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氏 名 高久た か くEA AE裕子ゆ う こE 学 位 の 種 類 博士 (医学) 学 位 記 番 号 甲第 450号

学 位 授 与 年 月 日 平成 26年 3月 19日

学 位 授 与 の 要 件 自治医科大学学位規定第4条第2項該当

学 位 論 文 名 細胞シート移植後の動態評価 Bioluminescenceによる経時的評価に関す る研究

論 文 審 査 委 員 (委員長) 教 授 坂 本 敦 司

(委 員) 准教授 関 矢 仁 准教授 小 幡 博 人

論文内容の要旨

1 研究目的

近年,32℃を境に疎水性から親水性に変容する温度応答性高分子ポリマーを底辺に加工し た温度応答性培養皿の開発により, 培養細胞の回収時にトリプシンなどの酵素処理を必要と せず,細胞外基質を残したまま細胞をシート状に回収することができるようになった. こう して回収された細胞シートは,長期生体適合性等の問題を有する足場を必要とせず,組織工 学的な細胞組織の作製を可能にした.現在,細胞シートは角膜細胞,食道粘膜細胞,皮膚細 胞,歯根細胞,心筋細胞および軟骨細胞等に臨床応用されている.

軟骨組織再生について,細胞シートによる変形性膝関節症の治療を目指した臨床研究がお こなわれている.家兎およびミニブタを用いた動物実験において,軟骨部分欠損,全層欠損 モデルの両者において同種細胞シート移植後の軟骨再生効果が実証されている.滑膜細胞は 膝関節面を裏打ちし,滑膜液を分泌して軟骨細胞を栄養している.この環境に類似させた軟 骨細胞シート開発のために共同研究者は軟骨細胞と滑膜細胞の併用した移植グラフトの構築 を発案している.この滑膜細胞を併用した軟骨細胞シートは,日本白色家兎を使用した骨軟 骨欠損モデルへの移植実験において,軟骨細胞シート,滑膜細胞シートの単独移植に比べて より優れた軟骨組織の再生効果を認めたことが報告されている.しかし,現在のところ細胞 シートの移植後関節内生存期間や,移植細胞の動態については明らかになっていない.

近年,Bioluminescence Imaging (BLI法) が移植細胞のin vivo追跡に頻用されるように なった.ホタルの発光遺伝子Luciferase (luc ) は,発光基質ルシフェリンの添加によって 反応エネルギーを生体発光として放出する.これを高感度 CCD カメラで捕捉,イメージ化す ることで実験動物を生きた状態のまま移植細胞を長期追跡することが可能となった.この Luciferase遺伝子を導入したトランスジェニックラット(Rosa/Luciferase transgenic Lewis rat ;Tg Rat)が開発され,移植細胞追跡の有用なソースとして用いられている.

今回我々はこの Tg Rat から Luciferase 発現軟骨細胞シートを作製し,In Vivo Imaging System (IVIS) 画像を用いて,①ラット間同種移植後の細胞シート膝関節内生存期間を測定 すること,②移植細胞の他臓器への移動の有無を確認すること,および③軟骨細胞シートと 滑膜細胞シートの併用が生存期間においてどのような効果を与えるかを検討することを目的

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とした.

2 研究方法

1)ラット膝関節骨全層欠損モデルの作製とBLI法を用いた細胞シートの移植

16 週 齢の Rosa/Luciferase transgenic Lewis rats 由 来 の軟 骨 組織 及 び滑 膜 組織 よ り Luciferase発現細胞シートを作製した後,32匹の16週齢の野生型Lewisラットの右膝大腿 骨膝蓋面に 18G 針を用いて骨軟骨欠損を自然修復しない大きさに作製(直径; 3 mm)し,同 部位に Luciferase発現細胞シートを同種移植した.Luciferin 150 mg/kg を皮下投与後,CCD カメラを搭載したIn vivo Imaging systems (IVIS, Xenogen Corp; Hopkinton, MA, USA) を

用いてLuciferase活性を経時的にイメージ化することにより細胞シートの膝関節内生存時間

を測定した.また移植細胞の遊走の有無を同様に確認した.

2)軟骨細胞シートと滑膜細胞シートの移植後生存期間に関する併用効果の検討

レシピエントラットとして,軟骨細胞シート単独移植群,滑膜細胞シート単独移植群,軟骨 細胞・滑膜細胞シート併用移植群の 3 群を作製した( 各群 n = 12 ).各細胞シートを移植 直後からIVISによるイメージングを経時的に行って,各群の移植細胞の生存期間を比較検討 した.同様に移植細胞の遊走の有無を確認した.

3 研究成果

1)移植細胞は長期間生存した

移植後21カ月以上の関節内滞在を全ての個体においてBLIによって経時的に確認するこ とができた.これ以降は寿命と思われるラットの死亡が相次いだため計測を中止した.

2)細胞シートは移植部位に留まった

細胞シートは移植した膝関節内にとどまり,肺や肝臓等の他の組織に移動しないことを BLI法によって視覚的に確認することができた.

3)軟骨細胞シートと滑膜細胞シートの併用は各単独シート移植と比べて生存期間に差がなか った

3群とも移植部に限局した移植細のイメージングを21か月以上途切れることなく確認した.

軟骨細胞と滑膜細胞の併用シート群が他の単独シート群よりも長期に生存すると仮説をたて ていたが,移植細胞の生存期間は 3 群とも長期の生存を確認したため,軟骨細胞シートと滑 膜細胞シート併用による生存期間に関する効果は本研究では不明であった.

4 考察

BLI法を利用して細胞シートの移植後,同一個体のin vivoでの経時的な細胞追跡に成功し た.細胞シート由来細胞が予想以上の長期生存することを実証する結果を得た.細胞シート による軟骨再生効果は細胞シートによる関節液中の破壊因子からの防御,成長因子の持続供 給により,自身の軟骨再生が促されると考えていた.そのため移植細胞は短期間で消失する と考えていたが,このような長期間に亘って発光が視察されたことは,移植細胞自身の生着 による軟骨再生の可能性を示唆するものと考えられた.軟骨移植では,分化した軟骨細胞は

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周囲と癒合しにくいことがしられている.おそらくは膝移植部で移植軟骨細胞と移植滑膜細 胞はなんらかの脱分化した形態で存在していると示唆された.またLusiferase発現細胞由来 の発光は移植後より膝関節に留まり,他への遊走を認めなかったことは細胞シートの安全性 を示すものと考えられる.今後の展望は,移植後の経時的な組織標本において,移植細胞の 同定を行って移植細胞の形態をより詳細に解析する必要がある.

5 結論

BLIの手法を用いて,ラット膝関節における大腿骨軟骨全層欠損モデルに対する細胞シート の同種膝関節移植後に移植細胞シート細胞が長期生存することを確認した.本研究期間にお いて移植細胞は追跡中に膝関節から他臓器の移動を認めなかったことから細胞シート移植後 の安全性を確認した.

論文審査の結果の要旨

提出論文は、Luciferase 発現遺伝子を導入したラットから作成した関節軟骨および滑膜細 胞シートを作成し、変形性膝関節症を意識して作成した関節軟骨全層欠損モデルの損傷部(直

径3mm)に対して同種移植(細胞シートの挿入)を行い、その後、経静脈的にLuciferinを投

与して Luciferase-Luciferin 反応発光をラット体外から経時的に高感度 CCD カメラで捕 捉・画像化(In Vivo Imaging System; IVIS)し、(1)同種移植後細胞シートの膝関節内生存期 間の測定と共に、(2)移植細胞の膝関節以外の臓器等への迷入の有無を検討し、更に、(3)軟 骨細胞シート(AC)、滑膜細胞シート(SY)および両者の併用(AC-SY)が移植細胞の生存期間に与 える効果について検討したものである。

その結果、(1) IVISでの発光を21か月に亘って認め、本研究での移植細胞(シート)の 膝関節内生存期間は極めて長期間であることを明らかとし、一方、(2) 移植側の膝関節以外 には発光を認めず、移植細胞(シート)は遠隔の肺や肝臓等には迷入しないことを確認した。

これは、将来的な治療基材としての細胞シートの可能性と安全性を示唆するものと考えられ た。また、軟骨細胞シートと滑膜細胞シート(AC-SY)併用群だけでなくAC単独およびSY単独 群でも長期発光を認めたため、本研究では細胞シートの組み合わせによる移植細胞生存期間 への効果は不明であったが、SY 単独群では線維化を強く認めており、治癒機転に対しては効 果の違いがある可能性が否定できないとされた。この点については組織標本において移植細 胞の同定を行いつつ更なる形態的検討が必要と考えられる。

本学位論文の新規性は Bio-Luminescence Imaging(BLI)を用いて、移植細胞(シート)

の関節内生存が極めて長く、また、移植側関節以外の遠隔には迷走しないことを見出した点 に集約される。家兎等での実験から移植細胞自体は比較的早期に脱落・消失するものと一般 的に考えられていた状況下では、本論文の提示した結果は当該分野の研究者にとって共有さ れるべき新知見であり、シートの細胞が移植部で脱分化している可能性を示唆する結果であ ることも考え合わせて、過小評価されるべきものではないと本審査委員会は判定した。また、

本論文の実験群で提供され使用した細胞シートは先端的資材であり、膝関節症に対する治療

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基材の開発・臨床応用への将来展開が期待される。加えて、本論文の実験系は初めて遺伝子 導入したラットを用いた実験系であることから、今後の免疫学組織学的検討等による研究進 展においても実験動物がラットであることが極めて有利に作用すると考えられる。本審査会 はこれらの点も評価した。また、本学位論文中の研究内容はBiomaterial誌に2013年11月 22日付けで受理( Yuko Takaku, et al. : In vivo cell tracking by bioluminescence imaging after transplantation of bioengineered cell sheets to the knee joint. Biomaterials 35, 2199-2206, 2014)されており、臨床整形外科誌にも内容の一部が掲載されている( 高久裕子 他. ラット膝関節内へ移植した細胞シートの Bioluminescence による経時的評価. 臨床整外 47: 27-31, 2012)。

以上より、本提出論文は自治医科大学の博士論文として合格の基準を満たしているものと 本審査委員会は判定した。

最終試験の結果の要旨

平成26年2月5日午後7時から開催された最終試験(学位論文の提出等と研究発表)に先 行して 2 回の予備審査を実施している。それらの予備審査会において、発表における論理構 成の明晰化、追加データ提示や追加実験等の指摘を本審査委員会は行ってきた。最終試験に おいては、それらの指摘に対しても準備された研究結果の口演が行われた。

必ずしも綺麗な陽性所見が得られなかった場合が少なくなく、実験に苦労したものと推定 され、多くは手持ちデータ化したものの審査委員会の指摘への対応に努めており、学位取得 に対する熱意が感じられた。

研究方法等についても、細部については更に知識や技能の習得が求められるものの、今後 の研究遂行に必要なレベルにおおよそは達しているものと推定された。

また、本研究の内容は申請者を筆頭著者として英文誌に投稿・受理されており、また、和 文誌にも掲載済みである。

以上より、本審査委員会は高久裕子 氏の学位申請を合格と判定したが、その際に提出され た学位論文(論文要旨および本編)については、用語や略号の適切な使用、読者にも分かり 易い説明的記述の追加や時制の使用方法、統計的方法の使用における蓋然性等を考慮し、申 請者に対し修正点を具体的に指摘した上で改訂版の再提出を求めることとした。

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