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(1)

会計学1

第9講 連結財務諸表(その2)

1

今日の学習項目

1. 連結財務諸表の基礎知識 ( 以下「その 1 」 ) 2. 連結貸借対照表の作成

3. 連結損益計算書の作成 ( 以下「その 2 」 ) 4. 連結株主資本等変動計算書

5. 持分法

6. 連結キャッシュ・フロー計算書 7. 連結財務諸表の表示

8. まとめ

2

3. 連結損益計算書の作成

【定義】親会社と子会社の個別損益計算書を基礎 とし,

(a) 収益・費用の金額を科目ごとに合算するととも に,

(b) 連結会社相互間の取引高の相殺消去,および (c) 未実現損益の消去を行うことにより,企業集団

としての当期純利益を算定表示する。

(原則第五の一)

3

連結 P/L 作成のフローチャート

4

親会社 P/L

子会社 P/L

合算 P/L

連結 P/L

連結手続き

(1)会社間取引の相殺消去 (2)未実現損益の消去 (3)その他

連結会社相互間の取引高の消去

P社P/L 受取利息

(収益) 100

S社P/L 支払利息

(費用) 100 内部取引

消去(戻し)

(1)S社からP社への利息の支払は,内部取引であり,企業集団全体で 見た場合の収益・費用には影響を及ぼさないので,消去(戻し処理) します。合算P/Lの収益・費用から100ずつ控除します。

(2)S社からP社に支払われた配当金についても,同様の消去を行います。

P社の収益(P/L),S社の配当金(株主資本等変動計算書)から,同額を 控除します。

未実現損益の消去

• 連結会社相互間の資産 ( 商品・製品等 ) の売買も,企 業集団内部の資産の振替えにすぎません。企業集 団外部の経済主体に当該資産を販売するまで,そ の販売活動は完結しません。

• 連結会社相互間の取引価格に利益が加算されてい る場合は,当該資産に未実現利益が含まれている ことになります。

• 連結損益計算書を作成する際には,そうした未実現

利益を消去します。

(2)

未実現損益の消去 設例

利益剰余金 期首残高7 売上高250

売上総利益 8

P社P/L S社P/L

期首棚卸高70 (未実現損益 7) 仕入高 250

期末棚卸高 80 (未実現損益 8) (1)P社はS社に商品を販売。S社の仕入れはすべてP社商品。

P社はS社に商品250を販売した。

(2)P社は10%の利益を加算して,S社に販売。

(3)棚卸高は,期首70,期末80である。

期首未実現損益 の消去

内部取引の消去

期末未実現損益 の消去

7

売上原価の計算方法

期首商品有高A

当期仕入高B

期末商品有高C

当期払出高D (売上原価) 商品勘定

売上原価=(A+B)-C

売上高が所与の場合,Cが大きくなるほど,売上総利益は大きくなります。

逆の場合は,売上総利益は小さくなります。

8

連結損益計算書の作成 設例

P 社 P/L S 社 P/L

売上高

250 300

売上原価

期首商品有高

35 70

当期仕入高

210 250

期末商品有高

20 225 80 240

売上総利益

25 60

9

売上原価の計算 設例

期首商品有高 35 → 28

当期仕入高 210

期末商品有高 20 → 12

当期払出高 (売上原価) X → Y P社商品勘定

X=(35+210)-20=225 (前SのP社P/Lで表示) Y=(28+210)-12=226

期首未実現 利益7を当期 実現利益に 繰入れ

期末未実現 利益8を次期 首に繰越し

10

連結損益計算書の作成 設例

連結損益計算書

計算式 売上高

300 (250 + 300) - 250

売上原価

期首商品有高

98 (35 + 70) - 7

当期仕入高

210 (210 + 250) - 250

期末商品有高

92 216 (20+80)-8

売上総利益

84

11

その他の消去項目 (1)

固定資産の未実現利益

連結会社相互間の固定資産取引で売買価格に利益 が加算されている場合は,売り手企業に生じた未実 現利益(固定資産売却益)を消去します。それととも に,販売対価として受領した流動資産を未実現利益 の金額だけ減額修正します。

他方,買い手企業は購入価格にもとづいて当該資産 の減価償却費を計算しているので,当該資産価額 を未実現利益を控除した価額に修正するとともに,

当該修正価額にもとづいて減価償却を再計算しま す。

12

(3)

時価評価にともなう修正事項

資本連結に先立って時価評価された子会社の資産・負債が

,収益・費用となって利益計算に組み込まれる場合。子会社 の個別損益計算書では,時価評価前の帳簿価額にもとづい て収益・費用が計上されています。

(1)

有形固定資産の減価償却費。時価評価後の資産価額にもと づいて修正。

(2)資産の売却・除却にともなう損益。時価評価後の資産価額に

もとづいて修正。

(3)低価基準による棚卸資産価額。時価評価後の資産価額と期

末時価を比較し,低い方を当該棚卸資産の価額とします。

13

その他の消去項目 (2)

子会社が計上した未実現利益

親会社から子会社に転売する取引を“down‐stream”,子会社から親会社 に転売する取引を“up‐stream”といいます。

アップストリームでは,子会社に未実現損益が発生します。子会社に少数 株主が存在する場合,未実現損益の処理には以下の3つの処理方法が 考えられます。

全額消去 子会社の

未実現損益

親会社持分 相当額のみ消去

全額親会社負担方式(A) 持分比率負担方式(B)

親会社持分相当額消去方式(C)

原則(第五の三の3)では,B方式を規定。経済的単一体説と整合的。

14

税効果会計

連結財務諸表では以下のような場合に,連結固有の一時差異 が生じます。

(1)資本連結に先立って実施された子会社の資産・負債の時価

評価にともなって生じた評価差額。

(2)

連結会社相互間の売買取引に含まれ,連結損益計算書の 作成過程で消去された未実現損益(益金)。

(3)連結会社相互間の債権・債務の相殺消去にともなって減額

修正された貸倒引当金

(

損金

)

一時差異に係る税金の額は,連結損益計算書に法人税等調 整額として計上するとともに,連結貸借対照表に繰延税金資 産または繰延税金負債として計上します。その金額は,資産 負債法(解消年度の税率)で計算します。会計処理は,個別 財務諸表における一時差異の場合と同様です。

15

4. 連結株主資本等変動計算書

【役割と位置づけ】

Statement of Shareholders’ Equity(S/S) .

純資産の各項目の期首残高が期中変動を経て期末残高 に至る過程を網羅的に明らかにします。第三の財務諸表。

かつての利益処分計算書に代替。会社法435条②,会社 計算規則91条①,基準第6号。

【導入の理由】(1)会社法の施行により,株式会社は剰余 金の配当をいつでも決定でき,また株主資本の内訳をい つでも変動させることができるようになったこと。(2)所定の 有価証券の時価評価差額等,貸借対照表の純資産の部 に直入される項目が増加したこと

(

貸借対照表と損益計算 書のクリーンサープラス関係の毀損)。

16

B/S , P/L , S/S の関係

資産 負債

期首 純資産 B/S

期首 純資産

純利益

その他純資 産の当期

増加額 期末 純資産 期末

純資産

S/S 純資産 の当期 減少額

純利益 費用

収益 P/L

純資産直入項目

連結株主資本等増減計算書の様式

株主資本

評価算差額 新株予約権 少数株 純資産

資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計

前期末残高 当期変動額 新株の発行 剰余金の配当 当期純利益

・・・・・

当期変動合計 当期末残高

少数株主持分は,個別株主資本等変動計算書では記載されません。

(4)

連結株主資本等増減計算書の作成

• 親会社と子会社の個別株主資本等増減計算 書を基礎として,

(1) 各項目の増減や残高を合算するとともに,

(2) 連結会社相互間の資本取引や配当に係る 取引を消去して,作成します。

19

確定方式と繰上方式

【確定方式】連結会計期間に確定した剰余金の配当を基礎と して連結決算を行う方法。利益剰余金を減少させる取引とし て

S/S

に記載されるのは①②。

【繰上方式】処分の確定時期によらず,連結会計期間の利益 に関する処分を基礎として連結決算を行う方法。利益剰余 金を減少させる取引としてS/Sに記載されるのは②③。

20

①総会で決定 した配当 総会で決算確定・

配当決定

②中間・四半期配当 総会で決算確定・

配当決定

③総会で決定 した配当 当期の利益から配当(繰上方式) 当期に確定した剰余金の配当(確定方式)

利益配当の修正消去

年次・中間・四半期等の配当金の分配について,修正しま す。

【設例】議決権の60%を支配する子会社が,個別財務諸表 で利益剰余金の減少高として,配当金

200

を計上している 場合。

①親会社の受取配当金120(200×0.6)を,子会社の支払っ た配当金と相殺。

②少数株主持分

80(200

×

0.6)

を,子会社の支払った配当金 と相殺。少数株主の受取配当金は,小数株主持分の減少 額として認識します。

③以上の修正消去の結果,子会社が支払った配当金200 の全額が,連結財務諸表から消去されることになります。

21

5. 持分法

• 【定義】持分法

(equity method)

は,非連結子会社と関連会社の業 績(株式評価)を,親会社のB/Sに反映させる会計手続きです。非連 結子会社と関連会社に対する投資勘定に適用します(原則第四の 八の1)。

• 【定義】非連結子会社→第12回。

• 【定義】関連会社。影響力基準で判断。親会社および子会社が,

出資,人事,資金,技術,取引等の関係を通じて,財務や営業の 方針決定に対して重要な影響を与えることができるような会社。次 のような場合。

(a)議決権の20%以上を実質的に所有している場合。

(b)議決権の所有割合が20%未満であっても,一定の議決権を有

し,かつその会社の財務や営業の方針決定に重要な影響を与え ることができる一定の事実(契約等の存在)が認められる場合。

22

持分法の会計処理

• 関連会社株式は原価で評価(金融商品会計基準)。持分法では,

被投資会社

(

関連会社等

)

の純資産および損益のうち投資会社に 帰属する部分の変動に応じて,投資株式の評価額を連結決算日 ごとに修正します。

(1)投資株式の取得時点では原価評価。取得原価と被投資会社の資

本勘定の差額はのれんとして処理します。

(2)被投資会社の年次損益が判明するつど,その損益額に持株比率

を乗じた額を算定し,B/Sの投資株式の評価額に当該金額を加算 するとともに,同額を損益項目として当期純利益に加算します。

(3)被投資会社から配当金を受け取った場合は,その額だけ被投資

会社の資本勘定に対する持分が減少したものとして,投資株式の

B/S

価額を減額し,受取配当金と相殺消去します。

23

持分法の会計処理 図解

24

資本勘定

150 A社株式

45 (→43) 30%を

45で取得 被投資会社A

投資会社B 当期純利益

20

持分法による投資利益6 B社持分相当額(20×0.3) をA社株式に加算

受取配当金 2

A社株式と相殺消去。

その結果A社株式は 49(45+6-2)になります。

(5)

一行連結

持分法適用の前提

(1)被投資会社の資産・負債を時価評価し,資本勘定の金額を算定。

(2)税効果会計を適用。

(3)投資会社の投資勘定と,被投資会社の資本勘定の差額は,投資勘定に 含め,のれんと同様に処理。

(4)のれんの償却を実施。連結会社と持分法適用会社の間の取引に係る未 実現利益を消去。

以上の処理を実施した場合,連結損益計算書の当期純利益は,連結を行っ た場合と持分法を適用した場合とで同額になります。連結は親子会社の 収益・費用を合算し,総額法で子会社の業績を連結利益に反映させる方 法です。全部連結(full consolidation)

これに対して,持分法は,被投資会社の純利益に占める投資会社の持分相 当額のみを純額法で連結利益に反映させる方法です。純利益のみの連 結という意味で,一行連結(one‐line consolidation,純額連結)と呼ばれ ています。

25

6. 連結キャッシュ・フロー計算書

• 【役割】発生主義会計情報では明らかにされない情報の提供。 会 計的発生高(現金収支を伴わない減価償却費や引当金繰入額等) を含まない資金情報。

“Cash is King”(Copeland[1990]).

“Cash is fact, and accounting profit is opinion”(Wall Street Jr., Aug. 

28, 2002) .

(1) 発生主義会計利益にどの程度資金的な裏付けがあるかを示し,

利益の質(利質)を明らかにする。

(2) 

資金繰りの観点から企業の安全性

(

支払能力

)

の評価に役立つ情 報を提供する。

連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準・同注解。

26

資金の概念

キャッシュ・フロー計算書における「資金」は,現金およ び現金同等物

(

基準第二の一,注解

1

2)

【現金】Cash.手元現金,当座預金,普通預金,通知預 金等(要求払預金)。

【現金同等物】

Cash Equivalent. 

容易に換金が可能で,

かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない 短期投資(3カ月以内)。定期預金,コマーシャル・ペー パー等。

株式は価格変動のリスクが高いので,資金に含まれ ません。

手元流動性=現金・預金+有価証券

(1

年未 満

)

27

キャッシュ・フローの 3 区分

資金の①期首残高

②期中変動

③期末残高。そのプロ セスを,

(1)

営業活動,

(2)

投資活動,

(3)

財務活動に区分し て表示します(基準第二の二の1)。

(1)

【営業活動】企業が主として営む事業に関する活動。売上 収入,商品・原材料の仕入支出,人件費,販管費の支出 等。

(2)【投資活動】設備投資,証券投資,融資。各種資産への投

資。設備・有価証券の売却収入,貸付金の回収等,固定 資産への資本的支出,有価証券の取得支出,貸付等。

(3)【財務活動】資金の調達と返済。新規の借入金,社債発行,

増資等,借入金の返済,社債の償還等。

28

直接法と間接法

営業活動によるキャッシュ・フローの区分の作成・表示法には,以下の2つの方法 があります。投資活動,財務活動の区分の作成・表示法は,直接法のみです。

(1)【直接法】主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額表示する方法。損益計算書 上の収益・費用の各項目の金額に所定の調整を施して収入・支出の総額を算出 し,その差額を求めることによって,期中の資金の増減を明らかにします。営業収 入から出発。

P/L上の収益→ ±調整→ ①収入

P/L上の費用→ ±調整→ ②支出

①-②=資金の増減額

(2)【間接法】税金等調整前当期純利益から出発して,収益と収入の食違い部分,費 用と支出の食違い部分を調整することにより,期中の資金の増減を明らかにしま す。

③P/L上の収益

④P/L上の費用

③-④=P/L上の純利益→ ±調整→ 資金の増減額

キャッシュ・フロー計算書の様式 ( 直接法 )

科 目 金 額

Ⅰ.営業活動によるキャッシュ・フロー 営業収入

商品の仕入 その他の営業支出 受取配当金

・・・・・

営業活動によるキャッシュ・フロー計

×××

△×××

△×××

×××

・・・・・

×××

Ⅱ.投資活動によるキャッシュ・フロー 固定資産の取得による支出 固定資産の売却による収入

・・・・・

投資活動によるキャッシュ・フロー計

△×××

×××

・・・・・

×××

Ⅲ.財務活動によるキャッシュ・フロー 短期借入金・コマーシャルペーパーの増減額 長期借入金の返済による支出

・・・・・

財務活動によるキャッシュ・フロー計

×××

△×××

・・・・・

×××

現金及び現金同等物の増減額 現金及び現金同等物の期首残高 現金及び現金同等物の期末残高

×××

×××

×××

(6)

キャッシュ・フロー計算書の様式 ( 間接法 )

31

科 目 金 額

Ⅰ.営業活動によるキャッシュ・フロー 税金等調整前当期純利益 減価償却費 引当金の増減額 営業債権の増減額

・・・・・

営業活動によるキャッシュ・フロー計

×××

×××

×××

×××

・・・・・

×××

Ⅱ.投資活動によるキャッシュ・フロー 固定資産の取得による支出 固定資産の売却による収入

・・・・・

投資活動によるキャッシュ・フロー計

△×××

×××

・・・・・

×××

Ⅲ.財務活動によるキャッシュ・フロー 短期借入金・コマーシャルペーパーの増減額 長期借入金の返済による支出

・・・・・

財務活動によるキャッシュ・フロー計

×××

△×××

・・・・・

×××

現金及び現金同等物の増減額 現金及び現金同等物の期首残高 現金及び現金同等物の期末残高

×××

×××

×××

キャッシュ・フロー計算書の作成 設例

(1) 期首の財政状態 現金 300 ,資本金 300 (2) 期中の取引

①銀行から 300 を借入れた。

②備品 200 を購入し,代金は現金で支払った。

③商品 200 を現金で仕入れた。

④仕入れた全商品を 250 で,掛け売りした。

⑤備品の減価償却費は 40 である。

32

設例による B/S と P/L の作成

33 現金300 資本金300

期首B/S

売上原価200 減価償却費40

売上高250

純利益10

当期P/L

現 金200 売掛金250 備 品160

資産合計610 借入金300 資本金300 純利益 10

負債資本合計 610

期末B/S

現金残高が期首300から期末200に,100だけ減少しています。

その原因(プロセス)を明らかにするのが,キャッシュ・フロー計算書です。

設例による CF 計算書 ( 直接法 ) の作成

34

科 目 金 額

Ⅰ.営業活動によるCF

営業収入 0

仕入支出 △200 △200

Ⅱ.投資活動によるCF

備品の購入支出 △200

Ⅲ.財務活動によるCF

借入金収入 300

現金及び現金同等物の増減額 △100

現金及び現金同等物の期首残高 300

現金及び現金同等物の期末残高 200

設例による CF 計算書 ( 間接法 ) の作成

35

科 目 金 額

Ⅰ.営業活動によるCF

純利益 10

減価償却費 40

売掛金の増加 250 △200

Ⅱ.投資活動によるCF

備品の購入支出 △200

Ⅲ.財務活動によるCF

借入金収入 300

現金及び現金同等物の増減額 △100

現金及び現金同等物の期首残高 300

現金及び現金同等物の期末残高 200

7. 連結財務諸表の表示

• 連結財務諸表は,以下の4つからなります。

(1) 連結貸借対照表 (2)連結損益計算書

(3) 連結株主資本等変動計算書 (4) 連結キャッシュ・フロー計算書

36

(7)

連結貸借対照表に固有の特徴

(a)投資勘定と資本勘定の相殺消去の際に生じたのれんの

残高を,無形固定資産または固定負債に表示します。借 方と貸方ののれんは相殺して記載できます。

(b)少数株主持分を,純資産の部の最下段に記載します。

(c)

子会社が所有する親会社の株式は,自己株式とともに資 本の控除項目として,株主資本の末尾に記載します。

(d)

企業集団の財政状態について誤解を生ぜしめない限り,

科目を集約して表示することができます。

37

連結損益計算書に固有の特徴

(a)資本連結の結果生じたのれんの償却額は,借方の場合は

販管費に,貸方の場合は営業外収益に,それぞれ表示しま す。

(b)持分法による投資損益は,営業外収益または営業外費用に

一括して表示します。

(c)税金等調整前当期純利益を算定した後,利益に関連する税

金費用を控除したうえで,小数株主損益を加減して当期純利 益を表示します。

(d)企業集団の財政状態について誤解を生ぜしめない限り,科

目を集約して表示することができます。

38

連結株主資本等変動計算書に固有の特徴

(a)資本剰余金と利益剰余金を,準備金とその 他剰余金に区分する必要がありません。合 算して表示します。

(b)為替換算調整勘定と少数株主持分が表示さ れます。為替換算調整勘定は,外貨で表示さ れた財務諸表を作成している在外子会社を 連結した場合に生じる項目です。

39

連結キャッシュ・フロー計算書に固有の特徴

(1)

新しく子会社が連結範囲に含まれることによって増加した資産・負 債・のれん・少数株主持分は,その純額を子会社株式の取得支出 として計上します。のれんの償却による減少額は,連結損益計算 書ののれん償却額と相殺します。

(2)子会社が純利益を獲得したことによって増加した少数株主持分は,

連結損益計算書の少数株主損益と相殺します。子会社が行った 配当金の分配による少数株主持分の減少額は,少数株主への配 当金支出として連結キャッシュ・フロー計算書に計上します。

(3)関連会社が純利益を獲得したことによって増加した関連会社株式

は,連結損益計算書の持分法による投資利益と相殺します。関連 会社が行った配当金の分配による関連会社株式の減額分は,関 連会社からの配当金収入として連結キャッシュ・フロー計算書に計 上します。

40

その他の特徴

(a)連結財務諸表の注記事項

連結の範囲,持分法の適用,連結子会社の事業年度等,会計処理基準,連結子 会社の資産・負債の評価,連結で生じたのれんの償却,剰余金の配当等の取扱 い,連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲等。

(b)関連当事者との取引

関連当事者とは,親会社,関連会社,兄弟会社,役員等,支配従属関係にあった り,財務や営業上の意思決定に重要な影響をもつ企業や個人。これらの当事者 との取引は,会社の財政状態や経営成績に影響を及ぼすことがあるためです。

(c)セグメント情報

異質的事業を営む子会社(金融子会社等)も連結の範囲に含まれますが,そうし た子会社の財務諸表を合算するとかえって,企業集団の財務内容に関する判断 について誤解が生じるおそれがあります。そのような誤解を防止するとともに,多 角化した事業内容に関する詳細な情報を提供するために,「事業種類別セグメン ト情報」「所在地別セグメント情報」などが,開示されます。

8. まとめ

(1)連結財務諸表の基礎概念を,正確に理解しておきましょう。とくに

会計主体論,連結範囲の判断基準等については,体系的な理解 が求められます。

(2)連結財務諸表の作成手続きについて,体系的な整理をしておきま

しょう。連結貸借対照表の作成では資本連結が,連結損益計算書 の作成では未実現利益の消去が,とくに重要なポイントになります

(3)連結財務諸表に固有の諸特徴を,整理しておきましょう。税効果会

計,セグメント情報等の意義も,それらの諸特徴と関連させて体系 的に理解しておきましょう。

(4)

持分法の意義と手続き,持分法と連結手続きの異同について,整 理をしておきましょう。

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3 資金の期首残高 資金の期首残高は、教育研究奨励寄附金の繰越額5,776,958円です。 Ⅳ 「行政サービス実施コスト計算書」注記 機会費用の内訳 機会費用はすべて設立団体岡山県に係るものです。 Ⅴ 重要な債務負担行為 当期に契約を締結し、翌期以降に支払が発生する重要なものは、以下のとおりです。