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5 K ベクトル空間

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Academic year: 2024

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5 . K - ベクトル空間

科目: 線形代数学IB及び演習(1‐1組)

担当: 相木

このプリント内では有理数体Q,実数体R,複素数体Cをスカラーとするような「ベ クトル空間」というものを定義する.スカラーが3つのうちどれでも定義は同じなので,

これらをKと表すことにする.つまり,Kを含むような文章においてはQ,R,Cのうち 1つ選び,文内に現れるKは全てその選んだ1つであるとして読めばよい.

これまで,Rnという数ベクトル空間を扱ってきたが,数ベクトル空間の最も本質的 な性質は,x,yRnとスカラーcに対して

x+y と スカラー倍 cx

が定義されており,x+ycxは共に新たなRnの元を定めていることである.これを抽 象化し,一般的なベクトル空間を導入することが目的である.

そこでまず一般に,集合V に対して「和が定義されている」,「スカラー倍が定義され ている」,とはどういうことか定義する.

集合における和

V を集合とする.集合V において和が定義されているとは,V ×V →V なる写像が 定義されていることである.

この写像のことを「和」とよび,u,v,w∈V に対して(u,v)∈V ×V がこの写像に よってw ∈V に写されるとき,つまり

(u,v)7→w

のとき,このことを

u+v =w

と書く.また,写った先を明示せず,「(u,v)の像」を表すために u+v

とも書く.これは,写像f によるxの像をf(x)と記述したことに対応する.

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(2)

集合におけるスカラー倍

V を集合とする.集合V においてKをスカラーとするスカラー倍が定義されている とは,K×V →V なる写像が定義されていることである.

この写像を「スカラー倍」とよび,c∈Ku,w ∈V に対して(c,u) K×V がこ の写像によってw ∈V に写されるとき,つまり

(c,u)7→w

のとき,このことを

cu=w

と書く.また,写った先を明示せず,「(c,u)の像」を表すために cu

とも書く.

もう少し平たく言うと,V において和とスカラー倍が定義されているということは,∀c∈Ku,v ∈V に対してu+vcuV の元として定まっている,ということである.

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(3)

和とスカラー倍が定義された集合V がさらに特定の条件を満たすとき,ベクトル空間 であるという.

K-ベクトル空間

V を集合とし,V において和とKをスカラーとするスカラー倍が定義されていると する.以下が成り立つとき,VK-ベクトル空間(スカラーが何であるか明かなと きは単にベクトル空間)であるという.

(i)(和の結合法則) u,v,w ∈V, u+ (v+w) = (u+v) +w (ii) (和の可換性) u,v ∈V, u+v =v+u

(iii) (0の存在) 0∈V, u ∈V, u+0=0+u=u

 この0を零ベクトルとよぶ

(iv) (逆ベクトルの存在) u∈V, u ∈V, u+u =u+u=0

 このuuと書き,uの逆ベクトルとよぶ (v) (1によるスカラー倍) u ∈V, 1u=u

(vi) (スカラー倍の結合法則) u∈V, ∀α, β ∈K, α(βu) = (αβ)u

(vii) (スカラー倍の分配法則) u,v ∈V, ∀α, β ∈Kに対して α(u+v) =αu+αv かつ (α+β)u=αu+βu

また,VK-ベクトル空間であるとき,V の要素のことをベクトルとよぶ.

例えば,スカラーがCであるときは,C-ベクトル空間,などという.この語法を用いる と,「RnR-ベクトル空間である」と言える.また,RnQ-ベクトル空間でもあるが,

C-ベクトル空間ではない(演習問題).

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予約制問題

(5-1) RnQ-ベクトル空間であることを示せ.

(5-2)m×n行列全体の集合Mm×n(R)はR-ベクトル空間であることを示せ.

(5-3) K-ベクトル空間V においてベクトル空間の定義(iii)を満たすベクトルは唯一つで    あることを示せ.

(5-4) VK-ベクトル空間とする.u ∈V に対してベクトル空間の定義(iv)を満たす    逆ベクトルuは唯一つであることを示せ.

早いもの勝ち制問題

(5-5) RnC-ベクトル空間ではないことを示せ.

(5-6) 区間Iで定義された実数値連続関数全体の集合C(I)においてf, g∈C(I)とc∈R    に対して

(f+g)(x) =f(x) +g(x) (cf)(x) = cf(x)

   によって和とスカラー倍を定義すると,C(I)はR-ベクトル空間でることを示せ.

(5-7) VK-ベクトル空間とする.u ∈V に対して0u=0を示せ.

(5-8) VK-ベクトル空間とする.∀α ∈Kに対してα0=0を示せ.

(5-9) VK-ベクトル空間とする.u ∈V に対して

u= (1)u

   が成り立つことを示せ.(注意:uはベクトル空間の定義(iv)から定まるV の要    素であり,(1)u1∈Kuの積である)なお,(5-4)の結果は認めてよい.

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