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修士論文 地域社会における国際交流活動の現状と課題

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Academic year: 2025

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修士論文

地域社会における国際交流活動の現状と課題

――地方都市における国際交流活動の開放性をめぐって――

2018年度入学

九州大学大学院 人間環境学府 人間共生システム専攻 共生社会学コース 2HE18106P

喜多 秀一郎 2020年1月提出

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要旨 1 研究の背景と目的

1990年の入管法改正以降、いわゆる「不法就労」として中小・零細企業では観光ビザの 期間を超えて就労を行う出稼ぎ外国人が急増していた。このことについて小井土彰宏 (2019)は、外国人労働者の観点からすると、一般労働を目的に入国する正規のゲートを閉じ てしまったため、政策策定者の意図を超えて新たに労働市場の一部を構成したと述べてい る。

同時期に都市社会学においては、東京・名古屋・大阪などの大都市圏のエスニシティの 研究がなされてきた。移民コミュニティが大都市圏においては成熟しており、ニューカマー がそうしたネットワークを巧みに利用し、ホスト社会である日本の生活に馴染もうとして いることが語られた。だが、内藤正典は、地域住民同士の軋轢が生まれることはないものの、

外の社会と接点を持つことなく、コミュニティが孤立してしまうことが問題であると述べ ている(内藤 2019)。

本研究では、そうしたコミュニティの分化を防ぐためにも、地域住民による国際交流活 動を取り上げる。そして、地域での交流活動を行う中で生まれた関係を聞き取り、担い手と なる地域住民が外国人と国際交流活動を行う上で、どのような現状・課題があるのかを明ら かにしたい。そして、外国人住民が日本社会でもたらされる情緒的不安やニーズを地域住民 が支援した、あるいは、支援まで至らなかったことについて彼らの語りから議論を展開する。

2 先行研究

日本社会において、外国人住民を取り上げた研究を大きく2つに区分してこれまでどの ように議論が展開されたかを整理する。

2010年以降、外国人登録者の国籍別の内訳が変容したのを契機に、入管法の改正や技能 実習制度などの制度の見直しが図られた。それは、地方自治体にも影響が及んだ。1990年 代から2000年代までは、外国人住民のとりわけ東京・大阪などの大都市圏を中心とする外 国人住民によって形成されたコミュニティが、都市社会学の研究の対象として大半を占め ていた。近年は、地方都市における、地域住民と外国人のエスニックコミュニティづくりと しての「教会」や「日本語教室」に集う外国人についての研究がなされてきた。

地域住民のボランティアなどの第三セクターはこれからさらにニーズが増えることが考 えられる。福祉的な面から彼らが日本社会で生活を営んでいくための基盤作りを構築する 日本語教室を通して地域住民は、外国人住民にどのような手法で支援しており、支援の際に どのような課題があると認識しているのか。実際に支援をする側の課題を析出することも

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必要ではなかろうか。それが知見として得られ、議論されることによって、地域社会を形成 していく上での課題が見えてくるはずである。

3 調査

調査では、高取校区国際交流推進委員会の住民ボランティア3名に半構造化面接法を用 いた聞き取り調査を行った。現状と課題を聞き取り、さらに彼らにとってどのように活動が 展開されていくことが望ましいのか、今後の展望についても聞き取った。

4 分析結果

調査結果から次のことが明らかとなった。生活保護やオーバーステイなどの専門性を伴 うニーズには答えられないという限界を認めつつも、5.2で示した地域住民による外国人住 民とのインフォーマルな関係が築かれていた。また、「開放的」な活動のあり方が正の要因 にも負の要因にもなりうることが明らかとなった。

正の要因としては、ボランティアや学習者にとって「無理してこなくてもいい」という自 分自身のペースで参加することを促すことである。また、ボランティアと学習者の「ほどよ い距離感」の維持にもつながっており、過度の信頼関係の構築によるトラブルの発生の防止 という対策として機能していた。B氏の語りから得られた、「押し付けがましくない程度の 見守り」というのは、小林良二(2013)の高齢者を対象とした、地域の見守りネットワーク の「緩やかな見守り」の概念と類似する。今回取り上げた調査対象先はそれを踏まえると、

プライバシーに適切な注意を払っていることが当てはまる。

負の要因としては、担い手不足の問題として、「地域行事の役割決めなどの決定がうまく なされない」ことが挙げられた。また、外国人住民のセンシティブな相談に立ち入れないこ とがボランティアの語りからも明らかになった。

だが、「開放性」を持たせることが活動としての限界があるものの、インフォーマルな支 援からフォーマルな支援への接続が課題としてあることが本研究から明らかになった。

今後の研究の展望として「開放的」である活動のあり方が、福祉的なインフォーマルな支 援の担い手となりうるのか議論がなされるべきである。

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目次

1 本研究の背景と目的

2 先行研究

2.1 都市社会学におけるエスニシティ研究

2.2 日本語教室における研究

2.3 国際化の概念モデル

3 日本社会における多文化共生施策の展開

3.1 近年の在留外国人に関する動向

3.2 「多文化共生推進プラン」

3.3 地域住民の国際交流の必要性

4 調査概要

4.1 調査対象地域の概略

4.2 調査概要

4.3 高取校区国際交流推進委員会について

4.4 分析方法

5 地域住民による外国人住民との関わり

5.1 調査対象者の概略

5.1.1 A氏の概略 5.1.2 B氏の概略 5.1.3 C氏の概略

5.2 国際交流活動の現況

5.2.1 外国人の学習の場としての側面

5.2.2 地域住民の接触の場としての側面

5.3 「来る者拒まず、去る者追わず」という解放性

5.4 日本語・日本文化を共に学びなおすこと

5.5 高齢ボランティアにとっての生きがい

5.6 小括

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6 程よい距離感であることのメリット/デメリット

6.1 程よい距離感であることのメリット

6.2 程よい距離感であることのデメリット

7 結論

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Referensi

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