○めだかの身の守り方や体の仕組みに関心を持って読もうとする。
○調べたい生き物について,自分で本を見つけ,調べて「生き物図鑑」にすることができる。
<関心・意欲・態度>
○文章全体における各段落のまとまりや段落相互の関係を考えて読むことができる。
○めだかの身の守り方や体の仕組みについて,大事なことを落とさずに読み取ることができる。
<読むこと>
○目的に応じていろいろな本や文章を選んで読むことができる。 <読むこと>
○いろいろな分野の本を読み,文章を引用したり,要約したりしながらまとめることができる。
<読むこと>
○指示語や接続語の役割を理解することができる。 <伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項>
C 読むこと(3)「目的に応じ,内容の中心をとらえたり段落相互の関係を考えたりしながら,読む 能力を身に付けさせるとともに,幅広く読書しようとする態度を育てる。」 「イ目的に応じて,中心となる語や文をとらえて段落相互の関係や事実と意見との関
係を考え,文章を読むこと。」
「エ目的や必要に応じて,文章の要点や細かい点に注意しながら読み,文章などを引 用したり要約したりすること。」
「カ目的に応じて,いろいろな本や文章を選んで読むこと。」
第3学年 国語科学習指導案
1 単元名 じょうほうをもとめて読む 『めだか』 指導者 M・K M・E ~生き物図かんを作って,生き物のひみつを知らせよう~
2 目標
3 学習指導要領との関連
学校図書館の活用
○白井図書館と連絡を密にし,必要な資料について早めに連絡をして,ネットワークを活用する。
○いつでも調べることができるように図鑑や参考図書を集め,そのコーナーを設置する。
4 児童の実態 調査 5月31日(木) 調査人数 35名
これまで児童は,大小タイムなどの読書に意欲的に取り組んできた。家庭学習の音読練習も進んで 行っており,習慣化してきている。以下,アンケート調査等による実態である。
1国語科に関する実態
①国語の授業を楽しいと感じますか?
よく感じる 18人 時々感じる 42人 あまり感じない 10人
②国語の学習の中で,どの学習が好きですか?
音読 25人 発表 21人 友だちの考えを聞くこと 34人
教師の説明を聞くこと 31人 登場人物の気持ちを考えること 35人 漢字や言葉の学習をすること 30人 読書をすること 40人
作文を書くこと 31人 自分の考えや感想を書くこと 40人 2読書に関する実態
①読書をすることがすき 56人 あまり好きではない 7人
②どんな種類の本が好きですか。
物語 46人 絵本 27人 図鑑 19人 言葉や詩の本 9人 3単元に関する実態
本単元の学習の前に,教科書の巻末に紹介されている湊秋作氏の説明文「森のスケーターやま ね」を使って調査を行った。
①「森のスケーターやまね」でわかったことは何か。
・「やまね」という生き物がいること ・数百万年前から生きているということ ・「やまね」の体の大きさや仕組み・由来・生活ぶり ・どのように生きているのか
②どういうことを思ったか。
・①で書いたことへの「やまね」という生き物のすごさを感じた。 47名 ・湊さんは「やまね」のことをよく知っているなあ。 1名 ・やまねを見たい。声を聞いてみたい 12名 ・日本には,やまねが住む森が尐なくなってきているんだなあ。 4名 ・ずっと生きていてほしい 1名 ・やまねが死なないように森を増やそう。自然を守ろう。 7名
③問題文に線を引き,その文を書きましょう。
・問題文が書けた子 54名 ・問題文が書けなかった子 16名
④その答えがわかる段落の「キーワード」は,どの言葉ですか。
・見つけられた子 21名 ・見つけられなかった子 49名
⑤湊 秋作さんは,みんなにどういうことを伝えたいのでしょう。
・筆者の願いがつかめた子 22名 ・筆者の願いがわからなかった子 48名
「やまね」という生き物を初めて知った児童は,興味をもって読んでいた。個々に,わかったこ と,思ったことは書ける。しかし,問いかけの文(問題文),それを解決する答えの文,さらには
「筆者の願い」がどの言葉からわかるかを見つけられた児童は尐数である。「めだか」では,
文章の姿をとらえ,段落相互の関係やそれぞれのキーワードとなる言葉・接続語の意味を読み取 らせていきたい。その中で筆者が伝えたいことも的確に読み取らせたい。さらに,一人一人が,
生き物について調べてみたいことを学校図書館や白井図書館の本の中から見つけ,「生き物図鑑」
にしてそれをクラスの友だちに伝え合うことで情報が広がっていくことを経験させていきたい。
生き物図かんを作って,生き物のひみつを知らせよう。
5 単元観・指導観
○教材について
本教材は,論理的思考力を養う教材である。『めだかは,身を守るためにどんな方法(術)をとるか』
という課題について,叙述の細部,文章構成,文章全体の要旨などを丁寧に抑えていくことがねらいの 重点である。めだかの身を守る方法や体の仕組みなどの話題にそって読み進め,段落や構成などにも理 解を深めながら読み取っていく。この「めだか」をめぐる二つの話題,めだかがたくさんの敵からどの ように身を守っているか,また,自然の厳しさに耐えられるようにめだかの体に備わっている特別な仕 組みについて正確に読み取るためには,文末に注意して要旨や要点をとらえること,そして,段落と段 落との接続関係を明確にしている語句や,接続詞,指示語などにしっかり目を向けていくことが重要で ある。
この「めだか」についての教材の中で出会った課題を図書資料を用いて読み解きながら,これらの課 題をもとに,他の生き物たちの身の守り方や体の仕組みについて調べていく。また,「めだか」の文章 構成を理解した上で,この文章をもとにして順序を考えて文章を書くことができるようにしたいと考え る。
○学校図書館活用との関連
学習のめあてを明確にするため,一人一人「生き物図鑑」を作ろうと子どもたちに働きかける見通し を持たせることで,意欲を持って,①調べる活動②学校図書館の利用指導③書く活動を行っていきたい。
そして,自分が作り上げた「生き物図鑑」について発表したり,子どもたち同士で読み合う活動を取り 入れたりする中で,互いに生き物についての情報交換もできると考える。
調べる活動において本を見つけることが重要である。そこで,学校図書館を利用することで,より学 習の充実を図れると考える。「めだか」について学習しながら,他の生き物について自分で調べていく という活動を通して,「もっと,調べたい。」「知りたい」という意欲喚起につなげていきたい。そのた めには,調べ学習の中で,わかったことや気づいたことを順序に沿って読み取ることができるよう,働 きかけることで,子どもたちは書かれている内容の大体を読み取り,大切な言葉や文に気付いていくだ ろう。そして,調べたことを一冊の図鑑にまとめ,自分の図鑑として発表し合ったり,学年の掲示板に 置いたりすることで,調べ学習の充実感が得られ,読書活動のさらなる意欲へとつながっていくと考え る。
○指導法の工夫
図鑑作りに意欲的に取り組むためには,「めだか」の中の2つの観点「身の守り方」「体の仕組み」と いう言葉を子どもたちに十分に理解できるように,自分たちで調べたことを入れながら,本文を2つの 観点に即して読んでいく取り組みを通して,それぞれの言葉の理解を図ることが大切であると考える。
その上で,2つの観点について子どもたちが順を追って確かめながら書けるよう,2色のポストイット を使い,1色は問題文を,もう1色は答えの文にして学習ノートを工夫していきたい。
これらの手だてや言葉の理解を図りながら,子どもたちが生き物について関心を持ち,充実した図鑑 作りができるよう働きかけていきたいと考える。
○言語活動の日常化
体の小さなめだかでさえ,驚くような秘密があった。「生き物図鑑」を作った後にも,生物が生き延 びるためにどんな秘密をもっているのか,子どもたちの知りたい,調べたいという気持ちを大切にしな がら,調べたい物を決め,身の守り方,体のしくみについて調べさせていきたい。秘密を伝え合うこと で,生き物への関心が生まれ,生きていくことの大切さ・愛おしさが子どもたち一人一人に生まれ,育 っていくことを期待したい。さらに,読書によって豊かな心を育み,本校の研究のテーマである「ひと りで楽しんで読む子」になっていってほしいと願う。
6 仮説との関わり
仮説1 読書を取り入れた単元構成の工夫
「めだか」の学習をしながら,自分が調べたい生き物について,図鑑や参考図書を活用し,
必要な事柄を収集したり,選択したりする。
仮説2 言葉に関わって読む工夫
めだかの身の守り方や体の仕組みについて大事な言葉や文,接続詞や段落のつながりに着目 し,自分の言葉で表現する。
仮説3 音読を効果的に取り入れる工夫
問題文,答えの文,まとめの部分がわかるように軽重や速さを,抑揚に気をつけて音読する。
7〈指導計画〉(9時間扱い)
過程 学習活動 支援(○)と評価(◎)
み と お す
(2)
・題名「めだか」に着目し,全文を読む。
・読んで初めて知ったこと,もっと知りたい こと・疑問に思ったことを書く。
・段落に沿って感想を発表し,全文を見通し た文章の姿を知り,学習の見通しを持つ。
○3色の短冊を用意し,どの子も書けるように する。
◎「めだか」に興味を持ち,意欲的に感想を書 こうとする。
○どの段落についての感想なのか明確にわかる よう表示を工夫する。
◎感想と疑問点をはっきりさせ,学習の見通し を持つことができたか。
文 章 の 姿
めだ か
杉 浦
宏 め だか は お ゆ ぎし て い るよ う に 見え る めだかは,どのようにして身を守っているのでしょうか。
身の守り方 4つのじゅつ 体の仕組み
自然のきびしさにたえるとくべつ な仕組み
第 一 に
水 面近 く で 第 二 に
す いっ
, す いっ と す ば やく 第 三 に
そ こに も ぐ って 水 を にご ら せ る 第 四 に
何 十 ぴ き も 集 ま っ て あつ ま っ て
・ 体 が 小さ い
・ 四 十 度近 く ま では
,
た え られ る 体
・ 海 水 にも た え られ る 体
めだかは,いろいろな方法でてきから身を守り,自然のきび しさにたえながら生きている。
ふ か め る
(4)
ま と め る
(3)
・他の生き物についても身の守り方や体の仕 組みについて調べることを知る。
・「生き物図鑑」を作ることを伝え,読解と 説明文を書く目的意識を明確にする。
・めだかの身の守り方について,教科書や参 考図書から読み取ったことを話し合う。
・めだかが身を守るその術をいろいろな方法 で読み取ったことを友だちに伝える。また,
それを生き物図鑑に書く。
絵・紙芝居・表・劇・ペープサート・
一人語り
3組 本時(3/4)
・めだかの体の仕組みについて,教科書や参 考図書から読み取ったことを話し合い,生 き物図鑑を書く。
・自分が調べたい生き物の秘密を「生き物図 鑑」として仕上げる。
4組 本時(3/4)
・書いたものを友だちとお互いに読み合った
り,発表したりする。
○関連の図書を紹介し,調べ学習への意欲化を 図る。
○ブックリストを渡し,図書館利用への意欲を 高める。
○めだかの身の守り方について,「第一に」「第 二に」「第三に」「第四に」という言葉に着目 して順を追って読み取ることができるように する。
○教科書,参考図書を参考に,自分の言葉でそ の術を伝えるように書くことを伝える。
◎身を守る術を自分の言葉で説明することがで きたか。
◎身を守る術を生き物図鑑に書くことができた か。
○めだかの体の仕組みについて接続詞に着目し ながら,読み取ることができるようにする。
◎めだかの体の仕組みについて接続詞に着目し ながら読み取り,生き物図鑑を書くことがで きたか。
○めだかの学習と並行して調べてきた生き物の 秘密をどんな順序で書いたらよいか考えさせ る。
○図鑑の最後に,「あとがき」を書く欄を設け,
自分がどのような思いで作ったか振り返るこ とができるようにする。
◎自分が調べたい生き物の秘密を段落のつなが りを考えながら図鑑にまとめることができた か。
○友だちに調べたことが伝わる話し方を心がけ させる。
◎友だちに生き物の秘密を伝えることができた か。
◎友だちのよいところを見つけ,生き物の秘密 の情報を得ることができたか。
8 本時の学習 (5/9) 指導者 増田 清美
(1)育てたい力
「めだか」の教材文を通して,自分が調べたい生き物についての本や文章を選ぶことができるよう にする。また,目的に応じていろいろな分野の本を読み,文章を引用したり,要約したりしながら 生き物図鑑を作ることができる。
(2)本時の指導
○めだかが身を守る4つの術を自分の言葉で表現しようとする。 〈関心・意欲・態度〉
○めだかが身を守る4つの術を読み取ることができる。 〈読むこと〉
○指示語や接続語を的確におさえることができる。〈伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〉
(3)展開
時配 学習活動と内容 支援(○)と評価(◎)
2
20
3 17
3
1 本時の学習課題を確認する。
・文章の姿を振り返る。
2 「4つの術」を中心に読み取ったことを 発表する。
・絵での発表 ・紙芝居での発表 ・ペープサートでの発表 ・劇での発表 ・表での発表 ・一人での発表
3 友だちの発表の感想を発表し合う。
4 めだかの身の守り方の生き物図鑑を作 る。
5 生き物図鑑を発表しよう。
○前時,めだかの身の守り方の4つの術を教科書 や参考図書から一人一人が読み取ったことを発 表することを確認する。
○読み取ったことをそれぞれ自分の言葉で表現す ればよいことを伝える。
◎めだかの身の守り方について,「第一に」「第二 に」「第三に」「第四に」という言葉に着目して 順を追って読み取ることができたか。
◎教科書だけでなく,参考図書からも引用した言 葉や文を使って,自分の言葉でめだかの身の守 り方の術を伝えることができたか。
○初めて知った情報を中心に発表させる。
○他のクラスの友だちにめだかの生き物図鑑を見 せて教えてあげるという目的意識を持たせる。
○書き出しがわからない子には,例文を知らせる。
◎めだかの身の守り方の生き物図鑑を作ることが できたか。
◎友だちの書きぶりのよいところを見つけること ができたか。
めだかが身を守る「4つのじゅつ」を友だちに知らせよう。
(4)板書計画
め だ か
杉 浦 宏
め だ か が 身 を 守 る 四 つ の じ ゅ つ を 友 だ ち に 知 ら せ よ う
。
第 一 に 小川 や 池 の水 面 近 くで 第
二 に すい っ
, すい っ と すば や く 第
三 に 水を に ご らせ 第
四 に 何十 ぴ き も集 ま っ て
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