健康 (老健施設)
役割 (2)母性の看護 (2)慢性疾患と看護 ・職場見学
(2)日常生活と看護 (3)新生児の看護 (3)リハビリテーションと看護 (病院)
( )
(3)診療と看護 (4)小児の成長・発達 (4)がんと看護 (5)手術と看護 老健施設 (4)看護活動の展開 と看護 (6)精神看護 (7)老人の看護と福祉 ・看護職の理解
高等学校 (5)小児の疾患と看護 (8)在宅看護 (看護師、助産
における 師、保健師の
「看護科」 「基礎看護」 「母子看護」 「成人・老人看護」 講話及びイン
)
の6科目 タビューなど
★3
・
卒業生の講話
・進路講話
・模擬試験
「看護基礎医学」
・進路情報伝達 解剖生理・栄養・精神保健・病理・微生物・薬理・公衆衛生・保健医療
(学習)
「看護情報処理」
・HR活動
・生徒会活動
(学習)
・部活動
・学校行事 普 通 教 科
★1「国語 「地理歴史 「公民 「数学 「理科 「保健体育 「芸術 「外国語 「家庭」」 」 」 」 」 」 」 」 その他
※ ★1との連携については、P117に記載。
※ ★2における関連については、P118に記載。
※ ★3については、P120に記載。
※ 網掛けの部分については、本手引に記載した科目や取組例である。
〈 科 目 「 国 語 総 合 」 と の 連 携 ( 例 〉)
(3) 看 護 科 目 の 科 目 間 の 関 連 を 図 っ た 学 習 指 導 と 評 価
ア 科 目 「 基 礎 看 護 」 と 「 看 護 臨 床 実 習 」 に お け る 学 習 指 導
( ア) 科 目 「 基 礎 看 護 」 と 「 看 護 臨 床 実 習 」 の 学 習 内 容 の 関 連
科 目 「 基 礎 看 護 」 は 、 看 護 の 基 礎 的 な 知 識 と 技 術 を 習 得 さ せ る と と も に 、 看 護 を 行 う た め の 基 礎 的 な 能 力 ・ 態 度 の 育 成 を 図 る も の で あ り 、 看 護 に 関 す る 学 科 で は 、
。 、 「 」 、
原 則 と し て す べ て の 生 徒 に 履 修 さ せ る 科 目 で あ る ま た 科 目 看 護 臨 床 実 習 は 看 護 に 関 す る 各 科 目 に お い て 習 得 し た 知 識 と 技 術 を 臨 床 の 場 に お い て 活 用 し 実 践 す る 経 験 を 通 し て 、 看 護 観 を は ぐ く み 、 問 題 解 決 の 能 力 を 養 う と と も に 、 臨 床 看 護 を 行 う た め に 必 要 な 能 力 と 態 度 を 育 成 す る も の で あ る 。 看 護 職 者 と し て 安 全 で 確 実 な 看 護 を 提 供 す る た め に は 、 こ の 2 つ の 科 目 の 関 連 を 図 っ た 学 習 指 導 が 必 要 で あ る 。
、 「 」 「 」
次 ペ ー ジ の 図 は 科 目 基 礎 看 護 の 単 元 (2)日 常 生 活 と 看 護 カ 身 体 の 清 潔 の 学 習 項 目 と 、 科 目 「 看 護 臨 床 実 習 」 と の 関 連 を 示 し た も の で あ る 「 基 礎 看 護 」。 の 導 入 部 分 で あ る 「 身 体 の 清 潔 の 意 義 と 健 康 に 及 ぼ す 影 響 」 の 学 習 内 容 は 「 看 護、 臨 床 実 習 」 の す べ て の 項 目 に 関 連 が あ り 、 そ の 他 の 項 目 は 「 看 護 臨 床 実 習 」 の 項 目 の そ れ ぞ れ に 対 応 し て い る 。 こ の よ う な 関 連 性 を 踏 ま え 「 基 礎 看 護 」 で は 、 科 学、 的 な 知 識 の 裏 付 け に よ る 援 助 の 必 要 性 を 理 解 さ せ る と と も に 、 そ の 援 助 方 法 を 、 看
、 、
護 医 療 用 具 や 器 具 等 の 実 物 ・ 模 型 の 提 示 や 師 範 教 室 で 実 施 で き る 簡 単 な 実 習 な ど 実 践 的 ・ 体 験 的 な 学 習 を 取 り 入 れ 習 得 さ せ る こ と が 必 要 で あ る 。
(イ) 将 来 の ス ペ シ ャ リ ス ト を 意 識 さ せ た 学 習 指 導
科 目 「 基 礎 看 護 」 の 単 元 「 (2)日 常 生 活 と 看 護 カ 身 体 の 清 潔 」 の 学 習 内 容 は 、 看 護 職 に 就 い た 時 の 日 常 の 仕 事 内 容 で あ る た め 、 科 目 「 看 護 臨 床 実 習 」 に お け る 実 習 項 目 と 一 致 し て い る 。 そ の た め 、 科 目 「 基 礎 看 護 」 の 校 内 実 習 の 指 導 に 当 た っ て
、 、 、
は 単 に 技 術 の 習 得 を 図 る だ け で な く 対 象 者 や そ の 症 状 な ど を 具 体 的 に 設 定 し て
〈科目「国語総合」における看護医学用語の習得を目指す学習指導計画(例 〉)
1 目 的 看護の専門性の基礎である看護医学用語の読みや書き取りができ、その用語の意味を理解する。
2 対象・方法 1学年対象とし、国語の授業の始まり10分間に看護医学用語の読みと書き取りの小テストを実施する。
3 内 容 ( ) 看護科目の既習の内容を中心に読み・書き取りテストを実施する (補充的学習)1 。
( ) 実施後、テストで出題された看護医学用語について、所定のカード(はがき大厚紙)に意味を調べさせ、2 提出させる (発展的学習)。
( ) 提出したカードは、50音順で見出しを付けて整理し、生徒自作の『看護医学用語豆辞典』として活用3 させる。
〈科目「国語総合」における看護医学用語テスト(例 〉)
看護医学用語テスト 衛生看護科 1学年 ○ 組 ○ 番 氏 名 点数 点
【問題】次の1〜10に挙げた用語のひらがなは漢字に、また漢字はその読みを書きなさい。
1 えんげ ( ) 2 あんぽう ( )
3 おかんせんりつ( ) 4 かんけつねつ( )
5 きこうたい ( ) 6 吃 逆 ( )
7 褥 瘡 ( ) 8 不感蒸泄 ( )
9 落 屑 ( ) 10 薬 札 ( )
【課題】1〜10までの用語の意味を調べカードにまとめ、○月○日まで提出しなさい。
看 護 職 に 就 く こ と を 強 く 意 識 さ せ な が ら 実 施 す る こ と が 大 切 で あ る 。
(4) 個 に 応 じ た 学 習 指 導 と 評 価 ア 自 己 評 価 の 活 用
生 徒 の キ ャ リ ア 発 達 を 支 援 す る た め に は 、 生 徒 自 身 が 自 ら を 適 切 に 評 価 し な が ら 自 己 理 解 を 深 め て い く こ と が で き る よ う 、 指 導 と 評 価 を 工 夫 す る こ と が 大 切 で あ る 。 そ の た め は 、 生 徒 一 人 一 人 の 状 況 を 把 握 し 、 個 に 応 じ た 学 習 指 導 を 行 う と と も に 、 評 価 計 画 表 の 内 容 の ま と ま り ご と に 自 己 評 価 を 取 り 入 れ る な ど 評 価 の 工 夫 が 必 要 で あ る 。 自 己 評 価 は 、 自 ら の 学 習 を 振 り 返 ら せ る こ と に よ り 、 自 己 の 学 習 課 題 を 明 確 に さ せ 、 次 時 の 学 習 の 目 標 を 捉 え さ せ る こ と が で き る 。 さ ら に 、 自 己 評 価 の 結 果 を 活 用 し た 面 談 な ど を 行 う こ と に よ り 、 生 徒 一 人 一 人 の 学 習 課 題 に 応 じ た 指 導 の 充 実 を 図 る こ と が で き る 。 な お 、 自 己 評 価 を 行 う 際 、 自 己 評 価 票 に 「 知 識 ・ 理 解 」 を 評 価 す る 設 問 を 設 け 解 答 さ せ る と 、 自 己 評 価 の 信 頼 性 や 妥 当 性 を 高 め る こ と が で き 、 生 徒 の 自 己 評 価 力 の 育 成 に も つ な が る 。
ま た 、 自 己 評 価 と 併 せ て 生 徒 に よ る 授 業 評 価 を 実 施 す る こ と に よ り 、 そ れ そ れ の 評 価 結 果 を 参 考 に 、 学 習 計 画 や 評 価 方 法 等 が 妥 当 な も の で あ っ た か を 検 証 し 、 授 業 改 善 を 図 る こ と も 大 切 で あ る 。
〈科目「基礎看護」(2)日常生活と看護「カ 身体の清潔」と科目「看護臨床実習」の関連図〉
「基礎看護」の目標 「看護臨床実習」の目標
看護の意義と保健・医療・福祉における看護の役割を 看護に関する各科目において習得した知識と技術を臨 理解させ、日常生活の援助及び診療における看護に関す 床の場で活用し実践する経験を通して、看護観をはぐく る基礎的な知識と技術を習得させるとともに、看護を適 み、問題解決の能力を養うとともに、臨床看護を行うた
を育てる (8〜10単位) を育てる (10〜21単位)
切に行う能力と態度 。 めに必要な能力と態度 。
【基礎看護の学習内容】 【看護臨床実習の学習内容】
◎身体の清潔の意義と健康に及ぼす影響 入浴介助
皮膚の構造と新陳代謝
基本的ニード(清潔)の充足と不充足
羞恥心に配慮した清拭の方法 シャワー浴介助
疾病時の援助の必要性
安全と安楽に配慮した清拭の援助方法
全身清拭の目的・手順・留意点 全身清拭
対象の状態に応じた清拭時の留意点 部分清拭
入浴の全身への影響・目的・方法・留意
洗髪の目的・手順・留意点 洗髪
洗髪車について
手浴 部分浴(手浴)の目的・手順・留意点
部分浴(足浴)の目的・手順・留意点 足浴
整髪の目的・手順・留意点 整髪
ひげそりの目的・手順・留意点 ひげそり
口腔清拭の目的・手順・留意点 口腔清拭
義歯の取り扱い手順・留意点 義歯の取扱い
寝衣の交換の目的・手順・留意点 寝衣交換
爪の手入れの目的・方法・手順・留意点 爪切り
洗面介助の目的・留意点 洗面介助
陰部洗浄目的・手順・留意点 陰部洗浄
イ 個 人 内 評 価 の 工 夫
キ ャ リ ア 教 育 を 進 め る 上 で 、 教 師 が 最 も 大 切 に し な け れ ば な ら な い こ と は 、 子 ど も た ち 一 人 一 人 の キ ャ リ ア 発 達 を き め 細 か く 支 援 し 、 温 か く 支 え て い く こ と で あ る 。 各 学 校 に お い て は 、 生 徒 一 人 一 人 の 状 況 を 的 確 に 把 握 し 指 導 す る と と も に 、 生 徒 自 身 が 自 己 の よ さ や 可 能 性 に 気 付 き 、 夢 や 希 望 の 実 現 に 向 け て 努 力 す る 過 程 を 組 織 的 、 継 続 的 に 指 導 ・ 援 助 し て い く こ と が 大 切 で あ る 。 そ の た め に は 、 生 徒 一 人 一 人 の よ い 点 や 可 能 性 、 進 歩 の 状 況 な ど を 評 価 す る 、 個 人 内 評 価 を 重 視 す る こ と が 必 要 で あ る 。 目 標 に 準 拠 し た 評 価 で は 、 あ る 生 徒 が 努 力 の 結 果 「 お お む ね 満 足 で き る と 判 断 さ れ る 状、 況 (
B
)」 か ら 「 十 分 満 足 で き る と 判 断 さ れ る 状 況 (A
)」 に 近 づ い た と し て も 、 評 価 の 結 果 は( )B
の ま ま に な っ て い る 場 合 が あ る。こ の よ う な と き、例 え ば 教 師 が、「回 数 を 重 ね る ご と に ず い ぶ ん 上 手 に 介 助 で き る よ う に な っ て き た ね。」「 て き ぱ き と 動 け る よ う に な っ て き た ね 」 な ど と 、 生 徒 の 進 歩 の 状 況 を 積 極 的 に 認 め て 評 価 す る こ。 と が 、 個 人 内 評 価 で あ り 、 生 徒 の 学 ぶ 意 欲 を 一 層 高 め る こ と が で き る 。 個 人 内 評 価 の 工 夫 と し て は 、 授 業 中 に お け る 声 か け に よ る 形 成 的 評 価 や 、 ペ ー パ ー テ ス ト の 点 数 欄 の 横 や 自 己 評 価 票 に コ メ ン ト を 付 記 す る こ と な ど が 考 え ら れ る 。 個 人 内 評 価 を 行 う 場、 、 、
合 の 教 師 の 視 点 と し て は 共 感 的 に 生 徒 の 姿 を と ら え る こ と を は じ め 生 徒 の よ さ や 今 、 何 が で き て い る の か に 注 目 す る こ と な ど が あ げ ら れ る 。 こ の よ う に 、 必 要 に 応 じ て 目 標 に 準 拠 し た 評 価 ( い わ ゆ る 絶 対 評 価 ) に 個 人 内 評 価 を 加 味 す る こ と が 大 切 で あ る 。
〈科目「看護臨床実習」場面における自己評価票(例 〉)
自 己 評 価
臨床実習内容 実習 A=よくできた・よくわかった B=できた・わかった
身体の清潔 の 実施日 =できなかった・わからなかった 教師からのコメント
( ) C
【予定回数】 段階 意欲的な取 対象の観察 コミュニケ 安全・安楽
組 ーション な実施 総合評価
7/ 5 B C C A C (7/15)回数を重ねるたびに
①
7/10 A B B A B 評価がよくなったね。しっか
全身清拭 ◎ ②
7/15 A A A A A り取り組めました!
【3回】 ③
7/11 A C B C C (7/19)シャワーの扱いに苦 シャワー浴 ①
7/14 A C B B B 労していたね!大丈夫!家で
介助 ○ ②
7/18 A B A B B も練習してごらん!
【3回】 ③
① 足 浴 ◎ ②
【予定5回】 ③ 寝衣の交換 ③
【予定5回】 ○ ④
⑤
※ 実習の段階(生徒が実習を行う際の段階・レベル)について
◎〜教員や看護師の助言、指導により生徒が単独でできるもの
○〜教員や看護師の指導、監視のもとで生徒が実施できるもの
△〜原則として看護師や医師の実施を生徒が見学するもの
※ 総合評価について
=CがひとつもなくAが つ以上の場合 = 総合評価 とC以外の場合 C=Cが つ以上あった場合
A 3 B A 2
※ 総合評価Cとなった生徒への手立てについては、実習簿で方法等を確認させるとともに、自己学習ノートにまとめさせ、
再評価する。
(5) 特 別 活 動 な ど 教 科 以 外 の キ ャ リ ア 教 育
、 、 、
看 護 師 を 目 指 し 入 学 し て き た 生 徒 の 看 護 職 へ の 高 い 関 心 や 意 識 を 5 年 間 持 続 さ せ 生 徒 の キ ャ リ ア 発 達 を 支 援 し て い く こ と は 、 5 年 一 貫 に 移 行 し た 看 護 師 養 成 課 程 に お け る 課 題 で あ る こ と か ら 、 各 教 科 ・ 科 目 は も と よ り 、 学 校 の 教 育 活 動 全 体 を 通 し て キ ャ リ ア 発 達 を 支 援 す る 必 要 が あ る 。 そ の た め 、 例 え ば 「 看 護 臨 床 実 習 」 の 事 前 指 導 の 時 間、 や 特 別 活 動 の 時 間 に 「 卒 業 生 に よ る 講 話 」 を 実 施 し て 、 看 護 職 に 就 こ う と す る 意 欲 の 向 上 や 、 看 護 師 国 家 試 験 の 合 格 に 向 け た 学 習 へ の 意 識 付 け を 図 る な ど 、 す べ て の 教 科 等 に お い て キ ャ リ ア 教 育 に 取 り 組 む 必 要 が あ る 。
〈 卒 業 生 に よ る 講 話 に お け る 記 入 プ リ ン ト ( 例 〉)
講師 ○○病院 看護師 ○○ ○○ さん(平成○○年卒業)
「看護師として働くために」
衛生看護科 年 番 氏名 1 あなたが看護師を目指そうと思ったきっかけは何ですか?
講
話 2 看護師を目指すに当たって、あなたが不安に思っていることや課題と考えていることは何ですか?
を 聞 く
前 3 看護師として働くに当たって、疑問に思っていることなどを先輩に質問してみましょう。
に ①
②
③
ここでいったん提出です!
4 講話を聞いて考えたことをまとめてみましょう。
5 看護師として働くに当たって自分に不足している資質や能力は何か、まとめましょう。
講 話
を 6 講話をしてくださった先輩へ何か一言!お伝えしたいことなど書きましょう。
聞 い て
7 卒業生の講話を聞き終えて、改めて看護師を目指す意気込みや抱負を書きましょう。
講話実施日に集めます!
8 卒業生の講話の実施に関して評価して下さい (該当する回答に○を付けること )。 。
① 卒業生の講話内容は参考になりましたか。
講 【とても参考になった・まあまあ参考になった・あまり参考にならなかった・全く参考にならなかった】
話 ② 卒業生の講話は続けて欲しいですか。
の 【続けて欲しい・今年度だけでよい】
評 ③ 講話を聞くあなたの態度はよかったと思いますか。
価 【とてもよかったと思う・まあまあよかった・あまりよくなかった・全くよくなかった】
④ 講話を聞く前と今では、看護師になりたい気持ちに変化はありましたか。
【なりたいと強く思うようになった・なりたいと思うようになった・変化はなかった・前より不安が大きくなった】
⑤ 自分が看護師になって講話するとしたら、どんなテーマで後輩に話したいと思いますか。
( )